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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 工学研究科 マテリアル・開発系 マテリアル・開発系 数学・専門科目 2024年度 院試 過去問 解答例・解説(全12問)

全12問。数学2問。テーマタグは7件(固有値・固有ベクトル・電磁波・テイラー展開)。

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解説12問と大問1問の途中式・最終答(全12問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき12問)
問題本文
非収録

東北大 マテリアル・開発系 数学・専門科目 2024年度 院試 過去問の出題内容(全12問)

この12問の分野は数学2問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問数学ベクトル解析と行列の固有値採点で見られる点あり
第2問数学複素数の累乗とローラン展開—あり
第3問ブラッグ反射とド・ブロイ波採点で見られる点あり
第4問一次元無限井戸—あり
第5問カルノーサイクルと断熱圧縮採点で見られる点あり
第6問気体分子運動論と蒸着速度—あり
第7問エリンガム図と酸化還元平衡採点で見られる点あり
第8問物質移動と表面反応—あり
第9問核生成と析出成長採点で見られる点あり
第10問一次元格子振動—あり
第11問溶接入熱とHAZ組織採点で見られる点あり
第12問応力集中と破壊力学—あり

この年度の解説には典型ミス12件が付いています。

2024年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は5問に7テーマが出ています。

第1問 — 数学-1:ベクトル解析と行列の固有値

採点で見られる点

ベクトル解析では,∇×∇f=0\nabla\times\nabla f=\mathbf{0} を公式だけで書くより,一度成分を出しておくと符号ミスを防げる。行列の問題では,まず固有値条件で aa を確定し,その後に AB=BAAB=BA を成分比較する順序が安定する。

典型ミス

aa が未定のまま可換条件を立てると計算量が増え,条件を落としやすい。また,∇⋅(∇f)\nabla\cdot(\nabla f) は ∇f\nabla f の成分和ではなくラプラシアンである。

解答

  1. 与えられたスカラー場を f(x,y,z)=2x2y+y+3z f(x,y,z)=2x^2y+y+3z とおく。勾配は各変数で偏微分して ∇f=(∂f∂x,∂f∂y,∂f∂z)=(4xy,  2x2+1,  3) \nabla f =\left(\frac{\partial f}{\partial x}, \frac{\partial f}{\partial y}, \frac{\partial f}{\partial z}\right) =(4xy,\;2x^2+1,\;3) である。 さらに ∇×(∇f)=0 \nabla\times(\nabla f)=\mathbf{0} である。実際に成分で確認すると, (∂∂y3−∂∂z(2x2+1),∂∂z(4xy)−∂∂x3,∂∂x(2x2+1)−∂∂y(4xy))=(0,0,4x−4x) \left( \frac{\partial}{\partial y}3-\frac{\partial}{\partial z}(2x^2+1), \frac{\partial}{\partial z}(4xy)-\frac{\partial}{\partial x}3, \frac{\partial}{\partial x}(2x^2+1)-\frac{\partial}{\partial y}(4xy) \right) =(0,0,4x-4x) となる。また発散は ∇⋅(∇f)=Δf=∂∂x(4xy)+∂∂y(2x2+1)+∂∂z3=4y. \nabla\cdot(\nabla f)=\Delta f =\frac{\partial}{\partial x}(4xy) +\frac{\partial}{\partial y}(2x^2+1) +\frac{\partial}{\partial z}3 =4y.
  2. 行列 A=(a−3−24) A=\begin{pmatrix}a&-3\\-2&4\end{pmatrix} が固有値 −2-2 をもつので det⁡(A+2I)=det⁡(a+2−3−26)=6(a+2)−6=0. \det(A+2I) =\det\begin{pmatrix}a+2&-3\\-2&6\end{pmatrix} =6(a+2)-6=0. よって a=−1. a=-1. このとき tr⁡A=3\operatorname{tr}A=3 であるから,もう一つの固有値を λ\lambda とすると −2+λ=3 -2+\lambda=3 より λ=5. \lambda=5. 次に B=(1bc−3) B=\begin{pmatrix}1&b\\ c&-3\end{pmatrix} とし,a=−1a=-1 を代入した AA と可換である条件を求める。 AB=(−1−3c−b+9−2+4c−2b−12),BA=(−1−2b−3+4b−c+6−3c−12). AB=\begin{pmatrix} -1-3c&-b+9\\ -2+4c&-2b-12 \end{pmatrix},\qquad BA=\begin{pmatrix} -1-2b&-3+4b\\ -c+6&-3c-12 \end{pmatrix}. AB=BAAB=BA より 3c=2b,−b+9=−3+4b,−2+4c=−c+6. 3c=2b,\qquad -b+9=-3+4b,\qquad -2+4c=-c+6. 後二者から b=125,c=85 b=\frac{12}{5},\qquad c=\frac{8}{5} が得られ,これは 3c=2b3c=2b も満たす。

最終答

∇f=(4xy,2x2+1,3),∇×∇f=0,∇⋅∇f=4y. \nabla f=(4xy,2x^2+1,3),\quad \nabla\times\nabla f=\mathbf{0},\quad \nabla\cdot\nabla f=4y. a=−1,もう一つの固有値は 5,b=125, c=85. a=-1,\qquad \text{もう一つの固有値は }5,\qquad b=\frac{12}{5},\ c=\frac{8}{5}.

第2問 — 数学-2:複素数の累乗とローラン展開

方針

複素数の累乗は偏角で処理する。20232023 乗は直接展開せず,周期 88 で指数を簡約する。ローラン展開では,指定領域 ∣z∣>1|z|>1 に合わせて z−1z^{-1} の級数に直すことが重要である。

典型ミス

1/(z−1)1/(z-1) を −(1+z+z2+⋯ )-(1+z+z^2+\cdots) と展開すると,それは ∣z∣<1|z|<1 の展開であり本問の領域と合わない。

数学-2:複素数の累乗とローラン展開の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 物理-1:ブラッグ反射とド・ブロイ波

採点で見られる点

電子線回折では,ブラッグ条件とド・ブロイ波長の式を結びつける。電圧を大きくすると波長は短くなるため,同じ角度での次の強め合いは高次反射として扱う。

典型ミス

λ∝V−1\lambda\propto V^{-1} としてしまうと,電圧比が 22 になる誤答になる。正しくは λ∝V−1/2\lambda\propto V^{-1/2} である。

物理-1:ブラッグ反射とド・ブロイ波の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 物理-2:一次元無限井戸

方針

無限井戸の本質は境界条件である。微分方程式の一般解を書いたあと,x=0x=0 と x=Lx=L で波動関数が消える条件から量子数を出す。

典型ミス

n=0n=0 を許すと波動関数が恒等的に 00 になり,物理状態ではない。また,cos⁡\cos 項が残る形で答えると u(0)=0u(0)=0 を満たさない。

物理-2:一次元無限井戸の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 化学-1:カルノーサイクルと断熱圧縮

採点で見られる点

仕事の符号規約を最初に明示する。カルノー効率は,断熱過程によって等温過程の体積比が等しくなることを使うと一行で整理できる。

典型ミス

断熱圧縮の温度比を T2/T1=(V2/V1)γ−1T_2/T_1=(V_2/V_1)^{\gamma-1} と逆に書くと,圧縮で温度が下がる不自然な答になる。

化学-1:カルノーサイクルと断熱圧縮の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 化学-2:気体分子運動論と蒸着速度

方針

分子線の問題は,数密度 P/(kT)P/(kT),平均速度,入射頻度 Γ=ng⟨v⟩/4\Gamma=n_g\langle v\rangle/4 の三つを順に接続する。

典型ミス

モル質量 MM をそのまま一分子質量として使うと桁が大きく崩れる。必ず m=M/NAm=M/N_A に直す。

化学-2:気体分子運動論と蒸着速度の途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — 材料化学-1:エリンガム図と酸化還元平衡

採点で見られる点

図読取問題では,桁を答えるときに「どの線のどの温度を読んだか」を言葉で残すとよい。活量が1でない場合は,エリンガム線そのものが RTln⁡aRT\ln a の分だけ移動する。

典型ミス

NiO\mathrm{NiO} 活量低下を無視して,通常の Ni/NiO\mathrm{Ni}/\mathrm{NiO} 線だけで還元可能金属を選ぶと,Fe\mathrm{Fe} や Sn\mathrm{Sn} を誤って含めやすい。

材料化学-1:エリンガム図と酸化還元平衡の途中式・最終答をPDFで見る

第8問 — 材料化学-2:物質移動と表面反応

方針

境膜物質移動と表面反応を直列抵抗として扱う。総括速度は 1/kf+1/kc1/k_f+1/k_c の形に整理すると,どちらが律速か判断しやすい。

典型ミス

球の表面積を 4πr24\pi r^2 と書くのは正しいが,直径 dpd_p を使えば 4π(dp/2)2=πdp24\pi(d_p/2)^2=\pi d_p^2 である。ここで 4πdp24\pi d_p^2 としてしまう誤りが多い。

材料化学-2:物質移動と表面反応の途中式・最終答をPDFで見る

第9問 — 材料物性-1:核生成と析出成長

採点で見られる点

核生成の自由エネルギーは,界面項が r2r^2,体積駆動力が r3r^3 で効く。この次数の違いから臨界半径と障壁が生じる。

典型ミス

ひずみエネルギー ΔGS\Delta G_S は駆動力を弱める項であり,ΔGV+ΔGS\Delta G_V+\Delta G_S と足してしまうと臨界半径を過小評価する。

材料物性-1:核生成と析出成長の途中式・最終答をPDFで見る

第10問 — 材料物性-2:一次元格子振動

方針

格子振動では,隣接原子からの復元力を運動方程式に入れ,平面波解を代入する。分散関係の形だけでなく,q→0q\to0 の極限を説明できることが重要である。

典型ミス

eiqa+e−iqa=2cos⁡qae^{iqa}+e^{-iqa}=2\cos qa を使う段階で符号を落とすと,ω2\omega^2 が負になる。復元力は必ず安定な正の ω2\omega^2 を与える。

材料物性-2:一次元格子振動の途中式・最終答をPDFで見る

第11問 — 材料加工-1:溶接入熱とHAZ組織

採点で見られる点

入熱計算では単位換算を明示する。炭素当量は,値そのものよりも「どちらが硬化しやすいか」「CCT図上でどちらへ進むか」まで述べると答案として強い。

典型ミス

J/cm\mathrm{J/cm} と kJ/cm\mathrm{kJ/cm} の換算を忘れると,入熱が1000倍ずれる。また,炭素量だけで割れ感受性を判断せず,Mn, Cr, Mo などの寄与を入れる。

材料加工-1:溶接入熱とHAZ組織の途中式・最終答をPDFで見る

第12問 — 材料加工-2:応力集中と破壊力学

方針

切欠きは応力集中係数,き裂は応力拡大係数で扱う。両者を混同せず,有限半径の欠陥か鋭いき裂かでモデルを切り替える。

典型ミス

中央貫通き裂の式で aa は半長である。問題が全長を聞いている場合は最後に 2a2a へ戻す。

材料加工-2:応力集中と破壊力学の途中式・最終答をPDFで見る

東北大 マテリアル・開発系 数学・専門科目 院試 過去問の収録3年度

  • 2026年度(全12問)

    数学-1:回転行列とラプラス変換 / 数学-2:ベクトル解析と曲線・曲面 / 物理-1:光子気体と黒体輻射

  • 2025年度(全12問)

    数学-1:留数定理と楕円領域の積分 / 数学-2:フーリエ変換と常微分方程式 / 物理-1:可動台車内の小振動

  • 2024年度(このページ・全12問)

    数学-1:ベクトル解析と行列の固有値 / 数学-2:複素数の累乗とローラン展開 / 物理-1:ブラッグ反射とド・ブロイ波