東京科学大学 院試 過去問 解答例
東京科学大 工学院 機械系 機械系 専門科目 2024年度 院試 解答例・解説
東京科学大学 工学院 機械系 機械系 専門科目 2024年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 材料力学
方針
材料力学の基本量を,応力--ひずみ線図,熱応力,カスチリアノを使わない初等はり公式に分けて処理する。空欄補充型でも,単位と符号を最後にそろえると失点しにくい。
検算
問1の は を無次元ひずみで割るため となる。 をそのまま使うと になり,鋼材相当の図として不自然である。問2では接触後のAの長さが に依存せず になる。左右対称の幾何からも同じ結論になり,式の符号確認に使える。
典型ミス
応力--ひずみ線図の残留ひずみで,点Aの全ひずみから を引く誤りが多い。 なので弾性回復は である。熱応力では,隙間を1本分に割り当てず,2本の合計自由膨張 と比較する。
試験で書くべきポイント
問3は点B変位を3つの寄与に分けて書くと採点者に伝わりやすい。すなわち,OAのねじり,OAの曲げによるAの並進,ABの曲げである。せん断変形を無視する指定があるため, 型の項は入れない。
第2問 — 機械力学
方針
問1は過減衰なので,三角関数ではなく2つの実指数関数で解く。問3は対称系であり,同相・逆相に分けると連成方程式をほとんど解かずに固有振動数が出る。
検算
過減衰根はどちらも負でなければならない。, を満たすか確認すると符号ミスを発見できる。2自由度系では とすると となり,連結ばねが消えた極限と一致する。
典型ミス
衝突直後の加速度を0とする誤りがある。 でも なので,ダンパ力 が働き である。2自由度系では,逆相モードの連結ばね伸びを ではなく とする点が重要である。
試験で書くべきポイント
空欄形式でも, の順序を書いておくと の対数の符号が明確になる。選択問題は用語だけでなく一言の理由を添えると,記号の写し間違いを自分で確認できる。
第3問 — 熱力学
方針
選択肢問題でも,熱力学では絶対温度,符号規約,状態量か経路量かを区別すれば機械的に解ける。特にカルノー効率と冷凍機のCOPは摂氏をそのまま使わない。
検算
湿り蒸気の は と の間に入る必要がある。 は と の間にあり,乾き度0.60なので飽和蒸気側へ6割寄った値で自然である。冷凍機ではCOPが15と大きいので,外気温は室温より少し高い程度になる。 は差が で, と確認できる。
典型ミス
等温理想気体で を落とすと, と の関係を間違える。等エントロピー過程では「エントロピー一定」から直ちに とできるのは内部可逆が前提である。この前提を書かずに不可逆断熱まで含めると論理が崩れる。
試験で書くべきポイント
ブレイトンサイクルの -- 線図と -- 線図は,断熱過程が -- 図で鉛直になることを基準に選ぶ。図の細部よりも,4過程の名称を正しく並べることが得点の中心である。
第4問 — 流体力学
方針
ロータ問題は運動量理論の標準形である。遠方上流速度を0とし,ロータ面速度が下流誘導速度の半分になる関係を,運動量とエネルギーの両方から導く。血流問題は円管ポアズイユ流れであり,速度分布から流量と壁面せん断応力を順に求める。
検算
ロータ面積が小さくなると,同じ推力を出すには流速が増え,仕事率も増える。ドローンの合計面積はヘリコプタの 倍なので,速度比 は物理的に妥当である。ポアズイユ流れでは ,壁面せん断は なので, となる。
典型ミス
ロータの下流断面積をロータ面積と同じにしてしまうと になり,エネルギー式と矛盾する。血流では積分定数の 項を残すと中心で速度が発散するため,軸対称円管流として不適切である。
試験で書くべきポイント
分岐則は流量保存だけでは にならない。必ず「各枝の壁面せん断応力が等しい」という仮定を使い, が共通であることを明記する。