東北大学 院試 過去問 解答例
東北大 工学研究科 マテリアル・開発系 マテリアル・開発系 数学・専門科目 2026年度 院試 解答例・解説
東北大学 工学研究科 マテリアル・開発系 マテリアル・開発系 数学・専門科目 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全12問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 数学-1:回転行列とラプラス変換
方針
回転行列は直交行列なので逆行列は転置で求められる。ラプラス変換では初期値を に入れるのが要点である。
典型ミス
の非対角成分の符号を逆にしやすい。 で検算するとよい。
第2問 — 数学-2:ベクトル解析と曲線・曲面
方針
体積分は微分演算を先に実行し,面積分は閉曲面なので発散定理を使う。単位法線は符号の選択が残るため,向きを明示する。
典型ミス
の第3成分は である。符号を逆にしやすい。
第3問 — 物理-1:光子気体と黒体輻射
方針
光子気体では粒子数が保存されず, である。エネルギー積分は に変換し, 則を出す。
典型ミス
光子数 は一定ではなく温度で変わる。古典理想気体の と完全に同じ係数にはならない。
第4問 — 物理-2:斜面上の糸巻き円板
方針
糸の接点速度は中心速度と回転速度の和になる。ここで を正しく置けるかが,後半の運動方程式の鍵である。
典型ミス
摩擦力の向きを最初から決め打ちしない。式で の符号を決め,最後に静止摩擦条件や運動方向を判定する。
第5問 — 化学-1:リチウムイオン電池正極材料
採点で見られる点
単に「Coが安定,Niが不安定」と書くのではなく, と の占有,反結合性軌道,ヤーン--テラー歪みを結びつける。
典型ミス
軌道は酸素との 反結合性が強い。ここに電子が入るかどうかが結合距離と構造歪みの説明の中心である。
第6問 — 化学-2:クラウジウス・クラペイロン式
方針
クラペイロン式から,水蒸気を理想気体,液体体積を無視する近似でクラウジウス--クラペイロン式に落とす。定容容器では空気圧も に比例して上がるため,開放系の沸点とは異なる。
典型ミス
400 K での比較では,飽和蒸気圧だけでなく容器内空気圧の上昇も入れる。それでも飽和蒸気圧の方が大きいため,沸騰は400 K未満で始まる。
第7問 — 材料化学-1:エリンガム図と酸素分圧
方針
エリンガム図では酸素1 mol基準にそろえる。COやCuの式は を含むため,値と傾きを2倍する。
典型ミス
温度軸が摂氏でも,式中の は絶対温度である。0℃では を用いる。
第8問 — 材料化学-2:アンモニア合成の平衡と速度
方針
平衡と速度の要請は逆向きになる。ハーバー・ボッシュ法の高温高圧は,低温で有利な平衡と,高温で速い反応速度の妥協である。
典型ミス
触媒は平衡定数を変えない。生成量が増えるように見えるのは,平衡到達が速くなるためである。
第9問 — 材料物性-1:FCC/BCC金属と高温変形
方針
FCCとBCCではすべり方向のバーガースベクトルが異なる。八面体位置の大きさは,最近接母原子との距離から格子原子半径を差し引いて求める。
典型ミス
工学ひずみではなく真ひずみで与えられている。長さは ではなく で求める。
第10問 — 材料物性-2:逆格子・構造因子・バンド
方針
逆格子は外積をそのまま計算する。構造因子は4つの基底位置の位相和であり,FCCでは偶奇がそろうかどうかが消滅則を決める。
典型ミス
FCCの実格子に対する逆格子をFCCと答えない。FCCの逆格子はBCCである。
第11問 — 材料加工-1:シェフラ図と溶接組織
方針
シェフラ図は,Cr当量とNi当量を計算して図上に点を置く問題である。希釈率は母材平均点と溶接材料点を結ぶ直線上の内分として扱う。
典型ミス
希釈率が大きいほど母材側へ寄る。溶接材料を増やすほど は小さくなり,点は溶接材料3の組成へ近づく。
第12問 — 材料加工-2:段付き部材の応力評価
方針
段付き部材では,力やトルクは直列部分で共通,変形量は各部分の和になる。曲げでは固定端からの距離で曲げモーメントが線形に変わる。
典型ミス
ねじりでは断面二次モーメント ではなく極二次モーメント を使う。丸棒では である。