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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 工学系研究科 物理工学専攻 物理学 2020年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。力学1問。テーマタグは8件(固有値・固有ベクトル・調和振動子・分配関数)。2019年度と共通のテーマは分配関数・電磁波。

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解説4問/全4問(1,427字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

東大 物理学 2020年度 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
1力学固定端ばね鎖の固有振動固定端条件が作る正弦波 / 静的応答の意味あり
2一軸性結晶中の電磁波通常光と異常光 / 符号の検算あり
3理想気体と吸着等温式Langmuir型になる理由 / グラフの読み方あり
42次元調和振動子と角運動量円運動の基底を作る / 縮退の分裂あり

2020年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は4問に8テーマが出ています。

前年度(2019年度)との違い

大問数
2019年度 6問 → 2020年度 4
両年度に出たテーマ
分配関数電磁波
2019年度のページを見る

1 — 固定端ばね鎖の固有振動

固定端条件が作る正弦波

両端が壁につながれているため、仮想的に x0=xN+1=0x_0=x_{N+1}=0 と置ける。この境界条件を自然に満たす基底が sin(qn)\sin(q_\ell n) であり、自由端の場合の余弦型とは異なる。

静的応答の意味

α/β=1/λ\alpha_\ell/\beta_\ell=1/\lambda_\ell は、外力が各基準振動をどれだけ変位として励起しやすいかを表す。最も波長の長い =1\ell=1 モードは復元力が最も弱いため、系の長さが伸びるほど応答が N2N^2 で大きくなる。

オンサイト項の検算

k0>0k_0>0 は各質点を元の位置へ引き戻す局所的なばねである。したがって長波長極限でも復元力が消えず、分散は原点から始まらず k0/m\sqrt{k_0/m} のギャップを持つ。

固定端ばね鎖の固有振動の途中式・最終答をPDFで見る

2 — 一軸性結晶中の電磁波

通常光と異常光

xx 偏光は誘電率 ε1\varepsilon_1 だけを見るため、波数もエネルギー流も通常の等方媒質のように扱える。これが通常光である。yzyz 偏光は ε1,ε2\varepsilon_1,\varepsilon_2 の両方を含むため、波面法線とエネルギー流の向きがずれる。

符号の検算

ε1>ε2\varepsilon_1>\varepsilon_2 かつ 0<θ<π/20<\theta<\pi/2 なので tanα>0\tan\alpha>0 である。つまり異常光は、結晶軸から測った角度が波数ベクトルより大きい側へ曲がる。ここを逆にすると二重像のずれ方向も反対になってしまう。

一軸性結晶中の電磁波の途中式・最終答をPDFで見る

3 — 理想気体と吸着等温式

Langmuir型になる理由

各サイトが独立で、1つのサイトに高々1個だけ吸着できるため、吸着密度はフェルミ分布に似た形になる。ただし全体系はボルツマン統計で、排他性は吸着サイトの局所的な制約として入っている。

グラフの読み方

一定温度では K(T)K(T) が定数なので、低圧で naKPn_a\simeq KP と線形に増え、高圧で na1n_a\to1 に飽和する。一定圧力では TT が上がるほど熱的波長の寄与と eε/(kBT)e^{\varepsilon/(k_BT)} の寄与がともに小さくなり、吸着密度は単調に下がる。

理想気体と吸着等温式の途中式・最終答をPDFで見る

4 — 2次元調和振動子と角運動量

円運動の基底を作る

a^x,a^y\hat a_x^\dagger,\hat a_y^\dagger は直交座標方向の量子を1つ増やす演算子である。これを a^x±ia^y\hat a_x^\dagger\pm i\hat a_y^\dagger と組み合わせると、回転に対して固有の変換をする円運動の基底になる。角運動量の固有値が一気に読めるのはこのためである。

縮退の分裂

等方振動子では n1+n2n_1+n_2 だけでエネルギーが決まり、同じ和を持つ状態が縮退する。スピン軌道相互作用は n1n2n_1-n_2 とスピンの積を見るため、同じエネルギー殻の中で角運動量に応じた分裂を起こす。

2次元調和振動子と角運動量の途中式・最終答をPDFで見る

東大 物理学 院試 過去問の収録15年度

  • 2026年度(全4問)

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  • 2025年度(全4問)

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  • 2024年度(全4問)

    剛体振り子と磁気モーメント測定 / 1次元光共振器 / 固体の比熱

  • 2023年度(全4問)

    量子井戸と対称性 / 支点加振振り子 / 古典気体の回転平衡

  • 2022年度(全4問)

    回転磁場によるスピン遷移と Ramsey 干渉 / 一次元格子振動 / 二元合金の相分離

  • 2021年度(全4問)

    量子ビットの時間発展とゲート生成 / 等方弾性体の応力と弾性波反射 / 理想ボース気体とボース凝縮

  • 2020年度(このページ・全4問)

    固定端ばね鎖の固有振動 / 一軸性結晶中の電磁波 / 理想気体と吸着等温式

  • 2019年度(全6問)

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  • 2018年度(全6問)

    午前・半円筒上の滑りと転がり / 午前・球形コンデンサと漏れ電流 / 午後・デルタ井戸と二粒子交換

  • 2017年度(全6問)

    午前・摩擦つき連結物体と安定性 / 午前・電気双極子と鏡像法 / 午後・井戸中の二フェルミ粒子

  • 2016年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    午前・振り子と二重振り子 / 午前・導体リングと電磁誘導 / 午後・調和振動子のコヒーレント状態

  • 2015年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    午前・跳ね返る剛体球 / 午前・線電荷と円筒導体の鏡像法 / 午後・二重井戸と二粒子トンネル

  • 2014年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    午前・中心力とラプラス--ルンゲ--レンツベクトル / 午前・電磁場とLC振動 / 午後・スピン軌道相互作用

  • 2013年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    粗い円柱のつり合いと滑りから転がりへの移行 / 平行平板間の空間電荷制限電流 / 調和振動子の遷移と非調和摂動

  • 2012年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    円板に巻き付く糸につながれた質点 / 円柱導体のジュール熱とポインティングベクトル / スピン1の磁気共鳴と四極子摂動