九州大学 院試 過去問 解答例
九大 理学府 地球惑星科学専門科目 2026年度 院試 解答例・解説
九州大学 理学府 地球惑星科学専門科目 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全8問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 地質学
方針
地質図問題は,走向・傾斜の定義,層厚計算,見かけ傾斜,層序上下判定を一つずつ処理する。 計算問題では「測線方向の幅」をそのまま層厚にしないことが重要である。
採点の置き所
層厚では まで書けていれば途中点が入る。 見かけ傾斜では の式を示すことが得点の中心になる。
典型ミス
断層ガウジとカタクレーサイトを混同しやすい。 前者は未固結・粘土状,後者は固結した破砕岩であり,問題文の「未固結」が決め手である。
第2問 — 古環境学・古生物学
方針
この大問は空欄補充と短い説明で構成される。 名称だけでなく,「何を示すか」「なぜ古環境復元に使えるか」を一文加えると答案の密度が上がる。
採点の置き所
分類階級は属の直上が科である点を落とさない。 第四紀の周期では傾斜角4.1万年,離心率10万年を数値で書くことが必要である。
典型ミス
CCDを「炭酸塩が存在しない深さ」と書くのは不正確である。 正しくは,炭酸塩粒子の供給と溶解の収支で,堆積物として保存されにくくなる深度である。
第3問 — 岩石学・鉱物学
方針
相図は相名と組成を分けて答える。 二相領域では水平な同温線を引き,端点の組成と線分比を使う。
採点の置き所
かんらん石の計算は,酸化物モル数,酸素モル数,酸素4への規格化,陽イオン数の順に表を埋めればよい。 最後に の形へ直すため, と を2で割る点に注意する。
典型ミス
四面体配位の限界半径比を八面体配位の値 と混同しない。 四面体は が基本値である。
第4問 — 化学
方針
電子配置では,3d遷移元素でも電子を失う順番は通常 が先である点を意識する。 ただし本問の第一イオン化エネルギー比較では,中性原子の最外殻電子がどの軌道にあるかを見る。
採点の置き所
年代では,半減期の式,,対数計算の3段階を示すと計算過程が明確になる。
典型ミス
壊変で原子番号は1増える。 の娘核は ではなく である。
第5問 — 熱力学
方針
自由エネルギーの問題は,まず自然変数を確認する。 の自然変数は なので, と は の偏微分から読める。
採点の置き所
オットーサイクルでは,定積過程の熱量と断熱過程の温度比を分けて処理する。 最後に が1より大きい圧縮比として定義されていることを確認する。
典型ミス
問1と問2で仕事の符号が逆に定義されている。 自由エネルギー不等式の は外界が系にする仕事,効率の は系が外界にする仕事である。
第6問 — 力学
方針
力学は座標と符号を最初に固定する。 本問では 上向き,重力下向きで統一すれば,ジャンプ,ロープ,振り子,ポテンシャルの符号がそろう。
採点の置き所
ロープ問題では,手を離す時点の位置と速度をまず書く。 最高点の式はその後の放物運動で求めるため,エネルギー保存と射出後運動を混同しない。
典型ミス
単振り子の復元力は であり, ではない。 角運動量は半径 と接線速度 の積から になる。
第7問 — 電磁気学
方針
円柱電流はアンペールの法則,線電荷ポテンシャルはクーロンポテンシャルの重ね合わせ,平面波は の右手系で処理する。
採点の置き所
円柱内部では包む電流が半径の二乗に比例する。 ここを全電流 としてしまうと内部磁場の 依存性を誤る。
典型ミス
が で波が へ進むとき, は である。 が進行方向になるかで符号を確認できる。
第8問 — 物理数学
方針
物理数学は計算量が多いが,標準公式をそのまま使える。 複素数はド・モアブル,ベクトル解析は成分計算,対称行列は直交対角化,微分方程式は特性方程式と未定係数法で進める。
採点の置き所
行列問題では,固有値だけでなく正規化固有ベクトルを列に並べた を示すことが必要である。 微分方程式では が同次解に含まれるため,特殊解を ではなく と置く。
典型ミス
は与えられた と同じである。 したがって外積はゼロであり,「等値面に沿う」ではなく「等値面に垂直」と説明する。