東京大学 院試 過去問 解答例
東大 工学系研究科 建築学専攻 建築学 専門科目 2022年度 院試 解答例・解説
東京大学 工学系研究科 建築学専攻 建築学 専門科目 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 専門課題I(建築学基礎)
構造計算の検算
全体系で を確認すると、反力は外力と一致する。部材軸力は引張正で表にすると、圧縮部材のうち座屈を疑うべきものがすぐ見える。斜材は長さが 倍になるため、座屈耐力が水平・鉛直材の半分になる点が本問の要点である。
短答問題での失点防止
用語問題は、語を知っていても近い概念を取り違えやすい。たとえば「ピストンフロー」と「全般換気」、「ムーディ線図」と「レイノルズ数」、「SSG」と「MPG」は混同しやすい。答案では、語の直後に1語の説明を加えると採点者が意図を確認しやすい。
第2問 — 専門課題II 第1群(建築設計)
採点で見られる整合性
本課題は「必要室の充足」だけではなく、広場、ホール、制作系諸室、静かな読書・小活動が同時に成立しているかが見られる。音・匂い・搬入が出る調理室と工作室を図書室やスタジオから離し、イベント時はロビー・広場・ホールが一体で使える、と説明できると答案の説得力が上がる。
典型ミス
面積上限を超える、駐車・駐輪を忘れる、2階に重量・搬入の大きい室を置く、静かな室と大音量の室を隣接させる、広場が余白として残るだけで使い方が説明されていない、という失点が起きやすい。
第3問 — 専門課題II 第2群(建築計画・建築史・構法)
記述答案の配点を取り切る書き方
建築史・計画・構法の答案は、固有名詞だけでは足りない。作品名・設計者名を答えた後に、「どの概念が、どの平面・断面・構造に現れているか」を書く。数式問題では、結論の式だけでなく微分条件を書けば部分点が残る。
典型ミス
山梨文化会館を単なるオフィスビルとして説明する、落水荘を「自然と調和」だけで終える、複合化の議論で施設数と移動距離のトレードオフを書かない、代々木第一体育館で丹下健三だけを書き坪井善勝を書き落とす、という失点が多い。
第4問 — 専門課題II 第3群(建築環境)
単位の検算
本問は と 、 と 、音のdB合成が混ざる。数式が正しくても単位換算で落としやすいので、答案では換算行を省かない。
論述で必要な一文
感染対策、ESG、デマンドレスポンスのような記述問題では、定義だけでなく「建築設備計画で何を変えるか」を書く。たとえば感染対策なら、単なる換気量増加ではなく、発生源近傍排気・気流短絡回避・滞在密度低減まで書くと評価される。
第5問 — 専門課題II 第4群(建築構造・建築材料)
構造問題での部分点
最終数値が出せない場合でも、支点条件、曲げモーメント図、剛性定義、固有周期式、モードの同相・逆相を示せば部分点が残る。塑性崩壊では、ヒンジ位置と仮想仕事式が最重要である。
材料問題での部分点
セメント粒子の問題は、球近似・最密充填・粒度分布の3語を軸に説明する。耐火問題は、部材ごとに求められる性能が違うため、「柱梁は非損傷性」「区画部材は遮熱・遮炎」のように性能と部位を対応させると答案が締まる。