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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目B 2011年度 院試 過去問 解答例・解説(全1問)

全1問。テーマタグは7件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・一様収束)。2010年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・群論・環論。

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解説1問・解答1問・最終答1問(全1問)
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2011年度は解答・最終答まで全文公開
問題本文
非収録

東大 専門科目B 2011年度 院試 過去問の出題内容(全1問)

大問主題解説の小見出し最終答
第1問有限可換群と巡回因子見るべき量 / 表現への応用あり

この年度の解説には検算1件が付いています。

2011年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は1問に7テーマが出ています。

前年度(2010年度)との違い

大問数
2010年度 1問 → 2011年度 1問
2011年度で新しく出たテーマ
一様収束・オートマトン理論・中心極限定理・特性関数
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第1問 — 有限可換群と巡回因子

見るべき量

この問題は巡回因子そのものではなく,pp-torsion の次元を見ると一気に整理できる。 有限可換群の最小生成元数は,すべての素数 pp に対する dim⁡FpG[p]\dim_{\mathbb F_p}G[p] の最大値で決まる。

表現への応用

可換な有限行列群は同時対角化できる。対角成分ごとに有限巡回群しか現れないので, 行列のサイズ nn がそのまま生成に必要な巡回因子数の上限になる。

[三直線の座標環]

幾何で読む

RR は三直線の和の座標環である。直積環は三直線をばらばらにした座標環であり, 元の RR は交点で値が一致するという貼り合わせ条件を持つ。

局所化の意味

ss はちょうど交点で消えるように選ばれている。交点を取り除くと三つの直線は 非交和になるため,正規化への写像が同型になる。

[Smith標準形と双対]

Smith標準形の検算

階数3なので自由部分が1つ残る。不変因子は「rr 次小行列式の最大公約数」の比から 求めると計算ミスが少ない。

双対で失われるもの

双対を取ると,商 QQ の torsion が Ext⁡1(Q,Z)\operatorname{Ext}^1(Q,\mathbb Z) として 現れる。したがって f∗f^\ast の全射性は,商に torsion がないことを表している。

[有理関数体の二項拡大]

変数を根で置き換える

二次式そのものを追うより,u+u−1=4X+2u+u^{-1}=4X+2 と置くと対称性が見える。 平方根を一段,さらに一段取るだけで MM と LL が書ける。

中間体は群で数える

L/KL/K は二面体群 D4D_4 の Galois 拡大である。4次中間体の個数は位数2部分群の 個数に等しく,正規性は対応部分群が正規かどうかで判定する。

[四次元内の曲面]

平方に落とす

この問題では符号より先に平方を変数にすると,像が平面内の四角形として見える。 符号の数え上げだけが被覆枚数に対応する。

Euler数の数え方

内部では全座標の符号が自由,辺では一つの符号が消え,頂点では二つの符号が消える。 その枚数を胞体ごとに数えれば,貼り合わせを細かく追わなくても Euler 数が出る。

[立方体の面同一視]

計算の要点

商空間を直接想像するより,面同一視で得られる胞体分解を作り,境界行列を Smith 標準形 に落とすのが確実である。

検算

閉じた3次元空間なので H3H_3 が残るかを確認する。ここでは面の向きが対になって 打ち消し合い,∂3=0\partial_3=0 になる。

[微分形式とホモトピー]

使うコホモロジー

H2(S3×R)=0H^2(S^3\times\mathbb R)=0 で原始形式を作り,H1(S3)=0H^1(S^3)=0 で切片上のずれを 完全形式として補正する。

積分が消える理由

閉形式の積分はホモロジー類だけで決まる。t=1t=1 の切片を t=0t=0 に動かすと, t=0t=0 では写像が定値で2形式の引き戻しが消える。

[行列指数写像の特異集合]

指数写像の微分

指数写像の微分は ad⁡A\operatorname{ad}A の固有値で判定できる。 固有値差が 2πi2\pi i の非零整数倍になると,指数で同じ方向を巻いてしまい,微分に核が 生じる。

符号の検算

A2=(x2+y2−z2)IA^2=(x^2+y^2-z^2)I なので,特異性は λ\lambda が純虚数の整数倍になる場合に限られる。 そのため答えは円錐の外側ではなく,zz 軸方向に開く双曲面になる。

[境界の一点を除く最大値原理]

一点の特異性を消す

(z−a)mfn(z-a)^m f^n としておくと,成長条件により aa の特異性が可除になる。 あとは通常の最大値原理を使える形になる。

最後に n→∞n\to\infty

∣z−a∣|z-a| に依存する余分な因子は 1/n1/n 乗で消える。この操作が,境界の一点を除いて 得た評価を内部全体の評価へ変える。

[超平面配置の局所可積分性]

一般点と原点を分ける

一つの超平面だけが見える点では一変数の条件 rαr^\alpha が可積分かどうかだけを見ればよい。 複数の超平面が交わる原点では,全体の次数と3次元の体積要素を合わせて判定する。

中間の交点

二つまたは三つの超平面の交点での条件は,個々の指数が −1-1 より大きいことから従う。 この配置では追加で必要になるのは全四面が交わる原点の条件だけである。

[Poisson和と三角波畳み込み]

畳み込みとして見る

sin⁡ξ/ξ\sin\xi/\xi は区間の特性関数の Fourier 変換である。三乗は三重畳み込みに対応するので, 台がすぐに [−3,3][-3,3] と分かる。

定数になる理由

周期化した関数の Fourier 係数は,元の逆 Fourier 変換を格子点で見た値になる。 台の端点で値が0になるため,非零係数がすべて消える。

[熱方程式の自己相似解]

相似変数の微分

y=x/(2t)y=x/(2\sqrt t) の tt 微分で −y/(2t)-y/(2t) が出る。ここを落とすと係数がずれる。

一次方程式へ落とす

二階方程式に見えるが,左辺は (h′+2yh)′(h'+2yh)' である。そこから積分因子 ey2e^{y^2} を使えば一般解まで一気に出る。

[Laguerre多項式と直交性]

部分積分の回数

Rodrigues 表示の強みは,nn 回の部分積分で低次多項式を消せることにある。 境界項が消える理由も答案に書くと減点されにくい。

零点の位置

直交多項式は直交区間の内部に次数と同じ個数の単純零点を持つ。この事実を使うと, 最後の積分恒等式は「LnL_n で割れる」ことに帰着する。

[三成分の力学系]

単体の不変性

和が保存され,境界でベクトル場が外へ出ないことを確認する。これで以後の議論を コンパクトな単体上で行える。

しきい値の意味

yy が小さいときの増減は,ほぼ βx−(α+γ)\beta x-(\alpha+\gamma) で決まる。 感染なし平衡点では x=1x=1 なので,R0>1R_0>1 なら yy 方向が不安定になる。

[母関数と固有関数]

母関数で一括処理する

個々の ϕk\phi_k を直接微分するより,母関数に作用させてから係数比較する方が計算が短い。

二変数母関数の役割

ϕkϕ1\phi_k\phi_1 は一変数母関数だけでは扱いにくい。二つの母関数の積に作用させると, ϕk+1\phi_{k+1} へ混ざる係数まで同時に読める。

[対角優位な根の反復法]

対角優位の使い道

対角優位は ∞\infty-ノルムでの収縮評価を作るための条件である。 I−μDf(a)I-\mu Df(a) の各行和を 11 より小さくできる。

非線形の場合

根の近くでは Df(x)Df(x) が Df(a)Df(a) に近い。線形化で得た収縮性が小さい近傍に残るので, 不動点定理をそのまま使える。

[非決定性オートマトンの固定点]

到達可能性は最小固定点

B(X)B(X) は XX から逆向きに有限回たどって得られる集合であり, Y=X∪A(Y)Y=X\cup A(Y) の最小固定点である。

無限回訪問は再帰条件

XX を一度訪問するだけでなく,訪問後に同じ条件へ戻れることが必要である。 そのため X∩A(Y)X\cap A(Y) に有限到達する,という形になる。

[重み付き二乗和と極限分布]

係数は半分へ収束する

AkA_k と Bn,kB_{n,k} は,重み付き平均の形をしている。中央部分ではどちらも 1/21/2 に集中するので,主項は 14Xk\frac14 X_k の和になる。

端の項の扱い

kk が小さい,または n−kn-k が小さい項では片側の平均が安定しない。しかしその個数は 全体に比べて無視でき,二乗平均で主項との差が0に落ちる。

解答

(1) μk\mu_k は位数 kk の巡回群である。有限可換群 GG について d(G):=max⁡pdim⁡FpG[p],G[p]={x∈G∣xp=1} d(G):=\max_p \dim_{\mathbb F_p}G[p], \qquad G[p]=\{x\in G\mid x^p=1\} とおく。有限可換群の基本定理から,d(G)d(G) は GG の最小生成元数に等しく, 本問の記号では t(G)=d(G)t(G)=d(G) である。

実際,G≃∏i=1ℓμkiG\simeq \prod_{i=1}^{\ell}\mu_{k_i} なら #G[p]=∏i=1ℓ#μki[p]≤pℓ \#G[p]=\prod_{i=1}^{\ell}\#\mu_{k_i}[p]\le p^\ell である。

(2) さらに,μki[p]\mu_{k_i}[p] は p∣kip\mid k_i のときだけ位数 pp なので, dim⁡FpG[p]=#{i∣p∣ki}. \dim_{\mathbb F_p}G[p]=\#\{i\mid p\mid k_i\}. したがって,ある素数 pp がすべての kik_i を割るなら dim⁡FpG[p]=ℓ\dim_{\mathbb F_p}G[p]=\ell となり,ℓ=t(G)\ell=t(G) である。逆に,そのような 素数がないなら各 pp について dim⁡FpG[p]≤ℓ−1\dim_{\mathbb F_p}G[p]\le \ell-1 であるから, 最小生成元数は高々 ℓ−1\ell-1 であり,ℓ=t(G)\ell=t(G) ではない。

(3) 部分群 H⊂GH\subset G については H[p]⊂G[p]H[p]\subset G[p] であるから dim⁡FpH[p]≤dim⁡FpG[p] \dim_{\mathbb F_p}H[p]\le \dim_{\mathbb F_p}G[p] がすべての pp で成り立つ。よって t(H)≤t(G)t(H)\le t(G) である。

(4) 最後に G⊂GL(n,C)G\subset GL(n,\mathbb C) とする。有限位数の複素行列は対角化可能であり, しかも GG は可換なので同時対角化できる。したがって GG は対角行列群 (C×)n(\mathbb C^\times)^n の有限部分群と同一視できる。各座標への射影像は C×\mathbb C^\times の有限部分群であり巡回群であるから,GG は高々 nn 個の 巡回群の直積の部分群である。上の部分群の場合を用いて t(G)≤n t(G)\le n が従う。

(1) x=q(X), y=q(Y)x=q(X),\,y=q(Y) と書く。三つの成分に対応するイデアルとして I1=(x),I2=(y),I3=(x+y−1) I_1=(x),\qquad I_2=(y),\qquad I_3=(x+y-1) を取ればよい。例えば R/I1≃K[Y],R/I2≃K[X],R/I3≃K[X] R/I_1\simeq K[Y],\qquad R/I_2\simeq K[X],\qquad R/I_3\simeq K[X] であり,いずれも KK 上の一変数多項式環である。

(2) 写像 f:R⟶R/I1×R/I2×R/I3 f:R\longrightarrow R/I_1\times R/I_2\times R/I_3 の核は I1∩I2∩I3I_1\cap I_2\cap I_3 である。K[X,Y]K[X,Y] で三つの一次式 X,Y,X+Y−1X,Y,X+Y-1 は互いに異なる既約因子であり, (X)∩(Y)∩(X+Y−1)=(XY(X+Y−1)) (X)\cap(Y)\cap(X+Y-1)=(XY(X+Y-1)) だから,商環 RR では ker⁡f=0\ker f=0 である。

余核は三つの直線を別々に正規化したときに,交点で一致させる条件の不足を測っている。 交点は (0,0),(0,1),(1,0) (0,0),\qquad (0,1),\qquad (1,0) の三つである。したがって像は,三つの成分上の関数の組であって各交点で値が一致する ものからなる。直積環全体から見ると独立な線形条件が三つあるので dim⁡Kcoker⁡f=3. \dim_K \operatorname{coker}f=3.

(3) s=x(x−1)+y(y−1)s=x(x-1)+y(y-1) とおく。三つの成分上では,ss はそれぞれ交点でだけ消える。 したがって ss を逆元にすると三つの成分は互いに交わらない。局所化後は三つの イデアルが互いに comaximal になり,中国剰余定理から R[1s]≃(R/I1×R/I2×R/I3)⊗RR[1s] R\left[\frac1s\right]\simeq \left(R/I_1\times R/I_2\times R/I_3\right)\otimes_R R\left[\frac1s\right] である。

(1) 行列 A=(46462418166101315) A=\begin{pmatrix} 4&6&4\\ 6&24&18\\ 16&6&10\\ 1&3&15 \end{pmatrix} の Smith 標準形を求める。1次小行列式の最大公約数は 11,2次小行列式の最大公約数は 22,3次小行列式の最大公約数は 1212 である。したがって不変因子は d1=1,d1d2=2,d1d2d3=12 d_1=1,\qquad d_1d_2=2,\qquad d_1d_2d_3=12 から d1=1,d2=2,d3=6 d_1=1,\quad d_2=2,\quad d_3=6 である。階数は3なので Z4/Im⁡LA≃Z⊕Z/2Z⊕Z/6Z. \mathbb Z^4/\operatorname{Im}L_A\simeq \mathbb Z\oplus \mathbb Z/2\mathbb Z\oplus \mathbb Z/6\mathbb Z.

(2) 次に双対の主張を示す。Q=N/f(M)Q=N/f(M) とおく。M,NM,N は有限生成自由 Z\mathbb Z-加群で,ff は単射だから 0→M→N→Q→0 0\to M\to N\to Q\to0 が完全である。これに Hom⁡Z(−,Z)\operatorname{Hom}_{\mathbb Z}(-,\mathbb Z) を適用すると 0→Q∗→N∗→f∗M∗→Ext⁡Z1(Q,Z)→0 0\to Q^\ast\to N^\ast\xrightarrow{f^\ast}M^\ast \to \operatorname{Ext}^1_{\mathbb Z}(Q,\mathbb Z)\to0 が得られる。有限生成アーベル群 QQ について Ext⁡1(Q,Z)=0\operatorname{Ext}^1(Q,\mathbb Z)=0 であることは,QQ が torsion-free であることと 同値である。有限生成 torsion-free アーベル群は自由なので, N/f(M) が自由⟺f∗ が全射 N/f(M)\ \text{が自由} \Longleftrightarrow f^\ast\ \text{が全射} である。

(1) 根の一つを uu とすると u+u−1=4X+2. u+u^{-1}=4X+2. v2=uv^2=u,w2=vw^2=v とおくと M=C(v),L=C(w) M=\mathbb C(v),\qquad L=\mathbb C(w) と書ける。実際,f(T2)f(T^2) の根は ±v,±v−1\pm v,\pm v^{-1}, f(T4)f(T^4) の根は 44 乗根を含めて ww と w−1w^{-1} に −1\sqrt{-1} を掛けたもの で尽きる。

X=v2+v−2−24=(v−v−1)24 X=\frac{v^2+v^{-2}-2}{4} =\frac{(v-v^{-1})^2}{4} であるから,C(v)/C(X)\mathbb C(v)/\mathbb C(X) の自己同型は v↦−v,v↦v−1 v\mapsto -v,\qquad v\mapsto v^{-1} で生成され,位数は4である。よって [M:K]=4. [M:K]=4. 同様に X=(w4+w−4−2)/4X=(w^4+w^{-4}-2)/4 で,w↦iww\mapsto iw と w↦w−1w\mapsto w^{-1} が作用するので [L:K]=8. [L:K]=8.

(2) M/KM/K の Galois 群は Klein の四元群である。したがって MM に含まれる KK の2次拡大は三つであり,例えば K(X),K(X+1),K(X(X+1)) K(\sqrt X),\qquad K(\sqrt{X+1}),\qquad K(\sqrt{X(X+1)}) である。これらはそれぞれ C(v−v−1),C(v+v−1),C(v2) \mathbb C(v-v^{-1}),\quad \mathbb C(v+v^{-1}),\quad \mathbb C(v^2) に対応する。

L/KL/K の Galois 群は D4=⟨r,s∣r4=s2=1, srs=r−1⟩ D_4=\langle r,s\mid r^4=s^2=1,\ srs=r^{-1}\rangle で,r(w)=iw, s(w)=w−1r(w)=iw,\ s(w)=w^{-1} と書ける。上の三つの2次体上での Galois 群は, K(X(X+1)) 上では Z/4Z, K(\sqrt{X(X+1)})\ \text{上では}\ \mathbb Z/4\mathbb Z, 残り二つの上では (Z/2Z)2(\mathbb Z/2\mathbb Z)^2 である。

(3) また,LL に含まれる KK の4次拡大は,D4D_4 の位数2の部分群に対応する。 位数2部分群は中心 ⟨r2⟩\langle r^2\rangle と4つの反射部分群の合計5個である。 反射部分群に対応する体,例えば K(w+w−1)K(w+w^{-1}) は正規拡大ではない。

(1) X=x2,Y=y2,Z=z2,W=w2 X=x^2,\quad Y=y^2,\quad Z=z^2,\quad W=w^2 とおく。二つの関係式から Z=2−X−Y,W=4X+2Y−2 Z=2-X-Y,\qquad W=4X+2Y-2 を得る。したがって F(x,y,z,w)=(x2,y2)F(x,y,z,w)=(x^2,y^2) の像は P={(X,Y)∣X≥0, Y≥0, X+Y≤2, 2X+Y≥1} P=\{(X,Y)\mid X\ge0,\ Y\ge0,\ X+Y\le2,\ 2X+Y\ge1\} である。

制約写像の二つの勾配は (4x,0,−4z,−2w),(6x,2y,−2z,−2w) (4x,0,-4z,-2w),\qquad (6x,2y,-2z,-2w) である。これらが一次従属であると仮定して係数を比較すると, 各座標の零非零に応じた場合分けにより,MM 上では係数がともに0でなければならない。 したがって階数は常に2で,MM は R4\mathbb R^4 の2次元部分多様体である。

(2) 各点 (X,Y)∈P(X,Y)\in P の逆像の元の個数は N(X,Y)=ν(X)ν(Y)ν(2−X−Y)ν(4X+2Y−2) N(X,Y)=\nu(X)\nu(Y)\nu(2-X-Y)\nu(4X+2Y-2) で与えられる。ただし ν(r)={0,r<0,1,r=0,2,r>0. \nu(r)= \begin{cases} 0,& r<0,\\ 1,& r=0,\\ 2,& r>0. \end{cases} 特に PP の内部では 1616 個,辺の内部では 88 個,四つの頂点では 44 個である。

(3) PP はコンパクトであり,四つの座標の平方が PP 上の連続関数として有界なので MM は閉かつ有界である。よって MM はコンパクトである。

(4) 最後に,PP の内部,辺,頂点に沿って自然な胞体分解を取ると, #C2=16,#C1=4⋅8=32,#C0=4⋅4=16. \#C_2=16,\qquad \#C_1=4\cdot8=32,\qquad \#C_0=4\cdot4=16. したがって χ(M)=16−32+16=0. \chi(M)=16-32+16=0.

面同一視後の胞体分解を使う。頂点は二つの同値類になり,1胞体は四つ取れる。 三つの面の対を2胞体 e12,e22,e32e_1^2,e_2^2,e_3^2 とし,1胞体を a1,a2,a3,ba_1,a_2,a_3,b と取ると,境界準同型は基底の取り方により ∂1=(1110−1−1−10), \partial_1= \begin{pmatrix} 1&1&1&0\\ -1&-1&-1&0 \end{pmatrix}, ∂2=(−1011−1001−1−2−2−2). \partial_2= \begin{pmatrix} -1&0&1\\ 1&-1&0\\ 0&1&-1\\ -2&-2&-2 \end{pmatrix}. また3胞体の境界は,向きが逆になる面同士が打ち消し合うので ∂3=0\partial_3=0 である。

ker⁡∂1\ker\partial_1 は a2−a1,a3−a1,b a_2-a_1,\qquad a_3-a_1,\qquad b で生成される。この基底で Im⁡∂2\operatorname{Im}\partial_2 を書くと (1−1001−1−2−2−2) \begin{pmatrix} 1&-1&0\\ 0&1&-1\\ -2&-2&-2 \end{pmatrix} となり,この Smith 標準形は diag⁡(1,1,6) \operatorname{diag}(1,1,6) である。したがって H1(Y;Z)≃Z/6Z. H_1(Y;\mathbb Z)\simeq \mathbb Z/6\mathbb Z. さらに ∂2\partial_2 の階数は3なので H2(Y;Z)=0H_2(Y;\mathbb Z)=0, ∂3=0\partial_3=0 から H3(Y;Z)≃ZH_3(Y;\mathbb Z)\simeq\mathbb Z である。

(1) S3×RS^3\times\mathbb R 上では HdR2(S3×R)=0H^2_{\mathrm{dR}}(S^3\times\mathbb R)=0 である。 また MM は2次元多様体なので任意の2形式 α\alpha は閉形式である。したがって F∗αF^\ast\alpha は完全であり,ある1形式 η\eta が存在して dη=F∗α d\eta=F^\ast\alpha を満たす。

切片 g:S3→S3×Rg:S^3\to S^3\times\mathbb R で引き戻すと, d(g∗η−β)=g∗F∗α−f∗α=0. d(g^\ast\eta-\beta)=g^\ast F^\ast\alpha-f^\ast\alpha=0. HdR1(S3)=0H^1_{\mathrm{dR}}(S^3)=0 だから g∗η−β=dhg^\ast\eta-\beta=dh となる関数 hh がある。 hh を S3×RS^3\times\mathbb R に滑らかに延長し, β~=η−dh~ \widetilde\beta=\eta-d\widetilde h と定めれば dβ~=F∗α,g∗β~=β d\widetilde\beta=F^\ast\alpha,\qquad g^\ast\widetilde\beta=\beta である。

(2) 次に d(β~∧F∗α)=F∗α∧F∗α. d(\widetilde\beta\wedge F^\ast\alpha) =F^\ast\alpha\wedge F^\ast\alpha. ところが α∧α=0\alpha\wedge\alpha=0 である。これは MM が2次元で,4形式が存在しないため である。よって β~∧F∗α\widetilde\beta\wedge F^\ast\alpha は閉3形式である。

(3) 最後に,t=0t=0 の切片と t=1t=1 の切片は S3×RS^3\times\mathbb R 内でホモトピックである。 t=0t=0 では写像が定値なので F∗αF^\ast\alpha の引き戻しは0である。したがって閉3形式の 積分値は t=1t=1 の切片でも0であり, ∫S3β∧f∗α=0 \int_{S^3}\beta\wedge f^\ast\alpha=0 を得る。

A(x,y,z)=(xy+zy−z−x) A(x,y,z)= \begin{pmatrix} x&y+z\\ y-z&-x \end{pmatrix} とおく。この行列は trace が0で, A2=(x2+y2−z2)I A^2=(x^2+y^2-z^2)I を満たす。したがって固有値は ±λ\pm\lambda,ただし λ2=x2+y2−z2 \lambda^2=x^2+y^2-z^2 である。

指数写像の微分は dexp⁡A(H)=∫01e(1−s)AHesA ds d\exp_A(H)=\int_0^1 e^{(1-s)A}He^{sA}\,ds で与えられる。一般にこの線形写像が特異になるのは, ad⁡A\operatorname{ad}A の固有値が 2πi2\pi i の非零整数倍になるときである。 ここで trace 0 の3次元空間上の ad⁡A\operatorname{ad}A の固有値は 0,2λ,−2λ 0,\quad 2\lambda,\quad -2\lambda である。よって微分が単射でなくなる条件は 2λ=2πim(m∈Z, m≠0) 2\lambda=2\pi i m\qquad (m\in\mathbb Z,\ m\ne0) であり,これは x2+y2−z2=−π2m2 x^2+y^2-z^2=-\pi^2m^2 と同値である。

したがって特異集合は z2−x2−y2=π2m2(m=1,2,…) z^2-x^2-y^2=\pi^2m^2\qquad (m=1,2,\ldots) で与えられる双曲面の和である。

(1) ϕ(z)=(z−a)mf(z)n\phi(z)=(z-a)^m f(z)^n とおく。条件より,aa における特異性は可除であり, ϕ(a)=0\phi(a)=0 と定めると ϕ\phi は DD 上正則になる。境界の aa 以外の点では lim sup⁡∣ϕ(z)∣≤LmMn \limsup |\phi(z)|\le L^mM^n である。ただし LL は DD の直径である。最大値原理を,境界を少し内側に押し込んだ 領域で適用して極限を取ると ∣ϕ(z)∣≤LmMn |\phi(z)|\le L^mM^n が DD 全体で成り立つ。

(2) 固定した z∈Dz\in D に対し,m=1m=1 として上の不等式を用いると ∣f(z)∣≤M(L∣z−a∣)1/n. |f(z)|\le M\left(\frac{L}{|z-a|}\right)^{1/n}. n→∞n\to\infty とすれば ∣f(z)∣≤M |f(z)|\le M を得る。

(3) 条件のうち成長条件を落とすと結論は壊れる。単位円板 D={∣z∣<1}D=\{|z|<1\}, a=1a=1 とし, f(z)=exp⁡1+z1−z f(z)=\exp\frac{1+z}{1-z} とおく。境界の aa 以外では (1+z)/(1−z)(1+z)/(1-z) は純虚数値を持つので ∣f∣|f| の境界極限は1である。一方 f(0)=e>1f(0)=e>1 であり,結論は成り立たない。

特異性は四つの超平面 x=0,y=0,z=0,x+y+z=0 x=0,\quad y=0,\quad z=0,\quad x+y+z=0 の上にだけある。各超平面の一般点で局所可積分であるためには,対応する指数が −1-1 より大きいことが必要十分である。したがって a>−1,b>−1,c>−1,d>−1 a>-1,\quad b>-1,\quad c>-1,\quad d>-1 が必要である。

残る問題は原点である。原点の近くでは四つの一次形式はいずれも一次の大きさを持つので, 極座標により被積分関数の主要部は ra+b+c+d r^{a+b+c+d} で,体積要素は r2 dr dωr^2\,dr\,d\omega である。角度方向の積分は,上の各指数が −1-1 より大きければ有限である。したがって半径方向の条件は ∫0εra+b+c+d+2 dr<∞ \int_0^\varepsilon r^{a+b+c+d+2}\,dr<\infty すなわち a+b+c+d>−3 a+b+c+d>-3 である。

(1) χ(x)=12 1[−1,1](x) \chi(x)=\frac12\,1_{[-1,1]}(x) とおくと, f(ξ)=χ^(ξ)3 f(\xi)=\widehat\chi(\xi)^3 である。したがって φ(x)=∫−∞∞f(ξ)eixξ dξ=2π(χ∗χ∗χ)(x) \varphi(x)=\int_{-\infty}^{\infty} f(\xi)e^{ix\xi}\,d\xi =2\pi(\chi\ast\chi\ast\chi)(x) であり,台は supp⁡φ=[−3,3] \operatorname{supp}\varphi=[-3,3] である。

(2) F(ξ)=∑k∈Zf(ξ+2kπ3) F(\xi)=\sum_{k\in\mathbb Z}f\left(\xi+\frac{2k\pi}{3}\right) は周期 2π/32\pi/3 の関数である。f(ξ)=O(∣ξ∣−3)f(\xi)=O(|\xi|^{-3}) なので,級数は [0,2π/3][0,2\pi/3] 上で一様収束する。Poisson の和公式を用いると,周期 2π/32\pi/3 の Fourier 係数は 32π∫Rf(ξ)e−i3mξ dξ=32πφ(−3m) \frac{3}{2\pi}\int_{\mathbb R}f(\xi)e^{-i3m\xi}\,d\xi =\frac{3}{2\pi}\varphi(-3m) である。ところが φ\varphi の台は [−3,3][-3,3] であり,端点でも畳み込みは0になる。 したがって m≠0m\ne0 の係数はすべて0であり,FF は定数である。

(3) 定数値を求めるため, (χ∗χ)(u)=14(2−∣u∣)(∣u∣≤2) (\chi\ast\chi)(u)=\frac14(2-|u|)\qquad(|u|\le2) を用いると (χ∗χ∗χ)(0)=∫−1114(2−∣u∣)12 du=38. (\chi\ast\chi\ast\chi)(0) =\int_{-1}^{1}\frac14(2-|u|)\frac12\,du=\frac38. よって φ(0)=3π4,F(ξ)=φ(0)2π/3=98. \varphi(0)=\frac{3\pi}{4},\qquad F(\xi)=\frac{\varphi(0)}{2\pi/3}=\frac98.

(4) 特に ξ=0\xi=0 を代入し, sin⁡2πk3={0,3∣k,3/2,k≡1(mod3),−3/2,k≡2(mod3) \sin\frac{2\pi k}{3}= \begin{cases} 0,&3\mid k,\\ \sqrt3/2,&k\equiv1\pmod3,\\ -\sqrt3/2,&k\equiv2\pmod3 \end{cases} を使うと 1+81332π3(∑k=0∞1(3k+1)3−∑k=0∞1(3k+2)3)=98. 1+\frac{81\sqrt3}{32\pi^3} \left( \sum_{k=0}^\infty\frac1{(3k+1)^3} -\sum_{k=0}^\infty\frac1{(3k+2)^3} \right)=\frac98. したがって求める値は 4π3813. \frac{4\pi^3}{81\sqrt3}.

(1) y=x2t,u(x,t)=t−1/2h(y) y=\frac{x}{2\sqrt t},\qquad u(x,t)=t^{-1/2}h(y) とおく。微分すると ut=t−3/2(−12h−12yh′),uxx=14t−3/2h′′. u_t=t^{-3/2}\left(-\frac12 h-\frac12 yh'\right),\qquad u_{xx}=\frac14 t^{-3/2}h''. したがって ut=uxxu_t=u_{xx} は h′′+2yh′+2h=0 h''+2yh'+2h=0 と同値である。

(2) この方程式は (h′+2yh)′=0 (h'+2yh)'=0 と書けるので h′+2yh=C h'+2yh=C である。よって (ey2h)′=Cey2 (e^{y^2}h)'=Ce^{y^2} から一般解は h(y)=e−y2(A+C∫0yes2 ds) h(y)=e^{-y^2}\left(A+C\int_0^y e^{s^2}\,ds\right) である。特に C=0,A=1C=0,A=1 とすれば非零解 h(y)=e−y2 h(y)=e^{-y^2} を得る。

(3) 最後に y→+∞y\to+\infty での条件を調べる。 e−y2∫0yes2 ds∼12y e^{-y^2}\int_0^y e^{s^2}\,ds\sim \frac1{2y} であるから, yh(y)→C2. yh(y)\to \frac C2. したがって条件を満たすためには C=0C=0 が必要十分である。

(1) Rodrigues 型の表示 Ln(x)=exn!dndxn(xne−x) L_n(x)=\frac{e^x}{n!}\frac{d^n}{dx^n}(x^ne^{-x}) を用いる。微分を展開すると最高次項は (−1)nxn/n!(-1)^n x^n/n! であり,LnL_n は nn 次多項式である。

m<nm<n とすると,部分積分を nn 回行って ∫0∞Ln(x)xme−x dx=1n!∫0∞xmdndxn(xne−x) dx=0 \int_0^\infty L_n(x)x^m e^{-x}\,dx =\frac1{n!}\int_0^\infty x^m\frac{d^n}{dx^n}(x^ne^{-x})\,dx=0 となる。境界項は xne−xx^ne^{-x} の減衰と原点での零点により消える。 したがって m≠nm\ne n のとき ∫0∞Lm(x)Ln(x)e−x dx=0 \int_0^\infty L_m(x)L_n(x)e^{-x}\,dx=0 である。

(2) 直交多項式の標準的な議論により,LnL_n は区間 (0,∞)(0,\infty) に少なくとも nn 個の 符号変化を持つ。次数が nn なので,零点はすべて正の実数で,しかも単純である。

(3) 零点を λ1,…,λn\lambda_1,\ldots,\lambda_n とする。高々 2n−12n-1 次の多項式 ff が f(λi)=0f(\lambda_i)=0 を満たすなら f(x)=Ln(x)q(x) f(x)=L_n(x)q(x) と書け,deg⁡q≤n−1\deg q\le n-1 である。直交性から ∫0∞f(x)e−x dx=∫0∞Ln(x)q(x)e−x dx=0. \int_0^\infty f(x)e^{-x}\,dx =\int_0^\infty L_n(x)q(x)e^{-x}\,dx=0.

(1) まず ddt(x+y+z)=α−α(x+y+z) \frac{d}{dt}(x+y+z)=\alpha-\alpha(x+y+z) である。初期値が x+y+z=1x+y+z=1 を満たすので,すべての t≥0t\ge0 で x(t)+y(t)+z(t)=1 x(t)+y(t)+z(t)=1 である。また境界では x=0⇒x′=α>0,y=0⇒y′=0,z=0⇒z′=γy≥0 x=0\Rightarrow x'=\alpha>0,\qquad y=0\Rightarrow y'=0,\qquad z=0\Rightarrow z'=\gamma y\ge0 となるので,Ω\Omega は正に不変である。

(2) R0=β/(α+γ)<1R_0=\beta/(\alpha+\gamma)<1 かつ δ≤1\delta\le1 とする。このとき y′y=−(α+γ)+β(x+δz)≤−(α+γ)+β<0 \frac{y'}{y}=-(\alpha+\gamma)+\beta(x+\delta z) \le-(\alpha+\gamma)+\beta<0 であるから y(t)→0y(t)\to0 である。さらに z′≤−αz+γy z'\le -\alpha z+\gamma y なので,y(t)→0y(t)\to0 と比較定理から z(t)→0z(t)\to0 も従う。

(3) R0>1R_0>1 のとき,内部平衡点は x+δz=1R0,x+y+z=1 x+\delta z=\frac1{R_0},\qquad x+y+z=1 を満たす。これを x′=0,z′=0x'=0,z'=0 に代入すると,未知量一つの連続方程式に帰着する。 端点で符号が変わるため,中間値の定理により x∗>0,y∗>0,z∗>0 x^\ast>0,\qquad y^\ast>0,\qquad z^\ast>0 を満たす平衡点が少なくとも一つ存在する。

(4) 最後に一様持続性を示す。もし y(0)>0y(0)>0 である解について lim sup⁡y(t)\limsup y(t) が任意に 小さくなり得るとすると,Ω\Omega のコンパクト性から極限軌道は境界 y=0y=0 上に入る。 境界上の極限は (1,0,0)(1,0,0) である。しかしその近くでは y′y=−(α+γ)+β(x+δz) \frac{y'}{y}=-(\alpha+\gamma)+\beta(x+\delta z) が正になる。これは y(t)y(t) が0近くに留まることと矛盾する。したがってある ε>0\varepsilon>0 が存在して lim sup⁡t→∞y(t)>ε \limsup_{t\to\infty}y(t)>\varepsilon である。

(1) ϕ(x;y)=∏i=1n(1−xiy)−β=∑k≥0ϕk(x)yk \phi(x;y)=\prod_{i=1}^n(1-x_i y)^{-\beta} =\sum_{k\ge0}\phi_k(x)y^k とおく。Di=xi∂/∂xiD_i=x_i\partial/\partial x_i,θ=y∂/∂y\theta=y\partial/\partial y と書くと, 直接計算により Hϕ(x;y)=(θ2+β(n−1)θ)ϕ(x;y) H\phi(x;y)=\left(\theta^2+\beta(n-1)\theta\right)\phi(x;y) が成り立つ。したがって a1=1,a2=β(n−1) a_1=1,\qquad a_2=\beta(n-1) でよい。係数比較により Hϕk={k2+β(n−1)k}ϕk H\phi_k=\{k^2+\beta(n-1)k\}\phi_k である。

(2) 二つの母関数の積についても同じ計算を行うと H{ϕ(x;y1)ϕ(x;y2)}=[θ12+θ22+βy1+y2y1−y2(θ1−θ2)+β(n−2)(θ1+θ2)]{ϕ(x;y1)ϕ(x;y2)}. H\{\phi(x;y_1)\phi(x;y_2)\} =\Bigg[ \theta_1^2+\theta_2^2 +\beta\frac{y_1+y_2}{y_1-y_2}(\theta_1-\theta_2) +\beta(n-2)(\theta_1+\theta_2) \Bigg]\{\phi(x;y_1)\phi(x;y_2)\}. よって a3=β(n−2) a_3=\beta(n-2) である。

(3) k≥1k\ge1 とし,y1ky2y_1^k y_2 の係数を比較する。上式から H(ϕkϕ1)={k2+1+β(n−1)k+β(n−3)}ϕkϕ1+2β(k+1)ϕk+1. H(\phi_k\phi_1)= \{k^2+1+\beta(n-1)k+\beta(n-3)\}\phi_k\phi_1 +2\beta(k+1)\phi_{k+1}. 一方 Hϕk+1={(k+1)2+β(n−1)(k+1)}ϕk+1. H\phi_{k+1}=\{(k+1)^2+\beta(n-1)(k+1)\}\phi_{k+1}. したがって ϕkϕ1+ckϕk+1 \phi_k\phi_1+c_k\phi_{k+1} が固有値 k2+1+β(n−1)k+β(n−3) k^2+1+\beta(n-1)k+\beta(n-3) を持つためには ck=−β(k+1)k+β c_k=-\frac{\beta(k+1)}{k+\beta} であればよい。

J=Df(a)J=Df(a) とおく。仮定より Jii>∑j≠i∣Jij∣ J_{ii}>\sum_{j\ne i}|J_{ij}| であり,特に Jii>0J_{ii}>0 である。十分小さい λ>0\lambda>0 を取れば, 任意の 0<μ<λ0<\mu<\lambda について ∣1−μJii∣+μ∑j≠i∣Jij∣≤1−μη \left|1-\mu J_{ii}\right|+\mu\sum_{j\ne i}|J_{ij}| \le 1-\mu\eta となる η>0\eta>0 が存在する。したがって ∥I−μJ∥∞≤1−μη<1. \|I-\mu J\|_\infty\le1-\mu\eta<1.

DfDf は連続なので,aa の十分小さい閉球 Bδ={x∣∥x−a∥∞≤δ} B_\delta=\{x\mid \|x-a\|_\infty\le\delta\} 上でも同じ評価を少し弱めた形で保てる。写像 Tμ(x)=x−μf(x) T_\mu(x)=x-\mu f(x) について,平均値の定理から ∥Tμ(x)−Tμ(y)∥∞≤ρ∥x−y∥∞(0<ρ<1) \|T_\mu(x)-T_\mu(y)\|_\infty\le \rho\|x-y\|_\infty \qquad(0<\rho<1) が BδB_\delta 上で成り立つ。さらに Tμ(a)=aT_\mu(a)=a であるから,δ\delta を小さく取れば Tμ(Bδ)⊂BδT_\mu(B_\delta)\subset B_\delta である。

よって Banach の不動点定理により,任意の初期値 x(0)∈Bδx^{(0)}\in B_\delta から始めた反復 x(k+1)=Tμ(x(k)) x^{(k+1)}=T_\mu(x^{(k)}) は唯一の不動点 aa に収束する。

(1) A(Y)A(Y) は YY へ1ステップで入れる状態全体である。有限ステップで XX に到達できる 状態全体は,すでに XX にいるか,1ステップでその集合に入れる状態である。したがって F(X,Y)=X∪A(Y) F(X,Y)=X\cup A(Y) と定めれば B(X)=F(X,B(X)) B(X)=F(X,B(X)) である。また Y=F(X,Y)Y=F(X,Y) なら,X⊂YX\subset Y かつ A(Y)⊂YA(Y)\subset Y であるから, XX から有限個だけ前にたどれる状態はすべて YY に含まれる。よって Y⊃B(X) Y\supset B(X) である。

(2) 次に,XX を無限回訪れる経路を考える。ある状態からそのような経路が存在するためには, 有限ステップで XX のある状態に到達し,そこから1ステップで再び同じ性質を持つ状態へ 進めればよい。したがって G(X,Y)=B(X∩A(Y)) G(X,Y)=B(X\cap A(Y)) と定めると C(X)=G(X,C(X)) C(X)=G(X,C(X)) が成り立つ。

さらに Y=G(X,Y)Y=G(X,Y) とする。任意の q∈Yq\in Y は有限ステップで X∩A(Y)X\cap A(Y) に到達できる。そこから1ステップで YY に戻れるので,同じ操作を繰り返せば XX を無限回訪れる無限遷移列を作れる。したがって Y⊂C(X) Y\subset C(X) である。

(1) Xs2X_s^2 は平均1,分散2で互いに独立である。したがって E[Ak]=1k2∑s=1k−1s=k−12k E[A_k]=\frac1{k^2}\sum_{s=1}^{k-1}s =\frac{k-1}{2k} である。また Var⁡(Ak)=1k4∑s=1k−1s2Var⁡(Xs2)=2k4(k−1)k(2k−1)6=(k−1)(2k−1)3k3. \operatorname{Var}(A_k) =\frac1{k^4}\sum_{s=1}^{k-1}s^2\operatorname{Var}(X_s^2) =\frac2{k^4}\frac{(k-1)k(2k-1)}6 =\frac{(k-1)(2k-1)}{3k^3}.

(2) 次に Zn=1n∑k=1nAkXkBn,k Z_n=\frac1{\sqrt n}\sum_{k=1}^n A_kX_kB_{n,k} を考える。AkA_k は X1,…,Xk−1X_1,\ldots,X_{k-1} のみ,Bn,kB_{n,k} は Xk+1,…,XnX_{k+1},\ldots,X_n のみで決まり,どちらも XkX_k と独立である。 また,kk と n−kn-k がともに大きい範囲では Ak→12,Bn,k→12 A_k\to\frac12,\qquad B_{n,k}\to\frac12 が L2L^2 で成り立つ。端の o(n)o(n) 個の項は全体を 1/n1/\sqrt n で割るため寄与しない。 したがって Zn−14n∑k=1nXk⟶0 Z_n-\frac1{4\sqrt n}\sum_{k=1}^n X_k\longrightarrow0 が L2L^2 で成り立つ。通常の中心極限定理から 1n∑k=1nXk⇒N(0,1) \frac1{\sqrt n}\sum_{k=1}^n X_k\Rightarrow N(0,1) であるから, Zn⇒N(0,116). Z_n\Rightarrow N\left(0,\frac1{16}\right).

最終答

#G[p]≤pℓ,ℓ=t(G)⟺∃p prime such that p∣ki (1≤i≤ℓ). \#G[p]\le p^\ell,\qquad \ell=t(G)\Longleftrightarrow \exists p\ \mathrm{prime}\ \text{such that}\ p\mid k_i\ (1\le i\le \ell). また H⊂GH\subset G なら t(H)≤t(G)t(H)\le t(G),特に G⊂GL(n,C)G\subset GL(n,\mathbb C) なら t(G)≤n\boxed{t(G)\le n} である。

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