東京科学大学 院試 過去問 解答例
東京科学大 工学院 機械系 機械系 専門科目 2021年度 院試 解答例・解説
東京科学大学 工学院 機械系 機械系 専門科目 2021年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 材料力学
方針
問2は熱ひずみと弾性ひずみを同じ長さ基準で足し合わせる。丸棒は長さ だが,問題の近似指示に従い弾性ひずみは を基準に扱う。
検算
問2(3)で とすると, になる。接触直後に内力がゼロから始まるので自然な結果である。
典型ミス
外力 を加えた後の式で,円筒と丸棒の力の和を のままにしないこと。剛体板全体のつり合いは である。
試験で書くべきポイント
問3は符号規約が答案の読みやすさを左右する。ここでは図の 方向に沿って と定義し,境界条件から を決めた。
第2問 — 機械力学
方針
問2は自由端をもつ3質点2ばね系なので,ゼロ固有振動数が必ず1つ現れる。これは全質点が同じだけ動くとばねが伸びないためである。
検算
なので は正しい。また , となり,固有値 も確認できる。
典型ミス
鉛直振動で変位原点を自然長に取る場合,重力項は残る。静的つり合い位置を原点に取った場合だけ,重力項が消える。
試験で書くべきポイント
モード図では数値だけでなく位相を示すこと。 では中央質点だけ逆向きで振幅が2倍である。
第3問 — 熱力学
方針
問1は数値問題が多いが,すべて第一法則と状態量の定義で処理できる。温度は必ず K に直してカルノー効率や成績係数へ代入する。
検算
問1(7)では全体系のエントロピー変化が正になる。高温側から低温側への有限温度差伝熱は不可逆なので,全体系のエントロピー生成が正になることは妥当である。
典型ミス
ディーゼルサイクルの熱供給は等積ではなく等圧でモデル化する。等積加熱はオットーサイクルである。
試験で書くべきポイント
ランキンサイクルではタービン仕事とポンプ仕事を差し引いた正味仕事を,ボイラでの加熱量で割る。 だけで効率を書かないこと。
第4問 — 流体力学
方針
問1はベルヌーイ,連続の式,運動量保存の3本で解く。バケットの力は,噴流が上向きから下向きへ反転するため,運動量変化が になる。
検算
を (5) に入れると になり,(3)の条件と一致する。 なら で,軽いバケットほど高く浮く。
典型ミス
抗力係数の式で投影面積は球の表面積ではなく である。ここを にすると数値が4倍ずれる。
試験で書くべきポイント
図から読む値を使う場合は,, のように読み取り値を明記する。2021年度のOCRでは図4周辺の数値が崩れているため,ページ画像から読み取った。
第5問 — 工業数学・応用数学
方針
問1(1)は回転体を直接積分しても解けるが,回転軸が円板と交わらない条件 があるため,パップスの定理が最短である。
検算
に を代入すると元の に戻る。また では単位行列になるため,式の形は正しい。
典型ミス
複素フーリエ係数の定義では が付く。周期 なので係数は積分値の半分である。ここを落とすとすべて2倍になる。
試験で書くべきポイント
問4では が偶関数なので係数は実数になる。虚部がすべて0であることを先に述べると,計算ミスを見つけやすい。