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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 工学系研究科 マテリアル工学専攻 マテリアル工学基礎 2025年度 院試 解答例・解説

東京大学 工学系研究科 マテリアル工学専攻 マテリアル工学基礎 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 熱力学・速度論

方針

熱力学図では「線が低いほど塩化物または酸化物が安定」と読む。計算問題では,純物質の活量を1,気体の活量を分圧で置く。拡散反応は,Fickの法則と定常収支を組み合わせる典型問題である。

検算

Rの酸化物生成Gibbsエネルギーは非常に負なので,R/RO平衡の酸素分圧は 103710^{-37} 程度と小さい。M中酸素は標準状態1 mass\%より少し小さい 0.470.47 mass\% であり,ΔG3\Delta G_3^\circΔG5\Delta G_5^\circ が近いことと整合する。

典型ミス

塩化物還元で「生成線が上にある金属」を選ぶと反応方向が逆になる。拡散反応では dN/dz=RAdN/dz=R_A の符号を曖昧にしやすいが,最終解が深さ方向に指数減衰し,液面流束が正になるかで確認できる。

試験で書くべきポイント

図示指定のある設問では,境界線の上側・下側のどちらかを言葉でも説明する。計算値は有効数字2桁指定なので,途中で自然対数と常用対数を混同しないよう 2.303RT2.303RT を明示する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 組織学

方針

状態図の組織選択は,T2T_2 での平衡相と初晶の有無を読む。構造因子は格子点ごとの位相因子を足し,反射条件に落とす。XRDは超格子反射の有無が規則相判定の鍵である。

検算

a=0.359 nma=0.359\ \mathrm{nm}λ=0.154 nm\lambda=0.154\ \mathrm{nm} ではFCC基本反射の(111)が約44度に出る。規則相では(001)や(110)のような,無秩序FCCでは弱いまたは禁制の反射が現れるので,低角側に追加ピークを持つパターンが妥当である。

典型ミス

L10_0 の超格子反射を見落として,γ\gamma 相を単なるFCCとして扱うと(001),(110)を落とす。組織選択では,白黒の凡例だけでなく,斜線や粒内析出の描き方が「共晶」「初晶+共晶」「析出」を表すことに注意する。

試験で書くべきポイント

30字・50字・200字指定の記述は,字数を厳密に数えるよりも「駆動力」「拡散」「核生成」「成長」の語を入れて因果を短く示す。選択問題でも,選んだ記号だけでなく一文の根拠を添える。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 材料物性学

方針

時間依存問題は,定常状態の指数因子を微分して時間非依存方程式へ落とす。タイトバインディングでは,ハミルトニアン行列の対角成分が原子軌道エネルギー,非対角成分が隣接原子間の結合を表す。

検算

P2(0)=0P_2(0)=0P2(π/2A)=1P_2(\pi\hbar/2|A|)=1 となり,電子が二原子間を周期的に移る。一次元状態密度が帯端で発散するのは,dE/dk=0dE/dk=0 となって群速度が消えるためである。

典型ミス

問題では A<0A<0 と指定されているため,結合性・反結合性の高低を符号で取り違えやすい。状態密度ではスピン2倍と,単位長さで割る因子 NaNa を忘れない。

試験で書くべきポイント

固有方程式の導出では,単に行列式を書くのではなく,左から χi\chi_i^* を掛けて積分し,直交規格化を使ったことを示すと減点されにくい。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 材料力学

方針

積層材の弾性率は,荷重方向が積層方向なら等応力のReuss平均,界面平行なら等ひずみのVoigt平均である。降伏も同じく,等応力か等ひずみかを先に決めると迷わない。

検算

直列平均 ExE_x は低い方の 7070 GPa に近く,並列平均 EyE_y は単純な荷重分担なので 7070200200 の体積平均 109109 GPa になる。yy 方向の一段目巨視応力16 MPaは,A相10 MPaとB相28.6 MPaの体積平均であり,両者の間にある。

典型ミス

xx 方向と yy 方向の等応力・等ひずみ条件を逆にすると,弾性率も降伏応力も入れ替わる。二段階目ではA相を弾性に戻してはいけない。加工硬化なしなのでA相応力は10 MPaで保持される。

試験で書くべきポイント

応力--ひずみ線図は数値の点を明示し,二段階降伏の間の傾きが fBEBf_BE_B になる理由を書く。最後の記述問題ではHall--Petch型の界面障害効果を,転位の平均自由行程の短縮として説明する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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