東京科学大学 院試 過去問 解答例
東京科学大 工学院 機械系 機械系 専門科目 2025年度 院試 解答例・解説
東京科学大学 工学院 機械系 機械系 専門科目 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 材料力学
方針
問2は「同じ変位」と「軸力のつり合い」を同時に使う問題である。温度ひずみを 引く形で機械ひずみを作ると,外力と加熱が重なっても符号が崩れにくい。
検算
問2(2)では外力がないため,断面積が等しい2本の応力和はゼロになる。答えの はこの条件を満たす。問2(3)では棒Bの応力がゼロになるが,これは 左向き外力による機械的な圧縮増分 が,熱拘束で生じた をちょうど打ち消すためである。
典型ミス
公称応力を変形後断面積で割ると真応力になり,本問の定義から外れる。はりでは を忘れると,応力もたわみも12倍ずれる。主せん断応力は であり,主応力の大きい方そのものではない。
試験で書くべきポイント
はりのたわみは最終式だけでなく,反力が各 であること,中央で傾きがゼロで あることを書くと部分点を取りやすい。棒の熱応力は,適合条件と力のつり合いの 2式を明示するのが最短で確実である。
第2問 — 機械力学
方針
加速度センサは基礎励振の標準形である。絶対変位 で立式してから 相対変位 に移ると,右辺に基礎加速度 が現れる。
検算
で相対変位の振幅比はほぼ となり小さい。 これは低周波でおもりが測定対象物にほぼ追従することを意味し,物理的に妥当である。
典型ミス
問3の楕円は ではなく, から である。 半軸長は剛性の固有値そのものではなく,その逆数になる。
試験で書くべきポイント
斜めばねの剛性は と書くと一行で導ける。 この形を示せば,対角項と非対角項の符号や三角関数を暗記に頼らず決められる。
第3問 — 熱力学
方針
熱力学の選択問題は,名前を覚えるより保存則から戻す方が確実である。閉じた系・ 開いた系・孤立系は「物質」と「エネルギー」を分けて判定する。理想気体のエントロピー式は と の2本から作る。
検算
自由膨張では断熱かつ外部仕事なしなので,理想気体なら温度が変わらない。体積が2倍で 温度一定なら から圧力は半分になる。エントロピー変化 は不可逆膨張 として正であり,第二法則とも整合する。
典型ミス
オットーサイクルの熱効率で を使うのは誤りである。加熱・冷却はいずれも等積なので 熱量は で評価する。冷凍サイクルでは膨張弁の前後を等エントロピーとしない。 絞り過程は通常 の等エンタルピー過程として扱う。
試験で書くべきポイント
選択肢だけでなく,根拠となる不変量を横に書くと見直しが容易になる。特に ,, は 複数の小問にまたがって使える。
第4問 — 流体力学
方針
問1はエネルギー保存と圧力管の読みを分けて考える。全圧管は静圧と動圧の和を水頭で 示し,静圧管は静圧だけを示す。損失がなければ全圧は一定,損失があれば下流側で 全圧が下がる。
検算
条件Cでは下流の動圧水頭が上流の になる。動圧は に比例するので速度は 倍である。流量一定なら断面積は2倍になり,答え は連続の式と整合する。
典型ミス
静圧管と全圧管の水位差 は負である。符号を落として とすると,断面積比が逆になる。液膜問題では重力の向きが 軸と逆なので, 方程式を と置くのが符号管理の要点である。
試験で書くべきポイント
液膜では境界条件を2つ書くことが重要である。自由表面ではせん断応力ゼロ, ベルト表面ではすべりなしで とする。この2条件を書けば速度分布, 平均速度,正の流れの条件まで一貫して導ける。