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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 工学研究科 機械系 機械系 数学・専門科目 2024年度 院試 過去問 解答例・解説(全16問)

全16問。数学6問。テーマタグは13件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・伝達関数)。2023年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・伝達関数・はりの曲げ。

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収録3年度分の解答PDF:東北大学 工学研究科 機械系 機械系 数学・専門科目(¥2,180・紙面見本あり)

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解説16問と大問1問の途中式・最終答(全16問)
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途中式と最終答(最終答つき16問)
問題本文
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東北大 機械系 数学・専門科目 2024年度 院試 過去問の出題内容(全16問)

この16問の分野は数学6問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問数学数学A-1—あり
第2問数学数学A-2—あり
第3問数学数学A-3向きの確認あり
第4問数学数学B-1—あり
第5問数学数学B-2定義の係数あり
第6問数学数学B-3—あり
第7問—熱力学1状態4の見方あり
第8問—熱力学2単位確認あり
第9問—流体力学1壁面せん断応力の係数あり
第10問—流体力学2速度成分の符号あり
第11問—材料力学1符号の読み方あり
第12問—材料力学2なぜ荷重を半分にするかあり
第13問—機械力学1入力周波数あり
第14問—機械力学2モードの物理的意味あり
第15問—制御工学1ベクトル軌跡の概形あり
第16問—制御工学2リャプノフ方程式の意味あり

この年度の解説には検算15件・典型ミス14件・試験で書くべきポイント7件が付いています。

2024年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は9問に13テーマが出ています。

テーマこの年度全体の出題実績他大学の直近出題
固有値・固有ベクトル第2問25大学・544問
線形空間・基底第2問21大学・152問
伝達関数第15問12大学・113問
剛体の回転運動第14問16大学・103問
フーリエ変換第5問14大学・91問
はりの曲げ第12問11大学・71問
固有振動数と振動系第16問16大学・71問
正定値行列第16問17大学・70問
ラプラス変換第6問12大学・56問
テイラー展開第1問18大学・45問
ラグランジュの未定乗数法第1問12大学・33問
境界層第9問8大学・30問
ベータ関数・ガンマ関数第6問12大学・23問

前年度(2023年度)との違い

大問数
2023年度 16問 → 2024年度 16問
2023年度のページを見る

第1問 — 数学A-1

方針

小問ごとに基本手法を確実に選ぶ問題である。(1) は不定形の極限なのでテイラー展開またはロピタルの定理,(2) はガンマ積分または部分積分,(3) は楕円上の線形関数の最大・最小なのでラグランジュ未定乗数法が最も安全である。

検算

(3) は行列で見ると,制約が x2+2y2=1x^2+2y^2=1,目的関数が (1,−2)⋅(x,y)(1,-2)\cdot (x,y) である。楕円上の線形関数の最大値は (1,−2)(1001/2)(1−2)=1+2=3 \sqrt{(1,-2) \begin{pmatrix}1&0\\0&1/2\end{pmatrix} \begin{pmatrix}1\\-2\end{pmatrix}} =\sqrt{1+2}=\sqrt3 となり,ラグランジュ法の結果と一致する。

典型ミス

(1) で ex−cos⁡xe^x-\cos x の一次項 xx を落としてしまうと誤答になる。分母は 2tan⁡x∼2x2\tan x\sim 2x なので,一次項だけでも極限値は決まる。(3) では極値を求めた後,対応する点を制約式に代入して確認しておくと符号ミスを防げる。

試験で書くべきポイント

答案では,単に答だけを書くよりも,(1) は展開式,(2) は部分積分の境界項が 00 になること,(3) は停留条件と制約式への代入を示すと採点者に過程が伝わりやすい。

解答

  1. 分子・分母がともに 00 へ近づくので,x=0x=0 まわりで展開する。 ex=1+x+x22+O(x3),cos⁡x=1−x22+O(x4),tan⁡x=x+O(x3). e^x=1+x+\frac{x^2}{2}+O(x^3),\qquad \cos x=1-\frac{x^2}{2}+O(x^4),\qquad \tan x=x+O(x^3). したがって ex−cos⁡x2tan⁡x=x+x2+O(x3)2x+O(x3)→12. \frac{e^x-\cos x}{2\tan x} =\frac{x+x^2+O(x^3)}{2x+O(x^3)} \to \frac12 .
  2. 部分積分を用いる。u=xu=x, dv=e−2x dxdv=e^{-2x}\,dx とすると ∫0∞xe−2x dx=[−x2e−2x]0∞+12∫0∞e−2x dx=12⋅12=14. \int_0^\infty xe^{-2x}\,dx =\left[-\frac{x}{2}e^{-2x}\right]_0^\infty +\frac12\int_0^\infty e^{-2x}\,dx =\frac12\cdot\frac12=\frac14 .
  3. 制約を g(x,y)=x2+2y2−1=0g(x,y)=x^2+2y^2-1=0,目的関数を f(x,y)=x−2yf(x,y)=x-2y とおく。 ラグランジュ未定乗数法より ∇f=λ∇g⟺1=2λx,−2=4λy. \nabla f=\lambda \nabla g \quad\Longleftrightarrow\quad 1=2\lambda x,\qquad -2=4\lambda y. よって x=1/(2λ)x=1/(2\lambda), y=−1/(2λ)y=-1/(2\lambda) であり,制約式から 14λ2+214λ2=1⟹λ=±32. \frac{1}{4\lambda^2}+2\frac{1}{4\lambda^2}=1 \quad\Longrightarrow\quad \lambda=\pm\frac{\sqrt3}{2}. したがって (x,y)=(13,−13),(−13,13) (x,y)=\left(\frac1{\sqrt3},-\frac1{\sqrt3}\right), \left(-\frac1{\sqrt3},\frac1{\sqrt3}\right) で,それぞれ f=3f=\sqrt3, f=−3f=-\sqrt3 である。

最終答

(1) 12,(2) 14,(3) max⁡(x−2y)=3,min⁡(x−2y)=−3. (1)\ \frac12,\qquad (2)\ \frac14,\qquad (3)\ \max(x-2y)=\sqrt3,\quad \min(x-2y)=-\sqrt3. 最大点は (1/3,−1/3)\left(1/\sqrt3,-1/\sqrt3\right),最小点は (−1/3,1/3)\left(-1/\sqrt3,1/\sqrt3\right)。

第2問 — 数学A-2

方針

この行列は aa を含むが,トレースと行列式が非常に単純である。まず固有値を出し,そこから A2=IA^2=I に気づくと,べき乗とブロック行列の階数が一気に処理できる。

検算

λ=−1\lambda=-1 の固有ベクトルは a=±1a=\pm 1 の場合もゼロベクトルにならない。 a=1⇒(a−1,a+1)T=(0,2)T,a=−1⇒(−2,0)T. a=1 \Rightarrow (a-1,a+1)^T=(0,2)^T,\qquad a=-1 \Rightarrow (-2,0)^T. 特殊値でも破綻しない形を選べていることが確認できる。

典型ミス

ブロック行列のランクを 44 としてしまうミスが多い。下段は上段に左から AA を掛けたものになっている。実際, A(I, A)=(A, A2)=(A, I) A(I,\ A)=(A,\ A^2)=(A,\ I) なので,下段は上段から生成される。

試験で書くべきポイント

A2=IA^2=I を明記しておくと,(2), (3) の説明が短くても十分に説得力を持つ。ブロック行基本変形では,II が正則であることを使っている点を一言添えるとよい。

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第3問 — 数学A-3

方針

領域 SS は単位球面の円錐で切り取られた球冠である。球面を直接積分してもよいが,(3) は回転の面積分なので,境界が円になることを利用してストークスの定理を使うのが短い。

向きの確認

n\boldsymbol n の zz 成分が正であるため,境界円は上から見て反時計回りに回る向きを取る。ここを逆にすると最後の符号が反転する。面積分で最も失点しやすいのは大きさではなく向きである。

検算

面積は α=0\alpha=0 で 00,α=π/2\alpha=\pi/2 で上半球の面積 2π2\pi となる。公式 2π(1−cos⁡α)2\pi(1-\cos\alpha) はこの両端の値を満たしており,球冠面積として妥当である。

試験で書くべきポイント

ストークスの定理を使う場合,境界曲線のパラメータ表示と向きを明示することが重要である。A\boldsymbol A の回転を全面で計算するより,境界上の A⋅dr\boldsymbol A\cdot d\boldsymbol r を丁寧に書く方が計算量もミスも少ない。

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第4問 — 数学B-1

方針

(1) は一次線形微分方程式である。(x−a)(x-a) が係数に出るため,x=ax=a をまたがない区間で解くことを意識する。(2) は yy′′+(y′)2yy''+(y')^2 が (yy′)′(yy')' であり,さらに y2y^2 の二階微分につながることを見抜く問題である。

検算

(2) で u=y2u=y^2 とした解を代入すると, u′′−4u=−2x u''-4u=-2x を満たす。左辺を yy に戻せば 2{yy′′+(y′)2}−4y2=−2x 2\{yy''+(y')^2\}-4y^2=-2x であり,両辺を 22 で割ると元の式になる。

典型ミス

(1) の積分因子を (x−a)3(x-a)^3 と逆にしてしまうと,右辺の積分が崩れる。(2) では u′′=2yy′′+2(y′)2u''=2yy''+2(y')^2 の係数 22 を落としやすい。ここを落とすと特解の x/2x/2 が変わる。

試験で書くべきポイント

一般解に平方根を付けて書く場合,根号内が非負となる区間での表示であることを添えると丁寧である。微分方程式では,変数変換後の線形方程式を明示することが採点上の核心になる。

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第5問 — 数学B-2

方針

ガウス関数のフーリエ変換は,平方完成で直接積分してもよいが,本問では微分方程式として導く流れが指定されている。(g∗g)(g*g) はフーリエ変換で積 G2G^2 になるため,畳み込み定理を使う。

定義の係数

この問題の逆変換には 1/(2π)1/(2\pi) が付く。そのため,畳み込み定理は F[g∗g]=G(ω)2 \mathcal{F}[g*g]=G(\omega)^2 の形でそのまま使える。別流儀のフーリエ変換公式を暗記している場合は,2π2\pi の位置を必ず問題の定義に合わせる。

検算

得られた gg について ∫−∞∞g(y)g(x−y) dy=(2π)1/2∫−∞∞e−y2−(x−y)2 dy. \int_{-\infty}^{\infty}g(y)g(x-y)\,dy =\left(\frac{2}{\pi}\right)^{1/2} \int_{-\infty}^{\infty}e^{-y^2-(x-y)^2}\,dy. 平方完成すると y2+(x−y)2=2(y−x2)2+x22 y^2+(x-y)^2=2\left(y-\frac{x}{2}\right)^2+\frac{x^2}{2} なので,積分値は e−x2/2e^{-x^2/2} となり,条件を満たす。

典型ミス

G(ω)2=2πe−ω2/2G(\omega)^2=\sqrt{2\pi}e^{-\omega^2/2} から GG を取るとき,係数を 2π\sqrt{2\pi} のままにしないこと。平方根を取るので係数は (2π)1/4(2\pi)^{1/4} である。

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第6問 — 数学B-3

方針

ラプラス変換を使ってガウス積分を導く問題である。g(t)g(t) は tt をパラメータに持つガウス積分であり,tt で微分すると x2e−tx2x^2e^{-tx^2} 型の積分が出てくる。

検算

一般に ∫−∞∞e−tx2 dx=πt \int_{-\infty}^{\infty}e^{-tx^2}\,dx=\sqrt{\frac{\pi}{t}} である。これを tt で微分すると −∫−∞∞x2e−tx2 dx=−12π t−3/2 -\int_{-\infty}^{\infty}x^2e^{-tx^2}\,dx =-\frac12\sqrt{\pi}\,t^{-3/2} なので,t=1t=1 で π/2\sqrt{\pi}/2 となる。小問 (4) の答と一致する。

典型ミス

g(t)g(t) の定義には積分の外に tt が掛かっている。したがって g(t)=t∫e−tx2 dx=πt g(t)=t\int e^{-tx^2}\,dx=\sqrt{\pi t} であり,π/t\sqrt{\pi/t} ではない。この読み違いが最も大きな誤差につながる。

試験で書くべきポイント

微分と積分の交換を使う箇所では,ガウス型で十分減衰するため境界や収束に問題がないことを暗黙に使っている。答案では g(t)g(t) を明示的に計算してから微分すると,厳密性と計算の簡潔さを両立できる。

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第7問 — 熱力学1

方針

自由膨張,準静的断熱変化,非平衡な開閉後の状態を区別する問題である。状態 1 から 2 では不可逆だが全体系は断熱・剛体なので内部エネルギー一定,状態 2 から 3 では可逆断熱なのでポアソン関係を使う。

状態4の見方

状態 4 では容器 A と B の温度が異なるため,単純な「全体で一様な理想気体」として扱ってはいけない。ただし圧力は等しく,体積も等しいので,各容器の内部エネルギーは cvpV/Rc_vpV/R の形になり,温度を知らなくても圧力 p4p_4 が決まる。

検算

状態 2 では真空への自由膨張なので温度が変わらず,圧力だけが半分になる。エントロピー増加は Rln⁡2>0R\ln2>0 であり,不可逆過程として符号も妥当である。

典型ミス

状態 1 から 2 を可逆断熱として pvκ=const.p v^\kappa=\text{const.} としてはいけない。バルブを開けた自由膨張は不可逆である。一方,状態 2 から 3 は「準静的に断熱」と明記されているのでポアソン関係を使う。

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第8問 — 熱力学2

方針

気液平衡では「二相の比ギブス自由エネルギーが等しい」ことが中心である。表のエンタルピー差から蒸発熱を求め,クラペイロン式で飽和圧力の温度変化を見積もる。

単位確認

クラペイロン式では rr を J/kg\mathrm{J/kg},vv を m3/kg\mathrm{m^3/kg},TT を K\mathrm{K} で入れると,傾きの単位は J/kgK m3/kg=N mK m3=PaK \frac{\mathrm{J/kg}}{\mathrm{K}\,\mathrm{m^3/kg}} =\frac{\mathrm{N\,m}}{\mathrm{K\,m^3}} =\frac{\mathrm{Pa}}{\mathrm{K}} になる。最後に MPa\mathrm{MPa} へ変換する。

典型ミス

密度の表から比体積を使うとき,v=1/ρv=1/\rho である。特に蒸気側は ρ=5.000 kg/m3\rho=5.000\ \mathrm{kg/m^3} なので vG=0.2000 m3/kgv_G=0.2000\ \mathrm{m^3/kg} であり,5.0005.000 をそのまま比体積として使ってはいけない。

試験で書くべきポイント

(2) は数式だけでなく,「同じ T,pT,p の二相共存状態では gL=gGg_L=g_G」と文章で説明するとよい。(5) は有効数字 3 桁指定なので,途中計算を残したうえで最終値を 0.113 MPa0.113\,\mathrm{MPa} と丸める。

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第9問 — 流体力学1

方針

穴からの流出は損失なしのトリチェリの式,円管からの流出は管摩擦損失を含むベルヌーイ式で扱う。容器に働く水平力は,外へ出ていく水の運動量流束の反作用で決まる。

壁面せん断応力の係数

与えられた摩擦損失は ΔP=λL2DρU22 \Delta P=\lambda\frac{L}{2D}\rho U_2^2 の形である。これは ΔP=4τLD \Delta P=4\tau\frac{L}{D} と比較するため,τ=λρU22/8\tau=\lambda\rho U_2^2/8 になる。係数 1/81/8 を 1/21/2 や 1/41/4 と間違えやすい。

検算

L=0L=0 または λ=0\lambda=0 なら円管の摩擦損失は消える。このとき (5) は h2/h1=1h_2/h_1=1 となり,同じ速度で流出するには同じ水頭でよい,という直感と一致する。

試験で書くべきポイント

力の向きは,水が右向きに放出されるなら容器は左向きに力を受ける。問題が大きさを求めているため最終式は正でよいが,答案中で反作用の向きを一言書くと誤解がない。

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第10問 — 流体力学2

方針

複素ポテンシャル W=ϕ+iψW=\phi+i\psi の実部が速度ポテンシャル,虚部が流れ関数である。z=reiθz=re^{i\theta} を代入すれば,三倍角の形がそのまま出る。

速度成分の符号

極座標では Vθ=1r∂ϕ∂θ V_\theta=\frac1r\frac{\partial\phi}{\partial\theta} である。ここで ∂(cos⁡3θ)/∂θ=−3sin⁡3θ\partial(\cos3\theta)/\partial\theta=-3\sin3\theta なので,周方向速度には負号が付く。この符号を落とすと流れの向きが逆になる。

検算

複素ポテンシャルが解析関数で与えられている領域では,特異点を除いてポテンシャル流れであり渦度は 00 になる。実際の極座標計算でも二つの項が完全に打ち消し合っている。

典型ミス

ψ=0\psi=0 の解を θ=0,π/3,2π/3,…\theta=0,\pi/3,2\pi/3,\ldots と列挙したあと,問題の範囲 0≤θ≤π/20\le\theta\le\pi/2 で切る必要がある。2π/32\pi/3 は範囲外である。

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第11問 — 材料力学1

方針

剛体棒なので,力のつり合いで軸力を求めた後,棒の伸縮と剛体変位の適合条件から点 B の変位と棒の傾きを求める。BF の軸力が負になることは,圧縮材として働くことを意味する。

符号の読み方

NBF<0N_{BF}<0 なので,δBF<0\delta_{BF}<0 は「BF が縮む」という意味である。変形量を大きさだけで扱うと,点 B の変位を求める適合条件で符号が合わなくなる。

検算

点 B まわりのモーメントつり合いでは,点 B に集まる BE, BF の力はモーメントを持たない。したがって NDGN_{DG} は荷重 WW と 2W2W だけから決まり,NDG=W/2N_{DG}=W/2 と簡単に出る。ここは計算全体のよい検算点である。

典型ミス

BE と BF の長さをどちらも LL としてしまうミスがある。図の角度と水平距離から lBE=2L/3,lBF=2L l_{BE}=2L/\sqrt3,\qquad l_{BF}=2L である。軸変形は部材長に比例するため,ここを誤ると後半の変位がすべてずれる。

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第12問 — 材料力学2

方針

(1) は片持ちはりの基本公式の重ね合わせでよい。(2) は左右対称性を使い,中央点で回転角が 00 であることを条件にして半分のはりを解くと計算が短い。

なぜ荷重を半分にするか

中央荷重 WW は左右対称に支持されるため,左半分に伝わるせん断力は W/2W/2 である。中央断面には未知モーメントも生じるが,これは中央のたわみ角が 00 という条件から決まる。

検算

もし全長 4L4L が一様な EIEI の固定端はりであれば,中央たわみは W(4L)3192EI=WL33EI \frac{W(4L)^3}{192EI}=\frac{WL^3}{3EI} である。本問は端部の曲げ剛性が 2EI2EI と大きいため,得られた 1148WL3EI \frac{11}{48}\frac{WL^3}{EI} はこれより小さく,物理的に妥当である。

典型ミス

段付きはりで EIEI を全区間同じとして積分してしまうと,中央たわみが過大になる。積分区間を 00--LL と LL--2L2L に分け,曲げ剛性を正しく入れることが得点の要である。

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第13問 — 機械力学1

方針

これは基礎励振の一自由度系である。外力が直接質量に加わるのではなく,ばね・ダンパの下端が路面変位 y(t)y(t) で動くため,入力は ky+cy˙ky+c\dot y として現れる。

入力周波数

車輪が速度 vv で波長 ℓ\ell の路面を走るので,時間的な角周波数は Ω=2πℓv \Omega=\frac{2\pi}{\ell}v である。振幅 aa と波長 ℓ\ell を混同しないことが重要である。

検算

低速極限 v→0v\to0 では Ω→0\Omega\to0 なので A/a→1. A/a\to 1. 車体は路面にほぼ追従する。高速極限では分母の mΩ2m\Omega^2 が支配的になり,A/a→0A/a\to0 となる。これも物理的に自然である。

典型ミス

運動方程式を mx¨+cx˙+kx=kym\ddot x+c\dot x+kx=ky としてダンパ入力 cy˙c\dot y を落とすミスがある。ダンパは相対速度に比例するので,必ず c(x˙−y˙)c(\dot x-\dot y) から始める。

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第14問 — 機械力学2

方針

微小回転なので,重心から距離 yy だけ離れた点の水平変位は x+yθx+y\theta と線形化できる。ばねの位置が上下対称でない場合は並進と回転が連成するが,k1=k2k_1=k_2 では対称性により連成が消える。

モードの物理的意味

等ばねの場合,一次モードは回転である。回転では上下の質量が反対向きに動き,ばねは同時に伸び縮みするが,重心の並進慣性は使わない。二次モードは並進であり,上下の質量が同じ向きに動く。

検算

k1=k2=kk_1=k_2=k を固有角振動数の一般式に代入すると ω2=k4m,km \omega^2=\frac{k}{4m},\quad \frac{k}{m} が得られる。これは運動方程式が非連成になった場合の結果と一致する。

典型ミス

慣性モーメントを 2mℓ22m\ell^2 としてしまうミスがある。質量は重心から ℓ\ell ではなく 2ℓ2\ell の位置にあるため, I=2m(2ℓ)2 I=2m(2\ell)^2 である。

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第15問 — 制御工学1

方針

前半は伝達関数の基本計算,後半はブロック線図の読み取りである。P(s)P(s) は右半平面零点を持つため,ステップ応答が最初に逆向きへ動く点が特徴である。

ベクトル軌跡の概形

P(0)=1P(0)=1 から出発し,ω=8\omega=\sqrt8 で負の実軸上 −1/3-1/3 を通り,ω→∞\omega\to\infty で原点へ近づく。概形を書くときは,この三点と進行方向を示せば十分である。

検算

(4) で k=3k=3 とすると特性方程式は s2+8=0 s^2+8=0 となり,虚軸上に根を持つ。したがって安定範囲の上端が k=3k=3 で開区間になることと一致する。

典型ミス

ブロック線図で Q(s)Q(s) はフィードバック経路ではなく,P(s)P(s) と並列に出力側へ加算される経路である。したがって P+QP+Q が一つの前向き要素として現れる。

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第16問 — 制御工学2

方針

状態フィードバックを代入して閉ループ行列 HH を作り,評価関数はリャプノフ方程式で処理する。初期値が (1,0)T(1,0)^T なので,最小化すべき量は PP の (1,1)(1,1) 成分だけである。

リャプノフ方程式の意味

HTP+PH=−QH^TP+PH=-Q は,エネルギー関数 V=xTPxV=x^TPx が dVdt=−xTQx \frac{dV}{dt}=-x^TQx を満たすという条件である。安定な HH に対して正定値 QQ なら,正定値 PP が一意に決まる。

検算

p11=1+λk/2+1/(2k)p_{11}=1+\lambda k/2+1/(2k) なので,λ\lambda が小さいほど制御入力のペナルティが軽くなり,最適 kk は大きくなる。kopt=1/λk_{\mathrm{opt}}=1/\sqrt\lambda はこの直感と一致する。

典型ミス

評価関数の u2u^2 を λk2(x12+x22)\lambda k^2(x_1^2+x_2^2) としてしまうミスがある。実際には u2=k2(x1+x2)2 u^2=k^2(x_1+x_2)^2 なので,QQ には非対角成分 λk2\lambda k^2 が入る。

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東北大 機械系 数学・専門科目 院試 過去問の収録3年度