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東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 情報理工学院 数理・計算科学系 専門科目(数理・計算科学) 2026年度 院試 解答例・解説

東京科学大学 情報理工学院 数理・計算科学系 専門科目(数理・計算科学) 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全12問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 対称行列のべき

対称行列は固有値で考える

実対称行列は直交対角化できるので、べき乗や二乗の条件は固有値ごとの条件に分解できる。 この性質を使うと、抽象的な nn 次行列の設問も一変数の数列の問題になる。

1-1 の扱い

μ=1\mu=-1 では (1)k(-1)^k が収束しない。絶対値が 11 以下という条件だけにすると 1-1 を誤って含めるので注意する。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 級数と積分判定

積分判定の向き

非増加関数では、区間 [n,n+1][n,n+1] 上の関数値は左端 f(n)f(n) 以下である。 この向きを間違えると、級数から積分を押さえる証明にならない。

1/(nlogn)1/(n\log n) は境界例

1/ns1/n^ss>1s>1 で収束するが、1/(nlogn)1/(n\log n) はまだ発散する。 loglogx\log\log x が無限大に発散することを明示すると判定が確実である。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — ソートの実行追跡

表示は処理前に起こる

どちらのソートも、分割や終了判定の前に print(data)\texttt{print(data)} が実行される。 長さ0や1のリストも呼び出されれば表示されるため、空リストの行を落とさないようにする。

quick sort2 の欠陥

通常のクイックソートはピボットを分割対象から除く。改造版は平均値を基準にするだけで、 どの要素も必ず除外されるとは限らない。そのため部分問題が小さくならず、停止しない場合がある。

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4 — 群と剰余類

指数2は必ず正規

指数2の場合、部分群以外の剰余類は集合として補集合 GHG\setminus H しかない。 左剰余類と右剰余類の候補が同じ二つに限られるため、正規性が自動的に従う。

指数3では正規とは限らない

S3S_3 の2元部分群は、互換の共役で別の互換に移るため正規でない。指数が小さいことだけでは 正規性は保証されない、という対比がこの設問の狙いである。

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5 — 位相の反例と定理

有限と無限の違い

閉集合の有限和は閉であるが、無限和では成り立たない。開集合については任意和が開であるため、 閉集合でも同じだと誤解しやすい。

ハウスドルフ性の使いどころ

コンパクト集合が閉であることは任意の位相空間では成り立たない。点とコンパクト集合を開集合で分離するために ハウスドルフ性と有限部分被覆を組み合わせる。

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6 — 優収束定理

指数関数を多項式で押さえる

評価の中心は、ete^{-t}t3/2t^{-3/2} より十分速く減衰することにある。 t3/2ett^{3/2}e^{-t} が有界である、と書くと簡潔に処理できる。

支配関数の可積分性

原点近くでは x3/4x^{-3/4}、無限遠では x5/4x^{-5/4} と見ればよい。 どちらも該当範囲で可積分なので、優収束定理を適用できる。

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7 — 線形計画と双対性

双対の形

最小化問題で制約が \ge、変数が非負なら、双対は最大化で双対変数は非負、双対制約は \le になる。符号を反対にしないように注意する。

相補性による判定

y1>0y_1^*>0, y3>0y_3^*>0 なので主問題の第1・第3制約は等式になる。 y2=0y_2^*=0 からは第2制約が等式かどうかは分からないため、実際の最適解で確認する。

最後の不等式系

これは双対問題が改善方向を持つかどうかを問う形になっている。最適解が存在することと矛盾する、 という見方でもよいが、上のように最適主解を掛けると直接矛盾が出る。

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8 — 確率母関数

確率母関数の端点

g(0)=P(X=0)g(0)=P(X=0)g(1)=1g(1)=1g(1)=E[X]g'(1)=E[X] が基本情報である。 固定点 s=g(s)s=g(s) は、グラフ y=g(s)y=g(s) と直線 y=sy=s の交点として読む。

平均が1以下か超えるか

s=1s=1 での傾きが 11 以下なら、凸性により左側で直線を下から横切らない。 傾きが 11 を超えると、s=1s=1 のすぐ左で g(s)s<0g(s)-s<0 となり、s=0s=0 で正なので内側の交点が生じる。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

9 — 正規母集団の検定

標準誤差

標本平均の分散は 1/n1/n なので、標準誤差は 1/n1/\sqrt n である。 n=100n=100 なら 0.10.1n=25n=25 なら 0.20.2 になる。

P値の分布

連続分布の正しい帰無仮説の下では、P値は一様分布になる。この問題では両側検定なので 2{1F(T)}2\{1-F(|T|)\} と書いて直接確認できる。

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10 — 正規言語とポンピング

一文字アルファベットのDFA

一文字だけの言語では、DFAは長さの集合を認識している。今回の集合は有限個の例外を除けば 偶数全体なので、途中まで数えてから偶奇ループに入ればよい。

互いに素条件は正規でない

ポンピングで0の個数だけを変え、1の個数との最大公約数が 11 でなくなるようにする。 p!+1p!+1 を使うのは、ポンプされる長さ 1,,p1,\ldots,p と互いに素にするためである。

帰納法の分け方

先頭が 11 なら左側の0数を変えずに処理でき、末尾が 00 なら右側の1数を変えずに処理できる。 先頭が 00 かつ末尾が 11 の場合だけ、両方を同時に1増やす。

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11 — 繰り返し二乗法

奇数と偶数の分岐

奇数なら指数を1減らして係数 aa を一つ外に出し、偶数なら底を二乗して指数を半分にする。 これは高速累乗法の基本形である。

計算量の見積もり

指数 bb の値そのものではなく、ビット長 nn で測る。半分にする操作が中心なので呼び出し回数は O(n)O(n)、各回の乗算・剰余が O(n2)O(n^2) で、合計 O(n3)O(n^3) となる。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

12 — 浮動小数点表現

指数部は2の補数

通常のIEEE 754のようなバイアス表現ではない。例えば 1111(2)1111_{(2)}1515 ではなく 1-1 である。 ここを間違えると小さい数の値が大きくずれる。

ゼロ方向丸め

正の数では、仮数部に入りきらない下位ビットを切り捨てる。6.3756.3751.10011×221.10011\times2^2 だが、3ビット仮数では 1.1001.100 になり、6.06.0 に戻る。

加算順序の違い

先に大きい数 xx と小さい数 yy を足すと、yy の一部が丸めで消える。 一方で y+z=0.5y+z=0.5 は正確に表せるため、その後 xx と足すと 6.56.5 が残る。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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