九州大学 院試 過去問 解答例
九大 理学府 地球惑星科学専門科目 2024年度 院試 解答例・解説
九州大学 理学府 地球惑星科学専門科目 2024年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全8問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 地質学
方針
堆積システムは,粒子を支える機構で流れを分ける。 衝突なら粒子流,乱流なら混濁流,泥質基質ごと動くなら水中土石流と整理する。
採点の置き所
タービダイトでは「級化」「平行葉理」「リップル葉理」「泥岩」「バウマシーケンス」を縦方向の順序として書く。 炭酸塩補償深度では,単なる深さの名称ではなく,供給と溶解の収支を説明する。
典型ミス
粒子流と混濁流を「濁っている流れ」として混同しない。 また,石灰質堆積物の代表生物として珪藻や放散虫を答えると,それらは珪質殻なので不適切である。
第2問 — 古環境学・古生物学
方針
大量絶滅は「時代名」「代表的に絶滅した分類群」「環境変動」を一組で覚える。 図の曲線だけで判断せず,五大絶滅の標準的な古い順を先に固定する。
採点の置き所
斉一説と激変説は対立語として書くと明確になる。 斉一説は現在の過程の継続性,激変説は短時間で大きい変化を強調する。
典型ミス
アンモナイトはペルム紀末にも大きく減少するが,完全絶滅は白亜紀末である。 三葉虫とフズリナはペルム紀末にまとめて対応させる。
第3問 — 岩石学・鉱物学
方針
鉱物構造は「四面体の共有様式」,相図は「液相線・固相線・共融点」の位置から読む。 計算問題は,分析値を式量へ直す段階と,単位格子体積へ直す段階を分ける。
採点の置き所
密度計算では,単位格子に4式量が入ること,nm を cm に直すことが重要である。 共融系では,最初の液の組成と全岩組成を混同しない。
典型ミス
共融点でできる液相を全岩組成 71 wt\% An としてしまう誤りが多い。 最初の液相は共融組成 42 wt\% An であり,その後に組成が変わる。
第4問 — 化学
方針
第1イオン化エネルギーの凹凸は,閉殻,半充填,電子対反発で説明する。 放射壊変は比を取ると初期量が消え,半減期の何回分かで年数を出せる。
採点の置き所
電子配置では に1個ずつ入れる。 年代では と の指数を読み違えない。
典型ミス
原子数比と重量比を混同しない。 重量比では存在割合に質量数を掛けるため, ではなく約 になる。
第5問 — 熱力学
方針
熱力学関係式は,まず と Maxwell 関係に戻す。 図の問題では,どの曲線がどの状態量の等値線かを固定してから終状態を読む。
採点の置き所
自由膨張では,断熱であるだけでなく外部仕事もゼロであることを明記する。 理想気体では が同じで,エントロピーは増加する点を分けて書く。
典型ミス
クラペイロン式で を としない。 沸騰温度 の相転移では,気液共存体積 を使う。
第6問 — 力学
方針
力学は座標の正方向を最初に決める。 問1は A を下向き正,B を上向き正に取ると張力の符号がそろう。
採点の置き所
問2は力積から運動量保存を出し,仕事の和を相対速度だけで表す。 問3は 方向と 方向で復元力の係数が異なることを明示する。
典型ミス
の場合に原点を安定点として扱わない。 原点近くではばねが圧縮され, 変位と同じ向きに力が働くため不安定である。
第7問 — 電磁気学
方針
円板の電場は円環に分割して軸方向成分だけを積分する。 導体球は表面電位から容量を出し,エネルギーは を使う。
採点の置き所
誘導起電力では巻数 を掛け忘れない。 ローレンツ力の証明では,外積が速度に垂直であることを内積で示す。
典型ミス
円板電場を無限平面の とだけ書かない。 有限半径では の補正項が必要である。
第8問 — 物理数学
方針
反対角行列は を見ると固有値がすぐに決まる。 連立微分方程式は2次元部分を行列で処理し, は接線ベクトルの計算にだけ必要である。
採点の置き所
フーリエ級数では, が奇関数であることを先に述べると計算量が減る。 正弦係数の符号 を確認する。
典型ミス
交換行列の固有値を 個すべて異なるものとして扱わない。 と がそれぞれ 重に現れる。