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電気通信大学 院試 過去問 解答例

電通大 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2023年度 院試 過去問 解答例・解説(全2問)

全2問。線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは4件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・重積分と極座標)。2022年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・重積分と極座標。

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収録5年度分の解答PDF:電気通信大学 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 専門科目(情報・ネットワーク工学)(¥2,880・紙面見本あり)

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解説2問と大問1問の途中式・最終答(全2問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき2問)
問題本文
非収録

電通大 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2023年度 院試 過去問の出題内容(全2問)

この2問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数—対角化条件あり
第2問微分積分・解析微分積分二次までの展開 / 変数変換あり

この年度の解説には検算2件・採点の置き所2件・典型ミス2件が付いています。

2023年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に4テーマが出ています。

前年度(2022年度)との違い

大問数
2022年度 2問 → 2023年度 2問
2023年度で新しく出たテーマ
テイラー展開
2022年度のページを見る

第1問 — 線形代数

対角化条件

固有値 11 は重複しているため,固有空間が二次元になるかどうかが対角化の分岐点である。行基本変形で a=−3a=-3 のときだけ二次元になる。

AnA^n の求め方

対角化可能な場合,固有値 11 の成分はそのまま,固有値 33 の成分だけが 3n3^n 倍される。射影行列を使うと,基底変換行列を明示しなくても AnA^n を書ける。

採点の置き所

重複固有値 11 の代数的重複度が 22 であることと,固有空間の次元が 22 になる条件を明確に分ける。対角化可能性は「固有値が実数」だけではなく,固有空間の次元の和が 33 になることまで書く必要がある。

典型ミス

(E−A)2(E-A)^2 の核と (A−E)(A-E) の核を混同すると,Ker⁡f\operatorname{Ker}f の次元と対角化条件を取り違える。設問で定義された写像 ff がどの行列で表されているかを一度式に戻し,その核を計算する。

検算

提示した P3=(−1−1−1000222) P_3= \begin{pmatrix} -1&-1&-1\\ 0&0&0\\ 2&2&2 \end{pmatrix} は P32=P3P_3^2=P_3 を満たす射影である。したがって An=E+(3n−1)P3A^n=E+(3^n-1)P_3 に n=1n=1 を代入して元の AA が戻ることを確認できる。

解答

特性多項式は det⁡(A−λE)=−(λ−1)2(λ−3) \det(A-\lambda E)=-(\lambda-1)^2(\lambda-3) である。したがって固有値は 1, 3 1,\ 3 である。

最大の固有値は 33 である。(A−3E)x=0(A-3E)x=0 を解くと y=0,z=−2x y=0,\qquad z=-2x となるので,固有空間の基底として {(10−2)} \left\{ \begin{pmatrix} 1\\0\\-2 \end{pmatrix} \right\} を取れる。

最小の固有値は μ=1\mu=1 である。(E−A)2(E-A)^2 は階数 11 なので dim⁡Ker⁡f=2,dim⁡Im⁡f=1. \dim\operatorname{Ker}f=2,\qquad \dim\operatorname{Im}f=1.

固有値 11 の固有空間が二次元になる条件は a=−3 a=-3 である。したがって対角化可能であるための条件も a=−3a=-3 である。

この条件のもとでは,固有値 11 の固有空間は x+y+z=0 x+y+z=0 であり,固有値 33 の方向は (1,0,−2)T(1,0,-2)^{\mathsf T} である。任意の x∈R3x\in\mathbb{R}^3 に対して,固有値 33 成分への射影は P3x=−(x1+x2+x3)(10−2). P_3x=-(x_1+x_2+x_3) \begin{pmatrix} 1\\0\\-2 \end{pmatrix}. よって An=E+(3n−1)P3 A^n=E+(3^n-1)P_3 であり,行列で書けば An=E+(3n−1)(−1−1−1000222). A^n= E+(3^n-1) \begin{pmatrix} -1&-1&-1\\ 0&0&0\\ 2&2&2 \end{pmatrix}.

最終答

固有値は 1,31,3。固有値 33 の固有空間の基底は {(10−2)}. \left\{ \begin{pmatrix}1\\0\\-2\end{pmatrix} \right\}. dim⁡Ker⁡f=2,dim⁡Im⁡f=1. \dim\operatorname{Ker}f=2,\qquad \dim\operatorname{Im}f=1. 対角化可能であるための条件は a=−3. a=-3. このとき An=E+(3n−1)(−1−1−1000222). A^n= E+(3^n-1) \begin{pmatrix} -1&-1&-1\\ 0&0&0\\ 2&2&2 \end{pmatrix}.

第2問 — 微分積分

二次までの展開

係数は二次までしか求めないので,展開では二次以下の項だけを保持する。これにより計算量を大きく減らせる。

変数変換

I2I_2 は領域条件が x+yx+y と x−yx-y で与えられているため,そのまま新しい変数にすると長方形領域になる。ヤコビアン 1/21/2 を忘れないことが重要である。

採点の置き所

マクローリン展開では,どの単項式を c0,…,c5c_0,\ldots,c_5 に対応させるかを答案内で明示する。極値問題では停留点を求めたあと,ヘッセ行列または二次近似により (0,0)(0,0) と (1,−2)(1,-2) を区別する部分が得点の中心になる。

典型ミス

e2ysin⁡(x2+3y)e^{2y}\sin(x^2+3y) で e2ye^{2y} の一次項と sin⁡\sin の一次項を掛けた 6y26y^2 を落としやすい。二次まで必要なときは,e2y=1+2y+2y2+⋯e^{2y}=1+2y+2y^2+\cdots,sin⁡(x2+3y)=x2+3y+⋯\sin(x^2+3y)=x^2+3y+\cdots と次数をそろえて書く。

検算

I1I_1 は半径 rr の積分で ∫0πrsin⁡r dr=π\int_0^\pi r\sin r\,dr=\pi となるため,全体は 2π22\pi^2 で正である。I3=11/30I_3=11/30 も,内側の面積差 12−x2+x4\frac12-x^2+x^4 が区間内で非負であることから符号が確認できる。

微分積分の途中式・最終答をPDFで見る

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