電気通信大学 院試 過去問 解答例
電通大 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2022年度 院試 解答例・解説
電気通信大学 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 専門科目(情報・ネットワーク工学) 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全2問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
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設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 線形代数
対称行列を利用する
この行列は対称行列であるため,直交固有分解を使える。高次の行列多項式をそのまま掛け算で求めるより,固有値に多項式を代入する方が計算量もミスも少ない。
行列多項式の像
は,固有値 の固有空間上で 倍として働く。今回は なので,その二つの固有空間成分は消える。一方で なので,像は 固有空間そのものになる。
射影行列
一次元部分空間 への直交射影は で表される。ここで とすれば,係数 が出る。
採点の置き所
この問題は,固有値を求めるだけでなく,高次多項式 の作用を固有空間ごとに分けて説明できるかが採点対象になる。特に , を明示し,像が 固有空間だけに残ることを書くと,行列計算を省いても答案の根拠が通る。
典型ミス
Cayley--Hamilton の符号を誤ると がすべてずれる。特性多項式を で計算した場合と で計算した場合では全体符号の扱いが変わるので,最終的に を に代入して確認する。
検算
求めた は階数 の行列で,各列が の定数倍になっている。さらに ,, を確かめれば,固有空間上の作用と一致している。
第2問 — 微分積分
極値と鞍点
停留点が複数あるときは,点ごとにヘッセ行列を評価する。今回の は停留点ではあるが,行列式が負なので極値ではない。答案では「停留点」と「極値」を混同しないことが重要である。
接線の式
陰関数 の接線は,勾配ベクトルに垂直な直線である。形式的には と書ける。この形で計算すると,傾きを直接求める必要がなく,垂直接線の場合にも対応できる。
積分変換の選び方
第一の積分は円環領域なので極座標,第二の積分は と が領域を決めているので線形変換,第三の積分は被積分関数が だけに依存するので積分順序の交換が有効である。領域の形から変数変換を選ぶのが計算を短くするポイントである。
採点の置き所
極値問題では,停留点の列挙,ヘッセ行列による分類,関数値の計算を分けて書く。接線では が曲線上にあることを確認したうえで,勾配を法線ベクトルとして使う形にすれば,傾きだけの答案より減点されにくい。
典型ミス
では としたときのヤコビアンが になる。ここを としてしまう誤りが多い。また は と の上下限を入れ替える問題であり, の三角形を描かずに処理すると積分範囲を逆にしやすい。
検算
では かつ なので極小, では なので鞍点である。積分値は ,, であり,特に は被積分関数が高々 ,領域面積が であることとも整合する。