大阪大学 院試 過去問 解答例
阪大 情報科学研究科 情報基礎数学専攻 数学 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)
全5問。線形代数1問・微分積分・解析1問・微分方程式1問。テーマタグは3件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・一様収束)。2024年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル。
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- 解説5問と大問1問の途中式・最終答(全5問)
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- 途中式と最終答(最終答つき5問)
- 問題本文
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阪大 数学 2025年度 院試 過去問の出題内容(全5問)
この5問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問・微分方程式1問です。
2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は4問に3テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 固有値・固有ベクトル | 第3・5問 | 25大学・544問 | |
| 線形空間・基底 | 第1問 | 21大学・152問 | |
| 一様収束 | 第4問 | 14大学・63問 |
前年度(2024年度)との違い
- 大問数
- 2024年度 5問 → 2025年度 5問
- 両年度に出たテーマ
- 固有値・固有ベクトル
第1問 — 階数と連立一次方程式の整合条件
階数だけでなく整合条件を書く
この問題は,単に掃き出しをするだけでなく,最後の行が消える理由を右辺にも反映させる ところが採点上の要点である。係数行列に一次従属関係があるとき,右辺にも同じ一次従属 関係がなければならない。
という流れで書くと,計算の意味が明確になる。拡大行列を直接掃き出してもよいが,その 場合も最終行が を要求している,という形まで読む必要がある。
解答
行基本変形により,係数行列は となる。したがって独立な行は3本であり, である。
次に,解の存在条件は, の左零空間に属するベクトルとの直交条件で判定できる。 実際, であるから, が解をもつためには が必要である。これを代入すると 分母を6にそろえると であるから を得る。
また左零空間は1次元で,係数行列の階数は3である。したがってこの直交条件を満たせば 拡大行列の階数も3になり, が成り立つ。 よって上の条件は十分条件でもある。
最終答
,かつ解が存在するのは のときである。
第2問 — 2つの放物線上の点の距離
幾何的な見方
2つの放物線は であり,交点をもつ。したがって距離の2乗の最小値が0になる可能性を最初に確認すると, 計算結果の検算になる。
ただし「交点があるから最小値0」で終えると,極値全体の議論としては不足する。偏微分で 停留点を全て列挙し, の停留点が極値ではないことまで述べると答案として安定する。
第3問 — 二点境界条件付き線形常微分方程式
エネルギー法で符号を見る
境界値問題では,方程式を直接解くより, を掛けて積分する方法が強い。境界条件により 部分積分の端点項が消え,残る式は である。 のとき,2つの項はどちらも正になれないので,非自明解が排除される。
一方, では固有値 のときに非自明解 が現れる。したがって「正なら常に0」と判断するのは, 固有値条件を見落とす典型的な誤りである。
第4問 — 関数列の収束と積分極限
有限区間と無限区間の違い
有限区間では一様収束があれば で直ちに制御できる。これが (2) の本質である。
一方,点ごとの収束では鋭い山が動く反例があり,無限区間では低い台形が遠くまで広がる 反例がある。後者は であっても,区間の長さが増えることで面積が残る。無限区間の積分極限を交換するには, 優収束定理のように積分可能な共通上界を用意する,または一様可積分性に相当する条件を 加える必要がある。
第5問 — 指数減衰と冪行列の極限
固有値計算より冪零分解が速い
行列は一見すると固有値分解を要求しているように見えるが, と見ると, 以外の部分が冪零であることが分かる。冪零行列 については二項展開 が有限で止まるため,対角化できるかどうかを心配しなくてよい。
採点上は, の確認と の説明が必要である。特に の場合は の形をそのまま書くと不自然 になるため,別に と処理しておくと答案がきれいである。
阪大 数学 院試 過去問の収録21年度
2025年度(このページ・全5問)
階数と連立一次方程式の整合条件 / 2つの放物線上の点の距離 / 二点境界条件付き線形常微分方程式
楕円体と円柱条件の共通部分 / 二変数関数の極値判定 / 単調列と指数型列
主値積分 / 二次曲線上の積の極値 / 冪級数の収束半径
一次微分方程式 / 4次元球の体積 / 導関数の極限と微分可能性
三角関数の定積分 / 定数係数線形微分方程式 / 凸関数の導関数の極限
有理関数の広義積分 / 二変数関数の極値 / 正則行列の開性と行列冪の極限
パラメータ付き有理型積分 / 偏導関数が消える関数 / 行列の冪と作用素ノルム
三角置換と周期積分 / 行列の核と階数1行列 / 制約付き極値
二重積分と球・円柱の共通部分 / 二次形式の最大値と固有値 / 漸化式と収束半径
2016年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
円盤上の積分と差分商 / 数列空間と線形漸化式 / 留数定理によるフーリエ型積分
2015年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
重積分と広義積分 / 階段型行列の行列式 / Rodrigues型多項式と直交性
2014年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
変数変換とベータ積分 / 多項式の零点と三角格子 / 直交行列のCayley変換
2013年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
多項式空間上の線形変換 / 積分剰余と凸性 / 巡回行列の固有値
2012年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
積分の変数変換 / 実数連立方程式 / 指数型母関数と3周期列
2011年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
積分評価 / 線形部分空間 / 正則関数と調和共役
2010年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
広義積分と留数計算 / 行列の核の次元 / 複素数列の周期性
2009年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
制約付き最大化 / 歪対称行列と非対角化性 / 単位円上の留数計算
2008年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
球と円柱の共通部分の体積 / 同伴行列の固有多項式と対角化 / 有界正則関数の係数評価
2007年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
左右から近づく微分商 / 楕円体の体積 / 留数による有理関数積分
2006年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
漸化式と階乗正規化 / 二変数関数の極値 / 単位円上の留数計算
2005年度(全5問)解答・最終答まで全文公開
可積分条件と無限遠での極限 / 極座標でのラプラシアン / フーリエ型積分と留数