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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目B 2026年度 院試 解答例・解説

東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目B 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全18問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 整行列の部分環と格子加群

行列単位で分解する

この環は e21e_{21} そのものを含まないが,ne21ne_{21} を含む。したがって上下二つの格子の間に 「片方は通常の写像,反対向きは nn 倍を含む写像」が走る,という格子問題へ落ちる。

有限性の本質

連続的なパラメータは出ない。間に入る格子は商 Zm/nZm\mathbb Z^m/n\mathbb Z^m の部分群で決まり,これは有限集合である。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — Kummer拡大と四元数群

もう一方の4乗根は u/au/a

1+v1+v1v1-v の積は X2=u4X^2=u^4 である。したがって a4=1+va^4=1+v と置いたとき,もう一方の4乗根は u/au/a であり,ここで X\sqrt X が必ず現れる。

最大アーベル部分拡大は交換子群で読む

L/KL/K の群は位数16で,交換子群は σ2\langle\sigma^2\rangle である。従って固定体に a2a^2 まで入る点を落とすと,最大アーベル拡大を一段小さく見誤る。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 上三角群と双対数環上の持ち上げ

双対数環の核

Fp[X]/(X2)\mathbb F_p[X]/(X^2) への持ち上げでは,核 1+XM21+XM_2 が加法群 M2M_2 と同じように振る舞う。最大アーベル部分群は,像をスカラーにして核を丸ごと使うのが最も大きい。

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4 — 単項イデアルの局所飽和

RR では関係式 ab=c3ab=c^3 を使う

RJR_J では bb が単元になるため,aac3c^3 は同じ生成能力を持つ。これを見落とすと,σR(J3)\sigma_R(J^3) に必要な aa3c23c^2 が抜ける。

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5 — 球面直積上の内積関数

固定した片方を見る

一方の球面上の点 uu を固定すると,もう一方は uu との内積を指定された単位ベクトル全体になる。これは直交補空間内の球面である。

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6 — 二つの球面を二点で貼った空間

写像トーラスはWang列

貼り合わせ空間のホモロジーを先に求め,その後に f1f_*-1 の核と余核を見る。特に H1H_1 の符号反転が Z/2\mathbb Z/2 を生む点を落とさない。

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7 — 四点を除いた球面上の閉1形式

周期で判定する

閉1形式の等式は,完全形式を除けば穿孔の周りの周期で判定できる。どの二点を同じ開球面に残すかで許される周期ベクトルの形が決まる。

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8 — コンパクト距離空間の非拡大全射

最大点を1回写すだけでは足りない

最大点 xx に対して E(fx)E(x)E(fx)\le E(x) は言えるが,fxfx が最大点とは限らない。反復列を取り,距離和の極限点で等号を作るのが抜けを防ぐ方法である。

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9 — 測度の有限性とタイト性

核関数は近似単位として使う

p0p\downarrow0 で1に近づき,無限遠では小さい関数を積分している。これは測度の総質量と遠方への逃げを同時に検出するための標準的な道具である。

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10 — 曲線上のCauchy型積分

境界値の跳びを見る

Cauchy積分の解析接続可能性は,曲線を挟む二つの正則枝の境界値が一致するかで決まる。非零密度は跳びを作るため,線分を消せない特異集合にする。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

11 — 実Hilbert空間の弱混合的等長作用素

稠密部分空間から全体へ

作用素が等長なら近似誤差が増えない。このため,稠密集合上の弱収束条件は全空間へ延長できる。

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12 — Bessel型核の畳み込み

フーリエ変換で半群性を見る

畳み込みを直接積分で処理すると重い。Bessel核はフーリエ側で (1+ξ2)α/2(1+|\xi|^2)^{-\alpha/2} になるため,畳み込み公式は指数の加法に帰着する。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

13 — 一様分布と指数分布の最大値

尾部定数がシフトを決める

最大値の極限で重要なのは尾確率の先頭定数である。X+YX+Y の尾は (e1)et(e-1)e^{-t} なので,指数分布最大値に log(e1)\log(e-1) だけ平行移動が入る。

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14 — 正規線形模型の推定量

重み付き正規模型として見る

各観測の分散は si2σ2s_i^2\sigma^2,平均は xiθx_i\theta である。したがって情報量は xi2/si2\sum x_i^2/s_i^2 になり,単純な標本平均ではなく重み付き平均が最尤推定量になる。

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15 — 差分方程式の最大原理と安定性

符号は負の最小点で見る

この差分作用素では,右辺が非負なら内部の負の最小値が禁止される。安定性は Lhg1L_hg\simeq1 となる正の障壁関数を作り,最大原理で挟む。

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16 — 中心力場の保存量とKepler軌道

有効ポテンシャルへ落とす

角運動量保存で角速度を消去すると,動径方向の1次元運動になる。Kepler軌道は 1/r1/r を未知関数にした Binet 方程式が最短である。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

17 — 反復積分で定まる多重対数関数

Legendreではなく多重対数

反復積分の中身は log(1z)-\log(1-z) から始まるため,LnL_nLin+1\operatorname{Li}_{n+1} である。級数表示に直すと,偶奇分解も Bose 型積分も一行で処理できる。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

18 — 同値関係だけの一階理論

完全性を同型一意性から出す

この理論では有限サイズの同値類が全て一つずつ固定され,残りは無限類だけである。可算リッチにすると余った自由度も消えるため,Vaught判定に近い形で完全性が従う。

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