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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 工学研究科 マテリアル・開発系 マテリアル・開発系 数学・専門科目 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全12問)

全12問。数学2問。テーマタグは5件(重積分と極座標・留数定理・フーリエ変換)。

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解説12問と大問1問の途中式・最終答(全12問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき12問)
問題本文
非収録

東北大 マテリアル・開発系 数学・専門科目 2025年度 院試 過去問の出題内容(全12問)

この12問の分野は数学2問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問数学留数定理と楕円領域の積分採点で見られる点あり
第2問数学フーリエ変換と常微分方程式—あり
第3問可動台車内の小振動採点で見られる点あり
第4問球対称電場と静電容量—あり
第5問逐次反応速度論採点で見られる点あり
第6問気体分子運動論と噴散—あり
第7問二元溶体の熱力学—あり
第8問Pb系の電位-pH図採点で見られる点あり
第9問誘電体と強誘電性—あり
第10問カーケンドール効果と拡散採点で見られる点あり
第11問疲労き裂とパリス則—あり
第12問主応力とミーゼス降伏採点で見られる点あり

この年度の解説には典型ミス12件が付いています。

2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は4問に5テーマが出ています。

前年度(2024年度)との違い

大問数
2024年度 12問 → 2025年度 12問
2024年度のページを見る

第1問 — 数学-1:留数定理と楕円領域の積分

採点で見られる点

複素積分では,どの極が積分路の内部にあるかを明記する。二重積分では楕円を円に直す変数変換とヤコビアンが得点の中心である。

典型ミス

z=−2aiz=-2ai は長方形の下側にあるため内部に入らない。楕円変換では dxdy=2dXdY/3dxdy=2dXdY/3 を落とすと係数が誤る。

解答

  1. 被積分関数は 1z2+4a2=1(z−2ai)(z+2ai) \frac{1}{z^2+4a^2} =\frac{1}{(z-2ai)(z+2ai)} であり,極は z=2aiz=2ai と z=−2aiz=-2ai である。積分路は実部が −a-a から aa,虚部が 00 から 3a3a の長方形なので,内部にある極は z=2ai z=2ai のみである。したがって留数は Res⁡z=2ai1z2+4a2=12ai−(−2ai)=14ai. \operatorname*{Res}_{z=2ai}\frac{1}{z^2+4a^2} =\frac{1}{2ai-(-2ai)} =\frac{1}{4ai}. 正向きの周回積分より ∮Cdzz2+4a2=2πi⋅14ai=π2a. \oint_C\frac{dz}{z^2+4a^2} =2\pi i\cdot\frac{1}{4ai} =\frac{\pi}{2a}.
  2. 領域 9x2+y24≤a2 9x^2+\frac{y^2}{4}\le a^2 に対し X=3x,Y=y2 X=3x,\qquad Y=\frac{y}{2} とおくと,領域は X2+Y2≤a2 X^2+Y^2\le a^2 となり,ヤコビアンは dx dy=23 dX dY dx\,dy=\frac{2}{3}\,dX\,dY である。よって積分は 23∬X2+Y2≤a2a2−X2−Y2 dX dY. \frac{2}{3}\iint_{X^2+Y^2\le a^2}\sqrt{a^2-X^2-Y^2}\,dX\,dY. 極座標 X=rcos⁡ϕ, Y=rsin⁡ϕX=r\cos\phi,\ Y=r\sin\phi を用いれば 23∫02π∫0aa2−r2 r dr dϕ. \frac{2}{3}\int_0^{2\pi}\int_0^a \sqrt{a^2-r^2}\,r\,dr\,d\phi. 内側の積分は ∫0ara2−r2 dr=a33 \int_0^a r\sqrt{a^2-r^2}\,dr=\frac{a^3}{3} なので 23⋅2π⋅a33=4πa39. \frac{2}{3}\cdot 2\pi\cdot\frac{a^3}{3} =\frac{4\pi a^3}{9}.

最終答

∮Cdzz2+4a2=π2a,∬a2−9x2−y24 dxdy=4πa39. \oint_C\frac{dz}{z^2+4a^2}=\frac{\pi}{2a},\qquad \iint\sqrt{a^2-9x^2-\frac{y^2}{4}}\,dxdy =\frac{4\pi a^3}{9}.

第2問 — 数学-2:フーリエ変換と常微分方程式

方針

フーリエ変換は正規化係数が流儀で変わる。本問の定義ではデルタ関数の変換が 1/(2π)1/(2\pi) になる点を最後に確認する。

典型ミス

矩形関数の極限で,幅を0にするだけではデルタ関数にならない。面積が1になるよう高さ 1/(2d)1/(2d) を同時に入れる。

数学-2:フーリエ変換と常微分方程式の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 物理-1:可動台車内の小振動

採点で見られる点

台車が動くため,小球の速度に交差項 2rcos⁡θ X˙θ˙2r\cos\theta\,\dot X\dot\theta が入る。ここを正しく入れれば,固定台車より周期が短くなる結果も自然に出る。

典型ミス

小球を単なる振り子として扱うと,台車の反動が消えて可動台車の効果を失う。水平重心保存は検算にも使える。

物理-1:可動台車内の小振動の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 物理-2:球対称電場と静電容量

方針

球対称問題はガウス面を半径 rr の球に取る。導体がある場合は,導体内部の電場が0になるよう誘導電荷を決める。

典型ミス

容量式で b−ab-a を分母に置く。平行板の感覚で距離だけを分子に置くと次元が合わない。

物理-2:球対称電場と静電容量の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 化学-1:逐次反応速度論

採点で見られる点

[C][C] は直接積分してもよいが,物質収支で出すとミスが少ない。定常状態近似では「中間体濃度の時間変化を0とみなす」根拠を一言添える。

典型ミス

k1=k2k_1=k_2 の場合に k2−k1k_2-k_1 を含む式をそのまま使うと不定形になる。別途極限または再積分で処理する。

化学-1:逐次反応速度論の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 化学-2:気体分子運動論と噴散

方針

平均エネルギーは温度だけで決まり,速度は質量に依存する。噴散速度の比較では同じ温度なら 1/M1/\sqrt{M} だけを見ればよい。

典型ミス

モル質量を g mol−1\mathrm{g\,mol^{-1}} のまま RR と組み合わせると単位が合わない。数値代入では kg mol−1\mathrm{kg\,mol^{-1}} に直す。

化学-2:気体分子運動論と噴散の途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — 材料化学-1:二元溶体の熱力学

方針

部分モル量は接線の切片で読む。式だけでなく,理想溶体では活量がモル分率に等しくなることを押さえる。

典型ミス

GˉB\bar{G}_B と全体の GG を混同しない。部分モル量は組成を変えたときの接線から出る量である。

材料化学-1:二元溶体の熱力学の途中式・最終答をPDFで見る

第8問 — 材料化学-2:Pb系の電位-pH図

採点で見られる点

電位-pH図では,電子を含む反応は電位依存,H+\mathrm{H}^+ を含む反応はpH依存になる。水平線と傾きのある線を区別する。

典型ミス

ΔG∘=−nFE∘\Delta G^\circ=-nFE^\circ の符号を逆にすると,Pb/Pb2+^{2+} 線が正電位側に出てしまう。

材料化学-2:Pb系の電位-pH図の途中式・最終答をPDFで見る

第9問 — 材料物性-1:誘電体と強誘電性

方針

コンデンサでは C,Q,E,D,PC,Q,E,D,P を順に結ぶ。強誘電性は「構造の反転対称性が破れる」ことを中心に説明する。

典型ミス

DD と PP を同一視しない。真空分の ε0E\varepsilon_0E を除いたものが分極 PP である。

材料物性-1:誘電体と強誘電性の途中式・最終答をPDFで見る

第10問 — 材料物性-2:カーケンドール効果と拡散

採点で見られる点

カーケンドール効果は「相互拡散」ではなく「固有拡散係数の差」を示す実験である。空孔濃度と拡散係数の導出では,エントロピー項とランダムウォーク係数 1/61/6 を落とさない。

典型ミス

マーカーが濃度勾配の中央に固定されると考えるのは誤りである。不活性マーカーは格子の流れを追う。

材料物性-2:カーケンドール効果と拡散の途中式・最終答をPDFで見る

第11問 — 材料加工-1:疲労き裂とパリス則

方針

疲労では ΔK\Delta K,不安定破壊では Kmax⁡K_{\max} を使う。応力比 R=−1R=-1 のため,最大応力が応力範囲の半分になる点が重要である。

典型ミス

不安定破壊条件に ΔK\Delta K をそのまま使うと,Kmax⁡K_{\max} との係数2を落とす。

材料加工-1:疲労き裂とパリス則の途中式・最終答をPDFで見る

第12問 — 材料加工-2:主応力とミーゼス降伏

採点で見られる点

主応力は2次元ブロックで解き,zz 方向の0主応力を忘れない。塑性ひずみ増分は偏差応力に比例するため,平均応力を差し引いてから比を取る。

典型ミス

ミーゼス応力を最大主応力と常に同じと考えるのは危険である。本問では偶然 σ2=σ3=0\sigma_2=\sigma_3=0 なので一致している。

材料加工-2:主応力とミーゼス降伏の途中式・最終答をPDFで見る

東北大 マテリアル・開発系 数学・専門科目 院試 過去問の収録3年度

  • 2026年度(全12問)

    数学-1:回転行列とラプラス変換 / 数学-2:ベクトル解析と曲線・曲面 / 物理-1:光子気体と黒体輻射

  • 2025年度(このページ・全12問)

    数学-1:留数定理と楕円領域の積分 / 数学-2:フーリエ変換と常微分方程式 / 物理-1:可動台車内の小振動

  • 2024年度(全12問)

    数学-1:ベクトル解析と行列の固有値 / 数学-2:複素数の累乗とローラン展開 / 物理-1:ブラッグ反射とド・ブロイ波