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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 工学研究科 マテリアル・開発系 マテリアル・開発系 数学・専門科目 2026年度 院試 過去問 解答例・解説(全12問)

全12問。数学2問。テーマタグは6件(結晶構造・剛体の回転運動・はりの曲げ)。

最終更新:

収録3年度分の解答PDF:東北大学 工学研究科 マテリアル・開発系 マテリアル・開発系 数学・専門科目(¥2,180・紙面見本あり)

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解説12問と大問1問の途中式・最終答(全12問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき12問)
問題本文
非収録

東北大 マテリアル・開発系 数学・専門科目 2026年度 院試 過去問の出題内容(全12問)

この12問の分野は数学2問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問数学回転行列とラプラス変換—あり
第2問数学ベクトル解析と曲線・曲面—あり
第3問光子気体と黒体輻射—あり
第4問斜面上の糸巻き円板—あり
第5問リチウムイオン電池正極材料採点で見られる点あり
第6問クラウジウス・クラペイロン式—あり
第7問エリンガム図と酸素分圧—あり
第8問アンモニア合成の平衡と速度—あり
第9問FCC/BCC金属と高温変形—あり
第10問逆格子・構造因子・バンド—あり
第11問シェフラ図と溶接組織—あり
第12問段付き部材の応力評価—あり

この年度の解説には典型ミス12件が付いています。

2026年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は6問に6テーマが出ています。

前年度(2025年度)との違い

大問数
2025年度 12問 → 2026年度 12問
2025年度のページを見る

第1問 — 数学-1:回転行列とラプラス変換

方針

回転行列は直交行列なので逆行列は転置で求められる。ラプラス変換では初期値を L[f′]=sF−f(0)L[f']=sF-f(0) に入れるのが要点である。

典型ミス

A−1A^{-1} の非対角成分の符号を逆にしやすい。ATA=IA^{\mathsf{T}}A=I で検算するとよい。

解答

  1. A=(cos⁡θ−sin⁡θ0sin⁡θcos⁡θ0001) A= \begin{pmatrix} \cos\theta&-\sin\theta&0\\ \sin\theta& \cos\theta&0\\ 0&0&1 \end{pmatrix} は zz 軸まわりの回転行列である。左上の 2×22\times2 ブロックの行列式は cos⁡2θ+sin⁡2θ=1 \cos^2\theta+\sin^2\theta=1 なので det⁡A=1. \det A=1. 直交行列であるから A−1=AT=(cos⁡θsin⁡θ0−sin⁡θcos⁡θ0001). A^{-1}=A^{\mathsf{T}} = \begin{pmatrix} \cos\theta&\sin\theta&0\\ -\sin\theta&\cos\theta&0\\ 0&0&1 \end{pmatrix}.
  2. (xyz)=A(x′y′z′) \begin{pmatrix}x\\y\\z\end{pmatrix} = A \begin{pmatrix}x'\\y'\\z'\end{pmatrix} より x=x′cos⁡θ−y′sin⁡θ, x=x'\cos\theta-y'\sin\theta, y=x′sin⁡θ+y′cos⁡θ, y=x'\sin\theta+y'\cos\theta, z=z′. z=z'. これは xyxy 平面内で反時計回りに角度 θ\theta だけ回転し,zz 成分は変えない変換である。
  3. ラプラス変換の定義から L[eαt]=∫0∞e−steαt dt=∫0∞e−(s−α)t dt=1s−α L[e^{\alpha t}] =\int_0^\infty e^{-st}e^{\alpha t}\,dt =\int_0^\infty e^{-(s-\alpha)t}\,dt =\frac{1}{s-\alpha} である。ただし収束条件は Re(s)>α \mathrm{Re}(s)>\alpha である。
  4. 微分方程式 3dfdt+2f=0,f(0)=1 3\frac{df}{dt}+2f=0,\qquad f(0)=1 の両辺をラプラス変換する。F(s)=L[f(t)]F(s)=L[f(t)] とおくと L[f′]=sF(s)−f(0)=sF(s)−1 L[f']=sF(s)-f(0)=sF(s)-1 であるから 3(sF(s)−1)+2F(s)=0. 3(sF(s)-1)+2F(s)=0. よって F(s)=33s+2=1s+2/3. F(s)=\frac{3}{3s+2}=\frac{1}{s+2/3}. 逆変換して f(t)=e−2t/3. f(t)=e^{-2t/3}.

最終答

det⁡A=1,A−1=(cos⁡θsin⁡θ0−sin⁡θcos⁡θ0001). \det A=1,\qquad A^{-1}= \begin{pmatrix} \cos\theta&\sin\theta&0\\ -\sin\theta&\cos\theta&0\\ 0&0&1 \end{pmatrix}. x=x′cos⁡θ−y′sin⁡θ,y=x′sin⁡θ+y′cos⁡θ,z=z′. x=x'\cos\theta-y'\sin\theta,\quad y=x'\sin\theta+y'\cos\theta,\quad z=z'. L[eαt]=1s−α,f(t)=e−2t/3. L[e^{\alpha t}]=\frac{1}{s-\alpha},\qquad f(t)=e^{-2t/3}.

第2問 — 数学-2:ベクトル解析と曲線・曲面

方針

体積分は微分演算を先に実行し,面積分は閉曲面なので発散定理を使う。単位法線は符号の選択が残るため,向きを明示する。

典型ミス

∇×(y,−x,0)\nabla\times(y,-x,0) の第3成分は −1−1=−2-1-1=-2 である。符号を逆にしやすい。

数学-2:ベクトル解析と曲線・曲面の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 物理-1:光子気体と黒体輻射

方針

光子気体では粒子数が保存されず,μ=0\mu=0 である。エネルギー積分は x=hν/kTx=h\nu/kT に変換し,T4T^4 則を出す。

典型ミス

光子数 NN は一定ではなく温度で変わる。古典理想気体の PV=NkTPV=NkT と完全に同じ係数にはならない。

物理-1:光子気体と黒体輻射の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 物理-2:斜面上の糸巻き円板

方針

糸の接点速度は中心速度と回転速度の和になる。ここで u=(1+h/R)Vu=(1+h/R)V を正しく置けるかが,後半の運動方程式の鍵である。

典型ミス

摩擦力の向きを最初から決め打ちしない。式で ff の符号を決め,最後に静止摩擦条件や運動方向を判定する。

物理-2:斜面上の糸巻き円板の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 化学-1:リチウムイオン電池正極材料

採点で見られる点

単に「Coが安定,Niが不安定」と書くのではなく,t2gt_{2g} と ege_g の占有,反結合性軌道,ヤーン--テラー歪みを結びつける。

典型ミス

ege_g 軌道は酸素との σ\sigma 反結合性が強い。ここに電子が入るかどうかが結合距離と構造歪みの説明の中心である。

化学-1:リチウムイオン電池正極材料の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 化学-2:クラウジウス・クラペイロン式

方針

クラペイロン式から,水蒸気を理想気体,液体体積を無視する近似でクラウジウス--クラペイロン式に落とす。定容容器では空気圧も TT に比例して上がるため,開放系の沸点とは異なる。

典型ミス

400 K での比較では,飽和蒸気圧だけでなく容器内空気圧の上昇も入れる。それでも飽和蒸気圧の方が大きいため,沸騰は400 K未満で始まる。

化学-2:クラウジウス・クラペイロン式の途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — 材料化学-1:エリンガム図と酸素分圧

方針

エリンガム図では酸素1 mol基準にそろえる。COやCuの式は 12O2\frac12\mathrm{O_2} を含むため,値と傾きを2倍する。

典型ミス

温度軸が摂氏でも,式中の TT は絶対温度である。0℃では T=273 KT=273\ \mathrm{K} を用いる。

材料化学-1:エリンガム図と酸素分圧の途中式・最終答をPDFで見る

第8問 — 材料化学-2:アンモニア合成の平衡と速度

方針

平衡と速度の要請は逆向きになる。ハーバー・ボッシュ法の高温高圧は,低温で有利な平衡と,高温で速い反応速度の妥協である。

典型ミス

触媒は平衡定数を変えない。生成量が増えるように見えるのは,平衡到達が速くなるためである。

材料化学-2:アンモニア合成の平衡と速度の途中式・最終答をPDFで見る

第9問 — 材料物性-1:FCC/BCC金属と高温変形

方針

FCCとBCCではすべり方向のバーガースベクトルが異なる。八面体位置の大きさは,最近接母原子との距離から格子原子半径を差し引いて求める。

典型ミス

工学ひずみではなく真ひずみで与えられている。長さは L=L0(1+ε)L=L_0(1+\varepsilon) ではなく L=L0eεL=L_0e^\varepsilon で求める。

材料物性-1:FCC/BCC金属と高温変形の途中式・最終答をPDFで見る

第10問 — 材料物性-2:逆格子・構造因子・バンド

方針

逆格子は外積をそのまま計算する。構造因子は4つの基底位置の位相和であり,FCCでは偶奇がそろうかどうかが消滅則を決める。

典型ミス

FCCの実格子に対する逆格子をFCCと答えない。FCCの逆格子はBCCである。

材料物性-2:逆格子・構造因子・バンドの途中式・最終答をPDFで見る

第11問 — 材料加工-1:シェフラ図と溶接組織

方針

シェフラ図は,Cr当量とNi当量を計算して図上に点を置く問題である。希釈率は母材平均点と溶接材料点を結ぶ直線上の内分として扱う。

典型ミス

希釈率が大きいほど母材側へ寄る。溶接材料を増やすほど DD は小さくなり,点は溶接材料3の組成へ近づく。

材料加工-1:シェフラ図と溶接組織の途中式・最終答をPDFで見る

第12問 — 材料加工-2:段付き部材の応力評価

方針

段付き部材では,力やトルクは直列部分で共通,変形量は各部分の和になる。曲げでは固定端からの距離で曲げモーメントが線形に変わる。

典型ミス

ねじりでは断面二次モーメント II ではなく極二次モーメント JJ を使う。丸棒では J=πd4/32J=\pi d^4/32 である。

材料加工-2:段付き部材の応力評価の途中式・最終答をPDFで見る

東北大 マテリアル・開発系 数学・専門科目 院試 過去問の収録3年度

  • 2026年度(このページ・全12問)

    数学-1:回転行列とラプラス変換 / 数学-2:ベクトル解析と曲線・曲面 / 物理-1:光子気体と黒体輻射

  • 2025年度(全12問)

    数学-1:留数定理と楕円領域の積分 / 数学-2:フーリエ変換と常微分方程式 / 物理-1:可動台車内の小振動

  • 2024年度(全12問)

    数学-1:ベクトル解析と行列の固有値 / 数学-2:複素数の累乗とローラン展開 / 物理-1:ブラッグ反射とド・ブロイ波