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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目B 2005年度 院試 過去問 解答例・解説(全1問)

全1問。線形代数1問。テーマタグは4件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・一様収束)。2004年度と共通のテーマは線形空間・基底・一様収束・群論・環論。

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解説1問・解答1問・最終答1問(全1問)
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2005年度は解答・最終答まで全文公開
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東大 専門科目B 2005年度 院試 過去問の出題内容(全1問)

この1問の分野は線形代数1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数行列の位数非半単純性を見る / 生成元は平方ではないあり

2005年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は1問に4テーマが出ています。

前年度(2004年度)との違い

大問数
2004年度 1問 → 2005年度 1問
両年度に出たテーマ
線形空間・基底・一様収束・群論・環論
2005年度で新しく出たテーマ
固有値・固有ベクトル
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第1問 — 行列の位数

非半単純性を見る

有限体上の可逆行列で位数に標数 pp が現れるのは,Jordan 分解の unipotent 部分が非自明な場合だけである。二次元ではその場合,固有値が 一つに重なる。

生成元は平方ではない

Fp×\mathbb F_p^\times は位数 p−1p-1 の巡回群であり,平方元は偶数乗の元である。 生成元が平方なら生成元の指数が偶数になり,位数が p−1p-1 にならない。

[有理関数体の不変体]

軌道の大きさが最小多項式の次数

有限群の不変体では,元の最小多項式は軌道積から得られる。ここでは 変数の巡回置換と三乗根倍により X1X_1 の軌道がちょうど 99 個になる。

中間体は部分群で数える

[M:K]=9[M:K]=9 は [L:M]=3[L:M]=3 と同値なので,位数 33 の部分群を数えればよい。 Galois 性は対応する部分群が正規かどうかで判定する。

[零次元剰余環]

非零点は横断的

非零点では Jacobian 行列式が消えないので,局所的には単純な一点である。 原点だけが重複度を持つ。

局所環では単元を使う

原点の局所環では定数項が 11 の元は単元である。 1−X11Y1-X^{11}Y を単元として処理すると,複雑に見える関係が (X3,Y2)(X^3,Y^2) に落ちる。

[sl2 作用]

ウェイトで分解する

HnH_n は xx の次数から yy の次数を引く作用である。単項式基底を使うと, 固有値も重複度もそのまま数え上げになる。

最高ウェイトベクトルを送る

Sym⁡d(C2)\operatorname{Sym}^d(\mathbb C^2) は最高ウェイト dd の既約表現である。 したがって,最高ウェイトベクトルの行き先を決めれば同変写像が決まる。

[三次曲面の Gauss 写像]

面積形式の引き戻し

グラフ曲面では,Gauss 写像の引き戻しは 「Hessian の行列式」を (1+∣∇h∣2)3/2(1+|\nabla h|^2)^{3/2} で割った形になる。 符号は選んだ法線の向きで決まる。

全曲率として読む

この積分は向きを込めた Gauss 写像の面積である。今回は曲率が原点以外で 負なので,答も負の値になる。

[貼り合わせ空間の一次ホモロジー]

固体トーラスは meridian を殺す

貼り合わせによって一次ホモロジーで新しく加わる関係は,境界トーラス上で meridian が表す傾きが零になることだけである。

行列式が有限部分の位数

二つの原始傾きで Z2\mathbb Z^2 を割ると,独立なら有限巡回群になり, その位数は二つの傾きベクトルの行列式の絶対値である。

[区間三つの配置空間]

中心だけが本質

三つの区間に共通点があるかどうかは,中心が完全に一致する場合だけ 小さい区間で避けられない。中心がずれていれば,長さを十分小さくできる。

対角線の補空間

R3\mathbb R^3 から直線を除いた空間は,平面から一点を除いた空間と同じ 基本群を持つ。したがって基本群は一周数で測る Z\mathbb Z である。

[二つの小解消]

例外集合が別の方向を記録する

X1X_1 と X2X_2 は同じ特異点を別々の射影方向で置き換えている。 一方の例外方向を固定しても,他方の例外方向は近づき方で変わる。

拡張不能は一つの反例で十分

同じ X1X_1 の極限点に向かう経路で,X2X_2 側の極限が複数出ることを示せば, 連続拡張は存在しない。

[Bergman 型ノルム]

単項式の直交性

円板では znz^n が面積積分で直交する。係数表示のノルムを出せば, 原点評価は a0a_0 の評価に戻る。

評価ノルムは自己同型で移す

点 α\alpha の評価は,α\alpha を原点に送る自己同型と Jacobian 因子で 原点評価に帰着できる。

[動径方程式]

指数因子で定数項が消える

e−r/2e^{-r/2} を先に分離すると,−1/4-1/4 の項が二階微分から出る 1/41/4 と 打ち消し合う。残るのは Laguerre 型の方程式である。

解析性で初期値が決まる

原点で解析的かつ f(0)=1f(0)=1 なので,漸化式によりすべての係数が一意に定まる。

[可積分関数と可測集合列]

測度の絶対連続性

∫Ef\int_E f を新しい測度と見れば,条件は「その測度で EnE_n が小さくなる」 という意味になる。ff が厳密に一符号なら,これは Lebesgue 測度の可積分関数 すべてに対して十分強い。

符号変化は相殺を生む

正の部分と負の部分があると,積分が零になるように集合を組み合わせられる。 この相殺は ∣g∣|g| の積分を小さくしないので,必要条件から外れる。

[フーリエ係数の評価]

11 が幾何級数を支配する

2∑n≥13−n=12\sum_{n\ge1}3^{-n}=1 なので,定数項 11 が残りの振動部分をちょうど 押さえ込む。これが非負性の核心である。

符号を選んで双対化する

係数 bnb_n の位相を ana_n に合わせると,∫fg\int fg が重み付き絶対値和になる。 非負な gg の平均が 11 であるため,積分は sup⁡∣f∣\sup|f| で評価できる。

[二階差分方程式]

零点で補間する

求める関係式を u(c)=0u(c)=0 で見ると,v(c)v(c) の値が一意に指定される。 零点が単純で隣接零点がないため,補間が破綻しない。

Casoratian が一次元を測る

連続の場合の Wronskian と同じく,差分方程式では Casoratian が解空間の 独立性を測る。固定した uu に対して Casoratian が aa の定数倍になるため, 解空間は u,vu,v の二次元に収まる。

[Jacobi 型直交多項式]

Rodrigues 公式

この形は Jacobi 多項式の Rodrigues 公式そのものである。直交性は 微分を相手の低次多項式へ移す部分積分で出る。

固有値は最高次で読む

微分作用素が fnf_n の定数倍であることが分かれば,定数は最高次係数だけを 比較すれば決まる。

[転置を含む線型変換]

二乗すると転置が消える

TT そのものは転置を含むが,二乗すると通常の共役作用になる。 共役作用の固有値は,元の行列の固有値の比で決まる。

標準行列では置換になる

EijE_{ij} を使うと TT は基底の置換として読める。周期長を数えれば 特性多項式が直接分かる。

[二次元力学系]

境界で内向きかを見る

不変領域の確認では,境界ごとにベクトル場が外へ出ないことを調べる。 この問題では三つの境界だけで済む。

しきい値は線形化と Lyapunov 関数に現れる

R0<1R_0<1 は原点の線形安定性だけでなく,係数 cc を選んで x+cyx+cy を減少関数にする条件でもある。

[有限集合上の論理関係]

極大対は完全な二分割になる

どちらにも属さない元があると,それを左右どちらに入れても破綻する。 二つの破綻証拠を A3 で合成すると元の対も破綻し,矛盾になる。

二値評価を作る

極大対で PP を真,QQ を偽と見れば,A4,A5 がちょうど ∧\wedge と inf⁡\inf の整合性を保証する。

[独立確率変数の級数]

非負級数は期待値和で判定する

独立な非負項では,期待値和が有限ならほぼ確実に有限である。 逆向きも切断と Borel--Cantelli を組み合わせる標準事実として使える。

積は対数和を見る

∏Xk\prod X_k の増減は ∑log⁡Xk\sum\log X_k のドリフトで決まる。 負のドリフトなら指数減衰し,非負なら級数項が十分速く消えない。

[Hermite 補間]

x1x_1 は重複節点

値条件に加えて x1x_1 で微分条件があるため,補間誤差では (y−x1)(y-x_1) がもう一つ余分に現れる。

Rolle の定理を反復する

補間誤差から適切な定数倍の節点多項式を引き,零点を一つ増やす。 重複零点を数えると n+1n+1 回微分したところで評価点 ξ\xi が得られる。

解答

det⁡M\det M が Fp×\mathbb F_p^\times の生成元であるとする。 仮に MM の位数が pp で割り切れると仮定する。 代数閉包上で Jordan 分解を見ると,位数の pp-部分は非自明な 単 unipotent 部分から来る。したがって MM は半単純でなく,固有値は 重根 λ\lambda だけである。

このとき特性多項式は (T−λ)2(T-\lambda)^2 で,係数が Fp\mathbb F_p にあるから λ∈Fp\lambda\in\mathbb F_p である。従って det⁡M=λ2 \det M=\lambda^2 は Fp×\mathbb F_p^\times の平方元である。しかし奇素数 pp に対して Fp×\mathbb F_p^\times の生成元は平方元ではない。これは矛盾である。

(1) ρ=στσ−1τ−1\rho=\sigma\tau\sigma^{-1}\tau^{-1} とおく。 σ−1(Xi)=Xi−1\sigma^{-1}(X_i)=X_{i-1} と添字を巡回的に読めば ρ(Xi)=ω−1Xi=ω2Xi(i=1,2,3) \rho(X_i)=\omega^{-1}X_i=\omega^2X_i\qquad (i=1,2,3) である。

(2) 群 G=⟨σ,τ⟩G=\langle \sigma,\tau\rangle を考える。対角変換部分は D={diag⁡(ωa,ωb,ωc)∣a+b+c≡0(mod3)} D=\{\operatorname{diag}(\omega^a,\omega^b,\omega^c)\mid a+b+c\equiv 0\pmod 3\} で,∣D∣=9|D|=9 である。これに σ\sigma の巡回置換が作用するので ∣G∣=∣D∣⋅3=27. |G|=|D|\cdot 3=27. 作用は忠実だから [L:K]=27[L:K]=27 である。

(3) 次に X1X_1 の GG-軌道は {ωaXi∣a=0,1,2, i=1,2,3} \{\omega^aX_i\mid a=0,1,2,\ i=1,2,3\} であり,大きさは 99 である。よって [K(X1):K]=9. [K(X_1):K]=9. 最小多項式は軌道の積で ∏i=13∏a=02(T−ωaXi)=∏i=13(T3−Xi3) \prod_{i=1}^3\prod_{a=0}^2(T-\omega^aX_i) =\prod_{i=1}^3(T^3-X_i^3) である。この係数は σ,τ\sigma,\tau の両方で不変なので K[T]K[T] に属する。

K(X1)K(X_1) の固定部分群は X1X_1 を固定する対角部分の位数 33 の部分群である。 これは σ\sigma で共役を取ると X2X_2 を固定する部分群に移るので正規でない。 従って K(X1)/KK(X_1)/K は Galois 拡大ではない。

(4) 最後に [M:K]=9[M:K]=9 となる中間体は,Galois 対応により GG の位数 33 の部分群に 対応する。ここでは GG の非単位元はすべて位数 33 なので,部分群の個数は 27−13−1=13 \frac{27-1}{3-1}=13 である。このうち正規部分群は中心 ⟨ρ⟩ \langle \rho\rangle だけであるから,KK 上 Galois となるものは L⟨ρ⟩L^{\langle\rho\rangle} の一つだけである。

(1) 共通零点を求める。原点 (0,0)(0,0) は明らかに零点である。 x≠0x\ne 0 なら y=x−11,x29=1 y=x^{-11},\qquad x^{29}=1 が必要十分である。したがって極大イデアルは (X,Y) (X,Y) および,ζ29=1\zeta^{29}=1 に対する (X−ζ, Y−ζ−11) (X-\zeta,\ Y-\zeta^{-11}) である。

(2) ζ29=1\zeta^{29}=1 に対応する点では Jacobian 行列式が det⁡(−7x62y−3x25y4)=x2y(6−35x4y3)=−29x2y \det \begin{pmatrix} -7x^6&2y\\ -3x^2&5y^4 \end{pmatrix} =x^2y(6-35x^4y^3) =-29x^2y となり非零である。従って各局所環の次元は 11 である。

(3) 原点では局所化すると Y2=X7,Y5=X3 Y^2=X^7,\qquad Y^5=X^3 から X3=X14Y=X3(X11Y) X^3=X^{14}Y=X^3(X^{11}Y) を得る。原点の局所環では 1−X11Y1-X^{11}Y が単元なので X3=0X^3=0 であり, さらに Y2=X7=0Y^2=X^7=0 である。従って A(X,Y)≃C[X,Y](X,Y)/(X3,Y2) A_{(X,Y)}\simeq \mathbb C[X,Y]_{(X,Y)}/(X^3,Y^2) で,基底として 1, X, X2, Y, XY, X2Y 1,\ X,\ X^2,\ Y,\ XY,\ X^2Y を取れる。

(1) 単項式 x1a1⋯xnany1b1⋯ynbn,∑ai+∑bi=d x_1^{a_1}\cdots x_n^{a_n}y_1^{b_1}\cdots y_n^{b_n}, \qquad \sum a_i+\sum b_i=d に対して HnH_n は (∑ai−∑bi) \left(\sum a_i-\sum b_i\right) 倍として作用する。従って HnH_n は単項式基底で対角化され,固有値は d−2j(j=0,1,…,d) d-2j\qquad (j=0,1,\ldots,d) である。ここで j=∑bij=\sum b_i であり,重複度は (n+d−j−1d−j)(n+j−1j) \binom{n+d-j-1}{d-j}\binom{n+j-1}{j} である。

(2) n=1n=1 では S1d=Sym⁡d(C2)S_1^d=\operatorname{Sym}^d(\mathbb C^2) である。 非零不変部分空間 VV を取り,H1H_1 の固有空間分解に沿って 最高の xx-次数を持つ成分を選ぶ。E1E_1 を繰り返すと最高ウェイトベクトル xdx^d が VV に入る。さらに F1kxdF_1^k x^d は xd−kykx^{d-k}y^k の非零定数倍なので, k=0,…,dk=0,\ldots,d により全基底が得られる。従って V=S1dV=S_1^d である。

(3) 最後に,条件を満たす f∈Sndf\in S_n^d は yy を含まないので Enf=0,Hnf=df E_nf=0,\qquad H_nf=df である。つまり ff は最高ウェイト dd のベクトルである。 S1dS_1^d の最高ウェイトベクトル xdx^d を ff に送る線型写像を ϕ(F1kxd)=Fnkf(k=0,…,d) \phi(F_1^k x^d)=F_n^k f\qquad (k=0,\ldots,d) で定めると,sl2\mathfrak{sl}_2 の関係式により ϕE1=Enϕ,ϕF1=Fnϕ,ϕH1=Hnϕ \phi E_1=E_n\phi,\qquad \phi F_1=F_n\phi,\qquad \phi H_1=H_n\phi が成り立つ。特に f=ϕ(xd)f=\phi(x^d) は像に入る。

(1) 曲面を z=h(x,y)z=h(x,y), h=x3−3xy2h=x^3-3xy^2 と見る。 hx=3x2−3y2,hy=−6xy h_x=3x^2-3y^2,\qquad h_y=-6xy であるから,上向き単位法線ベクトルは n(x,y)=(−hx,−hy,1)1+hx2+hy2=(−3x2+3y2, 6xy, 1)1+9(x2+y2)2. n(x,y)= \frac{(-h_x,-h_y,1)}{\sqrt{1+h_x^2+h_y^2}} = \frac{(-3x^2+3y^2,\ 6xy,\ 1)} {\sqrt{1+9(x^2+y^2)^2}}.

(2) 球面の面積形式を Gauss 写像で引き戻すと g∗ω=hxxhyy−hxy2(1+hx2+hy2)3/2 dx∧dy g^*\omega =\frac{h_{xx}h_{yy}-h_{xy}^2}{(1+h_x^2+h_y^2)^{3/2}}\,dx\wedge dy である。ここで hxx=6x,hxy=−6y,hyy=−6x h_{xx}=6x,\qquad h_{xy}=-6y,\qquad h_{yy}=-6x なので f(x,y)=−36(x2+y2){1+9(x2+y2)2}3/2. f(x,y)= \frac{-36(x^2+y^2)} {\{1+9(x^2+y^2)^2\}^{3/2}}. 従って g∗ω=0g^*\omega=0 となるのは (x,y)=(0,0)(x,y)=(0,0) のみであり,それ以外では f(x,y)<0f(x,y)<0 である。

(3) 積分は極座標で計算する。 ∫Mg∗ω=−72π∫0∞r3(1+9r4)3/2 dr. \int_M g^*\omega =-72\pi\int_0^\infty \frac{r^3}{(1+9r^4)^{3/2}}\,dr. u=3r2u=3r^2 とおくと ∫0∞r3(1+9r4)3/2 dr=118∫0∞u(1+u2)3/2 du=118. \int_0^\infty\frac{r^3}{(1+9r^4)^{3/2}}\,dr =\frac1{18}\int_0^\infty\frac{u}{(1+u^2)^{3/2}}\,du =\frac1{18}. したがって ∫Mg∗ω=−4π. \int_M g^*\omega=-4\pi.

(1) 中央の空間は T2×(0,1)T^2\times(0,1) と同じ一次ホモロジーを持つ。 その H1H_1 の基底を,球面側の角方向を mm,もう一つの円周方向を ℓ\ell として H1≃Zm⊕Zℓ H_1\simeq \mathbb Zm\oplus \mathbb Z\ell と書く。

一つ目の貼り合わせでは,固体トーラスの meridian が am+cℓ am+c\ell に写る。従って H1(X;Z)≃Z2/⟨(a,c)⟩. H_1(X;\mathbb Z) \simeq \mathbb Z^2/\langle(a,c)\rangle. ad−bc=1ad-bc=1 より (a,c)(a,c) は原始ベクトルなので H1(X;Z)≃Z. H_1(X;\mathbb Z)\simeq \mathbb Z.

(2) 二つ同時に貼り合わせた場合は,さらに pm+rℓ pm+r\ell も殺される。よって H1(Y;Z)≃Z2/⟨(a,c),(p,r)⟩. H_1(Y;\mathbb Z) \simeq \mathbb Z^2/\langle(a,c),(p,r)\rangle. したがって H1(Y;Z)≃{Z/∣ar−cp∣Z,ar−cp≠0,Z,ar−cp=0. H_1(Y;\mathbb Z)\simeq \begin{cases} \mathbb Z/|ar-cp|\mathbb Z,& ar-cp\ne 0,\\ \mathbb Z,& ar-cp=0. \end{cases}

(1) 三つの閉区間の中心を ci=(ai+bi)/2c_i=(a_i+b_i)/2 とする。 三つの中心がすべて等しければ,どの区間もその共通の中心を含むので 三つの共通部分は空でない。従って f(A)⊂R3∖Δf(A)\subset \mathbb R^3\setminus\Delta である。

逆に (c1,c2,c3)∉Δ(c_1,c_2,c_3)\notin\Delta とする。中心が完全には一致しないので, 十分小さい正数 εi\varepsilon_i を選べば [c1−ε1,c1+ε1]∩[c2−ε2,c2+ε2]∩[c3−ε3,c3+ε3]=∅ [c_1-\varepsilon_1,c_1+\varepsilon_1]\cap [c_2-\varepsilon_2,c_2+\varepsilon_2]\cap [c_3-\varepsilon_3,c_3+\varepsilon_3]=\varnothing となる。これにより f(A)=R3∖Δf(A)=\mathbb R^3\setminus\Delta が従う。

(2) R3∖Δ\mathbb R^3\setminus\Delta は,対角線方向とそれに直交する平面に分ければ (R2∖{0})×R (\mathbb R^2\setminus\{0\})\times\mathbb R と同相である。従って基本群は Z\mathbb Z である。非自明なループの例として γ(t)=(cos⁡2πt, −12cos⁡2πt+32sin⁡2πt, −12cos⁡2πt−32sin⁡2πt) \gamma(t)= \left(\cos 2\pi t,\ -\frac12\cos 2\pi t+\frac{\sqrt3}{2}\sin 2\pi t,\ -\frac12\cos 2\pi t-\frac{\sqrt3}{2}\sin 2\pi t \right) を取ればよい。

(3) 各中心三つ組に対する区間長の取り方は縮小により同じ小さい長さへ変形できるので, AA は R3∖Δ\mathbb R^3\setminus\Delta と同じホモトピー型を持つ。上の γ(t)\gamma(t) を中心とし,十分小さい一定半径の区間を取れば, AA の非自明ループが得られる。

(4) 従って上の同型により π1(A)≃Z \pi_1(A)\simeq\mathbb Z である。

(1) X1X_1 について,[p1:p2][p_1:p_2] を固定すると,二つの条件は R4\mathbb R^4 の二本の独立な一次方程式である。実際,係数行列の二行が 同時に従属することは (p1,p2)≠(0,0)(p_1,p_2)\ne(0,0) から起こらない。 従って X1→RP1X_1\to\mathbb RP^1 は階数 22 の実ベクトル束であり,特に多様体である。

(2) 次に i=2i=2 を見る。x≠Ox\ne O なら,XX の方程式により二つの一次方程式は ただ一つの射影点 [p1:p2][p_1:p_2] を決める。たとえば分母が消えない範囲では p2p1=x1+x3x4−x2 \frac{p_2}{p_1}=\frac{x_1+x_3}{x_4-x_2} であり,別の範囲では同値な式を用いる。これらは滑らかに貼り合うので π2′:X2∖π2−1(O)⟶X∖{O} \pi_2':X_2\setminus\pi_2^{-1}(O)\longrightarrow X\setminus\{O\} は微分同相である。

(3) 経路 (x1,x2,x3,x4)=(rcos⁡θ,rsin⁡θ,r,0) (x_1,x_2,x_3,x_4)=(r\cos\theta,r\sin\theta,r,0) に沿って r→0r\to 0 とすると, lim⁡(π1′)−1(rcos⁡θ,rsin⁡θ,r,0)=(O, [sin⁡(θ/2):cos⁡(θ/2)]), \lim(\pi_1')^{-1}(r\cos\theta,r\sin\theta,r,0) =\left(O,\ [\sin(\theta/2):\cos(\theta/2)]\right), lim⁡(π2′)−1(rcos⁡θ,rsin⁡θ,r,0)=(O, [−sin⁡(θ/2):cos⁡(θ/2)]). \lim(\pi_2')^{-1}(r\cos\theta,r\sin\theta,r,0) =\left(O,\ [-\sin(\theta/2):\cos(\theta/2)]\right).

(4) 最後に,f=(π2′)−1∘π1′f=(\pi_2')^{-1}\circ\pi_1' は全体の微分同相には拡張しない。 実際,X1X_1 の例外集合の点 (O,[0:1])(O,[0:1]) に近づく経路として (x1,x2,x3,x4)=(r,λr,r,−λr) (x_1,x_2,x_3,x_4)=(r,\lambda r,r,-\lambda r) を取ると,X1X_1 側の射影点は常に [0:1][0:1] である。一方,X2X_2 側の極限は (O, [−λ:1]) (O,\ [-\lambda:1]) となり,λ\lambda に依存する。従って連続な極限値が定まらない。

(1) f(z)=∑n=0∞anznf(z)=\sum_{n=0}^\infty a_nz^n とする。極座標で角度積分を行うと直交性により ∫Dr∣f∣2 dxdy=π∑n=0∞∣an∣2n+1r2n+2. \int_{D_r}|f|^2\,dxdy =\pi\sum_{n=0}^\infty \frac{|a_n|^2}{n+1}r^{2n+2}.

(2) 特に r=1r=1 では ∥f∥2=π∑n=0∞∣an∣2n+1 \|f\|^2=\pi\sum_{n=0}^\infty\frac{|a_n|^2}{n+1} なので ∣f(0)∣=∣a0∣≤1π∥f∥. |f(0)|=|a_0|\le \frac1{\sqrt\pi}\|f\|. 等号は定数関数で達成される。

(3) 自己同型 φ(z)=z+ααˉz+1 \varphi(z)=\frac{z+\alpha}{\bar\alpha z+1} について φ′(z)=1−∣α∣2(αˉz+1)2 \varphi'(z)=\frac{1-|\alpha|^2}{(\bar\alpha z+1)^2} である。面積要素は ∣φ′(z)∣2dxdy|\varphi'(z)|^2dxdy 倍になるから ∥f∥=∥(f∘φ)φ′∥ \|f\|=\| (f\circ\varphi)\varphi'\| が成り立つ。

(4) 任意の α∈D\alpha\in D に対し h(z)=(f∘φ)(z)φ′(z) h(z)=(f\circ\varphi)(z)\varphi'(z) と置くと ∥h∥=∥f∥\|h\|=\|f\| であり, h(0)=f(α)(1−∣α∣2). h(0)=f(\alpha)(1-|\alpha|^2). よって ∣f(α)∣≤1π(1−∣α∣2)∥f∥. |f(\alpha)|\le \frac{1}{\sqrt\pi(1-|\alpha|^2)}\|f\|. 等号は hh を定数関数に取れば達成される。

(1) u(r)=e−r/2f(r) u(r)=e^{-r/2}f(r) とおく。動径関数の Laplacian は Δu=u′′+m−1ru′ \Delta u=u''+\frac{m-1}{r}u' である。従って u′′+m−1ru′+(kr−14)u=0. u''+\frac{m-1}{r}u'+\left(\frac{k}{r}-\frac14\right)u=0. u=e−r/2fu=e^{-r/2}f を代入すると定数項が消え, f′′+(m−1r−1)f′+k−m−12rf=0 f''+\left(\frac{m-1}{r}-1\right)f' +\frac{k-\frac{m-1}{2}}{r}f=0 すなわち rf′′+(m−1−r)f′+(k−m−12)f=0 r f''+(m-1-r)f' +\left(k-\frac{m-1}{2}\right)f=0 を得る。

(2) λ=k−m−12,f(r)=∑n=0∞anrn,a0=1 \lambda=k-\frac{m-1}{2},\qquad f(r)=\sum_{n=0}^\infty a_nr^n,\quad a_0=1 とする。係数比較により (j+1)(j+m−1)aj+1+(λ−j)aj=0 (j+1)(j+m-1)a_{j+1}+(\lambda-j)a_j=0 である。従って aj+1=j−λ(j+1)(j+m−1)aj. a_{j+1}=\frac{j-\lambda}{(j+1)(j+m-1)}a_j. よって an=(−λ)nn!(m−1)n a_n=\frac{(-\lambda)_n}{n!(m-1)_n} である。

(1) まず f>0f>0 がほとんど至る所成り立つ場合を考える。 μ(E)=∫Ef(x) dx \mu(E)=\int_E f(x)\,dx とおくと,μ\mu は Lebesgue 測度と同じ零集合を持つ有限測度である。 g∈L1(R)g\in L^1(\mathbb R) に対し ν(E)=∫E∣g(x)∣ dx \nu(E)=\int_E |g(x)|\,dx は有限測度で,ν≪μ\nu\ll\mu である。有限測度の絶対連続性から, μ(En)→0\mu(E_n)\to0 なら ν(En)→0\nu(E_n)\to0 である。よって ∫Eng(x) dx→0 \int_{E_n}g(x)\,dx\to0 である。

(2) 一般の実数値 ff について,必要十分条件は f>0 a.e.またはf<0 a.e. f>0\ \text{a.e.}\quad\text{または}\quad f<0\ \text{a.e.} である。 この条件が成り立つなら,上の議論を ff または −f-f に適用すればよい。

逆に,f=0f=0 となる集合が正の測度を持てば,その有限測度部分集合を固定して EnE_n とすれば ∫Enf=0\int_{E_n}f=0 だが,適当な gg で結論は破れる。 また ff の正の部分と負の部分がともに正の測度を持てば,両側から同じ絶対値の 積分を持つ有限測度集合を選んで打ち消し合わせることで ∫Ef=0\int_E f=0 かつ EE が零集合でない例を作れる。これも結論に反する。

(1) まず ∑∣bn∣\sum |b_n| は収束するので,gg は一様収束する連続関数である。 また b−n=bn‾b_{-n}=\overline{b_n} により gg は実数値である。さらに g(t)=1+2Re⁡∑n=1∞bne2πint≥1−2∑n=1∞3−n=0. g(t) =1+2\operatorname{Re}\sum_{n=1}^\infty b_ne^{2\pi int} \ge 1-2\sum_{n=1}^\infty 3^{-n} =0. 従って gg は非負実数値である。

(2) 次に ff を実連続関数とする。まず a0≥0a_0\ge0 の場合を示す。 n>0n>0 で an≠0a_n\ne0 なら b−n=an‾∣an∣3n,bn=b−n‾ b_{-n}=\frac{\overline{a_n}}{|a_n|3^n},\qquad b_n=\overline{b_{-n}} とし,an=0a_n=0 なら b±n=0b_{\pm n}=0,また b0=1b_0=1 とする。 この bnb_n は上の条件を満たすので,対応する gg は非負であり, ∫01g(t) dt=1\int_0^1g(t)\,dt=1 である。したがって ∑n=−∞∞∣an∣3∣n∣=∫01f(t)g(t) dt≤sup⁡t∈[0,1]∣f(t)∣. \sum_{n=-\infty}^{\infty}\frac{|a_n|}{3^{|n|}} =\int_0^1 f(t)g(t)\,dt \le \sup_{t\in[0,1]}|f(t)|. a0<0a_0<0 の場合は −f-f に同じ議論を適用すればよい。

(1) まず uu の零点はすべて単純で,隣り合う点では uu が零にならない。 各零点 cc に対し v(c)=a(c)u(c−1) v(c)=\frac{a(c)}{u(c-1)} となるような多項式 v0v_0 を補間で選ぶ。 すると W0(x)=u(x−1)v0(x)−u(x)v0(x−1)−a(x) W_0(x)=u(x-1)v_0(x)-u(x)v_0(x-1)-a(x) は u(x)u(x) で割り切れる。

W0=uhW_0=u h と書く。さらに u(x−1)u(x-1) の零点 c+1c+1 で hh も消える。 これは u(c)=0u(c)=0 を差分方程式に代入した関係 a(c)u(c+1)+a(c+1)u(c−1)=0 a(c)u(c+1)+a(c+1)u(c-1)=0 から従う。従って h/u(x−1)h/u(x-1) は多項式である。 差分作用素 q(x)↦q(x)−q(x−1)q(x)\mapsto q(x)-q(x-1) は多項式環上で全射なので, q(x)−q(x−1)=−h(x)u(x−1) q(x)-q(x-1)=-\frac{h(x)}{u(x-1)} を満たす多項式 qq が存在する。そこで v=v0+uq v=v_0+uq と置けば u(x−1)v(x)−u(x)v(x−1)=a(x) u(x-1)v(x)-u(x)v(x-1)=a(x) が成り立つ。

(2) この vv は uu と同じ差分方程式を満たす。実際,左辺の作用素を LL と書くと, 上の Casoratian 関係から u(x)Lv(x)−v(x)Lu(x)=0 u(x)Lv(x)-v(x)Lu(x)=0 となり,Lu=0Lu=0 かつ u≢0u\not\equiv0 より Lv=0Lv=0 である。

任意の y∈Vy\in V に対し Wy(x)=u(x−1)y(x)−u(x)y(x−1) W_y(x)=u(x-1)y(x)-u(x)y(x-1) とおくと,差分方程式から Wy(x+1)a(x+1)=Wy(x)a(x) \frac{W_y(x+1)}{a(x+1)}=\frac{W_y(x)}{a(x)} を得る。左辺は周期 11 の有理関数なので定数であり, Wy=caW_y=ca である。すると y−cvy-cv は uu との Casoratian が零だから (y−cv)/u(y-cv)/u は周期 11 の有理関数で,従って定数である。 よって y∈Cu+Cv. y\in \mathbb C u+\mathbb C v. したがって dim⁡CV=2\dim_\mathbb C V=2 である。

(1) wXn=(x−a)α+n(b−x)β+nwX^n=(x-a)^{\alpha+n}(b-x)^{\beta+n} であるから,これを nn 回微分して ww で割ると,残る因子は多項式になる。最高次係数も消えないので fnf_n は nn 次多項式である。

(2) m<nm<n とする。部分積分を nn 回行うと,端点では α+n,β+n>−1+n\alpha+n,\beta+n>-1+n の余裕により境界項が消える。従って ⟨fn,pm⟩=(−1)n∫abw(x)X(x)npm(n)(x) dx=0 \langle f_n,p_m\rangle =(-1)^n\int_a^b w(x)X(x)^n p_m^{(n)}(x)\,dx=0 である。これにより fnf_n は nn 未満の任意の多項式に直交する。 特に n≠mn\ne m なら ⟨fn,fm⟩=0\langle f_n,f_m\rangle=0 である。

(3) nn 次以下の多項式空間の次元は n+1n+1,高々 n−1n-1 次の多項式空間の次元は nn である。後者に直交する部分空間は一次元であり,そこに fnf_n が属する。 従って,同じ直交条件を満たす nn 次多項式は fnf_n の定数倍である。

(4) 最後に gn=1wddx(wXfn′) g_n=\frac1w\frac{d}{dx}\left(wXf_n'\right) を考える。任意の pp が高々 n−1n-1 次なら,部分積分により ⟨gn,p⟩=−∫abwXfn′p′ dx=0 \langle g_n,p\rangle =-\int_a^b wXf_n'p'\,dx=0 となるので,gng_n は fnf_n の定数倍である。最高次係数を比較すると, X∼−x2,w′w∼α+βx X\sim -x^2,\qquad \frac{w'}w\sim \frac{\alpha+\beta}{x} より gn∼−n(n+α+β+1) (fn の最高次項) g_n\sim -n(n+\alpha+\beta+1)\,(\text{\(f_n\) の最高次項}) である。従って gn=−n(n+α+β+1)fn. g_n=-n(n+\alpha+\beta+1)f_n.

(1) PP は位数 55 の巡回置換行列である。まず T2(X)=P2XP−2 T^2(X)=P^2XP^{-2} である。P2P^2 の固有値は 1,ζ,ζ2,ζ3,ζ41,\zeta,\zeta^2,\zeta^3,\zeta^4 の並べ替えであるから,随伴作用 X↦P2XP−2X\mapsto P^2XP^{-2} の固有値は それらの比である。各比は 55 回ずつ現れるので χT2(t)=∏j=04(t−ζj)5=(t5−1)5. \chi_{T^2}(t)=\prod_{j=0}^4(t-\zeta^j)^5=(t^5-1)^5.

(2) 次に標準行列 EijE_{ij} で TT の作用を見ると,添字の集合上で (i,j)⟼(j−1,i−1) (i,j)\longmapsto (j-1,i-1) という置換になる。ただし添字は 55 を法として読む。 対角成分 EiiE_{ii} は一つの 55-周期を作る。非対角成分 2020 個は二つの 1010-周期に分かれる。従って置換行列としての特性多項式は χT(t)=(t5−1)(t10−1)2. \chi_T(t)=(t^5-1)(t^{10}-1)^2.

(1) Ω={0≤x≤A/α, y≥0}\Omega=\{0\le x\le A/\alpha,\ y\ge0\} の境界でベクトル場を見る。 x=0⇒x′=Ay≥0,x=A/α⇒x′=−μA/α<0, x=0\Rightarrow x'=Ay\ge0,\qquad x=A/\alpha\Rightarrow x'=-\mu A/\alpha<0, y=0⇒y′=βx≥0. y=0\Rightarrow y'=\beta x\ge0. 従って Ω\Omega は正に不変である。

(2) z=x+yz=x+y とおくと z′=(β−μ)x−ϵy≤∣β−μ∣Aα−ϵy. z'=(\beta-\mu)x-\epsilon y \le \frac{|\beta-\mu|A}{\alpha}-\epsilon y. これにより y(t)y(t) は上に有界である。

(3) 原点での Jacobian は J0=(−μAβ−(ϵ+A)). J_0= \begin{pmatrix} -\mu&A\\ \beta&-(\epsilon+A) \end{pmatrix}. 跡は負で,行列式は μ(ϵ+A)−βA=μ(ϵ+A)(1−R0) \mu(\epsilon+A)-\beta A =\mu(\epsilon+A)(1-R_0) である。従って R0<1R_0<1 なら原点は局所漸近安定である。

(4) R0>1R_0>1 とする。内部平衡点では (A−αx)y=μx,(β−μ)x=ϵy (A-\alpha x)y=\mu x,\qquad (\beta-\mu)x=\epsilon y なので x∗=βA−μ(A+ϵ)α(β−μ),y∗=βA−μ(A+ϵ)αϵ x_*=\frac{\beta A-\mu(A+\epsilon)}{\alpha(\beta-\mu)},\qquad y_*=\frac{\beta A-\mu(A+\epsilon)}{\alpha\epsilon} を得る。R0>1R_0>1 ならこれは第一象限内部にあり,一意である。 この点での Jacobian の跡は負,行列式は βA−μ(A+ϵ)>0 \beta A-\mu(A+\epsilon)>0 となるので,局所漸近安定である。

(5) 最後に R0<1R_0<1 で大域的な収束を示す。 AA+ϵ<c<μβ \frac{A}{A+\epsilon}<c<\frac{\mu}{\beta} を満たす c>0c>0 を選べる。これは R0<1R_0<1 と同値な不等式から従う。 V=x+cy V=x+cy とおくと V′=(−μ+cβ)x+{(1−c)(A−αx)−cϵ}y≤−δx−ηy V'=(-\mu+c\beta)x+\{(1-c)(A-\alpha x)-c\epsilon\}y \le -\delta x-\eta y となる正数 δ,η\delta,\eta が取れる。したがって x,yx,y は可積分であり, 解は有界で一様連続だから Barbalat 型の議論により (x(t),y(t))→(0,0) (x(t),y(t))\to(0,0) である。

(1) まず極大な対 (P,Q)(P,Q) を取る。もし x∈P∩Qx\in P\cap Q なら, A1 により {x} 4 {x}\{x\}\,4\,\{x\} となり,定義に反する。従って P∩Q=∅P\cap Q=\varnothing。

次に x∉P∪Qx\notin P\cup Q と仮定する。極大性より,xx を PP に加えると 条件が破れるので {x}∪α 4 β \{x\}\cup\alpha\,4\,\beta となる有限集合 α⊂P,β⊂Q\alpha\subset P,\beta\subset Q がある。同様に xx を QQ に 加えると γ 4 {x}∪δ \gamma\,4\,\{x\}\cup\delta となる γ⊂P,δ⊂Q\gamma\subset P,\delta\subset Q がある。A3 を用いると α∪γ 4 β∪δ \alpha\cup\gamma\,4\,\beta\cup\delta となり,(P,Q)(P,Q) の定義に反する。従って P∪Q=AP\cup Q=A である。

x,y∈Px,y\in P なら,A1,A2,A5 から {x,y} 4 {x∧y} \{x,y\}\,4\,\{x\wedge y\} が従う。もし x∧y∈Qx\wedge y\in Q なら矛盾するので x∧y∈Px\wedge y\in P である。 逆に x∧y∈Px\wedge y\in P かつ x∈Qx\in Q なら,A1,A2,A4 により {x∧y} 4 {x} \{x\wedge y\}\,4\,\{x\} となり矛盾する。よって x∈Px\in P であり,同様に y∈Py\in P である。

(2) 最後に α0 4 β0\alpha_0\,4\,\beta_0 でないとする。 Zorn の補題で α0⊂P,β0⊂Q\alpha_0\subset P,\beta_0\subset Q を満たす極大対を取る。 f(x)={1,x∈P,0,x∈Q f(x)= \begin{cases} 1,&x\in P,\\ 0,&x\in Q \end{cases} と定める。上で示した性質から f(x∧y)=inf⁡{f(x),f(y)} f(x\wedge y)=\inf\{f(x),f(y)\} である。また α 4 β\alpha\,4\,\beta なのに inf⁡f(α)=1, sup⁡f(β)=0\inf f(\alpha)=1,\ \sup f(\beta)=0 なら α⊂P,β⊂Q\alpha\subset P,\beta\subset Q となって極大対の定義に反する。 従って α 4 β⇒inf⁡f(α)≤sup⁡f(β). \alpha\,4\,\beta\Rightarrow \inf f(\alpha)\le \sup f(\beta). さらに α0⊂P,β0⊂Q\alpha_0\subset P,\beta_0\subset Q より inf⁡f(α0)=1,sup⁡f(β0)=0. \inf f(\alpha_0)=1,\qquad \sup f(\beta_0)=0.

(1) まず 0≤x≤10\le x\le1 で 1−x≤e−x 1-x\le e^{-x} は凸性,また e−x≤1−x2 e^{-x}\le 1-\frac{x}{2} は h(x)=1−x/2−e−xh(x)=1-x/2-e^{-x} と置くと h(0)=0h(0)=0, h′(x)=−1/2+e−xh'(x)=-1/2+e^{-x} が一度だけ符号を変え, h(1)>0h(1)>0 であることから従う。

Sn=∑j=1nXjjS_n=\sum_{j=1}^n X_j^j は非負項の和である。 もし P(X1≥1)>0\mathbb P(X_1\ge1)>0 なら,独立性と Borel--Cantelli により Xj≥1X_j\ge1 が無限回起こるため,項は零に近づかない。 従って収束には P(X1<1)=1\mathbb P(X_1<1)=1 が必要である。

この条件の下では 0<Xjj≤10<X_j^j\le1 であり,独立非負項の級数の標準判定より ∑j=1∞Xjj<∞ a.s.  ⟺  ∑j=1∞E[X1j]<∞. \sum_{j=1}^\infty X_j^j<\infty\ \text{a.s.} \iff \sum_{j=1}^\infty \mathbb E[X_1^j]<\infty. 単調収束定理で ∑j=1∞E[X1j]=E[∑j=1∞X1j]=E[X11−X1]. \sum_{j=1}^\infty \mathbb E[X_1^j] =\mathbb E\left[\sum_{j=1}^\infty X_1^j\right] =\mathbb E\left[\frac{X_1}{1-X_1}\right]. X1≥1/2X_1\ge1/2 なので,これは E[11−X1]<∞ \mathbb E\left[\frac1{1-X_1}\right]<\infty と同値である。

(2) 次に Tn=∑j=1n∏k=1jXk T_n=\sum_{j=1}^n\prod_{k=1}^jX_k を考える。対数を取ると ∏k=1jXk=exp⁡(∑k=1jlog⁡Xk). \prod_{k=1}^jX_k =\exp\left(\sum_{k=1}^j\log X_k\right). E[log⁡X1]<0\mathbb E[\log X_1]<0 なら,大数の法則により積は指数的に減少し, ∑j∏k=1jXk\sum_j\prod_{k=1}^jX_k は概収束する。 逆に E[log⁡X1]≥0\mathbb E[\log X_1]\ge0 なら,対数和は −∞-\infty へ線形に進まないため, 積の級数は収束しない。従って必要十分条件は E[log⁡X1]<0 \mathbb E[\log X_1]<0 である。

(1) 次数 nn 以下の多項式全体は次元 n+1n+1 である。条件は n 個の値条件+一つの微分条件 n\text{ 個の値条件}+\text{一つの微分条件} なので,存在一意性は同次問題の解が零だけであることを示せばよい。

同次条件を満たす qq を取ると,q(xi)=0q(x_i)=0 より q(x)=C∏i=1n(x−xi) q(x)=C\prod_{i=1}^n(x-x_i) である。さらに q′(x1)=C∏i=2n(x1−xi) q'(x_1)=C\prod_{i=2}^n(x_1-x_i) であり,点が相異なるので積は非零である。従って C=0C=0,つまり 一意性が成り立つ。次元の一致から存在も従う。

(2) 誤差公式を示す。y=xiy=x_i なら右辺も左辺も零なのでよい。 以下 yy が節点でないとする。 Ψ(t)=(t−x1)∏i=1n(t−xi) \Psi(t)=(t-x_1)\prod_{i=1}^n(t-x_i) とおき, F(t)=f(t)−p(t)−CΨ(t) F(t)=f(t)-p(t)-C\Psi(t) を F(y)=0F(y)=0 となるように CC を選ぶ。 FF は x1x_1 で重零点を持ち,x2,…,xn,yx_2,\ldots,x_n,y でも零になる。 Rolle の定理を繰り返すと,ある ξ∈I\xi\in I で F(n+1)(ξ)=0 F^{(n+1)}(\xi)=0 となる。pp は次数 nn 以下であり,Ψ\Psi の最高次係数は 11 なので 0=f(n+1)(ξ)−C(n+1)!. 0=f^{(n+1)}(\xi)-C(n+1)!. 従って C=f(n+1)(ξ)(n+1)!. C=\frac{f^{(n+1)}(\xi)}{(n+1)!}. F(y)=0F(y)=0 に戻せば f(y)−p(y)=f(n+1)(ξ)(n+1)!(y−x1)∏i=1n(y−xi) f(y)-p(y)= \frac{f^{(n+1)}(\xi)}{(n+1)!} (y-x_1)\prod_{i=1}^n(y-x_i) を得る。

最終答

p∤ord⁡(M)\boxed{p\nmid \operatorname{ord}(M)}

東大 専門科目B 院試 過去問の収録19年度

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    冪零行列のSL共役類 / 曲線特異点とHom加群 / 切断された次数付き加群

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    行列成分の軌道 / 平方零イデアルによる拡大 / 多項式環の自由性

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