九州大学 院試 過去問 解答例
九大 理学府 地球惑星科学専門科目 2021年度 院試 過去問 解答例・解説(全8問)
全8問。地質2問・鉱物・岩石1問・電磁気学・回路1問。テーマタグは7件(固有値・固有ベクトル・調和振動子・静電場)。
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収録6年度分の解答PDF:九州大学 理学府 地球惑星科学専門科目(¥3,200・紙面見本あり)
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- 解説8問と大問1問の途中式・最終答(全8問)
- 解答PDFに収録
- 途中式と最終答(最終答つき8問)
- 問題本文
- 非収録
九大 地球惑星科学専門科目 2021年度 院試 過去問の出題内容(全8問)
この8問の分野は地質2問・鉱物・岩石1問・電磁気学・回路1問・熱・統計力学1問・力学1問です。
| 大問 | 分野 | 主題 | 解説の小見出し | 最終答 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 地質 | 地質学 | 柱状図の読み方 | あり |
| 第2問 | 地質 | 古環境学・古生物学 | 年代 | あり |
| 第3問 | 鉱物・岩石 | 岩石学・鉱物学 | 相図 | あり |
| 第4問 | — | 化学 | アイソクロン | あり |
| 第5問 | 熱・統計力学 | 熱力学 | 相転移 | あり |
| 第6問 | 力学 | — | 保存力 | あり |
| 第7問 | 電磁気学・回路 | 電磁気学 | 符号 | あり |
| 第8問 | — | 物理数学 | フーリエ級数 | あり |
この年度の解説には典型ミス8件が付いています。
2021年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は6問に7テーマが出ています。
第1問 — 地質学
方針
問1は用語の穴埋めだけでなく,モール円の軸の意味を確認して答える。モール円の左右端は剪断応力が 0 の面で,主応力に対応する。図1では破壊曲線に接しているか,また接点が低い垂直応力側かを読む。
柱状図の読み方
問2は,複数地点の柱状図に共通する連続を探す。B の「粗粒砂岩--黒色頁岩--石灰岩--シルト岩--砂岩泥岩互層」と,A・C の「石灰岩--シルト岩--砂岩泥岩互層--凝灰岩」を重ねると,全体の上下関係が決まる。
典型ミス
フルード数をレイノルズ数と混同しない。レイノルズ数は粘性と慣性の比,フルード数は流速と重力波速度の比である。また,石油トラップでは「貯留岩がある」だけでは不足で,帽岩と構造的高まりをセットで述べる。
解答
- 剪断応力が 0 となる点はモール円と 軸の交点であり,それぞれ主応力である。 大きい方を最大主応力 ,小さい方を最小主応力 と呼ぶ。
- 最小の力で破壊しているのは a である。モール円が低い垂直応力側で破壊曲線に接しており,最小主応力が小さい,または引張側に入る伸張的な応力場を表す。 閉じ込め圧が小さいため,大きな圧縮差応力を加えなくても破壊条件に達する。
- 最初に浮遊し流れるのは イ である。イは粒径が小さく,水中重量と沈降速度が小さいため,底面せん断応力が少し増すだけで抗力・揚力が重力を上回りやすい。 アはくぼみや粒子背後に保護され,ウは粒径が大きく,動き出しに必要な掃流力が大きい。
- フルード数は で定義される。慣性力と重力波の伝播速度の比を表し, は常流, は限界流, は射流である。
- では上部流砂床の状態になり,平滑床から反砂堆が発達する。 反砂堆では河床の起伏と水面波がほぼ同位相になり,波状のベッドフォームが上流側へ移動したり崩壊したりする。
- 柱状図を重ね合わせると,おおむね下位から上位へ の順になる。花崗岩は基盤であり,その上に堆積岩類が重なる。
- 各柱状図の共通する厚さをつないで総合柱状図を作ると,堆積岩層の総層厚は選択肢の中では 900 m が最も妥当である。
- 最も適した地点は B と判断できる。B では粗粒砂岩の上位に黒色頁岩が重なり,粗粒砂岩を貯留岩,黒色頁岩を帽岩とする組合せが成立する。 さらに周囲の走向傾斜から背斜状の高まりに近い位置と読めるため,浮力で上昇した石油が帽岩直下に集積しやすい。
最終答
問1は A 垂直応力,B 剪断応力,C 差応力,D 粘性,E 層流,F 乱流。主応力は ,最小破壊は a,初動粒子はイ,, では反砂堆。問2は下位から花崗岩,粗粒砂岩,黒色頁岩,石灰岩,シルト岩,砂岩泥岩互層,凝灰岩,礫岩,総層厚は約 900 m,石油採掘候補は B。
第2問 — 古環境学・古生物学
方針
Vermeij の議論では,単に「新しい動物が出た」と書くのではなく,捕食者の能力向上と被食者の防御・逃避戦略の共進化として説明する。
年代
図中のアは中生代と新生代の境界である。古い文献では 65 Ma と書かれることもあるが,現在の標準的な年代値は約 66 Ma である。
典型ミス
「水管を持つ内生二枚貝」は,単なる二枚貝名ではなく生活様式を答える選択肢である。捕食圧の増大に対して堆積物中へ潜るという文脈と結びつける。
第3問 — 岩石学・鉱物学
方針
問1の回転対称は結晶学的制限の標準問題である。回転後の 2 点を結ぶ距離が元の格子周期 の整数倍でなければならない,という一点から示せる。
相図
Fo--SiO2 系では,MgSiO3 組成の En が包晶的に振る舞う。包晶点と共晶点を混同しないことが重要である。 は包晶反応, はシリカ側の初晶と共晶反応を読む。
典型ミス
ミラー指数では切片をそのまま並べない。切片を格子定数で規格化し,逆数をとって整数化する。また,てこの原理では相の量は反対側の距離に比例する。
第4問 — 化学
方針
酸塩基反応は原子数と電荷の保存をまず確認する。放射壊変は減少過程なので,微分方程式の符号は負である。
アイソクロン
Rb--Sr 年代測定では,同じ岩石中の複数鉱物が同じ初生 Sr 同位体比を共有することを利用する。横軸を Rb/Sr,縦軸を Sr/Sr とした直線の傾きから年代が出る。
典型ミス
半減期の指数を で割るため,答えは 年の桁になる。問2-(5)の傾きは 0.7 ではなく 0.007 である。
第5問 — 熱力学
方針
ギブズ自由エネルギーは自然変数が であるため, を起点にすると全設問がつながる。
相転移
1 次転移では は連続だが傾きが不連続で,エントロピーが跳ぶ。2 次転移では は連続で, や熱膨張率のような二階微分量が不連続になる。
典型ミス
カルノーサイクルの は放出熱の大きさとして正に扱う。符号つき熱量で書く場合は,効率式に入れる前に「大きさ」へ直す。
第6問 — 力学
方針
問1は単振動の標準形,問2は線積分と保存力,問3は万有引力ポテンシャルとエネルギー保存で解く。
保存力
問2では経路 C1 と C2 の仕事が等しいことからも保存力であることが分かる。位置エネルギーは力の仕事の符号を反転した量なので, となる。
典型ミス
最高到達距離 は地表からの高さではなく,地球中心からの距離である。高さを聞かれた場合だけ を答える。
第7問 — 電磁気学
方針
問1は円筒対称性からガウスの法則を使う。問2は磁束の時間変化を見る。問3は一様磁化をソレノイド状の表面電流として解釈する。
符号
誘導起電力の符号は,コイルの法線方向をどう選ぶかで変わる。ここでは 向きを正として とした。大きさだけなら でよい。
典型ミス
一様磁化では なので,体積電流は流れない。側面の表面電流を忘れない。
第8問 — 物理数学
方針
複素べきは対数の枝,行列は固有方程式,一階線形微分方程式は積分因子,方向微分は勾配との内積で処理する。
フーリエ級数
は周期 の奇関数なので だけが残る。 は周期 なので, が基底になる点に注意する。
典型ミス
問4では座標の第1成分と係数の記号がどちらも で書かれている。点 を代入してから条件式を立てる。
九大 地球惑星科学専門科目 院試 過去問の収録6年度
地質学 / 古環境学・古生物学 / 岩石学・鉱物学
地質学 / 古環境学・古生物学 / 岩石学・鉱物学
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2021年度(このページ・全8問)
地質学 / 古環境学・古生物学 / 岩石学・鉱物学