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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 理学研究科 物理学専攻 物理学(基礎数学・力学・電磁気学・量子力学・熱統計力学) 2024年度 院試 解答例・解説

東北大学 理学研究科 物理学専攻 物理学(基礎数学・力学・電磁気学・量子力学・熱統計力学) 2024年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 基礎数学

方針

[1] は固有値分解で BnB^{n} の挙動を整理する。[2] はガウス積分の値とその展開係数を関連付ける。[3] は実係数 ODE の特性根の共役対を etcoste^{-t}\cos t, etsinte^{-t}\sin t にまとめる。[4] は eize^{-iz} の指数の符号から下半円で閉じる。

典型ミス

eize^{-iz} を上半円で閉じる学生が多い。eiz=eImz|e^{-iz}|=e^{\operatorname{Im}z} なので減衰するのは Imz<0\operatorname{Im}z<0 である。下半円閉路は時計回りなので留数の符号にも注意する。

試験で書くべきポイント

ImI_{m} の導出では I(t)I(t)t2mt^{2m} 係数と展開係数の関係を明記する。一次変換の極限ではどの固有方向が消えるかを式で示し、極限図形の端点を計算しておくと採点者にわかりやすい。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 力学

方針

等方調和振動子は各座標が独立な単振動になる。摂動の対称性は「どの軸回転で U1U_{1} が不変か」を見れば L\boldsymbol L の保存方向がわかる。物理振り子はトルク方程式とエネルギー保存を併用する。

典型ミス

[2] 5) で支点が外れたあと、剛体の重心はその瞬間の重心速度ベクトルで放物運動する。回転と並進を切り分けて考える。

試験で書くべきポイント

共鳴の判定は外力項の角振動数と固有角振動数 ω0=3g/2l\omega_{0}=\sqrt{3g/2l} の一致である。減衰がない理想化では、共鳴で振幅は線形に増大することも書いておくと良い。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 電磁気学

方針

同軸円筒は対称性からアンペール/ガウスの法則だけで E,BE,B が決まる。エネルギー密度の半径積分とインダクタンスの定義式を結びつける。電磁波の境界条件は接線成分の連続から T/AT/A が出る。導体中の波動方程式は変位電流を落として拡散方程式に帰着する。

典型ミス

電場の積分方向の取り方で VV の符号を間違えやすい。電流の向きを間違えると BB の符号がひっくり返り、粒子の進行方向の判定にも影響する。

試験で書くべきポイント

k2=iσμ0ωk'^{2}=i\sigma\mu_{0}\omega から k=(1+i)σμ0ω/2k'=(1+i)\sqrt{\sigma\mu_{0}\omega/2} を導く際、i=(1+i)/2\sqrt i=(1+i)/\sqrt 2 を明示する。減衰因子 e2π1.87×103e^{-2\pi}\approx 1.87\times 10^{-3} は表皮効果の数値感覚としても重要。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 量子力学

方針

井戸型は固有値・固有関数公式を導出してから射影。スピン合成は 1,1|1,1\rangle から SS_{-} で降ろす方法が最短。摂動下の保存量は交換子が決定する。

典型ミス

φ1Ψ\langle\varphi_{1}|\Psi\rangle の積分範囲は Ψ\Psi の台 0<xa/20<x\le a/2 に限る。全範囲で積分すると外部のゼロを掛けて結果は同じだが、初学者は 00 から aa に拡げて間違える。

試験で書くべきポイント

[S2,Si]=0[S^{2},S_{i}]=0 を根拠に、H=HS+ϵSxH=H_{S}+\epsilon S_{x}S2S^{2} の固有空間内で閉じる。1,1|1,1\rangle は三重項 (s=1s=1) であり、s=0s=0 成分 0,0|0,0\rangle は混ざらない、よって d(t)=0d(t)=0 という論理を明示する。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

5 — 熱・統計力学

方針

熱力学はギブスの自由エネルギーが軸。dμ=sdT+vdPd\mu=-sdT+vdP から相平衡条件で dP/dTdP/dT を出し、理想気体近似で積分する。電子放出は g(εz)g(\varepsilon_{z}) をヒント通りの対数形まで持ち込めば、低温近似で指数関数化され Richardson の式に到達する。

典型ミス

dq/dTdq/dTq/Tq/T の項を忘れがち。q=T(sGsL)q=T(s_{G}-s_{L}) の形から TT の微分を陽に取ると確実。αGvG=R/P\alpha_{G}v_{G}=R/P に気付くと、理想気体での簡約 dq/dT=CPGCPLdq/dT=C_{PG}-C_{PL} がきれいに出る。

試験で書くべきポイント

Schottky 効果の式 Δϕ=e3E/(4πε0)\Delta\phi=-\sqrt{e^{3}E/(4\pi\varepsilon_{0})} は、極大点条件の zz_{*} を経由して導出することを書く。電場印加で ϕ\phi が下がり、RR の指数因子が大きくなるため放出率は増えるという定性的説明を必ず添える。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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