東京大学 院試 過去問 解答例
東大 工学系研究科 建築学専攻 建築学 専門科目 2026年度 院試 解答例・解説
東京大学 工学系研究科 建築学専攻 建築学 専門科目 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 専門課題I(建築学基礎)
採点される答案の形
この種の横断問題では、計算の正否だけでなく、単位、符号、図のラベル、用語の射程が見られる。トラス軸力なら引張・圧縮、環境計算なら や 、計画短答なら「なぜその選択肢なのか」を一言添えるだけで答案の信頼性が上がる。
問題文非掲載での復習方法
公式問題を横に置いて、本資料の式・対応表を自分の答案用紙に再現する。特に構法図示は、名称を覚えていても線の入れ方が曖昧だと点が伸びない。下書きでは、部材名、力の流れ、性能の違いを各図に一つずつ書き込む練習が有効である。
第2問 — 専門課題II 第1群(設計)
設計試験で失点しやすい点
設計課題では、絵のうまさだけではなく、条件読解の正確さが強く見られる。必要室の欠落、搬入と来客の混線、構造グリッドの不整合、階段・トイレ・設備の置き忘れは大きな減点になる。見せ場は一つに絞り、それを平面・断面・主旨文の三つで同じ言葉にする。
読みがいのある答案にする工夫
「展示を街に開く」と書くだけでは抽象的である。低い軒、奥行きのある開口、通り土間、吹抜け、家具スケールの展示台、素材サンプル壁など、空間要素に変換して図にする。主旨文でも、抽象語の後に具体的な建築操作を続けると説得力が出る。
第3問 — 専門課題II 第2群(計画・史・構法)
答案の密度
10行程度の説明では、作品や制度の一般論を書きすぎると、図面から読み取った根拠が薄くなる。各段落の冒頭に結論を置き、その直後に「平面上のどの関係からそう読めるか」を書く。図版問題では、図を見ずに書ける一般論だけの答案は弱い。
計画系で使う数式の意味
エレベータ、避難、待ち行列、面積配分は、建築計画であっても確率・統計の言葉で表現される。式の目的は厳密な数学ではなく、利用者が経験する待ち時間、混雑、偏りを設計判断に変換することである。最後に「この結果から何を設計に反映するか」を書くと、計算問題が計画答案になる。
第4問 — 専門課題II 第3群(環境)
単位が答案の骨格になる
環境計算では、式を覚えていても単位を落とすと大きく失点する。熱貫流は 、熱流は 、換気は 、照度は 、音は でそろえる。特に二酸化炭素濃度の ppm は無次元比に直してから割る。
論述へのつなげ方
計算問題の最後に改修方針を問われる場合、数値の大小をそのまま並べるだけでは足りない。表面温度が平均放射温度を通じて温冷感に効く、熱回収換気は換気熱負荷を下げるが維持管理が必要、窓改修は快適性と結露にも効く、というように、物理量を居住者の体験と施工性に接続する。
第5問 — 専門課題II 第4群(構造・材料)
第4群の解き進め方
構造問題は、図を見た瞬間に公式を当てはめるより、まず自由度と境界条件を確認する。単純梁、剛接フレーム、剛床、軸方向要素は、支配する変形が曲げか軸かで式が変わる。影響線では「単位荷重を動かす」のか「単位仮想力を固定点に置く」のかを混同しない。
論述問題の採点軸
材料・防火の論述では、単語の列挙だけでは弱い。評価可能な現象、評価困難な現象、その理由を対にする。たとえば「コーンカロリーメータは発熱速度を測れるが、区画火災の煙層形成は測れない」と書けば、試験体スケールと現象スケールの違いを理解している答案になる。