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電気通信大学 院試 過去問 解答例

電通大 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2024年度 院試 過去問 解答例・解説(全2問)

全2問。線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは2件(固有値・固有ベクトル・重積分と極座標)。2023年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・重積分と極座標。

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解説2問と大問1問の途中式・最終答(全2問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき2問)
問題本文
非収録

電通大 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2024年度 院試 過去問の出題内容(全2問)

この2問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数—固有ベクトル分解 / 固有ベクトルでない理由あり
第2問微分積分・解析微分積分接平面と交線 / 区分求積法あり

この年度の解説には検算2件・採点の置き所2件・典型ミス2件が付いています。

2024年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に2テーマが出ています。

前年度(2023年度)との違い

大問数
2023年度 2問 → 2024年度 2問
2023年度のページを見る

第1問 — 線形代数

固有ベクトル分解

p3p_3 は p1,p2p_1,p_2 の一次結合であり,p1,p2p_1,p_2 は異なる固有値をもつ固有ベクトルである。この形まで分解しておくと,Anp3A^n p_3 は固有値の nn 乗を掛けるだけで求められる。

固有ベクトルでない理由

二つの異なる固有空間の非零成分を同時に含むベクトルは,通常は固有ベクトルにならない。実際に Ap3Ap_3 を p1,p2p_1,p_2 成分で見ると,係数の比が一致しない。

採点の置き所

まず p3=−5p1+2p2p_3=-5p_1+2p_2 を示し,そのうえで p1,p2p_1,p_2 がそれぞれ異なる固有値をもつことを確認する流れが重要である。Anp3A^n p_3 はこの分解式に固有値の nn 乗を掛けるだけなので,途中の分解を省くと最終式の根拠が弱くなる。

典型ミス

「p3p_3 が p1,p2p_1,p_2 の一次結合である」ことと「p3p_3 が固有ベクトルである」ことは別である。異なる固有値の固有ベクトルを混ぜた非零ベクトルは,片方の係数が消えない限り固有ベクトルにはならない。

検算

n=0n=0 を代入すると A0p3=p3=(9,2,4,−1)T A^0p_3=p_3=(9,2,4,-1)^{\mathsf T} が戻る。n=1n=1 を代入した式が直接計算した Ap3=−15p1−2p2Ap_3=-15p_1-2p_2 と一致することも確認できる。

解答

行列式を行基本変形または展開で計算すると det⁡A=9 \det A=9 である。

次に p1=(100−1),p2=(712−3),p3=(924−1) p_1= \begin{pmatrix}1\\0\\0\\-1\end{pmatrix},\quad p_2= \begin{pmatrix}7\\1\\2\\-3\end{pmatrix},\quad p_3= \begin{pmatrix}9\\2\\4\\-1\end{pmatrix} について, p3=−5p1+2p2 p_3=-5p_1+2p_2 である。したがって p3∈span⁡{p1,p2}p_3\in \operatorname{span}\{p_1,p_2\} である。

Ap1=(300−3)=3p1,Ap2=(−7−1−23)=−p2. Ap_1= \begin{pmatrix}3\\0\\0\\-3\end{pmatrix} =3p_1, \qquad Ap_2= \begin{pmatrix}-7\\-1\\-2\\3\end{pmatrix} =-p_2. よって p1,p2p_1,p_2 はそれぞれ固有値 3,−13,-1 に対応する固有ベクトルである。一方 Ap3=−15p1−2p2 Ap_3=-15p_1-2p_2 であり,これは p3=−5p1+2p2p_3=-5p_1+2p_2 の定数倍ではない。したがって p3p_3 に対応する固有値は存在しない。

求めた固有値のうち最小のものは −1-1 である。(A+I)x=0(A+I)x=0 を解くと x1+73x4=0,x2−12x3=0 x_1+\frac73x_4=0,\qquad x_2-\frac12x_3=0 となる。整数成分の基底として (0120),(−7003) \begin{pmatrix}0\\1\\2\\0\end{pmatrix}, \quad \begin{pmatrix}-7\\0\\0\\3\end{pmatrix} を取れる。

また Anp3=−5⋅3np1+2(−1)np2 A^n p_3=-5\cdot 3^n p_1+2(-1)^n p_2 であるから Anp3=(−5⋅3n+14(−1)n2(−1)n4(−1)n5⋅3n−6(−1)n). A^n p_3= \begin{pmatrix} -5\cdot 3^n+14(-1)^n\\ 2(-1)^n\\ 4(-1)^n\\ 5\cdot 3^n-6(-1)^n \end{pmatrix}.

最終答

det⁡A=9,p3=−5p1+2p2. \det A=9,\qquad p_3=-5p_1+2p_2. Ap1=3p1,Ap2=−p2, Ap_1=3p_1,\qquad Ap_2=-p_2, であり,p3p_3 は固有ベクトルではない。固有値 −1-1 の固有空間の基底は {(0120),(−7003)}. \left\{ \begin{pmatrix}0\\1\\2\\0\end{pmatrix}, \begin{pmatrix}-7\\0\\0\\3\end{pmatrix} \right\}. Anp3=(−5⋅3n+14(−1)n2(−1)n4(−1)n5⋅3n−6(−1)n). A^n p_3= \begin{pmatrix} -5\cdot 3^n+14(-1)^n\\ 2(-1)^n\\ 4(-1)^n\\ 5\cdot 3^n-6(-1)^n \end{pmatrix}.

第2問 — 微分積分

接平面と交線

接平面は一次近似の式で求める。さらに z=x2+y2z=x^2+y^2 と接平面を連立すると,xyxy 平面上では円になる。円上で原点からの距離が最大になる点を取れば,z=x2+y2z=x^2+y^2 の最大点が分かる。

区分求積法

和の分母を n2n^2 でくくると,二変数関数 1/(x+y+1)1/(x+y+1) のリーマン和になっていることが見える。添字 j,kj,k はそれぞれ x,yx,y 方向の分割点に対応する。

採点の置き所

接平面の問題では,点での値 g(1,1)g(1,1) と偏微分 gx(1,1),gy(1,1)g_x(1,1),g_y(1,1) をすべて示す。最大値の問題では,交線を円 (x−1)2+(y−2)2=20(x-1)^2+(y-2)^2=20 としてから,原点から最も遠い点を選ぶ理由を書くと幾何的な根拠が明確になる。

典型ミス

交線上で zz を最大化する問題を,接平面上の z=2x+4y+15z=2x+4y+15 の線形最大化として処理すると誤る。交線は同時に z=x2+y2z=x^2+y^2 も満たすため,xyxy 平面上の円で原点からの距離を最大化する問題に直す。

検算

最大点 (3,6)(3,6) は円の中心 (1,2)(1,2) からの差が (2,4)(2,4) で,半径 252\sqrt5 を満たす。区分求積の極限値 3log⁡3−4log⁡23\log3-4\log2 は正であり,被積分関数 1/(x+y+1)1/(x+y+1) が 1/31/3 から 11 の範囲にあることとも矛盾しない。

微分積分の途中式・最終答をPDFで見る

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