東京大学 院試 過去問 解答例
東大 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 創造情報学 専門科目 2026年度 院試 解答例・解説
東京大学 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 創造情報学 専門科目 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全3問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 論理回路と二進演算
方針
この問題は,個々の真理値表を暗記で処理するよりも「下位から最初に1が現れるまで」という 条件を接頭辞ORとして数式化するのが安全である。 番目の出力は より下位のビットだけを 見れば決まるので,入力 自身を含めない点に注意する。
典型ミス
としてしまうと,最初に1が現れたビットまで0になり, 例に合わない。減算回路でも,同じ理由で「最初の1を含めて反転する」ことを確認してから の出力をXORの制御に使う必要がある。
採点上の注意
回路図を描く設問では,ゲート数だけでなく,どの入力がマルチプレクサの選択信号なのかを 明示することが重要である。特に で を選ぶ向きを取り違えると,XOR回路と減算回路が どちらも反転してしまう。
第2問 — 通信遅延と指数バックオフ
単位を先にそろえる
Mbpsは bit/s として扱う。伝搬距離と伝送速度を混同すると,0.5 msと0.4 msの 寄与を逆にしたり,片道と往復を取り違えたりしやすい。RTTでは伝搬・送信・処理がそれぞれ 往復で何回入るかを表にしてから足すとよい。
FECと再送の比較
再送制御の期待遅延は「失敗時だけ余分に1 RTT」と見ると一行で出る。FECは誤りを消す代わりに 毎回パケットを長くする方式なので,誤り率が低い領域では損になり,高い領域では得になる。 境界 は追加遅延 と再送の期待追加遅延 を等置しても得られる。
バックオフの積
回目で初めて解決する事象は,「1回目から 回目までは同じスロットを選び, 回目で異なるスロットを選ぶ」という積である。指数バックオフではスロット数が倍々に 増えるため,衝突確率の指数の和 が現れる。
第3問 — 情報システム用語の説明
採点されやすい説明の形
用語説明では,最初の1文で定義を置き,続けて仕組み,最後に利点・限界・計算量のいずれかを 述べると答案が安定する。単に「重要な技術である」と書いても点になりにくい。
選ぶ項目
短時間で高得点を狙うなら,計算量や具体的な機構を書きやすい項目を選ぶのがよい。マージソートは ,仮想記憶はページテーブルとページフォルト,Transformerは自己注意の式まで 書けるため,説明の密度を出しやすい。
典型ミス
Transformerを単に大規模言語モデルの名前として書く,ガベージコレクションを手動解放と混同する, 仮想記憶をキャッシュと同一視する,といった誤りは減点されやすい。専門用語を並べるだけでなく, 「何を入力として何を解決する仕組みか」を明確にすることが大切である。