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大阪大学 院試 過去問 解答例

阪大 情報科学研究科 情報基礎数学専攻 数学 2013年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)

全5問。微分積分・解析2問・線形代数1問。テーマタグは4件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・正定値行列)。2012年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・線形空間・基底。

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解説5問・解答5問・最終答5問(全5問)
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2013年度は解答・最終答まで全文公開
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阪大 数学 2013年度 院試 過去問の出題内容(全5問)

この5問の分野は微分積分・解析2問・線形代数1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問—多項式空間上の線形変換採点上の注意あり
第2問微分積分・解析積分剰余と凸性符号の見落とし / 採点上の注意あり
第3問線形代数巡回行列の固有値実数の核あり
第4問—複素正接関数の周期積分極を避ける条件 / 採点上の注意あり
第5問微分積分・解析二変数関数の極値退化点の見方 / 採点上の注意あり

この年度の解説には採点上の注意4件・検算1件・典型ミス1件が付いています。

2013年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に4テーマが出ています。

前年度(2012年度)との違い

大問数
2012年度 5問 → 2013年度 5問
2013年度で新しく出たテーマ
正定値行列・二次形式
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第1問 — 多項式空間上の線形変換

方針

線形変換を係数の漸化式として見ると,反復計算が一気に簡単になる。今回は二次係数が 1/31/3 倍,その下の一次係数が 1/21/2 倍を含む形で更新され,定数項は一つ前の一次係数を足していく。

検算

一度だけ作用させると T(10x+3)=5x+13. T(10x+3)=5x+13. 次は T(5x+13)=52x+18 T(5x+13)=\frac{5}{2}x+18 となる。一般式に n=1,2n=1,2 を入れると同じ値が出るので,反復の添字のずれはない。

採点上の注意

1x∫0xf(t) dt\frac{1}{x}\int_0^x f(t)\,dt は見かけ上 x=0x=0 で定義されていないが,ここでは多項式空間上の変換なので, 計算後に多項式として延長すればよい。この一言がないと,変換が P2P_2 上で閉じていることの説明が弱くなる。

解答

次数が 22 以下の多項式を f(x)=ax2+bx+c f(x)=ax^2+bx+c とおく。原点での値は多項式として連続に延長して考えればよいので, 1x∫0xf(t) dt=1x(a3x3+b2x2+cx)=a3x2+b2x+c \frac{1}{x}\int_0^x f(t)\,dt =\frac{1}{x}\left(\frac{a}{3}x^3+\frac{b}{2}x^2+cx\right) =\frac{a}{3}x^2+\frac{b}{2}x+c である。また f′(x)=2ax+b. f'(x)=2ax+b. したがって Tf(x)=a3x2+(2a+b2)x+(b+c). Tf(x) =\frac{a}{3}x^2+\left(2a+\frac{b}{2}\right)x+(b+c). つまり,係数ベクトル (a,b,c)T(a,b,c)^{\mathsf T} に対して (abc)⟼(13002120011)(abc) \begin{pmatrix}a\\ b\\ c\end{pmatrix} \longmapsto \begin{pmatrix} \frac{1}{3} & 0 & 0\\ 2 & \frac{1}{2} & 0\\ 0 & 1 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix}a\\ b\\ c\end{pmatrix} という上三角に近い形の漸化式を得る。

f(x)=10x+3 f(x)=10x+3 では a0=0, b0=10, c0=3a_0=0,\ b_0=10,\ c_0=3 であり,an=0a_n=0 のまま保たれる。さらに bn+1=12bn,cn+1=bn+cn b_{n+1}=\frac{1}{2}b_n,\qquad c_{n+1}=b_n+c_n だから bn=102n,cn=3+∑k=0n−1102k=3+20(1−2−n). b_n=\frac{10}{2^n},\qquad c_n=3+\sum_{k=0}^{n-1}\frac{10}{2^k} =3+20\left(1-2^{-n}\right). よって T100f(x)=102100x+23−202100. T^{100}f(x)=\frac{10}{2^{100}}x+23-\frac{20}{2^{100}}.

最終答

Tf(x)=a3x2+(2a+b2)x+(b+c),T100(10x+3)=102100x+23−202100. Tf(x)=\frac{a}{3}x^2+\left(2a+\frac{b}{2}\right)x+(b+c),\qquad T^{100}(10x+3)=\frac{10}{2^{100}}x+23-\frac{20}{2^{100}}.

第2問 — 積分剰余と凸性

方針

この問題は「凸関数は弦の下にある」という事実を,積分剰余の形で証明させている。通常の二階微分による凸性判定を使うだけでなく,指定された式の符号をきちんと読むことが重要である。

符号の見落とし

積分区間 [a,c][a,c] では a−x≤0a-x\le 0,[c,b][c,b] では x−b≤0x-b\le 0 である。これに f′′≥0f''\ge 0 と λ,1−λ≥0\lambda,1-\lambda\ge 0 が掛かるので,補正項は正ではなく負になる。符号を反対に読むと結論も反対になる。

採点上の注意

cc が任意の点であることを最後に明記する。すなわち,固定した cc の議論ではなく, λ=(b−c)/(b−a)\lambda=(b-c)/(b-a) と置けば区間上のすべての点を表せる,という一文が必要である。

解答

まず c=λa+(1−λ)bc=\lambda a+(1-\lambda)b とおく。点 cc を基点にした積分剰余つきのTaylor公式から f(a)=f(c)+(a−c)f′(c)−∫ac(a−x)f′′(x) dx, f(a)=f(c)+(a-c)f'(c)-\int_a^c (a-x)f''(x)\,dx, f(b)=f(c)+(b−c)f′(c)−∫cb(x−b)f′′(x) dx f(b)=f(c)+(b-c)f'(c)-\int_c^b (x-b)f''(x)\,dx である。これらにそれぞれ λ, 1−λ\lambda,\ 1-\lambda を掛けて足すと λf(a)+(1−λ)f(b)=f(c)+{λ(a−c)+(1−λ)(b−c)}f′(c) \lambda f(a)+(1-\lambda)f(b) =f(c)+\{\lambda(a-c)+(1-\lambda)(b-c)\}f'(c) −λ∫ac(a−x)f′′(x) dx−(1−λ)∫cb(x−b)f′′(x) dx. \quad -\lambda\int_a^c (a-x)f''(x)\,dx -(1-\lambda)\int_c^b (x-b)f''(x)\,dx. ここで λ(a−c)+(1−λ)(b−c)=λa+(1−λ)b−c=0 \lambda(a-c)+(1-\lambda)(b-c) =\lambda a+(1-\lambda)b-c=0 である。したがって f(c)=λf(a)+(1−λ)f(b)+λ∫ac(a−x)f′′(x) dx+(1−λ)∫cb(x−b)f′′(x) dx f(c)=\lambda f(a)+(1-\lambda)f(b) +\lambda\int_a^c (a-x)f''(x)\,dx +(1-\lambda)\int_c^b (x-b)f''(x)\,dx が従う。

次に f(a)=f(b)=0, f′′(x)≥0f(a)=f(b)=0,\ f''(x)\ge 0 とする。任意の c∈[a,b]c\in [a,b] は c=λa+(1−λ)b,λ=b−cb−a c=\lambda a+(1-\lambda)b,\qquad \lambda=\frac{b-c}{b-a} と表せる。このとき 0≤λ≤10\le \lambda\le 1 であり, a−x≤0(a≤x≤c),x−b≤0(c≤x≤b) a-x\le 0\quad (a\le x\le c),\qquad x-b\le 0\quad (c\le x\le b) であるから,二つの積分項はいずれも 00 以下である。端点値は 00 なので f(c)≤0. f(c)\le 0. したがってすべての x∈[a,b]x\in [a,b] に対して f(x)≤0f(x)\le 0 である。

最終答

積分剰余公式を端点 a,ba,b に適用して重み付きに足すと指定の等式が得られる。さらに f(a)=f(b)=0, f′′≥0f(a)=f(b)=0,\ f''\ge 0 なら二つの剰余積分がともに非正なので,任意の x∈[a,b]x\in[a,b] で f(x)≤0f(x)\le 0。

第3問 — 巡回行列の固有値

方針

4次行列式を直接展開すると計算量が大きい。行ごとに成分が巡回していることに気づけば,離散Fourier型の固有ベクトルで一度に対角化できる。

実数の核

ii を使って固有値を求めても,最終的な核は実ベクトル空間で答える。特に a=−1a=-1 では複素固有ベクトルをそのまま書くより, 全成分が −1-1 の行列になることを使って x1+x2+x3+x4=0 x_1+x_2+x_3+x_4=0 と表す方が簡潔で誤りが少ない。

典型ミス

巡回行列の固有値を求めるとき,ζ\zeta と ζ−1\zeta^{-1} の取り方を逆にしても行列式は同じになる。ただし固有ベクトルとの対応は入れ替わるので,核の基底を書く段階では実際に代入して確認するとよい。

解答

この行列は巡回行列である。第一行を c0=a,c1=4a+3,c2=3a+2,c3=2a+1 c_0=a,\quad c_1=4a+3,\quad c_2=3a+2,\quad c_3=2a+1 と読むと,4次の1の根 ζ=1,−1,i,−i\zeta=1,-1,i,-i に対して固有値は λ(ζ)=c0+c1ζ+c2ζ2+c3ζ3 \lambda(\zeta)=c_0+c_1\zeta+c_2\zeta^2+c_3\zeta^3 で与えられる。

実際に計算すると λ(1)=10a+6=2(5a+3), \lambda(1)=10a+6=2(5a+3), λ(−1)=a−(4a+3)+(3a+2)−(2a+1)=−2(a+1), \lambda(-1)=a-(4a+3)+(3a+2)-(2a+1)=-2(a+1), λ(i)=a+(4a+3)i−(3a+2)−(2a+1)i=2(a+1)(−1+i), \lambda(i)=a+(4a+3)i-(3a+2)-(2a+1)i =2(a+1)(-1+i), λ(−i)=2(a+1)(−1−i). \lambda(-i)=2(a+1)(-1-i). したがって det⁡M(a)=2(5a+3){−2(a+1)}{2(a+1)(−1+i)}{2(a+1)(−1−i)}. \det M(a) =2(5a+3)\{-2(a+1)\}\{2(a+1)(-1+i)\}\{2(a+1)(-1-i)\}. (−1+i)(−1−i)=2 (-1+i)(-1-i)=2 より det⁡M(a)=−32(5a+3)(a+1)3. \det M(a)=-32(5a+3)(a+1)^3.

階数は零固有値の個数で決まる。a≠−1,−3/5a\ne -1,-3/5 なら零固有値はないので rank⁡M(a)=4. \operatorname{rank}M(a)=4. a=−3/5a=-3/5 では λ(1)=0\lambda(1)=0 だけが消えるため rank⁡M(−3/5)=3. \operatorname{rank}M(-3/5)=3. a=−1a=-1 では λ(−1),λ(i),λ(−i)\lambda(-1),\lambda(i),\lambda(-i) が消え, λ(1)=−4\lambda(1)=-4 は残るため rank⁡M(−1)=1. \operatorname{rank}M(-1)=1.

核の基底も同じ固有ベクトルから分かる。a=−3/5a=-3/5 では ζ=1\zeta=1 に対応するので Ker⁡M(−3/5)=span⁡{(1,1,1,1)T}. \operatorname{Ker}M(-3/5)=\operatorname{span}\{(1,1,1,1)^{\mathsf T}\}. a=−1a=-1 では行列の全成分が −1-1 になり, M(−1)x=−(x1+x2+x3+x4)(1,1,1,1)T M(-1)x=-(x_1+x_2+x_3+x_4)(1,1,1,1)^{\mathsf T} である。したがって Ker⁡M(−1)={x∈R4∣x1+x2+x3+x4=0}. \operatorname{Ker}M(-1)=\{x\in\mathbb R^4\mid x_1+x_2+x_3+x_4=0\}. 例えば (1,−1,0,0)T,(1,0,−1,0)T,(1,0,0,−1)T (1,-1,0,0)^{\mathsf T},\quad (1,0,-1,0)^{\mathsf T},\quad (1,0,0,-1)^{\mathsf T} が基底になる。

最終答

det⁡M(a)=−32(5a+3)(a+1)3. \det M(a)=-32(5a+3)(a+1)^3. rank⁡M(a)={4,a≠−1,−3/5,3,a=−3/5,1,a=−1. \operatorname{rank}M(a)= \begin{cases} 4, & a\ne -1,-3/5,\\ 3, & a=-3/5,\\ 1, & a=-1. \end{cases} 核は a=−3/5a=-3/5 で span⁡{(1,1,1,1)T}\operatorname{span}\{(1,1,1,1)^{\mathsf T}\}, a=−1a=-1 で x1+x2+x3+x4=0x_1+x_2+x_3+x_4=0 の3次元空間である。

第4問 — 複素正接関数の周期積分

方針

正接関数は周期 π\pi をもつので,区間長 π\pi の積分は縦方向にずらしても変わらない,という見方が本質である。微分して端点差を見ると,この周期性が一行で効く。

極を避ける条件

tan⁡z\tan z の極は実軸上の π/2+kπ\pi/2+k\pi から縦方向にずれていない点である。今回 a>0a>0 なので,経路 x+iax+ia は極を通らない。この確認を書いておくと,微分や経路の移動を安心して使える。

採点上の注意

(1)(1) の極限だけから直ちに I(a)=iπI(a)=i\pi とは言えない。I(a)I(a) が aa に依らないことを示してから,極限の値を代入する順序で書く。

解答

tan⁡z=sin⁡2zcos⁡2z+1 \tan z=\frac{\sin 2z}{\cos 2z+1} をそのまま使うより,z=x+iaz=x+ia として tan⁡(x+ia)=sin⁡2x+isinh⁡2acos⁡2x+cosh⁡2a \tan(x+ia) =\frac{\sin 2x+i\sinh 2a}{\cos 2x+\cosh 2a} と書くと極限が見やすい。分母は a→∞a\to\infty で cosh⁡2a\cosh 2a が支配的になり, sin⁡2xcos⁡2x+cosh⁡2a→0,sinh⁡2acos⁡2x+cosh⁡2a→1 \frac{\sin 2x}{\cos 2x+\cosh 2a}\to 0,\qquad \frac{\sinh 2a}{\cos 2x+\cosh 2a}\to 1 である。したがって lim⁡a→∞tan⁡(x+ia)=i. \lim_{a\to\infty}\tan(x+ia)=i.

次に I(a)=∫0πtan⁡(x+ia) dx I(a)=\int_0^\pi \tan(x+ia)\,dx を aa で微分する。a>0a>0 では積分経路が正接関数の極を通らないので,積分と微分を交換して I′(a)=∫0πisec⁡2(x+ia) dx=i [tan⁡(x+ia)]x=0x=π. I'(a)=\int_0^\pi i\sec^2(x+ia)\,dx =i\,[\tan(x+ia)]_{x=0}^{x=\pi}. tan⁡(z+π)=tan⁡z\tan(z+\pi)=\tan z より I′(a)=i{tan⁡(π+ia)−tan⁡(ia)}=0. I'(a)=i\{\tan(\pi+ia)-\tan(ia)\}=0. ゆえに I(a)I(a) は a>0a>0 で一定である。

最後に a→∞a\to\infty をとると,先ほどの極限は x∈[0,π]x\in[0,\pi] で一様に成り立つので I(a)=lim⁡A→∞I(A)=∫0πi dx=iπ. I(a)=\lim_{A\to\infty} I(A) =\int_0^\pi i\,dx=i\pi.

最終答

lim⁡a→∞tan⁡(x+ia)=i,I(a) は a>0 で一定,I(a)=iπ. \lim_{a\to\infty}\tan(x+ia)=i,\qquad I(a)\ \text{は}\ a>0\ \text{で一定},\qquad I(a)=i\pi.

第5問 — 二変数関数の極値

方針

まず停留点をすべて出し,非退化な点はヘッセ行列で判定する。退化点では二次形式だけを見ると結論が出ないので,高次項を含めて符号が両側に出るかを調べる。

退化点の見方

(0,0)(0,0) では二次項が (x−y)2(x-y)^2 で半正定値なので,一見すると極小に見える。しかし三次項が (x−y)(x2+xy+y2)(x-y)(x^2+xy+y^2) と同じ方向に効くため,x−yx-y を二次の大きさに調整すると値を下げられる。 退化点ではこのような「二次項が消える曲線」を探すのが定石である。

採点上の注意

ヘッセ行列の行列式が 00 になった点を「判定不能」と書いて終えるのは不足である。極値でないことを示すには,近くで関数値が基準値より大きい点と小さい点を具体的に示す必要がある。

解答

関数を f(x,y)=x3−y3+x2−2xy+y2+1 f(x,y)=x^3-y^3+x^2-2xy+y^2+1 とする。偏微分は fx=3x2+2x−2y,fy=−3y2−2x+2y. f_x=3x^2+2x-2y,\qquad f_y=-3y^2-2x+2y. 臨界点は 3x2+2x−2y=0,−3y2−2x+2y=0 3x^2+2x-2y=0,\qquad -3y^2-2x+2y=0 を満たす点である。これを y=3x2+2x2,x=y−3y22 y=\frac{3x^2+2x}{2},\qquad x=y-\frac{3y^2}{2} として解くと (x,y)=(0,0),(−43,43) (x,y)=(0,0),\quad \left(-\frac{4}{3},\frac{4}{3}\right) を得る。

ヘッセ行列は H(x,y)=(6x+2−2−2−6y+2) H(x,y)= \begin{pmatrix} 6x+2 & -2\\ -2 & -6y+2 \end{pmatrix} である。点 (−4/3,4/3)(-4/3,4/3) では H(−43,43)=(−6−2−2−6). H\left(-\frac{4}{3},\frac{4}{3}\right) = \begin{pmatrix} -6 & -2\\ -2 & -6 \end{pmatrix}. この行列は det⁡H=36−4=32>0,H11=−6<0 \det H=36-4=32>0,\qquad H_{11}=-6<0 なので負定値である。したがって (−4/3,4/3)(-4/3,4/3) は極大点で,極大値は f(−43,43)=9127. f\left(-\frac{4}{3},\frac{4}{3}\right) =\frac{91}{27}.

点 (0,0)(0,0) では H(0,0)=(2−2−22) H(0,0)= \begin{pmatrix} 2 & -2\\ -2 & 2 \end{pmatrix} であり,det⁡H=0\det H=0 なので二次判定だけでは決まらない。ここでは f(x,y)−1=(x−y)2+x3−y3=(x−y){x−y+x2+xy+y2} f(x,y)-1=(x-y)^2+x^3-y^3 =(x-y)\{x-y+x^2+xy+y^2\} と因数分解する。

直線 x=yx=y 上では f(x,x)=1f(x,x)=1 である。一方,y=t, x=t−αt2y=t,\ x=t-\alpha t^2 とおくと x−y=−αt2,x2+xy+y2=3t2+O(t3) x-y=-\alpha t^2,\qquad x^2+xy+y^2=3t^2+O(t^3) だから f(t−αt2,t)−1=−α(3−α)t4+O(t5). f(t-\alpha t^2,t)-1 =-\alpha(3-\alpha)t^4+O(t^5). 0<α<30<\alpha<3 を選べば,十分小さい t≠0t\ne 0 でこれは負になる。また例えば y=0y=0 では f(x,0)−1=x2+x3=x2(1+x)>0 f(x,0)-1=x^2+x^3=x^2(1+x)>0 が xx の十分小さい範囲で成り立つ。したがって (0,0)(0,0) の任意の近くに f>1f>1 となる点と f<1f<1 となる点があるので,(0,0)(0,0) は極値を与えない。

最終答

唯一の極値は (−43,43) \left(-\frac{4}{3},\frac{4}{3}\right) での極大値 9127 \frac{91}{27} である。(0,0)(0,0) は臨界点だが極値ではない。極小値は存在しない。

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