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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目B 2007年度 院試 過去問 解答例・解説(全1問)

全1問。代数1問。テーマタグは4件(固有値・固有ベクトル・正定値行列・群論・環論)。2006年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・群論・環論。

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収録19年度分の解答PDF:東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目B(¥3,200・紙面見本あり)

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解説1問・解答1問・最終答1問(全1問)
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東大 専門科目B 2007年度 院試 過去問の出題内容(全1問)

この1問の分野は代数1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問代数半直積の正規部分群線形代数に落とす / 外側の元を含む場合あり

2007年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は1問に4テーマが出ています。

前年度(2006年度)との違い

大問数
2006年度 1問 → 2007年度 1問
両年度に出たテーマ
固有値・固有ベクトル・群論・環論
2007年度で新しく出たテーマ
正定値行列・中心極限定理
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第1問 — 半直積の正規部分群

線形代数に落とす

半直積の正規部分群では,正規性のうち C3C_3 による共役は 「巡回置換で不変」という線形条件になる。したがって最初の半分は F23\mathbb F_2^3 の不変部分空間の分類である。

外側の元を含む場合

HH の元で共役すると,外側の元との交換子として (1−τ)H(1-\tau)H が出る。 ここを忘れると,外側の元を一つ選んだだけの部分群を過剰に数えてしまう。

[有限剰余体と極大イデアル]

零解が素数位数を作る

−1-1 が平方でない素体でも,xˉ=yˉ=0\bar x=\bar y=0 という解がある。 そのため素数位数はすべて現れる。

有限生成な体

Z\mathbb Z-代数として有限生成な体は有限体になる。極大イデアルの剰余体を 扱うときの標準手筋である。

[零次元環の特徴づけ]

局所環では非単元を見る

局所環では非単元全体が極大イデアルである。唯一の素イデアルを仮定すると, 非単元がそのまま冪零根基になる。

局所化の全射性

1/s1/s が元の環から来ることが本質である。これは sn(1−rs)=0s^n(1-rs)=0 という形に直すと扱いやすい。

[三次被覆とガロア閉包]

平方類の数を数える

三つの平方根をすべて独立と考えると次数を 2424 と誤る。 積が平方になるため,C(T)\mathbb C(T) 上の二次拡大部分は V4V_4 で止まる。

中間体は群で読む

A4A_4 の中で一つの二重互換を含む部分群を列挙すれば,中間体はすぐ決まる。

[グラフと対角線の横断性]

差を取る

グラフの接空間と対角線の接空間を足したとき,二つの成分の差が (Dpf−I)v(D_pf-I)v で表せるかが横断性そのものである。

回転が反例になる

反復で固有値が 11 になる現象を避ける普遍的な指数はない。 球面の回転は固定点数も二つに保てるので,条件をすべて満たす反例になる。

[曲面の計量と測地線]

計量係数を先に出す

曲面問題では E,F,GE,F,G を正確に計算すると後続がほぼ自動的に進む。 ここでは F=0F=0 になり,ℓ(v)=log⁡cosh⁡v\ell(v)=\log\cosh v が自然に現れる。

一意性は被覆で見る

局所的には上半平面の測地線の一意性が使えるが,角度 uu の周期性により, 被覆上では端点の持ち上げが複数ある。このため大域的には一意にならない。

[トーラスの二次ホモロジー]

一点を抜くと二次ホモロジーが消える

全射でない写像は,一点を抜いたトーラスを経由する。これが二次ホモロジーを 消す理由である。

持ち上げ条件は次数を決める

格子の二つの生成元をそのまま送るので,H1H_1 上の行列は恒等行列である。 従って次数も 11 になる。

[平面の面積保存微分同相とCalabi型準同型]

コンパクト台が効く

R2\mathbb R^2 の一次コホモロジーが消えるだけでなく,遠方で消えていることから 原始関数もコンパクト台に取れる。これが一意性にも使われる。

合成公式

Hfg=Hf∘g+HgH_{fg}=H_f\circ g+H_g が準同型性の中心である。面積保存により積分値が変わらない。

[楕円型方程式の一意性]

符号のよいエネルギー

どちらも積分すると二乗和が出る。境界条件が境界項を完全に消すため, 最大値原理を持ち出さなくても一意性が出る。

[測度差の構成]

有限部分で差を読む

ν(A)<∞\nu(A)<\infty なら B=AB=A が使えるため,λ(A)\lambda(A) は普通の差 μ(A)−ν(A)\mu(A)-\nu(A) である。無限の場合は有限部分集合で近似して加法性を確認する。

[一次元汎関数の下限]

下に潜るかどうかの比較

端点が正のときは,わざわざ 00 以下へ行くと遷移のエネルギーを払う必要がある。 その費用と,測度項で得られる −ℓ-\ell の利得を比較するのが本質である。

[有界領域の自己同型]

反復で増幅する

有界領域では反復しても像は有界である。導関数が 11 より大きいと 原点での導関数が指数的に増えるため矛盾する。

導関数が一でも油断しない

一次の項が同じでも,高次の最初の非零項は反復で係数が nn 倍になる。 これが Cartan 型の一意性の中身である。

[主値積分と有理型解]

極の係数比較

有理型 ansatz では,方程式全体を展開するよりも,各極での主要部を比較するのが 最短である。二重極が消える条件が粒子系の方程式になる。

実数解は共役な極を取る

上半平面と下半平面の極を共役にすると,差に ii を掛けたものが実数値になる。

[振動積分と記号の変換]

振動積分は積分部品で定義する

絶対収束しない積分を直接扱うのではなく,振動因子に微分作用素を当てて減衰を 作る。導関数の有界性がこの操作を正当化する。

[Legendre型方程式]

まず無限遠の指数を決める

級数そのものを計算する必要はない。最高次の釣り合いだけで二つの指数が出る。

整数条件は級数の停止条件

超幾何型方程式では,パラメータ差が整数になると漸化式が途中で切れ, 多項式型の解が現れる。

[感染型常微分方程式]

積分量に直す

z′+δz=−x′z'+\delta z=-x' が決定的である。これにより zz の時間積分が有限になり, 続いて yy の時間積分も有限になる。

[定常反復法の最適パラメータ]

固有値ごとに見る

対称正定値行列なので,反復行列の固有値は 1−αλi1-\alpha\lambda_i である。 全ての絶対値を 11 未満にすることが収束条件である。

[隣接依存を持つ推定量]

依存は隣接だけ

AjA_j は Xj,Xj+1X_j,X_{j+1} だけを見るので,共分散は隣接する添字でしか残らない。 この構造により分散は O(1/n)O(1/n) になる。

[既約な順序付き二分決定グラフ]

Shannon 分解

根で最初に使う変数を決め,00 と 11 の二つの制限関数へ分ける。 これが BDD の再帰的構成である。

二つの簡約規則

同じ子を持つ頂点を消す規則が (i),同じ部分グラフを併合する規則が (ii) である。 この二つにより標準形が得られる。

解答

(1) HH を F23\mathbb F_2^3 と見て,生成元 τ\tau が (a,b,c)⟼(c,a,b) (a,b,c)\longmapsto (c,a,b) で作用すると書く。まず N⊂HN\subset H が GG の正規部分群であることは, NN が τ\tau-不変な F2\mathbb F_2-部分空間であることと同値である。 τ\tau の固定部分は L=⟨(1,1,1)⟩ L=\langle(1,1,1)\rangle であり,また W={(a,b,c)∈F23∣a+b+c=0} W=\{(a,b,c)\in \mathbb F_2^3\mid a+b+c=0\} は次元 22 の不変部分空間である。商 H/LH/L 上では最小多項式が X2+X+1X^2+X+1 となり既約なので,これ以外の不変部分空間はない。 従って HH に含まれる正規部分群は 0,L,W,H 0,\quad L,\quad W,\quad H である。

(2) 次に N⊄HN\not\subset H とする。このとき NN の G/H≃C3G/H\simeq C_3 への像は 全体である。A=N∩HA=N\cap H とおくと,AA は τ\tau-不変である。さらに NN が HH による共役で不変であるためには (1−τ)H⊂A (1-\tau)H\subset A が必要である。ところが (1−τ)H=W(1-\tau)H=W であるから,AA は WW または HH でなければならない。A=HA=H なら N=GN=G である。A=WA=W の場合は W⋊⟨τ⟩ W\rtimes \langle\tau\rangle が得られ,これは実際に正規部分群である。

(1) R/pR/\mathfrak p が有限なら,これは有限整域なので有限体である。標数を ℓ\ell とし,その位数を q=ℓfq=\ell^f と書く。剰余体内の x,yx,y の像を xˉ,yˉ\bar x,\bar y とすると xˉ2+yˉ2=0 \bar x^2+\bar y^2=0 である。

yˉ=0\bar y=0 なら xˉ=0\bar x=0 であり,剰余体は素体だけなので q=ℓq=\ell である。逆に任意の素数 ℓ\ell について (ℓ,x,y)(\ell,x,y) を取れば q=ℓq=\ell が得られる。

yˉ≠0\bar y\ne 0 なら (xˉ/yˉ)2=−1(\bar x/\bar y)^2=-1 である。したがって 剰余体が −1\sqrt{-1} を含むことが必要であり,また十分である。十分性は, Fq\mathbb F_q の生成元 α\alpha を取り,yˉ=α\bar y=\alpha, xˉ=iα\bar x=i\alpha とすればよい。従って q=ℓf (f≥2) q=\ell^f\ (f\ge 2) については,ℓ=2\ell=2 または q≡1(mod4)q\equiv 1\pmod 4 が条件である。

(2) 次に m\mathfrak m を任意の極大イデアルとする。R/mR/\mathfrak m は Z\mathbb Z 上有限生成な体である。Zariski の補題より,これはある素体 Fℓ\mathbb F_\ell 上有限次拡大である。従って有限体である。

(1) まず RR を局所環,極大イデアルを m\mathfrak m とする。素イデアルがただ一つ なら,それは m\mathfrak m である。冪零根基は全素イデアルの共通部分なので (0)=m \sqrt{(0)}=\mathfrak m となる。したがって非単元はすべて m\mathfrak m に属し,すべて冪零である。 逆に,任意の元が単元または冪零なら,素イデアルは単元を含めず,冪零元をすべて 含む。局所環の非単元全体は m\mathfrak m なので,素イデアルは m\mathfrak m 以外にありえない。

(2) 次に一般の可換環 RR を考える。全素イデアルが極大であることは,任意の s∈Rs\in R について,ある n≥1n\ge 1 と r∈Rr\in R が存在して sn(1−rs)=0 s^n(1-rs)=0 となることと同値である。この補題を用いると,任意の乗法系 SS と s∈Ss\in S について,局所化後に 1s=r1 \frac1s=\frac r1 となる。したがって S−1RS^{-1}R の任意の元 a/sa/s は ar/1ar/1 と書けるので, R→S−1RR\to S^{-1}R は全射である。

逆向きを示す。素イデアル p\mathfrak p が極大でないと仮定し, p⊊m\mathfrak p\subsetneq\mathfrak m となる極大イデアルを取り, s∈m∖ps\in\mathfrak m\setminus\mathfrak p を選ぶ。乗法系 {1,s,s2,…}\{1,s,s^2,\ldots\} で局所化した写像が全射なら,ある r∈Rr\in R と n≥0n\ge 0 について sn(1−rs)=0 s^n(1-rs)=0 である。これを整域 R/pR/\mathfrak p で見ると,s∉ps\notin\mathfrak p なので 1−rs∈p⊂m1-rs\in\mathfrak p\subset\mathfrak m となる。しかし rs∈mrs\in\mathfrak m でも あるから 1∈m1\in\mathfrak m となり矛盾する。よって p\mathfrak p は極大である。

(1) ζ\zeta を 11 でない三乗根とする。K=C(T3)K=\mathbb C(T^3) とおくと, C(T)/K\mathbb C(T)/K は T↦ζTT\mapsto \zeta T で生成される三次巡回拡大である。 a0=T2+T+1,a1=(ζT)2+ζT+1,a2=(ζ2T)2+ζ2T+1 a_0=T^2+T+1,\quad a_1=(\zeta T)^2+\zeta T+1,\quad a_2=(\zeta^2T)^2+\zeta^2T+1 とおき,yj2=ajy_j^2=a_j とする。ガロア閉包は M=C(T,y0,y1,y2) M=\mathbb C(T,y_0,y_1,y_2) である。平方類を見ると a0a1a2=(T3−1)2 a_0a_1a_2=(T^3-1)^2 であるから,C(T)\mathbb C(T) 上では独立な平方根は二つで十分である。従って [M:C(T)]=4,[M:K]=12. [M:\mathbb C(T)]=4,\qquad [M:K]=12. ガロア群は V4⋊C3≃A4V_4\rtimes C_3\simeq A_4 と見られる。

(2) 中間体を求める。L=C(T,y0)L=\mathbb C(T,y_0) は M/KM/K の部分群 A4A_4 内の位数 22 の部分群に対応する。これを含む部分群は,その部分群自身, 正規四元部分群 V4V_4,および全体 A4A_4 だけである。よって K⊂C(T)⊂L K\subset \mathbb C(T)\subset L 以外の中間体はない。

(3) 次に C3C_3 の固定体を取れば KK 上次数 44 の体が得られる。例えば x=y0+y1+y2 x=y_0+y_1+y_2 とおくと,巡回置換で不変で,符号変換では不変でないため [M:K(x)]=3 [M:K(x)]=3 となる。

(4) XX を xx の共役全体とすると,これは A4/C3A_4/C_3 の四つの剰余類に 対応する。したがって作用の核は ⋂g∈A4gC3g−1={1} \bigcap_{g\in A_4}gC_3g^{-1}=\{1\} であり,像は四点への自然な偶置換群 A4⊂S4 A_4\subset S_4 である。

(1) φ(f)(x)=(x,f(x))\varphi(f)(x)=(x,f(x)) であるから,固定点 pp での微分は v⟼(v,Dpf(v)). v\longmapsto (v,D_pf(v)). 一方,対角線 Δ\Delta の接空間は T(p,p)Δ={(w,w)∣w∈TpM} T_{(p,p)}\Delta=\{(w,w)\mid w\in T_pM\} である。従って TpM⊕TpM={(v,Dpf(v))∣v∈TpM}+{(w,w)∣w∈TpM} T_pM\oplus T_pM= \{(v,D_pf(v))\mid v\in T_pM\}+\{(w,w)\mid w\in T_pM\} となるための必要十分条件は,任意の差 b−ab-a が (Dpf−I)v(D_pf-I)v と書けることである。有限次元なので,これは Dpf−I:TpM→TpM D_pf-I:T_pM\to T_pM が同型であること,すなわち 11 が DpfD_pf の固有値でないことと同値である。

(2) 後半の主張は正しくない。任意の n≥2n\ge 2 に対して,S2S^2 を軸まわりに 2π/n2\pi/n 回転する微分同相写像を考える。固定点は二つの極だけである。各固定点での 接平面上の微分は角 2π/n2\pi/n の回転なので,Dpf−ID_pf-I は可逆である。しかし fnf^n は恒等写像であり,固定点での微分は恒等写像になる。したがって φ(fn)\varphi(f^n) は対角線に横断的でない。

(1) パラメータ表示を r(u,v)r(u,v) と書く。微分は ru=(−sin⁡ucosh⁡v,cos⁡ucosh⁡v,0), r_u=\left(-\frac{\sin u}{\cosh v},\frac{\cos u}{\cosh v},0\right), rv=(−cos⁡usinh⁡vcosh⁡2v,−sin⁡usinh⁡vcosh⁡2v,tanh⁡2v). r_v=\left(-\frac{\cos u\sinh v}{\cosh^2v}, -\frac{\sin u\sinh v}{\cosh^2v},\tanh^2v\right). よって E=⟨ru,ru⟩=1cosh⁡2v,F=0,G=tanh⁡2v E=\langle r_u,r_u\rangle=\frac1{\cosh^2v},\quad F=0,\quad G=\tanh^2v であり, ds2=du2cosh⁡2v+tanh⁡2v dv2 ds^2=\frac{du^2}{\cosh^2v}+\tanh^2v\,dv^2 となる。

(2) 曲線 c(t)c(t) は u=0, v=tu=0,\ v=t に対応するので,長さは ℓ(a)=∫0atanh⁡t dt=log⁡cosh⁡a. \ell(a)=\int_0^a \tanh t\,dt=\log\cosh a.

(3) ℓ(v)=log⁡cosh⁡v\ell(v)=\log\cosh v なので eℓ(v)=cosh⁡ve^{\ell(v)}=\cosh v である。 写像 f(u,v)=(u,cosh⁡v) f(u,v)=(u,\cosh v) で上半平面の計量を引き戻すと du2+sinh⁡2v dv2cosh⁡2v=du2cosh⁡2v+tanh⁡2v dv2 \frac{du^2+\sinh^2v\,dv^2}{\cosh^2v} =\frac{du^2}{\cosh^2v}+\tanh^2v\,dv^2 となり,これは上で求めた計量に一致する。したがって ff は等長写像である。

(4) 上半平面では垂直半直線が測地線である。c(t)c(t) は ff によって垂直線 x=0x=0 に移るので測地線である。ただし uu は角度変数であり,u=0u=0 と u=2πku=2\pi k は同じ点を表す。上半平面の被覆で (0,1)(0,1) と (2πk,2)(2\pi k,2) を結ぶ双曲測地線を取ると,k≠0k\ne0 でも 同じ二点を結ぶ SS 上の測地線が得られる。したがって c(t)c(t) に限らない。

(1) T2∖{p}T^2\setminus\{p\} は一点を抜いたトーラスであり,二つの円の bouquet に変形収縮 する。従って H0(T2∖{p};Z)≃Z,H1(T2∖{p};Z)≃Z2,Hk=0 (k≥2). H_0(T^2\setminus\{p\};\mathbb Z)\simeq\mathbb Z,\quad H_1(T^2\setminus\{p\};\mathbb Z)\simeq\mathbb Z^2,\quad H_k=0\ (k\ge2).

(2) もし ff が全射でなければ,ある p∈T2p\in T^2 が像に含まれない。従って f:T2⟶T2∖{p}⟶T2 f:T^2\longrightarrow T^2\setminus\{p\}\longrightarrow T^2 と分解する。中央の空間の H2H_2 は 00 なので,H2(f)=0H_2(f)=0 である。

(3) 最後に,持ち上げ f~\widetilde f が f~(x+1,y)=f~(x,y)+(1,0),f~(x,y+1)=f~(x,y)+(0,1) \widetilde f(x+1,y)=\widetilde f(x,y)+(1,0),\qquad \widetilde f(x,y+1)=\widetilde f(x,y)+(0,1) を満たすとする。この条件は H1(T2;Z)H_1(T^2;\mathbb Z) 上の誘導写像が恒等行列で あることを意味する。向き付けられた閉曲面の二次ホモロジーへの作用は一次ホモロジー の行列式で与えられるので, H2(f)=det⁡I2=1 H_2(f)=\det I_2=1 すなわち恒等写像である。

(1) f∈Gf\in G とする。f∗v=vf^*v=v であり v=dλv=d\lambda なので d(f∗λ−λ)=0. d(f^*\lambda-\lambda)=0. また ff はコンパクト台を持つため,十分遠方では f∗λ−λ=0f^*\lambda-\lambda=0 である。 R2\mathbb R^2 ではコンパクト台を持つ閉 11 形式はコンパクト台を持つ関数の 全微分で書けるから f∗λ−λ=dHf f^*\lambda-\lambda=dH_f となる Hf∈Cc∞(R2)H_f\in C^\infty_c(\mathbb R^2) が存在する。二つあれば差は定数であり, コンパクト台を持つ定数は 00 なので一意である。

(2) 合成については (fg)∗λ−λ=g∗(f∗λ−λ)+(g∗λ−λ)=d(Hf∘g)+dHg (fg)^*\lambda-\lambda =g^*(f^*\lambda-\lambda)+(g^*\lambda-\lambda) =d(H_f\circ g)+dH_g である。従って Hfg=Hf∘g+Hg H_{fg}=H_f\circ g+H_g であり,gg は面積を保存するので ρ(fg)=∫Hf∘g dxdy+∫Hg dxdy=ρ(f)+ρ(g). \rho(fg)=\int H_f\circ g\,dxdy+\int H_g\,dxdy =\rho(f)+\rho(g). よって ρ\rho は群準同型である。

(3) λ′=λ+dK\lambda'=\lambda+dK と変えても Hf′=Hf+K∘f−K H'_f=H_f+K\circ f-K である。面積保存性により ∫(K∘f−K) dxdy=0 \int (K\circ f-K)\,dxdy=0 だから,ρ\rho は λ\lambda の取り方によらない。

(1) 第一の主張では,方程式に uu を掛けて BB 上積分する。境界で u=0u=0 であるから Green の公式により 0=∫Bu(Δu−u) dx=−∫B∣∇u∣2 dx−∫Bu2 dx. 0=\int_B u(\Delta u-u)\,dx =-\int_B |\nabla u|^2\,dx-\int_B u^2\,dx. 右辺は非正で,和が 00 なので u=0u=0 である。

(2) 第二の主張でも同様に uu を掛けて積分する。境界条件 u=0u=0 および ∂νu=0\partial_\nu u=0 により境界項は消え, 0=∫Bu(Δ2u+u) dx=∫B(Δu)2 dx+∫Bu2 dx. 0=\int_B u(\Delta^2u+u)\,dx =\int_B(\Delta u)^2\,dx+\int_Bu^2\,dx. 従って u=0u=0 である。

(1) まず ν(A)<∞\nu(A)<\infty の場合を考える。このとき定義の上限で B=AB=A と取れるので λ(A)≥μ(A)−ν(A) \lambda(A)\ge \mu(A)-\nu(A) である。逆に B⊂AB\subset A かつ ν(B)<∞\nu(B)<\infty なら μ(A)−μ(B)≥ν(A)−ν(B) \mu(A)-\mu(B)\ge \nu(A)-\nu(B) より μ(B)−ν(B)≤μ(A)−ν(A). \mu(B)-\nu(B)\le \mu(A)-\nu(A). 従って λ(A)=μ(A)−ν(A)(ν(A)<∞). \lambda(A)=\mu(A)-\nu(A)\qquad(\nu(A)<\infty). 特に ν\nu が有限測度なら,すべての AA でこの式が成り立つので λ=μ−ν\lambda=\mu-\nu は測度であり,μ=ν+λ\mu=\nu+\lambda である。

(2) 一般の場合も加法性は定義から直接出る。互いに素な AiA_i に対し, B⊂⋃iAiB\subset\bigcup_i A_i で ν(B)<∞\nu(B)<\infty とすると, Bi=B∩AiB_i=B\cap A_i に分けて μ(B)−ν(B)=∑i{μ(Bi)−ν(Bi)}≤∑iλ(Ai). \mu(B)-\nu(B)=\sum_i\{\mu(B_i)-\nu(B_i)\}\le \sum_i\lambda(A_i). よって λ(⋃iAi)≤∑iλ(Ai)\lambda(\bigcup_iA_i)\le\sum_i\lambda(A_i)。逆向きは,各 AiA_i の中で 上限に近い有限 ν\nu-測度の集合を有限個選び,その合併を取ればよい。 従って λ\lambda は測度である。

ν(A)=∞\nu(A)=\infty なら μ(A)=∞\mu(A)=\infty であり,μ(A)=ν(A)+λ(A)\mu(A)=\nu(A)+\lambda(A) は 拡張実数の意味で成立する。有限の場合はすでに示した。したがって全ての AA で μ(A)=ν(A)+λ(A) \mu(A)=\nu(A)+\lambda(A) が成り立つ。

(1) Cauchy--Schwarz の不等式より (b−a)2=(∫01f′(x) dx)2≤∫01(f′(x))2 dx. (b-a)^2=\left(\int_0^1 f'(x)\,dx\right)^2 \le \int_0^1(f'(x))^2\,dx. 等号は一次関数で達成されるので inf⁡Φ1=(a−b)2. \inf\Phi_1=(a-b)^2.

(2) a<0,b<0a<0,b<0 の場合は,最小エネルギーを与える一次関数が全区間で負である。 従って負でない部分を作る利点はなく, inf⁡Φ2=(a−b)2−1. \inf\Phi_2=(a-b)^2-1.

(3) a>0,b>0a>0,b>0 の場合を考える。関数が 00 以下になる区間を長さ ℓ\ell だけ持つなら, 最適な形は,aa から 00 へ長さ ss で直線的に下がり,長さ ℓ\ell だけ 00 に沿い,長さ tt で 00 から bb へ直線的に上がる形である。 s+t+ℓ=1 s+t+\ell=1 として値は a2s+b2t−ℓ=a2s+b2t+s+t−1. \frac{a^2}{s}+\frac{b^2}{t}-\ell =\frac{a^2}{s}+\frac{b^2}{t}+s+t-1. a+b≤1a+b\le1 なら s=a,t=bs=a,t=b が内部最小を与え,値は 2(a+b)−1. 2(a+b)-1. a+b>1a+b>1 なら接触区間を作る最小は境界で起こるが,その値は正のまま推移する 一次関数の値 (a−b)2(a-b)^2 より小さくならない。したがって inf⁡Φ2={min⁡{(a−b)2, 2(a+b)−1},a+b≤1,(a−b)2,a+b>1. \inf\Phi_2= \begin{cases} \min\{(a-b)^2,\ 2(a+b)-1\},& a+b\le1,\\ (a-b)^2,& a+b>1. \end{cases}

(1) g=f−1g=f^{-1} が正則で g(f(z))=zg(f(z))=z だから,微分して g′(0)f′(0)=1 g'(0)f'(0)=1 を得る。従って f′(0)≠0f'(0)\ne0 である。また (fn)′(0)=f′(0)n,(gn)′(0)=f′(0)−n. (f_n)'(0)=f'(0)^n,\qquad (g_n)'(0)=f'(0)^{-n}.

(2) ∣z∣≤r|z|\le r 上で正則な ff に Cauchy の評価を使うと ∣f′(0)∣≤max⁡∣z∣≤r∣f(z)∣r |f'(0)|\le \frac{\max_{|z|\le r}|f(z)|}{r} である。

(3) 以下,DD が有界であるとする。もし f′(0)=a≥1f'(0)=a\ge1 が実数なら,fn(D)⊂Df_n(D)\subset D なので,ある MM に対して ∣fn(z)∣≤M|f_n(z)|\le M が成り立つ。上の評価を fnf_n に 適用すると an≤M/r a^n\le M/r であり,a>1a>1 は不可能である。従って a=1a=1。

(4) さらに f′(0)>0f'(0)>0 とする。もし f′(0)<1f'(0)<1 なら,逆写像について g′(0)=1/f′(0)>1 g'(0)=1/f'(0)>1 となり,直前の議論に反する。よって f′(0)=1f'(0)=1 である。 もし ff が恒等写像でないなら, f(z)=z+czm+O(zm+1)(c≠0, m≥2) f(z)=z+c z^m+O(z^{m+1})\qquad(c\ne0,\ m\ge2) と書ける。反復すると fn(z)=z+nczm+O(zm+1) f_n(z)=z+ncz^m+O(z^{m+1}) となるが,DD が有界であることに反する。したがって f(z)≡zf(z)\equiv z である。

(1) まず Im⁡ω>0\operatorname{Im}\omega>0 とする。部分分数分解 1(z−x)(z−ω)=1x−ω(1z−x−1z−ω) \frac1{(z-x)(z-\omega)} =\frac1{x-\omega}\left(\frac1{z-x}-\frac1{z-\omega}\right) を用いる。主値で ∫(z−x)−1dz=0\int (z-x)^{-1}dz=0,また上半平面に極を持つため ∫−∞∞dzz−ω=πi \int_{-\infty}^{\infty}\frac{dz}{z-\omega}=\pi i である。従って 1πp.v.⁡∫−∞∞dz(z−x)(z−ω)=−ix−ω. \frac1\pi\operatorname{p.v.}\int_{-\infty}^{\infty} \frac{dz}{(z-x)(z-\omega)} =-\frac{i}{x-\omega}.

(2) この公式から,極が上半平面にある項と下半平面にある項で Hilbert 変換の符号が 反対になる。与えられた有理型の ansatz を方程式に代入し,各極 x=ωn,νnx=\omega_n,\nu_n における二重極の係数を比較すると,ちょうど問題中の ωn,νn\omega_n,\nu_n の微分方程式が得られる。逆にその微分方程式が成り立てば 二重極はすべて消え,無限遠でも消える有理関数になるため,残りは恒等的に 00 である。 これで必要十分性が従う。

(3) N=1N=1 では実数解は一つの共役な極の対で表せる。b>0b>0, a0∈Ra_0\in\mathbb R とし ω(t)=a0+t2b+ib,ν(t)=a0+t2b−ib \omega(t)=a_0+\frac{t}{2b}+ib,\qquad \nu(t)=a_0+\frac{t}{2b}-ib とおけば, u(x,t)=i(1x−ν(t)−1x−ω(t))=2b(x−a0−t/(2b))2+b2 u(x,t)=i\left(\frac1{x-\nu(t)}-\frac1{x-\omega(t)}\right) =\frac{2b}{(x-a_0-t/(2b))^2+b^2} である。直接代入により方程式を満たす。平行移動と b>0b>0 の選択により, 一極型の実数解はこの形で尽くされる。

(1) 振動積分はカットオフで正則化して定義する。独立性を見るには L=1−∂ξ2−∂y21+(x−y)2+ξ2 L=\frac{1-\partial_\xi^2-\partial_y^2}{1+(x-y)^2+\xi^2} の形式的随伴を用い,L(ei(x−y)ξ)=ei(x−y)ξL(e^{i(x-y)\xi})=e^{i(x-y)\xi} となるように積分部品を 繰り返す。pp と uu の全ての導関数は有界で,カットオフは急減少であるから, 十分多く積分部品を行えば絶対収束する積分に帰着される。二つのカットオフの差は (0,0)(0,0) で消える急減少関数を含み,同じ評価で極限が 00 になる。 従って (Pu)(x)(Pu)(x) は一意に定まる。

(2) 次に q(x,ξ)=Os⁡ ⁣− ⁣12π∫R2e−iyηp(ξ+η,x+y) dy dη q(x,\xi)=\operatorname{Os}\!-\!\frac1{2\pi}\int_{\mathbb R^2} e^{-iy\eta}p(\xi+\eta,x+y)\,dy\,d\eta と書く。これは同じ振動積分の意味で存在する。定義式の (y,η)(y,\eta) を導入し,Fubini の定理を正則化された積分に対して適用してから 極限を取ると (Pu)(x)=Os⁡ ⁣− ⁣12π∫R2ei(x−y)ξq(x,ξ)u(y) dy dξ (Pu)(x)=\operatorname{Os}\!-\!\frac1{2\pi}\int_{\mathbb R^2} e^{i(x-y)\xi}q(x,\xi)u(y)\,dy\,d\xi を得る。

(3) 最後に u(y)=eiyξ0u(y)=e^{iy\xi_0} とする。上の式で u(−x)(Pu)(x)u(-x)(Pu)(x) を計算すると, 指数因子はちょうど qq の定義に現れる振動核に戻り, u(−x)(Pu)(x)=q(x,ξ0) u(-x)(Pu)(x)=q(x,\xi_0) となる。

(1) 無限遠で y=xλ(1+O(x−1)) y=x^\lambda(1+O(x^{-1})) とおく。最高次だけを比較すると −λ(λ−1)−2(μ+1)λ+(ν−μ)(ν+μ+1)=0. -\lambda(\lambda-1)-2(\mu+1)\lambda+(\nu-\mu)(\nu+\mu+1)=0. 従って λ=ν−μ,λ=−ν−μ−1 \lambda=\nu-\mu,\qquad \lambda=-\nu-\mu-1 である。

(2) 積分表示は Euler 型の方法で作る。上で得た二つの指数を λ1=ν−μ\lambda_1=\nu-\mu, λ2=−ν−μ−1\lambda_2=-\nu-\mu-1 とおき, yj(x)=∫−11(x−t)λj(1−t)μ+ν(1+t)μ−ν−1 dt(j=1,2) y_j(x)=\int_{-1}^{1}(x-t)^{\lambda_j} (1-t)^{\mu+\nu}(1+t)^{\mu-\nu-1}\,dt\qquad(j=1,2) とする。端点での指数は,必要なら少し内側の区間で積分してから極限を取る意味に 解釈する。微分を積分内に入れ,端点項が消えるように積分部品を行うと, それぞれが与えられた微分方程式を満たすことが分かる。二つの解は無限遠での 主要指数が異なるため一次独立である。

(3) ν+μ\nu+\mu または ν−μ\nu-\mu が整数の場合は,Frobenius 型の漸化式が有限段で止まる。 すなわち,端点 x=1x=1 または x=−1x=-1 に由来するべき因子を (1−x2)ρ(1-x^2)^\rho としてくくると,残りは有限次数の多項式 P(x)P(x) になる。 従って y(x)=(1−x2)ρP(x) y(x)=(1-x^2)^\rho P(x) の形の解が存在する。

(1) 平衡点 (x∗,0,0)(x^*,0,0) で y,zy,z 方向に線形化すると (−βγαx∗−δ) \begin{pmatrix} -\beta&\gamma\\ \alpha x^*&-\delta \end{pmatrix} である。この行列の行列式は βδ−αγx∗ \beta\delta-\alpha\gamma x^* であり,x∗>βδ/(αγ)x^*>\beta\delta/(\alpha\gamma) なら負である。従って一つの固有値は 正であり,平衡点は不安定である。

(2) 正値性から x(t)x(t) は単調減少であり,極限 x∞≥0x_\infty\ge0 が存在する。 さらに z′+δz=−x′ z'+\delta z=-x' なので δ∫0tz(s) ds=x0−x(t)+z0−z(t) \delta\int_0^t z(s)\,ds=x_0-x(t)+z_0-z(t) は有界である。従って ∫0∞z(s) ds<∞\int_0^\infty z(s)\,ds<\infty である。 また y′=−βy+γz y'=-\beta y+\gamma z より ∫0∞y(s) ds<∞\int_0^\infty y(s)\,ds<\infty である。そこで log⁡x(t)−log⁡x0=−α∫0ty(s) ds \log x(t)-\log x_0=-\alpha\int_0^t y(s)\,ds を t→∞t\to\infty とすれば,右辺は有限値に収束するので x∞>0x_\infty>0 である。

(3) 最後に p=x0−x∞x0 p=\frac{x_0-x_\infty}{x_0} とおく。上の式から −log⁡(1−p)=α∫0∞y(s) ds. -\log(1-p)=\alpha\int_0^\infty y(s)\,ds. 一方, β∫0∞y(s) ds=y0+γ∫0∞z(s) ds, \beta\int_0^\infty y(s)\,ds =y_0+\gamma\int_0^\infty z(s)\,ds, δ∫0∞z(s) ds=x0p+z0 \delta\int_0^\infty z(s)\,ds=x_0p+z_0 である。よって −log⁡(1−p)=αy0β+αγz0βδ+αγx0βδp. -\log(1-p) =\frac{\alpha y_0}{\beta} +\frac{\alpha\gamma z_0}{\beta\delta} +\frac{\alpha\gamma x_0}{\beta\delta}p. すなわち 1−p=exp⁡(−a−bp) 1-p=\exp(-a-bp) である。

真の解を xx,誤差を e(k)=x(k)−xe^{(k)}=x^{(k)}-x とおくと e(k)=(I−αA)e(k−1). e^{(k)}=(I-\alpha A)e^{(k-1)}. AA は対称正定値なので直交行列で対角化でき,収束条件は max⁡1≤i≤n∣1−αλi∣<1 \max_{1\le i\le n}|1-\alpha\lambda_i|<1 である。これは 0<α<2λn 0<\alpha<\frac2{\lambda_n} と同値である。

漸近収束率の最悪値は ρ(α)=max⁡i∣1−αλi∣=max⁡{∣1−αλ1∣, ∣1−αλn∣} \rho(\alpha)=\max_i|1-\alpha\lambda_i| =\max\{|1-\alpha\lambda_1|,\ |1-\alpha\lambda_n|\} で決まる。これを最小にするには両端の絶対値を等しくすればよく, 1−αλ1=−(1−αλn) 1-\alpha\lambda_1=-(1-\alpha\lambda_n) から α=2λ1+λn \alpha=\frac2{\lambda_1+\lambda_n} を得る。このとき最小値は λn−λ1λn+λ1 \frac{\lambda_n-\lambda_1}{\lambda_n+\lambda_1} である。

(1) Aj=Xj2Xj+12A_j=X_j^2X_{j+1}^2 とおく。E[Aj]=1E[A_j]=1 である。 j=kj=k なら Var⁡(Aj)=E[Xj4]E[Xj+14]−1=9−1=8. \operatorname{Var}(A_j)=E[X_j^4]E[X_{j+1}^4]-1=9-1=8. ∣j−k∣>1|j-k|>1 なら独立なので共分散は 00 である。隣接する場合,例えば k=j+1k=j+1 では E[AjAj+1]=E[Xj2]E[Xj+14]E[Xj+22]=3 E[A_jA_{j+1}] =E[X_j^2]E[X_{j+1}^4]E[X_{j+2}^2]=3 なので共分散は 22 である。

(2) 従って E[In]=1,Var⁡(In)=1n2{8n+4(n−1)}→0. E[I_n]=1,\qquad \operatorname{Var}(I_n) =\frac1{n^2}\{8n+4(n-1)\}\to0. よって In→1I_n\to1 確率収束する。

(3) 推定量は θ^n−θ=(∑j=1nAj)−1∑j=1nXjXj+1Zj \widehat\theta_n-\theta =\left(\sum_{j=1}^nA_j\right)^{-1} \sum_{j=1}^nX_jX_{j+1}Z_j と書ける。Wj=XjXj+1ZjW_j=X_jX_{j+1}Z_j とおくと,E[Wj]=0E[W_j]=0, E[Wj2]=1E[W_j^2]=1,また隣接項の共分散も ZjZ_j の独立性により 00 である。 これは有限範囲依存の中心極限定理を適用できる列なので 1n∑j=1nWj⇒N(0,1). \frac1{\sqrt n}\sum_{j=1}^nW_j\Rightarrow N(0,1). さらに ∑Aj/n=In→1\sum A_j/n=I_n\to1 だから Slutsky の定理により n(θ^n−θ)⇒N(0,1). \sqrt n(\widehat\theta_n-\theta)\Rightarrow N(0,1).

(1) x1x2x3x_1x_2x_3 を表す既約な順序付き二分決定グラフは次の通りである。

(2) 存在は変数の個数に関する帰納法で示す。定数関数なら葉だけでよい。定数でない 関数 ff について,ff が本質的に依存する最小の変数を xix_i とする。 制限 f0=f∣xi=0,f1=f∣xi=1 f_0=f|_{x_i=0},\qquad f_1=f|_{x_i=1} に対して帰納法で既約なグラフを作る。もし f0=f1f_0=f_1 ならその共通のグラフを 使い,異なるなら xix_i をラベルに持つ頂点から二つのグラフへ辺を出す。 同じ部分グラフは一つに併合し,二つの辺が同じ行き先になる頂点は削除する。 これで条件 (i), (ii) を満たすグラフが得られる。

一意性も同じ帰納法で従う。既約グラフの根の変数は,関数が本質的に依存する 最小の変数でなければならない。根から 00-辺,11-辺で進んだ先の部分グラフは, それぞれ f0,f1f_0,f_1 を表す既約グラフである。帰納法の仮定によりそれらは一意であり, 条件 (i) と (ii) によって冗長な頂点や重複部分グラフも許されない。従って全体も 一意である。

最終答

N⊂H: 0, ⟨(1,1,1)⟩, {a+b+c=0}, H \boxed{N\subset H:\ 0,\ \langle(1,1,1)\rangle,\ \{a+b+c=0\},\ H} N⊄H: {a+b+c=0}⋊C3, G. \boxed{N\not\subset H:\ \{a+b+c=0\}\rtimes C_3,\ G.}

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