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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 工学系研究科 物理工学専攻 物理学 2019年度 院試 過去問 解答例・解説(全6問)

全6問。物性物理1問・力学1問。テーマタグは4件(剛体の回転運動・分配関数・電磁波)。

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解説6問/全6問
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき6問)
問題本文
非収録

東大 物理学 2019年度 院試 過去問の出題内容(全6問)

この6問の分野は物性物理1問・力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問力学午前・軌道力学と重力勾配—あり
第2問—午前・誘導加熱と円環電流—あり
第3問—午後・デルタ障壁と二粒子干渉—あり
第4問—午後・ファンデルワールス気体—あり
第5問—午後・多層膜の反射防止—あり
第6問物性物理午後・金属と半導体の接触—あり

2019年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は4問に4テーマが出ています。

前年度(2016年度)との違い

大問数
2016年度 6問 → 2019年度 6問
2019年度で新しく出たテーマ
剛体の回転運動・分配関数・電磁波・PN接合
2016年度のページを見る

第1問 — 午前・軌道力学と重力勾配

楕円軌道の長軸は、角運動量ではなくエネルギーだけから最短で求められる。射出点が近地点とは限らないが、ケプラー問題では束縛軌道の半長軸は比エネルギーで一意に決まる。この事実を使うと計算が大幅に短くなる。

重力勾配の符号で迷った場合は、棒が接線方向を向いた配置を考えるとよい。両端は重心より地球から遠くなり、重力ポテンシャルが大きくなるため、その配置は不安定である。したがって有効ポテンシャルは sin⁡2ϕ\sin^2\phi に比例し、動径方向が安定になる。答案では、平衡点を列挙するだけでなく安定・不安定をポテンシャルまたは線形化で判定するのが安全である。

午前・軌道力学と重力勾配の途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — 午前・誘導加熱と円環電流

誘導加熱では、誘導電場が半径に比例すること、発熱は E2E^2 に比例することの二点を押さえる。平均電力では cos⁡2\cos^2 の平均 1/21/2 を落としやすい。

円環電流の二問は、配置の対称性を見ると展開の形が決まる。逆向きなら原点でゼロとなる奇関数型、同じ向きなら原点で極値を持つ偶関数型である。二次項を消す条件を求める際は、軸上磁場を一度微分してから x=0x=0 で評価すると計算ミスが少ない。

午前・誘導加熱と円環電流の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 午後・デルタ障壁と二粒子干渉

デルタ障壁では、波動関数は連続だが導関数が跳ぶ。この跳びの式の係数を一つ間違えると、以後の CC 依存性が全てずれる。

二粒子干渉は、古典的な「片方が透過・片方が反射」という経路の足し算ではなく、交換対称性を持つ二粒子波動関数の干渉として扱う。反対称状態では同じ一粒子状態に二粒子が入る振幅が消え、対称状態では t2+r2t^2+r^2 が消える点で同方向散乱が強制される。

午後・デルタ障壁と二粒子干渉の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 午後・ファンデルワールス気体

臨界点の計算では、変数を体積 VV ではなく密度 nn にしておくと微分が短い。等温圧縮率は (∂P/∂n)T(\partial P/\partial n)_T の逆数にさらに 1/n1/n が掛かるため、この因子を忘れない。

相互作用の導出では、斥力は有効体積を減らして圧力を上げ、引力は自由エネルギーを下げて圧力を下げる。符号の物理的意味を確認すると、最終式の −αn2-\alpha n^2 の符号を取り違えにくい。

午後・ファンデルワールス気体の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 午後・多層膜の反射防止

垂直入射の多層膜は、電場振幅そのものよりもアドミタンス Y=nY=n の変換として考えると見通しが良い。四分の一波長層は負荷アドミタンスを nl2/Yn_l^2/Y に変換するため、低屈折率層と高屈折率層の組は (nL/nH)2(n_L/n_H)^2 を掛ける操作になる。

反射係数の符号は、反射波の磁場にマイナスが付くことを忘れると逆になる。最後は、空気側のアドミタンス n0n_0 と膜を通して見た有効アドミタンスが一致すれば反射が消える、と確認すればよい。

午後・多層膜の反射防止の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 午後・金属と半導体の接触

平行板の部分では、仕事関数や化学ポテンシャルの差をそのまま電圧と見なさず、電子の電荷 ee を介して eVeV と対応させることが重要である。力は一定電荷のエネルギー微分でも求められるが、平行板の電場圧 E2ε0/2E^2\varepsilon_0/2 を使うと短い。

ショットキー接合では、障壁高さは金属仕事関数と半導体電子親和力の差で決まる。ドナー密度や空乏層幅の詳細を計算しなくても、整流の説明では、フェルミ準位の整列、空乏層、ボルツマン因子による熱電子放出の三点を述べれば十分である。

午後・金属と半導体の接触の途中式・最終答をPDFで見る

東大 物理学 院試 過去問の収録13年度

  • 2026年度(全4問)

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  • 2025年度(全4問)

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  • 2024年度(全4問)

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  • 2023年度(全4問)

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  • 2021年度(全4問)

    量子ビットの時間発展とゲート生成 / 等方弾性体の応力と弾性波反射 / 理想ボース気体とボース凝縮

  • 2020年度(全4問)

    固定端ばね鎖の固有振動 / 一軸性結晶中の電磁波 / 理想気体と吸着等温式

  • 2019年度(このページ・全6問)

    午前・軌道力学と重力勾配 / 午前・誘導加熱と円環電流 / 午後・デルタ障壁と二粒子干渉

  • 2016年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    午前・振り子と二重振り子 / 午前・導体リングと電磁誘導 / 午後・調和振動子のコヒーレント状態

  • 2015年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    午前・跳ね返る剛体球 / 午前・線電荷と円筒導体の鏡像法 / 午後・二重井戸と二粒子トンネル

  • 2014年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    午前・中心力とラプラス--ルンゲ--レンツベクトル / 午前・電磁場とLC振動 / 午後・スピン軌道相互作用

  • 2013年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    粗い円柱のつり合いと滑りから転がりへの移行 / 平行平板間の空間電荷制限電流 / 調和振動子の遷移と非調和摂動

  • 2012年度(全6問)解答・最終答まで全文公開

    円板に巻き付く糸につながれた質点 / 円柱導体のジュール熱とポインティングベクトル / スピン1の磁気共鳴と四極子摂動