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九州大学 院試 過去問 解答例

九大 理学府 地球惑星科学専門科目 2026年度 院試 過去問 解答例・解説(全8問)

全8問。地質2問・鉱物・岩石1問・電磁気学・回路1問。テーマタグは4件(固有値・固有ベクトル・電磁波・直交対角化)。2025年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル。

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解説8問と大問1問の途中式・最終答(全8問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき8問)
問題本文
非収録

九大 地球惑星科学専門科目 2026年度 院試 過去問の出題内容(全8問)

この8問の分野は地質2問・鉱物・岩石1問・電磁気学・回路1問・熱・統計力学1問・力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問地質地質学—あり
第2問地質古環境学・古生物学—あり
第3問鉱物・岩石岩石学・鉱物学—あり
第4問—化学—あり
第5問熱・統計力学熱力学—あり
第6問力学——あり
第7問電磁気学・回路電磁気学—あり
第8問—物理数学—あり

この年度の解説には採点の置き所8件・典型ミス8件が付いています。

2026年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は3問に4テーマが出ています。

前年度(2025年度)との違い

大問数
2025年度 8問 → 2026年度 8問
両年度に出たテーマ
固有値・固有ベクトル
2026年度で新しく出たテーマ
電磁波・直交対角化・カルノーサイクル
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第1問 — 地質学

方針

地質図問題は,走向・傾斜の定義,層厚計算,見かけ傾斜,層序上下判定を一つずつ処理する。 計算問題では「測線方向の幅」をそのまま層厚にしないことが重要である。

採点の置き所

層厚では 100sin⁡45∘sin⁡30∘100\sin45^\circ\sin30^\circ まで書けていれば途中点が入る。 見かけ傾斜では tan⁡α=tan⁡30∘sin⁡45∘\tan\alpha=\tan30^\circ\sin45^\circ の式を示すことが得点の中心になる。

典型ミス

断層ガウジとカタクレーサイトを混同しやすい。 前者は未固結・粘土状,後者は固結した破砕岩であり,問題文の「未固結」が決め手である。

解答

  1. 2つの境界面の走向が北東--南西系と北西--南東系に分かれ,いずれも北側へ傾くので,両面の交線は南北方向の褶曲軸になる。 チャートが古く,泥岩・砂岩が上位であることを合わせると,軸部側に若い地層を集める構造である。 したがって空欄は ア:北方向,イ:向斜 \text{ア:北方向},\qquad \text{イ:向斜} とする。
  2. 走向は地層面と水平面との交線の方位である。 傾斜は,地層面上で走向に直交する方向に測った,地層面と水平面とのなす角である。 答案では「地層面」「水平面」「直交」を必ず入れ,傾斜の方向と角度を分けて書く。
  3. 東西方向の測線と走向とのなす角は 45∘45^\circ である。 東西方向に見える幅を,走向に直交する水平幅へ直すと w⊥=100sin⁡45∘=10022≃70 m. w_\perp=100\sin45^\circ =100\frac{\sqrt2}{2}\simeq 70\ \mathrm{m}. 真の層厚 hh は傾斜角 30∘30^\circ を用いて h=w⊥sin⁡30∘≃70×0.5=35 m. h=w_\perp\sin30^\circ \simeq 70\times 0.5 =35\ \mathrm{m}.
  4. 見かけ傾斜 α\alpha は,断面方向と走向のなす角を β\beta とすると tan⁡α=tan⁡δsin⁡β \tan\alpha=\tan\delta\sin\beta で与えられる。 ここで δ=30∘, β=45∘\delta=30^\circ,\ \beta=45^\circ だから tan⁡α=0.5774×0.707≃0.41. \tan\alpha=0.5774\times0.707\simeq0.41. 三角関数表で tan⁡22∘≃0.404\tan22^\circ\simeq0.404 なので, α≃22∘ \alpha\simeq22^\circ である。
  5. チャートの堆積年代は,含まれる放散虫・コノドントなどの示準化石を抽出し,既知の生層序帯と照合して求める。 また,周囲の火山灰層や凝灰質層があればジルコンU--Pb年代を併用して年代範囲を狭める。 チャート本体は珪質で火成鉱物に乏しいため,通常は微化石層序が主役になる。
  6. 付加体とは,海洋プレート上の遠洋性堆積物,海山・海洋地殻片,海溝充填堆積物などが沈み込み帯で剥ぎ取られ,陸側プレートの縁へ付け加わった地質体である。 逆断層,メランジュ,覆瓦構造を伴いやすい。
  7. 未固結で粘土状の細粒基質をもつ断層岩は断層ガウジである。
  8. 断層面上の条線はすべり方向を示す。 変位の向きは,条線だけでなく,断層面上のステップ,鉱物繊維の成長方向,Riedel shear,ドラッグ褶曲,切断された地層境界のずれを組み合わせて決める。 例えば階段状の凹凸では,粗い段差へ乗り上げる向きと滑らかな向きの非対称性を見て,上盤または下盤がどちらへ動いたかを判断する。

最終答

アは北方向,イは向斜。泥岩層の厚さは約 35 m35\ \mathrm{m},東西断面での見かけ傾斜は約 22∘22^\circ。年代は微化石層序を主に用い,粘土状断層岩は断層ガウジである。

第2問 — 古環境学・古生物学

方針

この大問は空欄補充と短い説明で構成される。 名称だけでなく,「何を示すか」「なぜ古環境復元に使えるか」を一文加えると答案の密度が上がる。

採点の置き所

分類階級は属の直上が科である点を落とさない。 第四紀の周期では傾斜角4.1万年,離心率10万年を数値で書くことが必要である。

典型ミス

CCDを「炭酸塩が存在しない深さ」と書くのは不正確である。 正しくは,炭酸塩粒子の供給と溶解の収支で,堆積物として保存されにくくなる深度である。

古環境学・古生物学の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 岩石学・鉱物学

方針

相図は相名と組成を分けて答える。 二相領域では水平な同温線を引き,端点の組成と線分比を使う。

採点の置き所

かんらん石の計算は,酸化物モル数,酸素モル数,酸素4への規格化,陽イオン数の順に表を埋めればよい。 最後に (MgxFey)2(\mathrm{Mg}_x\mathrm{Fe}_y)_2 の形へ直すため,1.861.86 と 0.140.14 を2で割る点に注意する。

典型ミス

四面体配位の限界半径比を八面体配位の値 0.4140.414 と混同しない。 四面体は 0.2250.225 が基本値である。

岩石学・鉱物学の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 化学

方針

電子配置では,3d遷移元素でも電子を失う順番は通常 4s4s が先である点を意識する。 ただし本問の第一イオン化エネルギー比較では,中性原子の最外殻電子がどの軌道にあるかを見る。

採点の置き所

14C^{14}\mathrm{C} 年代では,半減期の式,1/3=e−λt1/3=e^{-\lambda t},対数計算の3段階を示すと計算過程が明確になる。

典型ミス

β−\beta^- 壊変で原子番号は1増える。 14C^{14}\mathrm{C} の娘核は 14B^{14}\mathrm{B} ではなく 14N^{14}\mathrm{N} である。

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第5問 — 熱力学

方針

自由エネルギーの問題は,まず自然変数を確認する。 FF の自然変数は (T,V)(T,V) なので,SS と PP は FF の偏微分から読める。

採点の置き所

オットーサイクルでは,定積過程の熱量と断熱過程の温度比を分けて処理する。 最後に r=VL/VHr=V_L/V_H が1より大きい圧縮比として定義されていることを確認する。

典型ミス

問1と問2で仕事の符号が逆に定義されている。 自由エネルギー不等式の WW は外界が系にする仕事,効率の WW は系が外界にする仕事である。

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第6問 — 力学

方針

力学は座標と符号を最初に固定する。 本問では zz 上向き,重力下向きで統一すれば,ジャンプ,ロープ,振り子,ポテンシャルの符号がそろう。

採点の置き所

ロープ問題では,手を離す時点の位置と速度をまず書く。 最高点の式はその後の放物運動で求めるため,エネルギー保存と射出後運動を混同しない。

典型ミス

単振り子の復元力は −mgsin⁡θ-mg\sin\theta であり,−mgcos⁡θ-mg\cos\theta ではない。 角運動量は半径 ℓ0\ell_0 と接線速度 ℓ0θ˙\ell_0\dot\theta の積から mℓ02θ˙m\ell_0^2\dot\theta になる。

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第7問 — 電磁気学

方針

円柱電流はアンペールの法則,線電荷ポテンシャルはクーロンポテンシャルの重ね合わせ,平面波は E,B,k\mathbf E,\mathbf B,\mathbf k の右手系で処理する。

採点の置き所

円柱内部では包む電流が半径の二乗に比例する。 ここを全電流 II としてしまうと内部磁場の rr 依存性を誤る。

典型ミス

B\mathbf B が +j^+\hat{\mathbf j} で波が +i^+\hat{\mathbf i} へ進むとき,E\mathbf E は −k^-\hat{\mathbf k} である。 E×B\mathbf E\times\mathbf B が進行方向になるかで符号を確認できる。

電磁気学の途中式・最終答をPDFで見る

第8問 — 物理数学

方針

物理数学は計算量が多いが,標準公式をそのまま使える。 複素数はド・モアブル,ベクトル解析は成分計算,対称行列は直交対角化,微分方程式は特性方程式と未定係数法で進める。

採点の置き所

行列問題では,固有値だけでなく正規化固有ベクトルを列に並べた QQ を示すことが必要である。 微分方程式では exe^x が同次解に含まれるため,特殊解を AexAe^x ではなく AxexAxe^x と置く。

典型ミス

∇Φ=(yz,zx,xy)\nabla\Phi=(yz,zx,xy) は与えられた v\mathbf v と同じである。 したがって外積はゼロであり,「等値面に沿う」ではなく「等値面に垂直」と説明する。

物理数学の途中式・最終答をPDFで見る

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