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東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 工学院 機械系 機械系 専門科目 2021年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)

全5問。力学3問・熱・統計力学1問。テーマタグは7件(固有値・固有ベクトル・留数定理・はりの曲げ)。

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解説5問と大問1問の途中式・最終答(全5問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき5問)
問題本文
非収録

東京科学大 機械系 専門科目 2021年度 院試 過去問の出題内容(全5問)

この5問の分野は力学3問・熱・統計力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問力学材料力学—あり
第2問力学機械力学—あり
第3問熱・統計力学熱力学—あり
第4問力学流体力学—あり
第5問—工業数学・応用数学—あり

この年度の解説には検算5件・試験で書くべきポイント5件・典型ミス5件が付いています。

2021年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は5問に7テーマが出ています。

第1問 — 材料力学

方針

問2は熱ひずみと弾性ひずみを同じ長さ基準で足し合わせる。丸棒は長さ L−dL-d だが,問題の近似指示に従い弾性ひずみは LL を基準に扱う。

検算

問2(3)で Δt3=Δt2=d/(αL)\Delta t_3=\Delta t_2=d/(\alpha L) とすると,P1=0P_1=0 になる。接触直後に内力がゼロから始まるので自然な結果である。

典型ミス

外力 PP を加えた後の式で,円筒と丸棒の力の和を 00 のままにしないこと。剛体板全体のつり合いは P1+P2=PP_1+P_2=P である。

試験で書くべきポイント

問3は符号規約が答案の読みやすさを左右する。ここでは図の xx 方向に沿って M(x)=P(4L/3−x)−R(L−x)M(x)=P(4L/3-x)-R(L-x) と定義し,境界条件から RR を決めた。

解答

問1は応力--ひずみ線図と曲げ応力の基礎である。原点から比例限度まではフックの法則が成り立つ。最大応力は引張強さである。図2の曲げでは,点 a 側が引張側であり,中立面上の点 b の軸方向応力はゼロである。点 a の引張応力が降伏応力を超えると表面から塑性変形が生じ,除荷後には残留応力が残る。 ① フック,② 引張強さ,③ a,④ イ, \boxed{①\ \text{フック}},\quad \boxed{②\ \text{引張強さ}},\quad \boxed{③\ a},\quad \boxed{④\ \text{イ}}, ⑤ 塑性,⑥ 残留. \boxed{⑤\ \text{塑性}},\qquad \boxed{⑥\ \text{残留}}.

問2では,円筒を部材1,丸棒を部材2とする。円筒の断面積は 2A2A,丸棒の断面積は AA,両者の縦弾性係数は EE である。引張力を正として,円筒の力を P1P_1,丸棒の力を P2P_2 とする。

(1) 丸棒だけを加熱すると,接触条件は丸棒の自由熱伸びが初期すきま dd に等しいことである。 2αΔt1L=d 2\alpha \Delta t_1 L=d より ⑦ Δt1=d2αL. \boxed{⑦\ \Delta t_1=\frac{d}{2\alpha L}}.

(2) 両方を同じだけ加熱して接触直前であれば, λ1=αΔt2L,λ2=2αΔt2L. \lambda_1=\alpha\Delta t_2L,\qquad \lambda_2=2\alpha\Delta t_2L. 丸棒上端が剛体板に接触する条件は,両者の伸びの差が dd になることであるから ⑧ λ2=λ1+d,⑨ Δt2=dαL. \boxed{⑧\ \lambda_2=\lambda_1+d}, \qquad \boxed{⑨\ \Delta t_2=\frac{d}{\alpha L}}.

(3) Δt3>Δt2\Delta t_3>\Delta t_2 では丸棒が剛体板に接触し,剛体板に外力がなければ ⑩ P1=−P2 \boxed{⑩\ P_1=-P_2} である。適合条件は αΔt3L+P1L2AE=2αΔt3L+P2LAE−d. \alpha\Delta t_3L+\frac{P_1L}{2AE} = 2\alpha\Delta t_3L+\frac{P_2L}{AE}-d. P2=−P1P_2=-P_1 を代入して ⑪ P1=2AE3(αΔt3−dL). \boxed{⑪\ P_1=\frac{2AE}{3}\left(\alpha\Delta t_3-\frac{d}{L}\right)}.

(4) 剛体板に引張荷重 PP が作用すると,力のつり合いは P1+P2=P P_1+P_2=P である。同じ適合条件に P2=P−P1P_2=P-P_1 を代入すると P1=2AE3(αΔt3−dL)+2P3. \boxed{P_1= \frac{2AE}{3}\left(\alpha\Delta t_3-\frac{d}{L}\right)+\frac{2P}{3}}. したがって ⑫ 2P3. \boxed{⑫\ \frac{2P}{3}}.

(5) 丸棒の力がゼロになる限界では P2=0P_2=0,すなわち P1=PcP_1=P_c である。適合条件から αΔt3L+PcL2AE=2αΔt3L−d \alpha\Delta t_3L+\frac{P_cL}{2AE} =2\alpha\Delta t_3L-d であるから ⑬ Pc=2AE(αΔt3−dL). \boxed{⑬\ P_c=2AE\left(\alpha\Delta t_3-\frac{d}{L}\right)}.

問3では,点 A から B までの部材だけを取り出し,右向き座標を xx とする。点 D の荷重は,AB 部分に対して,点 B での下向き力 PP と時計回りモーメント PL/3PL/3 として作用する。点 B の上向き反力を RR とすると,点 A の鉛直反力は ⑭ R0=P−R. \boxed{⑭\ R_0=P-R}. AB 部分の曲げモーメントは,切断面の右側の力のモーメントを用いて ⑮ M(x)=P(4L3−x)−R(L−x). \boxed{⑮\ M(x)=P\left(\frac{4L}{3}-x\right)-R(L-x)}. たわみの境界条件 y(0)=y′(0)=y(L)=0y(0)=y'(0)=y(L)=0 を用いると y(L)=L3EI(P2−R3)=0 y(L)=\frac{L^3}{EI}\left(\frac{P}{2}-\frac{R}{3}\right)=0 より R=3P2. R=\frac{3P}{2}. したがって ⑯ M0=−PL6,⑰ R=3P2. \boxed{⑯\ M_0=-\frac{PL}{6}},\qquad \boxed{⑰\ R=\frac{3P}{2}}. このとき M(x)=P(−L6+x2). M(x)=P\left(-\frac{L}{6}+\frac{x}{2}\right). 曲げ応力は ∣M∣|M| が最大となる位置で最大であり, ⑱ x=L. \boxed{⑱\ x=L}. また EI y′′=M(x) EI\,y''=M(x) を積分すると y(x)=PEI(−Lx212+x312). y(x)=\frac{P}{EI}\left(-\frac{Lx^2}{12}+\frac{x^3}{12}\right). y′(x)=0y'(x)=0 より内部の極値は x=2L/3x=2L/3 であり, y(2L3)=−PL381EI. y\left(\frac{2L}{3}\right)=-\frac{PL^3}{81EI}. したがって ⑲ x=2L3,⑳ PL381EI. \boxed{⑲\ x=\frac{2L}{3}},\qquad \boxed{⑳\ \frac{PL^3}{81EI}}.

最終答

①フック,②引張強さ,③a,④イ,⑤塑性,⑥残留,⑦d/(2αL)d/(2\alpha L),⑧λ2=λ1+d\lambda_2=\lambda_1+d,⑨d/(αL)d/(\alpha L),⑩−P2-P_2,⑪2AE3(αΔt3−d/L)\frac{2AE}{3}(\alpha\Delta t_3-d/L),⑫2P/32P/3,⑬2AE(αΔt3−d/L)2AE(\alpha\Delta t_3-d/L),⑭P−RP-R,⑮P(4L/3−x)−R(L−x)P(4L/3-x)-R(L-x),⑯−PL/6-PL/6,⑰3P/23P/2,⑱LL,⑲2L/32L/3,⑳PL3/(81EI)PL^3/(81EI)。

第2問 — 機械力学

方針

問2は自由端をもつ3質点2ばね系なので,ゼロ固有振動数が必ず1つ現れる。これは全質点が同じだけ動くとばねが伸びないためである。

検算

K(1,1,1)T=0K(1,1,1)^T=0 なので ω0=0\omega_0=0 は正しい。また K(1,0,−1)T=(1,0,−1)TK(1,0,-1)^T=(1,0,-1)^T,K(1,−2,1)T=3(1,−2,1)TK(1,-2,1)^T=3(1,-2,1)^T となり,固有値 1,31,3 も確認できる。

典型ミス

鉛直振動で変位原点を自然長に取る場合,重力項は残る。静的つり合い位置を原点に取った場合だけ,重力項が消える。

試験で書くべきポイント

モード図では数値だけでなく位相を示すこと。ω2\omega_2 では中央質点だけ逆向きで振幅が2倍である。

機械力学の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 熱力学

方針

問1は数値問題が多いが,すべて第一法則と状態量の定義で処理できる。温度は必ず K に直してカルノー効率や成績係数へ代入する。

検算

問1(7)では全体系のエントロピー変化が正になる。高温側から低温側への有限温度差伝熱は不可逆なので,全体系のエントロピー生成が正になることは妥当である。

典型ミス

ディーゼルサイクルの熱供給は等積ではなく等圧でモデル化する。等積加熱はオットーサイクルである。

試験で書くべきポイント

ランキンサイクルではタービン仕事とポンプ仕事を差し引いた正味仕事を,ボイラでの加熱量で割る。h3−h4h_3-h_4 だけで効率を書かないこと。

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第4問 — 流体力学

方針

問1はベルヌーイ,連続の式,運動量保存の3本で解く。バケットの力は,噴流が上向きから下向きへ反転するため,運動量変化が 2ρAv22\rho Av^2 になる。

検算

m=Mm=M を (5) に入れると hm=0h_m=0 になり,(3)の条件と一致する。m<Mm<M なら hm>0h_m>0 で,軽いバケットほど高く浮く。

典型ミス

抗力係数の式で投影面積は球の表面積ではなく πd2/4\pi d^2/4 である。ここを 4πr24\pi r^2 にすると数値が4倍ずれる。

試験で書くべきポイント

図から読む値を使う場合は,CL≃0.40C_L\simeq0.40,CD≃0.60C_D\simeq0.60 のように読み取り値を明記する。2021年度のOCRでは図4周辺の数値が崩れているため,ページ画像から読み取った。

流体力学の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 工業数学・応用数学

方針

問1(1)は回転体を直接積分しても解けるが,回転軸が円板と交わらない条件 b>2ab>2a があるため,パップスの定理が最短である。

検算

AnA^n に n=1n=1 を代入すると元の AA に戻る。また n=0n=0 では単位行列になるため,式の形は正しい。

典型ミス

複素フーリエ係数の定義では 1/T1/T が付く。周期 T=2T=2 なので係数は積分値の半分である。ここを落とすとすべて2倍になる。

試験で書くべきポイント

問4では p(x)p(x) が偶関数なので係数は実数になる。虚部がすべて0であることを先に述べると,計算ミスを見つけやすい。

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東京科学大 機械系 専門科目 院試 過去問の収録5年度