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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 工学系研究科 マテリアル工学専攻 マテリアル工学基礎 2026年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。熱・統計力学1問・物性物理1問・力学1問。テーマタグは3件(はりの曲げ・転位・状態図・相変態)。2025年度と共通のテーマは転位・状態図・相変態。

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解説4問/全4問
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

東大 マテリアル工学基礎 2026年度 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は熱・統計力学1問・物性物理1問・力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問熱・統計力学熱力学・速度論—あり
第2問—組織学途中式の意味あり
第3問物性物理材料物性学—あり
第4問力学材料力学—あり

この年度の解説には検算4件・典型ミス4件・試験で書くべきポイント2件が付いています。

2026年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に3テーマが出ています。

前年度(2025年度)との違い

大問数
2025年度 4問 → 2026年度 4問
両年度に出たテーマ
転位・状態図・相変態
2026年度で新しく出たテーマ
はりの曲げ
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第1問 — 熱力学・速度論

方針

前半は状態図・標準状態・活量の問題であり,後半は拡散流束と界面反応速度をつなぐ問題である。標準状態が液体Crで指定されているため,Crを合金中活量に変換してから酸化物平衡へ入れる。

検算

pO2p_{\mathrm{O_2}} は強い還元性のH2_2--H2_2O比で決まるので 10−1210^{-12} atm 程度と極めて小さい。これにより酸化物活量も1未満となり,固溶体中の成分活量として自然である。拡散係数は 10−12 m2 s−110^{-12}\ \mathrm{m^2\,s^{-1}} 程度で,高温酸化物中の遅い陽イオン拡散として妥当である。

典型ミス

混合の計算で理想混合の −TΔS-T\Delta S を熱量に入れてはいけない。等温混合で外部熱として扱うのはエンタルピー項である。また,酸化物平衡では pO23/2p_{\mathrm{O_2}}^{3/2} と aCr2a_\mathrm{Cr}^2 の指数を落とす誤りが多い。

試験で書くべきポイント

状態図問題では相名だけでなく,どの境界を越えたかを一言添える。速度論では「定常状態」「拡散流束=界面反応消費速度」「Cr2_2O3_3 1単位にCrが2個」の三点を書くと,式の係数に説得力が出る。

熱力学・速度論の途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — 組織学

方針

核生成の問題は,体積項が負,界面項が正であることを最初に固定する。臨界半径は微分で求め,不均一核生成は均一核生成の障壁に球冠の形状因子を掛ける。

途中式の意味

ε\varepsilon は「固相から液相へ」の変化として定義されているため,凝固で使うと符号に注意する。過冷却液体から固体が生じるとGibbsエネルギーは下がるので,固相生成の体積項は負でなければならない。

検算

ΔT\Delta T が大きいほど r∗r^* は小さくなる。これは深い過冷却ほど核生成しやすいという経験則と一致する。また θ→0\theta\to0 では障壁が0へ,θ→π\theta\to\pi では均一核生成と同じ障壁へ近づく。

典型ミス

Youngの式の符号を逆にすると,接触角が小さいほど障壁が大きくなる不自然な結論になる。図示問題では曲線の正確な曲率より,端点 0,10,1 と単調増加を明示することが重要である。

組織学の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 材料物性学

方針

逆格子は公式暗記より,ai⋅bj=2πδij\bm a_i\cdot\bm b_j=2\pi\delta_{ij} を連立方程式として解くのが確実である。格子振動は隣接する二本のばねから受ける復元力を,単位胞内と隣接単位胞に分けて書く。

検算

k=0k=0 の音響分枝で ω=0\omega=0 になるのは,すべての原子が同じだけ並進すればばねが伸びないためである。K1=K2K_1=K_2 に近づけるとゾーン端のギャップは閉じ,単原子鎖を折り返した分散に近づく。

典型ミス

eikae^{ika} と e−ikae^{-ika} の位置を逆にしても最終的な分散は同じだが,行列がエルミートになっていることを確認しないと符号ミスに気づきにくい。Brillouinゾーンは逆格子点を結んだ単位胞ではなく,Wigner--Seitz胞である。

材料物性学の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 材料力学

方針

四点曲げでは,中央区間のせん断力が0になり,曲げモーメントが一定になる。最大応力はこの純曲げ区間の最外縁で生じる。破壊の問題は,表面エネルギー増加と弾性エネルギー解放の競争として書けばよい。

検算

IzI_z は高さの三乗に比例するので,応力は h−2h^{-2} に比例する。き裂条件は cc が大きいほど臨界応力が下がる形であり,長いき裂ほど危険という物理と一致する。

典型ミス

四点曲げで荷重 PP を合計荷重と誤読すると反力が半分になり,応力も半分になる。ここでは図の各集中荷重を PP として扱う。Griffith条件では新生面が二面あるため,表面エネルギーを 4cΓ4c\Gamma と書く。

試験で書くべきポイント

せん断力図・曲げモーメント図は,数式と一緒に区間を明示する。材料比較の記述問題では「転位」「塑性域」「エネルギー散逸」の語を入れると採点上の根拠が明確になる。

材料力学の途中式・最終答をPDFで見る

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