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電気通信大学 院試 過去問 解答例

電通大 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2026年度 院試 過去問 解答例・解説(全2問)

全2問。線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは3件(固有値・固有ベクトル・重積分と極座標・正定値行列)。2025年度と共通のテーマは重積分と極座標。

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解説2問と大問1問の途中式・最終答(全2問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき2問)
問題本文
非収録

電通大 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2026年度 院試 過去問の出題内容(全2問)

この2問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数—成分和で整理する / 基底座標の読み取りあり
第2問微分積分・解析微分積分法線と勾配 / 極値判定あり

この年度の解説には検算2件・採点の置き所2件・典型ミス2件が付いています。

2026年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に3テーマが出ています。

前年度(2025年度)との違い

大問数
2025年度 2問 → 2026年度 2問
両年度に出たテーマ
重積分と極座標
2026年度で新しく出たテーマ
固有値・固有ベクトル・正定値行列
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第1問 — 線形代数

成分和で整理する

この行列では,JxJx が「成分和をすべての成分に並べたベクトル」になる。したがって,成分和が 00 の空間では A=J−IA=J-I が −I-I に簡約される。今回の uu と,条件を満たした後の vv はどちらもこの空間に入るため,作用は単に符号反転になる。

基底座標の読み取り

c1p1+c2p2+c3p3=(−c1−c2−c3c1c2c3) c_1p_1+c_2p_2+c_3p_3 = \begin{pmatrix} -c_1-c_2-c_3\\ c_1\\c_2\\c_3 \end{pmatrix} である。したがって VV のベクトルをこの基底で表すとき,座標は第2,第3,第4成分をそのまま読めばよい。この観察を使うと,表現行列の列ベクトルを短く求められる。

採点の置き所

A=J−IA=J-I と見抜く部分が答案全体の起点である。ここから成分和 00 の空間が −1-1 固有空間,全成分が等しい方向が 33 固有空間であることを説明すると,固有値・固有空間・表現行列の計算が一つの流れになる。

典型ミス

Av∈VAv\in V の条件を v∈Vv\in V の条件と同一視するのは,この行列では結果的に同じ形になるが,理由を書かないと危うい。Av=(J−I)vAv=(J-I)v の成分和が 33 倍になることから,Av∈VAv\in V と vv の成分和 00 が同値であると示す。

検算

表現行列の第1列は Au=−u=(−4,1,5,−2)TAu=-u=(-4,1,5,-2)^T の第2,第3,第4成分である。第2列も Av=−v=(−11,5,−1,7)TAv=-v=(-11,5,-1,7)^T から読める。したがって M=(155−1−27) M= \begin{pmatrix} 1&5\\5&-1\\-2&7 \end{pmatrix} の各列は,定義域基底 (u,v)(u,v) の像を VV の基底 (p1,p2,p3)(p_1,p_2,p_3) で表したものになっている。

解答

行列 AA は,全成分が 11 の行列を JJ,単位行列を II として A=J−I A=J-I と表せる。したがって,成分和が 00 のベクトルには AA は −I-I として働く。

u=(4−1−52) u= \begin{pmatrix} 4\\-1\\-5\\2 \end{pmatrix} の成分和は 00 であるから Au=−u=(−415−2). Au=-u= \begin{pmatrix} -4\\1\\5\\-2 \end{pmatrix}.

1=(1,1,1,1)T\mathbf{1}=(1,1,1,1)^{\mathsf T} に対しては J1=41J\mathbf{1}=4\mathbf{1} なので A1=31. A\mathbf{1}=3\mathbf{1}. 一方,成分和が 00 の任意のベクトル xx については Jx=0Jx=0 より Ax=−x. Ax=-x. よって固有値は 33 と −1-1 であり,次元が 33 の固有空間は V={x∈R4 | x1+x2+x3+x4=0} V=\left\{ x\in\mathbb{R}^4\ \middle|\ x_1+x_2+x_3+x_4=0 \right\} である。

この固有空間に p1=(α100),p2=(β010),p3=(γ001) p_1= \begin{pmatrix} \alpha\\1\\0\\0 \end{pmatrix},\quad p_2= \begin{pmatrix} \beta\\0\\1\\0 \end{pmatrix},\quad p_3= \begin{pmatrix} \gamma\\0\\0\\1 \end{pmatrix} が属するためには,それぞれ成分和が 00 であればよい。したがって α=β=γ=−1. \alpha=\beta=\gamma=-1. このとき,p1,p2,p3p_1,p_2,p_3 は第2,第3,第4成分から係数がただちに決まるため一次独立であり,VV の基底である。

次に v=(11−51k) v= \begin{pmatrix} 11\\-5\\1\\k \end{pmatrix} について考える。Av=(J−I)vAv=(J-I)v の成分和は,vv の成分和の 33 倍である。したがって Av∈VAv\in V となる条件は 11−5+1+k=0 11-5+1+k=0 であり, k=−7 k=-7 を得る。

この値のもとで Av=−v=(−115−17) Av=-v= \begin{pmatrix} -11\\5\\-1\\7 \end{pmatrix} である。VV の基底 A=(p1,p2,p3) \mathcal{A}=(p_1,p_2,p_3) に関する座標は,第2,第3,第4成分を読めばよい。したがって [Au]A=(15−2),[Av]A=(5−17). [Au]_{\mathcal{A}}= \begin{pmatrix} 1\\5\\-2 \end{pmatrix},\qquad [Av]_{\mathcal{A}}= \begin{pmatrix} 5\\-1\\7 \end{pmatrix}. 定義域 WW の基底を (u,v)(u,v) とするので,表現行列は M=(155−1−27). M= \begin{pmatrix} 1&5\\ 5&-1\\ -2&7 \end{pmatrix}.

最終答

Au=(−415−2) Au= \begin{pmatrix} -4\\1\\5\\-2 \end{pmatrix} 固有値は 3,−13,-1 で,次元 33 の固有空間は V={x∈R4 | x1+x2+x3+x4=0}. V=\left\{ x\in\mathbb{R}^4\ \middle|\ x_1+x_2+x_3+x_4=0 \right\}. α=β=γ=−1,k=−7. \alpha=\beta=\gamma=-1,\qquad k=-7. 表現行列は M=(155−1−27). M= \begin{pmatrix} 1&5\\ 5&-1\\ -2&7 \end{pmatrix}.

第2問 — 微分積分

法線と勾配

陰曲線の接線は ∇f\nabla f と直交するため,法線方向は ∇f\nabla f そのものである。今回の点では勾配が (1,2)(1,2) となるので,点を通る方向ベクトル表示から直線方程式へ変換すればよい。

極値判定

停留点をすべて出した後,ヘッセ行列の正定値性で判定する。正定値なら極小,負定値なら極大,不定値なら鞍点である。今回は正定値になる停留点が一つだけである。

領域に合う変数変換

I1I_1 は平方根を含む境界なので x=u2,y=v2x=u^2,y=v^2,I2I_2 は円盤の扇形なので極座標,I3I_3 は x2≤yx^2\le y を xx の範囲に直す,というように領域の形に合わせて積分順序を選ぶと計算が短くなる。

採点の置き所

法線では,勾配を計算したあと,その勾配を方向ベクトルにした直線が法線であることを書く。極値では停留点を三つ挙げ,ヘッセ行列の正定値・不定値を各点で判定して,極小点と鞍点を明確に区別する。

典型ミス

I1I_1 の変数変換では dxdy=4uv dudvdxdy=4uv\,dudv を忘れやすい。境界が x+y≤1\sqrt{x}+\sqrt{y}\le1 なので u+v≤1u+v\le1 になるが,このとき u,v≥0u,v\ge0 も同時に書く必要がある。I2I_2 では角度の上限が arctan⁡(3/4)\arctan(3/4) であり,sin⁡ϕ=3/5,cos⁡ϕ=4/5\sin\phi=3/5,\cos\phi=4/5 を使うと計算を検算できる。

検算

(1,1)(1,1) では H=(4002)H=\begin{pmatrix}4&0\\0&2\end{pmatrix} なので確かに正定値である。I1=1/45I_1=1/45 は三角形領域上の uvu v 型積分として小さい正値になり,I3=(2log⁡2−1)/4>0I_3=(2\log2-1)/4>0 は 2log⁡2>12\log2>1 から符号も確認できる。

微分積分の途中式・最終答をPDFで見る

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