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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目B 2006年度 院試 解答例・解説

東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目B 2006年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全1問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

1 — 分解体と中間体

定数体の拡大を忘れない

R\mathbb R 上では n3n\ge 3 の根をすべて含めるために C\mathbb C が必要になる。そのため次数は nn ではなく 2n2n になる。

中間体は部分群で数える

次数 44 の中間体は「固定部分群の位数が 22」と言い換えると漏れがない。 Galois 性は対応する部分群の正規性で判定するのが最短である。

[一変数多項式環の部分環]

最小次数の元を選ぶ理由

一変数では,モニックな ff が一つあれば K[X]K[X]K[f]K[f] 上有限加群になる。 この有限性を Noether 性と合わせるのが標準的な解法である。

環生成への戻し方

いったん加群として有限生成を示す。加群生成元と ff を環の生成元に加えれば, 部分環 RR の全元を作れる。

[曲面の接平面と直線]

接平面への代入

接平面と曲面の交わりは,平面内の曲線として因数分解する。すでに LL が 含まれるので,必ず y=0y=0 が一因子として現れる。

直線の条件

直線をパラメータ表示して tt の恒等式にする。三次係数から方向の zz 成分が消え,残りは a4=1a^4=1 という条件にまとまる。

[二面体群の三次斉次表現]

三角形の対称群として見る

回転と反射が満たす関係は A3=B2=1, BAB=A1A^3=B^2=1,\ BAB=A^{-1} である。 これで群の型が D3D_3 と決まる。

調和多項式と半径因子

Sym3V\operatorname{Sym}^3 V は,三次調和多項式二次元分と (x2+y2)V(x^2+y^2)V に分かれる。三次調和部分は D3D_3 では一次元二つに分解する。

[トーラス上のシンプレクティックベクトル場]

正確形式かどうかを見る

dydy は閉形式だが,トーラス上では正確ではない。閉曲線上の積分が 消えないことを示せば十分である。

保存条件は発散ゼロ

平面上の面積形式と同じく,ω=dxdy\omega=dx\wedge dy を保つ条件は 二次元の発散 ax+bya_x+b_y がゼロであることに等しい。

[球面上の円の空間]

平面で円を表す

球面上の円は,原点からの符号付き距離が cc の平面との交わりである。 符号を同時に反転しても同じ平面なので,射影空間が自然に現れる。

向き付け

RPn\mathbb RP^nnn が奇数なら向き付け可能である。 本問では RP3\mathbb RP^3 の開集合として MM を見る。

[三次元部分多様体と積分]

位相条件を角度で解く

Im(z1z2z3)=0\operatorname{Im}(z_1z_2z_3)=0Re(z1z2z3)0\operatorname{Re}(z_1z_2z_3)\ge0 は,三つの偏角の和を 00 にする条件として扱える。

半径条件

制約式から全体の半径は 2+s22+s^2 に簡約される。積分範囲が ss の上限だけで決まる点が計算の要である。

[境界曲面のホモロジー]

球面の穴を数える

大きな球面上で見ると,二つの円柱条件は四つの小円板を取り除く条件になる。 境界全体は四つ穴球面を二枚貼り合わせたもの,つまり種数 33 の曲面である。

回転の作用

穴の境界成分は四周期で入れ替わる。ただし境界成分の和はゼロなので, 三次元分の特性多項式は t41t^4-1 から t1t-1 を除いたものになる。

[除去可能特異点]

面積評価の使い道

円周積分だけでなく,半径方向にも平均することで Laurent 係数を面積積分で 押さえられる。

導関数を見る

関数自身では対数的な発散を見落とすことがある。導関数の可積分性は 主部の全項を排除するのに十分である。

[Monge--Ampere 型方程式]

一変数に落ちる

uux2y2x^2-y^2 だけの関数なので,偏微分方程式は tt の常微分方程式に なる。行列式の交差項が消えるのが計算の確認点である。

原点での正則性

積分定数 CC が残ると ff't=0t=0 で特異になる。全平面で C2C^2 という 条件が,余分な解を排除する。

[L2 上の平行移動和]

まず L2L^2 収束

係数が可 summable で,平行移動が等長であることから,Minkowski の不等式で すぐに L2L^2 収束が出る。

下限は乗数の最小値

Fourier 側で掛け算になる作用素では,ノルム評価は乗数の大きさを見る問題に 変わる。

[Fourier 変換と割り算]

分母を畳み込みで処理する

(ξ+i)1(\xi+i)^{-1}L1L^1 関数の Fourier 変換として実現できる。 これにより,周波数側の割り算を実空間側の畳み込みへ移せる。

代数恒等式

本質は ξ2+1ξ+i+i=ξ \frac{\xi^2+1}{\xi+i}+i=\xi である。この恒等式を見つければ,存在証明は L1L^1 の閉性で終わる。

[非線形方程式の線形化]

指数 2-2 が決め手

f=F(ϕ)f=F(\phi) と置いたとき,(ϕ)2(\phi')^2 の係数を消す条件から F(ϕ)=Cϕ2F(\phi)=C\phi^{-2} が出る。

特異点の判定

log((z1)/z)\log((z-1)/z)(1,)(1,\infty)-\infty から 00 まで動く。 一次式 1+BL1+BL がこの区間で消えない条件は B0B\le0 である。

[感染型連立方程式]

不変領域

非負性は,境界でベクトル場が外へ出ないことから確認する。感染モデルでは この確認を省くと後の積分評価が正当化できない。

最終サイズ式

(x+y)=γy(x+y)'=-\gamma y は,感染者総量を xx の減少量に結びつける保存則である。

[可換する微分作用素]

固有値を分離する

異なる λ\lambda に属する解は,LλkL-\lambda_k の積で射影のように分離できる。 これは有限次元線形代数の固有空間分解と同じ考えである。

Cayley--Hamilton

二階方程式の解空間は二次元なので,そこに作用する PP は二次方程式を満たす。 係数が λ\lambda の多項式になることが,最後に LL へ戻す鍵である。

[一次補間の微分誤差]

補間式を先に書く

三角形の三頂点で一致する一次式は明示できる。特に gxg_x は底辺方向の 差商そのものである。

二階微分で差商を評価する

差商はどこかの fxf_x に等しい。あとは fxf_x の変化を二階微分の上限で 押さえる。

[比の分布と推定量]

裾が重い

P(X>x)(θx)1P(X>x)\sim(\theta x)^{-1} なので平均は有限でない。 nlognn\log n 規模の大ジャンプが無限回起こり,これが上極限を押し上げる。

単調な方程式の一致性

Ψn(t)\Psi_n(t) は経験 Laplace 変換である。極限関数が θ\theta でちょうど cc を取るため,単調性だけで推定量の収束が示せる。

[閉作用子の有限生成化]

有限部分集合から作る閉包

ψ\psi は,ϕ\phi の一元閉包を有限個の前提から導ける点だけを集める操作である。 小問 (1) は推論規則の推移性に当たる。

アフィン閉包の例

アフィン空間では,ある点が閉包に入るかどうかは有限個の点のアフィン結合で 判定できる。そのため ϕ\phiψ\psi が一致する。

2006年度は公開から時間が経過しているため、解答・最終答まで全文公開しています

(1) αn=T\alpha^n=T となる元を取り,ζ\zeta を原始 nn 乗根とする。 XnT=j=0n1(Xζjα) X^n-T=\prod_{j=0}^{n-1}(X-\zeta^j\alpha) であるから,分解体は L=R(T)(α,ζ)L=\mathbb R(T)(\alpha,\zeta) である。 R(ζ)=C\mathbb R(\zeta)=\mathbb C であり,R(α)\mathbb R(\alpha) の定数体は R\mathbb R のままなので [L:R(T)]=[C(α):R(α)][R(α):R(T)]=2n [L:\mathbb R(T)]=[\mathbb C(\alpha):\mathbb R(\alpha)] [\mathbb R(\alpha):\mathbb R(T)]=2n である。

(2) n=4n=4 では L=C(α)L=\mathbb C(\alpha), α4=T\alpha^4=T であり, G=Gal(L/R(T))=r,sr4=s2=1, srs=r1 G=\operatorname{Gal}(L/\mathbb R(T)) =\langle r,s\mid r^4=s^2=1,\ srs=r^{-1}\rangle と書ける。ただし r(α)=iα,r(i)=i,s(α)=α,s(i)=i r(\alpha)=i\alpha,\quad r(i)=i,\qquad s(\alpha)=\alpha,\quad s(i)=-i である。次数 44 の中間体は,位数 22 の部分群の固定体である。 位数 22 の部分群は r2,s,r2s,rs,r3s \langle r^2\rangle,\quad \langle s\rangle,\quad \langle r^2s\rangle,\quad \langle rs\rangle,\quad \langle r^3s\rangle なので,固定体は C(α2),R(α),R(iα),R((1+i)α),R((1i)α). \mathbb C(\alpha^2),\quad \mathbb R(\alpha),\quad \mathbb R(i\alpha),\quad \mathbb R((1+i)\alpha),\quad \mathbb R((1-i)\alpha). このうち r2\langle r^2\rangle だけが GG の正規部分群である。

R=KR=K なら明らかである。以下 RKR\ne K とし,RR の非定数元の中から 次数が最小のものを取り,先頭係数で割ってモニックな fRf\in R とする。 d=degfd=\deg f とおく。

f=Xd+f=X^d+ 低次項であるから,任意の mdm\ge d について Xm=Xmdf+次数が m 未満の項 X^m=X^{m-d}f+\text{次数が }m\text{ 未満の項} と書ける。帰納法により K[X]=K[f]1++K[f]Xd1 K[X]=K[f]\cdot 1+\cdots+K[f]\cdot X^{d-1} である。従って K[X]K[X]K[f]K[t]K[f]\simeq K[t] 上有限生成加群である。

K[f]K[f] は Noether 環なので,その有限生成加群 K[X]K[X] の部分加群 RR も有限生成である。よってある g1,,gmRg_1,\ldots,g_m\in R が存在して R=K[f]g1++K[f]gm R=K[f]g_1+\cdots+K[f]g_m と書ける。右辺の積に閉じていることから,特に R=K[f,g1,,gm] R=K[f,g_1,\ldots,g_m] であり,RRKK 上有限生成である。

(1) F=x2xy(z2+y) F=x^2-x-y(z^2+y) とおく。点 (0,0,a)(0,0,a) での勾配は Fx=1,Fy=a2,Fz=0 F_x=-1,\qquad F_y=-a^2,\qquad F_z=0 なので,接平面は Ta: x+a2y=0 T_a:\ x+a^2y=0 である。これを XX の方程式に代入すると y{(a41)y+a2z2}=0 y\{(a^4-1)y+a^2-z^2\}=0 となる。したがって a41a^4\ne 1 のときは LL ともう一つの既約成分の 計 22 個である。a4=1a^4=1 のときは y(a2z2)=0 y(a^2-z^2)=0 となり,LLz=az=a, z=az=-a の二つの直線の計 33 個である。

(2) 次に LL と交わる直線を (x,y,z)=(0,0,a)+t(u,v,w) (x,y,z)=(0,0,a)+t(u,v,w) と書く。これが XX に含まれるための係数比較は uva2=0,u22avwv2=0,vw2=0 -u-va^2=0,\qquad u^2-2avw-v^2=0,\qquad -vw^2=0 である。LL と異なる直線では v0v\ne 0 であるから w=0w=0 となり, さらに u=a2vu=-a^2v, a4=1a^4=1 が必要十分である。

(1) AA は角 2π/32\pi/3 の回転,BB は反射である。従って A,BD3 \langle A,B\rangle\simeq D_3 であり,位数は 66 である。

(2) P3P_3 は標準二次元表現 V=Cx+CyV=\mathbb Cx+\mathbb Cy の三次対称積である。 二面体群の既約表現に分けると,三次調和部分と (x2+y2)V(x^2+y^2)V に分かれる。 具体的には P3=C(x33xy2)C(3x2yy3)(x2+y2)Cx(x2+y2)Cy. P_3= \mathbb C(x^3-3xy^2) \oplus \mathbb C(3x^2y-y^3) \oplus (x^2+y^2)\mathbb Cx\oplus (x^2+y^2)\mathbb Cy . 最初の一次元は A,BA,B の両方で固定される自明表現である。二つ目の一次元は AA で固定され,BB で符号が変わる表現である。最後の二次元は標準表現と 同型であり,既約である。

(1) X=/xX=\partial/\partial x について ιXω=dy \iota_X\omega=dy である。もし dH=dydH=dy となる TT 上の関数 HH が存在すれば, yy-方向の閉曲線に沿って 0=dH=dy=1 0=\int dH=\int dy=1 となり矛盾する。

(2) 次に V=a(x,y)x+b(x,y)y V=a(x,y)\frac{\partial}{\partial x}+b(x,y)\frac{\partial}{\partial y} とおく。このとき ιVω=adybdx \iota_V\omega=a\,dy-b\,dx なので LVω=d(ιVω)=(ax+by)dxdy. \mathcal L_V\omega=d(\iota_V\omega) =\left(\frac{\partial a}{\partial x}+\frac{\partial b}{\partial y}\right)dx\wedge dy . フローが ω\omega を保つ条件は LVω=0\mathcal L_V\omega=0 であるから, ax+by=0 a_x+b_y=0 である。

(3) 例として V=sin(2πx)y V=\sin(2\pi x)\frac{\partial}{\partial y} を取れば,a=0a=0, b=sin(2πx)b=\sin(2\pi x) であり ax+by=0a_x+b_y=0 を満たす。

(1) 単位球面上の円は ux=c,u=1,c<1 u\cdot x=c,\qquad \|u\|=1,\quad |c|<1 で表される。ただし (u,c)(u,c)(u,c)(-u,-c) は同じ円を表す。

[(u,c)][u]RP2 [(u,c)]\longmapsto [u]\in \mathbb RP^2 は全射である。任意の方向 [u][u] に対し,例えば c=0c=0 を取れば大円が得られる。

(2) また [(u,c)][u1:u2:u3:c]RP3 [(u,c)]\longmapsto [u_1:u_2:u_3:c]\in \mathbb RP^3 と定めると単射である。像は u12+u22+u32>c2 u_1^2+u_2^2+u_3^2>c^2 で表される開集合である。

(3) RP3\mathbb RP^3 は向き付け可能であり,その開部分多様体も向き付け可能である。

(1) 実関数 F1=z12+z222,F2=z12z321,F3=Im(z1z2z3) F_1=|z_1|^2+|z_2|^2-2,\quad F_2=|z_1|^2-|z_3|^2-1,\quad F_3=\operatorname{Im}(z_1z_2z_3) を考える。F1=F2=0F_1=F_2=0 から z11|z_1|\ge 1 が従う。さらに z2=0z_2=0 または z3=0z_3=0 の場合でも F3F_3 の微分は残りの変数方向で 消えない。従って dF1,dF2,dF3dF_1,dF_2,dF_3MM 上で一次独立であり, MM は実三次元部分多様体である。

(2) B+(r)B^+(r) の条件で選ばれる向きを z1=1+s2eiα,z2=1s2eiβ,z3=sei(α+β) z_1=\sqrt{1+s^2}\,e^{i\alpha},\quad z_2=\sqrt{1-s^2}\,e^{i\beta},\quad z_3=s\,e^{-i(\alpha+\beta)} で与える。ここで 0s10\le s\le 1, 0α,β<2π0\le \alpha,\beta<2\pi である。 このとき z12+z22+z32=2+s2 |z_1|^2+|z_2|^2+|z_3|^2=2+s^2 なので,S=min{1,r22}S=\min\{1,\sqrt{r^2-2}\} とおけば対象は 0sS0\le s\le S である ただし r<2r<\sqrt2 では空である。

また dz1dz2dz3=dds(s1s4)dsdαdβ dz_1\wedge dz_2\wedge dz_3 =-\frac{d}{ds}\left(s\sqrt{1-s^4}\right)\,ds\,d\alpha\,d\beta となる。向きをこの符号が正になるように選べば g(r)=4π2S1S4. g(r)=4\pi^2S\sqrt{1-S^4}.

(1) 半径 ρ[3,4]\rho\in[3,4] の球面で切ると,条件は球面から互いに交わらない四つの 円板を取り除くことに等しい。したがって各切り口は四つ穴の球面 FF であり, Y[3,4]×F Y\simeq [3,4]\times F と変形してよい。境界 XXFF の二重化である。四つ穴の球面の二重化は 種数 33 の閉曲面なので H0(X;Z)Z,H1(X;Z)Z6,H2(X;Z)Z H_0(X;\mathbb Z)\simeq \mathbb Z,\quad H_1(X;\mathbb Z)\simeq \mathbb Z^6,\quad H_2(X;\mathbb Z)\simeq \mathbb Z であり,他は 00 である。

(2) 写像 ffxx-軸方向と yy-軸方向の四つの穴を巡回的に入れ替える。 四つの境界成分の自由アーベル群から全和を割った三次元表現では,特性多項式は t41t1=t3+t2+t+1=(t+1)(t2+1) \frac{t^4-1}{t-1}=t^3+t^2+t+1=(t+1)(t^2+1) である。二重化では同じ表現が二つ現れるので, χf(t)={(t+1)(t2+1)}2. \chi_{f_*}(t)=\{(t+1)(t^2+1)\}^2.

(1) 正則関数の絶対値は劣調和であるから,B(a,r)D\overline{B(a,r)}\subset D に対して f(a)1πr2B(a,r)f(z)dxdy1πr2Df(z)dxdy |f(a)|\le \frac1{\pi r^2}\int_{B(a,r)}|f(z)|\,dxdy \le \frac1{\pi r^2}\int_D|f(z)|\,dxdy である。

(2) Laurent 係数については,0<ρ<10<\rho<1an=12πiz=ρf(z)zn1dz a_n=\frac1{2\pi i}\int_{|z|=\rho}f(z)z^{-n-1}\,dz を用いる。これを r<ρ<2rr<\rho<2r で積分し,Fubini の定理と ρr\rho\asymp r を用いると an1πrn+2Δf(z)dxdy |a_n|\le \frac1{\pi r^{n+2}}\int_{\Delta^*}|f(z)|\,dxdy が得られる。

(3) 最後に f(z)=anznf(z)=\sum a_nz^n とする。もし am0a_{-m}\ne0 となる m1m\ge1 があれば f(z)=nanzn1 f'(z)=\sum n a_nz^{n-1} z=0z=0 の近くで zm1|z|^{-m-1} 型の項を持つ。これは面積積分で 0εrm1rdr= \int_0^\varepsilon r^{-m-1}r\,dr=\infty を引き起こす。仮定に反するので主部は消え,ff は正則に拡張される。

(1) t=x2y2t=x^2-y^2, p=f(t)p=f'(t), q=f(t)q=f''(t) とおくと uxx=2p+4x2q,uyy=2p+4y2q,uxy=4xyq. u_{xx}=2p+4x^2q,\quad u_{yy}=-2p+4y^2q,\quad u_{xy}=-4xyq. 従って uxxuyyuxy2=4p28tpq=4f(t){f(t)+2tf(t)}. u_{xx}u_{yy}-u_{xy}^2 =-4p^2-8tpq =-4f'(t)\{f'(t)+2tf''(t)\}.

(2) 方程式は 4f(t){f(t)+2tf(t)}=t2k 4f'(t)\{f'(t)+2tf''(t)\}=t^{2k} である。これは 4ddt{t(f(t))2}=t2k 4\frac{d}{dt}\{t(f'(t))^2\}=t^{2k} と同値なので t(f)2=t2k+14(2k+1)+C t(f')^2=\frac{t^{2k+1}}{4(2k+1)}+C である。ffR\mathbb RC2C^2 であるためには C=0C=0 が必要で, f(t)=ε±tk22k+1 f'(t)=\varepsilon_\pm\frac{t^k}{2\sqrt{2k+1}} t>0t>0, t<0t<0 の各側で成り立つ。ただし ε±=±1\varepsilon_\pm=\pm1 である。 k=1k=1 では C2C^2 性のため左右の符号が一致する。k2k\ge2 では左右の符号を 独立に選んでよい。

(1) Tf=n=02nf(n) T f=\sum_{n=0}^\infty 2^{-n}f(\,\cdot-n) と見る。平行移動は L2L^2 ノルムを保つので n=02nf(n)22f2. \sum_{n=0}^\infty \|2^{-n}f(\,\cdot-n)\|_2 \le 2\|f\|_2. さらに n=0N2nf(n)22f2 \left\|\sum_{n=0}^N 2^{-n}|f(\,\cdot-n)|\right\|_2 \le 2\|f\|_2 なので単調収束により n=02nf(xn)<\sum_{n=0}^\infty 2^{-n}|f(x-n)|<\infty がほとんどいたるところで成り立つ。 従って定義級数はほとんどいたるところ絶対収束し,かつ L2L^2 の元を定める。

(2) Fourier 変換では,平行移動により f(n)^(ξ)=einξf^(ξ) \widehat{f(\,\cdot-n)}(\xi)=e^{-in\xi}\widehat f(\xi) となる。従って Tf^(ξ)=(n=02neinξ)f^(ξ)=1112eiξf^(ξ). \widehat{Tf}(\xi) =\left(\sum_{n=0}^\infty 2^{-n}e^{-in\xi}\right)\widehat f(\xi) =\frac{1}{1-\frac12 e^{-i\xi}}\widehat f(\xi).

(3) Plancherel の定理から,f2=1\|f\|_2=1 のもとで Tf2\|Tf\|_2 の下限は 乗数の絶対値の本質的下限である。 infξ112eiξ1=11+12=23. \inf_\xi\left|1-\frac12e^{-i\xi}\right|^{-1} =\frac1{1+\frac12}=\frac23.

(1) ψ(x)=iexχ(,0)(x) \psi(x)=-i e^x\chi_{(-\infty,0)}(x) とおくと ψ^(ξ)=i0exeixξdx=1ξ+i. \widehat\psi(\xi) =-i\int_{-\infty}^0 e^x e^{-ix\xi}\,dx =\frac1{\xi+i}.

(2) 次に f^(ξ)=ξ2g^(ξ)\widehat f(\xi)=\xi^2\widehat g(\xi) とする。上で求めた ψ\psi を用い, h=fψ+ig+gψ h=f*\psi+i g+g*\psi と定める。いずれも L1L^1 関数である。Fourier 変換を取ると h^=f^ξ+i+ig^+g^ξ+i=(ξ2+1ξ+i+i)g^=ξg^. \widehat h =\frac{\widehat f}{\xi+i}+i\widehat g+\frac{\widehat g}{\xi+i} =\left(\frac{\xi^2+1}{\xi+i}+i\right)\widehat g =\xi\widehat g. 従って求める hh が存在する。

(1) f=ϕ2 f=\phi^{-2} と置く。一般には定数倍を付けても同じ計算になる。微分して代入すると 2ff3(f)2=4ϕ5ϕ 2ff''-3(f')^2=-4\phi^{-5}\phi'' である。従って与えられた方程式は ϕ=ϕ4z2(z1)2 \phi''=-\frac{\phi}{4z^2(z-1)^2} に帰着する。

(2) 次に φ(z)=z(z1) \varphi(z)=\sqrt{z(z-1)} とおくと,直接計算で φ=φ4z2(z1)2,limzφ(z)z=1 \varphi''=-\frac{\varphi}{4z^2(z-1)^2},\qquad \lim_{z\to\infty}\frac{\varphi(z)}z=1 である。二つ目の独立解は階数低下法により φ(z)zdζφ(ζ)2=φ(z)logz1z \varphi(z)\int^z\frac{d\zeta}{\varphi(\zeta)^2} =\varphi(z)\log\frac{z-1}{z} である。よって一般解は ϕ(z)=z(z1)(A+Blogz1z) \phi(z)=\sqrt{z(z-1)} \left(A+B\log\frac{z-1}{z}\right) である。

(3) z0>1z_0>1, f0>0f_0>0 とする。z2f(z)1z^2f(z)\to1 となる解は f(z)=1z(z1)(1+Blogz1z)2 f(z)=\frac1{z(z-1)\left(1+B\log\frac{z-1}{z}\right)^2} と書ける。L0=log((z01)/z0)<0L_0=\log((z_0-1)/z_0)<0 とおくと,初期条件は 1+BL0=1z0(z01)f0 1+BL_0=\frac1{\sqrt{z_0(z_0-1)f_0}} である。区間 (1,)(1,\infty) で特異点を持たないためには 1+Blog((z1)/z)1+B\log((z-1)/z) が消えないこと,すなわち B0B\le0 が必要十分である。 これは z0(z01)f01 z_0(z_0-1)f_0\le 1 と同値である。

(1) 座標超平面でのベクトル場の向きを見ると,初期条件から出発した解は x(t)>0,y(t)0,u(t)>0,v(t)0 x(t)>0,\quad y(t)\ge0,\quad u(t)>0,\quad v(t)\ge0 を保つ。また (u+v)=bμ(u+v) (u+v)'=b-\mu(u+v) なので,仮定 u0+v0=b/μu_0+v_0=b/\mu のもとで u(t)+v(t)=bμ u(t)+v(t)=\frac b\mu が常に成り立つ。

(2) P=(α,0,b/μ,0) P^*=(\alpha,0,b/\mu,0) を代入すれば平衡点である。感染成分 (y,v)(y,v) の線形化は (γαβδb/μμ) \begin{pmatrix} -\gamma & \alpha\beta\\ \delta b/\mu & -\mu \end{pmatrix} であり,行列式は γμαβδbμ=γμ(1R0) \gamma\mu-\frac{\alpha\beta\delta b}{\mu} =\gamma\mu(1-R_0) である。従って R0<1R_0<1 で横断方向に局所漸近安定,R0>1R_0>1 で不安定である。 厳密には {(x,0,b/μ,0)x>0}\{(x,0,b/\mu,0)\mid x>0\} が平衡点の連続族であるため, 一点 PP^* は全空間では漸近安定にならない。ここでの安定性判定は, 問題文の意図どおり感染成分に横断する方向,すなわち平衡点集合への正規安定性として 読む。

(3) xx は単調減少かつ正なので x=limtx(t)x_\infty=\lim_{t\to\infty}x(t) は存在する。 また (x+y)=γy (x+y)'=-\gamma y を積分して J=0y(t)dt=x0+y0xγ J=\int_0^\infty y(t)\,dt=\frac{x_0+y_0-x_\infty}{\gamma} を得る。

(4) さらに x(t)=x0exp(β0tv(s)ds) x(t)=x_0\exp\left(-\beta\int_0^t v(s)\,ds\right) であり,v+μv=δyuv'+\mu v=\delta yu, ub/μu\le b/\muyL1y\in L^1 から 0v(s)ds<\int_0^\infty v(s)\,ds<\infty。よって x>0x_\infty>0 である。

(1) まず λ1,,λn\lambda_1,\ldots,\lambda_n が相異なるとする。もし jYj=0\sum_j Y_j=0, YjV(λj)Y_j\in V(\lambda_j) なら, kj(Lλk) \prod_{k\ne j}(L-\lambda_k) を作用させることで,非零定数倍の YjY_j だけが残る。従って各 Yj=0Y_j=0 であり, 指定された 2n2n 個の関数は一次独立である。

(2) LP=PLLP=PL なら PP は各 V(λ)V(\lambda) を保つ。yV(λ)y\in V(\lambda) に対して y=(u+λ)y,y=uy+(u+λ)y y''=(u+\lambda)y,\qquad y'''=u'y+(u+\lambda)y' なので Py=(u+w)y+(u+v+λ)y. Py=(u'+w)y+(u+v+\lambda)y'. 基底 y1(λ),y2(λ)y_1^{(\lambda)},y_2^{(\lambda)} で展開した係数は,x=0x=0 での値と 微分値で決まる。これらは λ\lambda の高々二次の多項式であり,問題の形の 定数 a0,b0,b1,c0,c1,c2,d0a_0,b_0,b_1,c_0,c_1,c_2,d_0 が得られる。

(3) 最後に,各 V(λ)V(\lambda) 上の PP の行列に Cayley--Hamilton の定理を適用する。 跡と行列式は λ\lambda の多項式なので,多項式 f1,f2C[t]f_1,f_2\in\mathbb C[t] が存在して P2+f1(λ)P+f2(λ)=0 P^2+f_1(\lambda)P+f_2(\lambda)=0 V(λ)V(\lambda) 上で成り立つ。任意の λ\lambda で成立するため, P2+f1(L)P+f2(L)=0 P^2+f_1(L)P+f_2(L)=0 という微分作用素の恒等式を得る。

補間多項式は g(x,y)=f(0,0)+f(h,0)f(0,0)hx +f(0,h)f(0,0)hy g(x,y)=f(0,0)+\frac{f(h,0)-f(0,0)}h x \ +\frac{f(0,h)-f(0,0)}h y である。従って gx=f(h,0)f(0,0)h. g_x=\frac{f(h,0)-f(0,0)}h. 平均値の定理により,ある ξ(0,h)\xi\in(0,h) が存在して gx=fx(ξ,0)g_x=f_x(\xi,0) である。 任意の (x,y)T(x,y)\in T に対し, fx(x,y)gx=fx(x,y)fx(ξ,0). f_x(x,y)-g_x=f_x(x,y)-f_x(\xi,0). 線分で結んで積分表示すれば fx(x,y)gxxξsupTfxx+ysupTfxy3hM |f_x(x,y)-g_x| \le |x-\xi|\sup_T |f_{xx}|+|y|\sup_T |f_{xy}| \le 3h\,M となる。ただし M=supTmax{fxx,fxy,fyy}. M=\sup_{T}\max\{|f_{xx}|,|f_{xy}|,|f_{yy}|\}.

(1) UU の密度は θeθu\theta e^{-\theta u}, VV の密度は eve^{-v} である。 U=xVU=xV と変数変換すると pX(x)=0θeθxvevvdv=θ(1+θx)2(x>0) p_X(x)=\int_0^\infty \theta e^{-\theta xv}e^{-v}v\,dv =\frac{\theta}{(1+\theta x)^2} \qquad (x>0) である。従って P(X>x)=11+θx. P(X>x)=\frac1{1+\theta x}.

(2) 任意の M>0M>0 に対し n=3P(Xn>Mnlogn)= \sum_{n=3}^\infty P(X_n>Mn\log n)=\infty であり,独立性から Borel--Cantelli の補題によりこの事象は無限回起こる。 そのような nn では YnXnnlogn>M Y_n\ge \frac{X_n}{n\log n}>M なので,limYn=\overline{\lim}\,Y_n=\infty である。

(3) 最後に Ψn(t)=1nj=1netXj \Psi_n(t)=\frac1n\sum_{j=1}^n e^{-tX_j} tt について連続かつ狭義単調減少で,Ψn(0)=1\Psi_n(0)=1, Ψn(t)0\Psi_n(t)\to0 である。0<c<10<c<1 だから解は存在して一意である。 大数の強法則により,各 t>0t>0Ψn(t)E(etX) \Psi_n(t)\to E(e^{-tX}) である。特に E(eθX)=0eθxθ(1+θx)2dx=0eu(1+u)2du=c. E(e^{-\theta X}) =\int_0^\infty e^{-\theta x}\frac{\theta}{(1+\theta x)^2}\,dx =\int_0^\infty \frac{e^{-u}}{(1+u)^2}\,du=c. 単調性により,解 θ^n\widehat\theta_nθ\theta へ概収束する。

(1) α{x}\alpha\preceq\{x\}ϕαϕ{x} \phi\alpha\supset \phi\{x\} を意味する。また {x}βγ\{x\}\cup\beta\preceq\gammaϕ({x}β)zγϕ{z} \phi(\{x\}\cup\beta)\supset \bigcap_{z\in\gamma}\phi\{z\} を意味する。閉作用子の単調性から ϕ(αβ)ϕ({x}β) \phi(\alpha\cup\beta)\supset \phi(\{x\}\cup\beta) が従うため,αβγ\alpha\cup\beta\preceq\gamma である。

(2) 次に ψX={yAαPX, α{y}} \psi X=\{y\in A\mid \exists\alpha\in P^*X,\ \alpha\preceq\{y\}\} と定められている。まず xXx\in X なら {x}{x}\{x\}\preceq\{x\} なので XψXX\subset\psi X である。また YY が条件 (a), (b) を満たすなら, αXY\alpha\subset X\subset Y かつ α{y}\alpha\preceq\{y\} から yYy\in Y である。 よって ψXY\psi X\subset Y であり,ψX\psi X は最小である。

(3) この最小性を Y=ψXY=\psi X 自身に適用すると,ψ(ψX)=ψX\psi(\psi X)=\psi X が従う。 単調性も定義から明らかである。従って ψ\psi は閉作用子である。 さらに αX\alpha\subset X なら ϕαϕX\phi\alpha\subset\phi X なので, α{y}\alpha\preceq\{y\} から yϕXy\in\phi X が従う。したがって ψXϕX. \psi X\subset\phi X.

(4) 例として,A=R2A=\mathbb R^2 とし,ϕX\phi XXX が張るアフィン部分空間と 定める。有限個の点が張るアフィン部分空間だけで閉包が決まるため ϕ=ψ\phi=\psi である。二点を含む集合の閉包は直線になり,三点が一直線上に なければ閉包は全体になるので,指定された非自明性も満たす。

最終答

[L:R(T)]=2n \boxed{[L:\mathbb R(T)]=2n} C(α2), R(α), R(iα), R((1+i)α), R((1i)α) \boxed{\mathbb C(\alpha^2),\ \mathbb R(\alpha),\ \mathbb R(i\alpha),\ \mathbb R((1+i)\alpha),\ \mathbb R((1-i)\alpha)} ただし α4=T\alpha^4=T。この中で R(T)\mathbb R(T) 上 Galois なのは C(α2)\boxed{\mathbb C(\alpha^2)} のみである。

東京大学 専門科目B — 他の年度