電気通信大学 院試 過去問 解答例
電通大 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2022年度 院試 過去問 解答例・解説(全2問)
全2問。線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは3件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・重積分と極座標)。
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- 解説2問と大問1問の途中式・最終答(全2問)
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- 途中式と最終答(最終答つき2問)
- 問題本文
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電通大 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2022年度 院試 過去問の出題内容(全2問)
この2問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。
この年度の解説には検算2件・採点の置き所2件・典型ミス2件が付いています。
2022年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は2問に3テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 固有値・固有ベクトル | 第1問 | 25大学・544問 | |
| 線形空間・基底 | 第1問 | 21大学・152問 | |
| 重積分と極座標 | 第2問 | 23大学・142問 |
第1問 — 線形代数
対称行列を利用する
この行列は対称行列であるため,直交固有分解を使える。高次の行列多項式をそのまま掛け算で求めるより,固有値に多項式を代入する方が計算量もミスも少ない。
行列多項式の像
は,固有値 の固有空間上で 倍として働く。今回は なので,その二つの固有空間成分は消える。一方で なので,像は 固有空間そのものになる。
射影行列
一次元部分空間 への直交射影は で表される。ここで とすれば,係数 が出る。
採点の置き所
この問題は,固有値を求めるだけでなく,高次多項式 の作用を固有空間ごとに分けて説明できるかが採点対象になる。特に , を明示し,像が 固有空間だけに残ることを書くと,行列計算を省いても答案の根拠が通る。
典型ミス
Cayley--Hamilton の符号を誤ると がすべてずれる。特性多項式を で計算した場合と で計算した場合では全体符号の扱いが変わるので,最終的に を に代入して確認する。
検算
求めた は階数 の行列で,各列が の定数倍になっている。さらに ,, を確かめれば,固有空間上の作用と一致している。
解答
行列 の特性多項式は である。したがって固有値は であり,最大の固有値は である。対応する固有ベクトルとして を取れる。
もし であれば,任意の固有値 について が成り立つ。二次式が異なる三つの根をもつので である。
また より,Cayley--Hamilton の定理から したがって
次に を求める。対応するスカラー多項式は である。よって に対する固有ベクトルは であり, である。 は対称行列なので, は 固有空間への射影に を掛けたものになる。したがって すなわち この行列の像は であるから, であり,基底として を取れる。
最終答
最大固有値は であり,対応する固有ベクトルの一つは
第2問 — 微分積分
極値と鞍点
停留点が複数あるときは,点ごとにヘッセ行列を評価する。今回の は停留点ではあるが,行列式が負なので極値ではない。答案では「停留点」と「極値」を混同しないことが重要である。
接線の式
陰関数 の接線は,勾配ベクトルに垂直な直線である。形式的には と書ける。この形で計算すると,傾きを直接求める必要がなく,垂直接線の場合にも対応できる。
積分変換の選び方
第一の積分は円環領域なので極座標,第二の積分は と が領域を決めているので線形変換,第三の積分は被積分関数が だけに依存するので積分順序の交換が有効である。領域の形から変数変換を選ぶのが計算を短くするポイントである。
採点の置き所
極値問題では,停留点の列挙,ヘッセ行列による分類,関数値の計算を分けて書く。接線では が曲線上にあることを確認したうえで,勾配を法線ベクトルとして使う形にすれば,傾きだけの答案より減点されにくい。
典型ミス
では としたときのヤコビアンが になる。ここを としてしまう誤りが多い。また は と の上下限を入れ替える問題であり, の三角形を描かずに処理すると積分範囲を逆にしやすい。
検算
では かつ なので極小, では なので鞍点である。積分値は ,, であり,特に は被積分関数が高々 ,領域面積が であることとも整合する。
電通大 専門科目(情報・ネットワーク工学) 院試 過去問の収録5年度
線形代数 / 微分積分
線形代数 / 微分積分
線形代数 / 微分積分
線形代数 / 微分積分
2022年度(このページ・全2問)
線形代数 / 微分積分