東京大学 院試 過去問 解答例
東大 工学系研究科 建築学専攻 建築学 専門科目 2022年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)
全5問。材料力学・材料1問。テーマタグは4件(はりの曲げ・結晶構造・境界層)。
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- 解説5問と大問1問の途中式・最終答(全5問)
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- 途中式と最終答(最終答つき5問)
- 問題本文
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東大 建築学 専門科目 2022年度 院試 過去問の出題内容(全5問)
この5問の分野は材料力学・材料1問です。
| 大問 | 分野 | 主題 | 解説の小見出し | 最終答 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | — | 専門課題I(建築学基礎) | 構造計算の検算 / 短答問題での失点防止 | あり |
| 第2問 | — | 専門課題II 第1群(建築設計) | 採点で見られる整合性 | あり |
| 第3問 | — | 専門課題II 第2群(建築計画・建築史・構法) | 記述答案の配点を取り切る書き方 | あり |
| 第4問 | — | 専門課題II 第3群(建築環境) | 単位の検算 / 論述で必要な一文 | あり |
| 第5問 | 材料力学・材料 | 専門課題II 第4群(建築構造・建築材料) | 構造問題での部分点 / 材料問題での部分点 | あり |
この年度の解説には典型ミス2件が付いています。
2022年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は3問に4テーマが出ています。
第1問 — 専門課題I(建築学基礎)
構造計算の検算
全体系で を確認すると、反力は外力と一致する。部材軸力は引張正で表にすると、圧縮部材のうち座屈を疑うべきものがすぐ見える。斜材は長さが 倍になるため、座屈耐力が水平・鉛直材の半分になる点が本問の要点である。
短答問題での失点防止
用語問題は、語を知っていても近い概念を取り違えやすい。たとえば「ピストンフロー」と「全般換気」、「ムーディ線図」と「レイノルズ数」、「SSG」と「MPG」は混同しやすい。答案では、語の直後に1語の説明を加えると採点者が意図を確認しやすい。
第2問 — 専門課題II 第1群(建築設計)
採点で見られる整合性
本課題は「必要室の充足」だけではなく、広場、ホール、制作系諸室、静かな読書・小活動が同時に成立しているかが見られる。音・匂い・搬入が出る調理室と工作室を図書室やスタジオから離し、イベント時はロビー・広場・ホールが一体で使える、と説明できると答案の説得力が上がる。
典型ミス
面積上限を超える、駐車・駐輪を忘れる、2階に重量・搬入の大きい室を置く、静かな室と大音量の室を隣接させる、広場が余白として残るだけで使い方が説明されていない、という失点が起きやすい。
解答
本年度の設計課題は、既存の小学校敷地に地域利用を想定した複合施設を計画する課題である。延べ床面積は 以下、地上2階以下(必要なら地下1階可)で、多目的ホール、和室、調理室、工作室、図書室、複数のスタジオ、管理部門、屋外広場、駐輪・身障者用駐車を含めて成立させる。
答案例:設計主旨
「学校跡地を、地域の学習・制作・交流が重なる小さな公共拠点として再編する。北側・南側道路のどちらからも入りやすい通り抜け動線をつくり、中央に屋外広場と吹抜けロビーを置く。大きな音や搬入を伴う多目的ホール・工作室・調理室は1階に集め、静かな図書室とスタジオは2階に置く。管理部門は入口と広場を見守れる位置に置き、地域イベント時にも平常時にも運営しやすい構成とする。」
面積配分の一例
合計をおおむね 〜 に抑えると、条件上限に対して余裕を残せる。
配置・平面
1階は「開く機能」をまとめる。主入口を道路側に置き、ロビーから多目的ホール、調理室、工作室、和室、屋外広場へ直接アクセスできるようにする。工作室と調理室は搬入・換気・給排水のためサービス側に寄せ、多目的ホールはイベント時に広場と一体利用できる位置に置く。身障者用駐車は主入口近くに2台分、駐輪は道路から見えやすく歩行者動線を妨げない外縁部に置く。
2階は「静かな機能」をまとめる。図書室を採光の良い側に置き、スタジオ群を廊下沿いに並べる。吹抜けを介して1階ロビーと視覚的につなげると、利用状況がわかりやすく、地域施設らしい開放感も出る。管理部門は1階受付と2階見守りを兼ねられる位置が望ましい。
断面・構造・環境
多目的ホールには階高を大きく取り、必要に応じて上部を屋根架構で処理する。一般部分はRCまたは鉄骨の整形グリッドでまとめ、ホールだけ大スパンにする。南北の道路に対して庇・縁側・外部回廊を設けると、日射制御、雨天時動線、地域の滞留場所を同時に説明できる。ロビー上部の吹抜けは、採光と自然換気の説明に使えるが、空調負荷が増えすぎないよう可動開口や庇を併記する。
提出図面で落とさない項目
配置図兼1階平面図には、北方向、前面道路、屋外広場、駐輪、身障者用駐車、入口、外構、主要寸法を書く。各階平面図には室名と面積を入れ、断面図ではホールの階高、吹抜け、階段、屋根形状を示す。立面図には公共施設としての入口性と開口計画を示し、説明文には「地域交流」「静/動の分離」「イベント時運用」を必ず入れる。
最終答
1階に多目的ホール・調理室・工作室・和室・管理・広場を集め、2階に図書室とスタジオ群を置く地域交流施設案が安定する。延べ床面積は約 に抑え、中央ロビーと屋外広場を核に、来訪・管理・サービス動線を分離する。
第3問 — 専門課題II 第2群(建築計画・建築史・構法)
記述答案の配点を取り切る書き方
建築史・計画・構法の答案は、固有名詞だけでは足りない。作品名・設計者名を答えた後に、「どの概念が、どの平面・断面・構造に現れているか」を書く。数式問題では、結論の式だけでなく微分条件を書けば部分点が残る。
典型ミス
山梨文化会館を単なるオフィスビルとして説明する、落水荘を「自然と調和」だけで終える、複合化の議論で施設数と移動距離のトレードオフを書かない、代々木第一体育館で丹下健三だけを書き坪井善勝を書き落とす、という失点が多い。
第4問 — 専門課題II 第3群(建築環境)
単位の検算
本問は と 、 と 、音のdB合成が混ざる。数式が正しくても単位換算で落としやすいので、答案では換算行を省かない。
論述で必要な一文
感染対策、ESG、デマンドレスポンスのような記述問題では、定義だけでなく「建築設備計画で何を変えるか」を書く。たとえば感染対策なら、単なる換気量増加ではなく、発生源近傍排気・気流短絡回避・滞在密度低減まで書くと評価される。
第5問 — 専門課題II 第4群(建築構造・建築材料)
構造問題での部分点
最終数値が出せない場合でも、支点条件、曲げモーメント図、剛性定義、固有周期式、モードの同相・逆相を示せば部分点が残る。塑性崩壊では、ヒンジ位置と仮想仕事式が最重要である。
材料問題での部分点
セメント粒子の問題は、球近似・最密充填・粒度分布の3語を軸に説明する。耐火問題は、部材ごとに求められる性能が違うため、「柱梁は非損傷性」「区画部材は遮熱・遮炎」のように性能と部位を対応させると答案が締まる。
東大 建築学 専門科目 院試 過去問の収録2年度
専門課題I(建築学基礎) / 専門課題II 第1群(設計) / 専門課題II 第2群(計画・史・構法)
2022年度(このページ・全5問)
専門課題I(建築学基礎) / 専門課題II 第1群(建築設計) / 専門課題II 第2群(建築計画・建築史・構法)