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東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 工学院 機械系 機械系 専門科目 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。力学3問・熱・統計力学1問。テーマタグは6件(固有値・固有ベクトル・伝達関数・はりの曲げ)。2024年度と共通のテーマははりの曲げ・固有振動数と振動系・ナビエ・ストークス方程式。

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収録5年度分の解答PDF:東京科学大学 工学院 機械系 機械系 専門科目(¥2,880・紙面見本あり)

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解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

東京科学大 機械系 専門科目 2025年度 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は力学3問・熱・統計力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問力学材料力学—あり
第2問力学機械力学—あり
第3問熱・統計力学熱力学—あり
第4問力学流体力学—あり

この年度の解説には検算4件・試験で書くべきポイント4件・典型ミス4件が付いています。

2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は3問に6テーマが出ています。

前年度(2024年度)との違い

大問数
2024年度 4問 → 2025年度 4問
2025年度で新しく出たテーマ
固有値・固有ベクトル・伝達関数・応力・ひずみ
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第1問 — 材料力学

方針

問2は「同じ変位」と「軸力のつり合い」を同時に使う問題である。温度ひずみを 引く形で機械ひずみを作ると,外力と加熱が重なっても符号が崩れにくい。

検算

問2(2)では外力がないため,断面積が等しい2本の応力和はゼロになる。答えの −160+160=0-160+160=0 はこの条件を満たす。問2(3)では棒Bの応力がゼロになるが,これは 左向き外力による機械的な圧縮増分 −160 MPa-160\ \mathrm{MPa} が,熱拘束で生じた +160 MPa+160\ \mathrm{MPa} をちょうど打ち消すためである。

典型ミス

公称応力を変形後断面積で割ると真応力になり,本問の定義から外れる。はりでは I=a4/12I=a^4/12 を忘れると,応力もたわみも12倍ずれる。主せん断応力は (σ1−σ2)/2(\sigma_1-\sigma_2)/2 であり,主応力の大きい方そのものではない。

試験で書くべきポイント

はりのたわみは最終式だけでなく,反力が各 PP であること,中央で傾きがゼロで あることを書くと部分点を取りやすい。棒の熱応力は,適合条件と力のつり合いの 2式を明示するのが最短で確実である。

解答

問1

公称応力と公称ひずみは初期断面積と初期標点間距離を基準に定義するので, σn=PA0,εn=L−L0L0 \sigma_{\mathrm{n}}=\frac{P}{A_0},\qquad \varepsilon_{\mathrm{n}}=\frac{L-L_0}{L_0} である。弾性比例域ではフックの法則が成り立ち,比例係数は縦弾性係数であるから, E=σnεn=PL0A0(L−L0) E=\frac{\sigma_{\mathrm{n}}}{\varepsilon_{\mathrm{n}}} =\frac{P L_0}{A_0(L-L_0)} である。除荷線は弾性域の直線と平行な直線で,図の選択肢では破線1である。 除荷後に残るひずみは永久ひずみである。

平面応力の主応力は σ1,2=σx+σy2±(σx−σy2)2+τxy2 \sigma_{1,2}=\frac{\sigma_x+\sigma_y}{2} \pm \sqrt{\left(\frac{\sigma_x-\sigma_y}{2}\right)^2+\tau_{xy}^2} より, 80+(−40)2=20,602+802=100. \frac{80+(-40)}{2}=20,\qquad \sqrt{60^2+80^2}=100. したがって σ1=120 MPa,σ2=−80 MPa,τmax⁡=100 MPa. \sigma_1=120\ \mathrm{MPa},\qquad \sigma_2=-80\ \mathrm{MPa},\qquad \tau_{\max}=100\ \mathrm{MPa}.

問2

2本の棒は同じ変位 δ\delta をもつ。引張を正として, σA=EA(δL−αAΔTA),σB=EB(δL−αBΔTB) \sigma_A=E_A\left(\frac{\delta}{L}-\alpha_A\Delta T_A\right),\qquad \sigma_B=E_B\left(\frac{\delta}{L}-\alpha_B\Delta T_B\right) を用いる。

(1) 外力 P=3.0 kNP=3.0\ \mathrm{kN} のときは温度変化がない。断面積を A=10 mm2A=10\ \mathrm{mm^2} とし, PA=σA+σB=(EA+EB)δL. \frac{P}{A}=\sigma_A+\sigma_B =\left(E_A+E_B\right)\frac{\delta}{L}. よって δ=3000(10000+20000)=0.10 mm, \delta=\frac{3000}{(10000+20000)}=0.10\ \mathrm{mm}, σA=100 MPa,σB=200 MPa. \sigma_A=100\ \mathrm{MPa},\qquad \sigma_B=200\ \mathrm{MPa}.

(2) 外力がなく,棒Aだけ ΔT=100 K\Delta T=100\ \mathrm{K} 加熱される。力のつり合いより σA+σB=0\sigma_A+\sigma_B=0,適合条件より σAEA+αAΔT=σBEB. \frac{\sigma_A}{E_A}+\alpha_A\Delta T =\frac{\sigma_B}{E_B}. したがって σA100000+24×10−6⋅100=−σA200000 \frac{\sigma_A}{100000}+24\times 10^{-6}\cdot 100 =-\frac{\sigma_A}{200000} より σA=−160 MPa,σB=160 MPa,δ=LσBEB=0.080 mm. \sigma_A=-160\ \mathrm{MPa},\qquad \sigma_B=160\ \mathrm{MPa},\qquad \delta=L\frac{\sigma_B}{E_B}=0.080\ \mathrm{mm}.

(3) 加熱状態のまま左向き Q=2.4 kNQ=2.4\ \mathrm{kN} を加えると σA+σB=−240010=−240 MPa, \sigma_A+\sigma_B=-\frac{2400}{10}=-240\ \mathrm{MPa}, σA100000+0.0024=σB200000. \frac{\sigma_A}{100000}+0.0024=\frac{\sigma_B}{200000}. これを解いて σA=−240 MPa,σB=0 MPa. \sigma_A=-240\ \mathrm{MPa},\qquad \sigma_B=0\ \mathrm{MPa}.

問3

対称性から支点反力は各 PP である。曲げモーメントは M(x)={Px,0≤x≤l,Pl,l≤x≤3l. M(x)= \begin{cases} Px, & 0\le x\le l,\\ Pl, & l\le x\le 3l. \end{cases} 正方形断面の断面二次モーメントは I=a4/12I=a^4/12 である。中央下面の応力は σ=M(a/2)I=Pl(a/2)a4/12=6Pla3, \sigma=\frac{M(a/2)}{I} =\frac{Pl(a/2)}{a^4/12} =\frac{6Pl}{a^3}, したがって ε=6PlEa3. \varepsilon=\frac{6Pl}{Ea^3}.

たわみは対称性を用いて半分だけ積分する。0≤x≤l0\le x\le l で EIw′′=PxEIw''=Px, l≤x≤2ll\le x\le 2l で EIw′′=PlEIw''=Pl とし,w(0)=0w(0)=0,中央で w′(2l)=0w'(2l)=0, 接続条件を課すと中央の下向きたわみは wF=11Pl36EI=22Pl3Ea4. w_F=\frac{11Pl^3}{6EI} =\frac{22Pl^3}{Ea^4}.

数値問題では ε=6PlEa3=6⋅125⋅20E⋅53=120E \varepsilon=\frac{6Pl}{Ea^3} =\frac{6\cdot 125\cdot 20}{E\cdot 5^3} =\frac{120}{E} であり,ε=0.0006\varepsilon=0.0006 から E=2.0×105 MPa=200 GPa. E=2.0\times 10^5\ \mathrm{MPa}=200\ \mathrm{GPa}. P=500 NP=500\ \mathrm{N} のときの中央下面応力は σf=6⋅500⋅2053=480 MPa. \sigma_f=\frac{6\cdot 500\cdot 20}{5^3} =480\ \mathrm{MPa}.

最終答

% 問1:① P/A0P/A_0,② (L−L0)/L0(L-L_0)/L_0,③ フック,④ 縦弾性係数,⑤ PL0/{A0(L−L0)}P L_0/\{A_0(L-L_0)\},⑥ 11,⑦ 永久ひずみ,⑧ 120120,⑨ −80-80,⑩ 100100。問2:⑪ 100100,⑫ 200200,⑬ 0.100.10,⑭ −160-160,⑮ 160160,⑯ 0.0800.080,⑰ −240-240,⑱ 00。問3:⑲ PxPx,⑳ PlPl,㉑ 6Pl/a36Pl/a^3,㉒ 6Pl/(Ea3)6Pl/(Ea^3),㉓ 22Pl3/(Ea4)22Pl^3/(Ea^4),㉔ 200200,㉕ 480480。

第2問 — 機械力学

方針

加速度センサは基礎励振の標準形である。絶対変位 xx で立式してから 相対変位 z=x−yz=x-y に移ると,右辺に基礎加速度 −my¨-m\ddot{y} が現れる。

検算

Ω→0\Omega\to 0 で相対変位の振幅比はほぼ Ω2/ωn2\Omega^2/\omega_n^2 となり小さい。 これは低周波でおもりが測定対象物にほぼ追従することを意味し,物理的に妥当である。

典型ミス

問3の楕円は ΔXTKΔX=1\Delta\boldsymbol{X}^{\mathsf{T}}\boldsymbol{K}\Delta\boldsymbol{X}=1 ではなく, ∥KΔX∥=1\|\boldsymbol{K}\Delta\boldsymbol{X}\|=1 から ΔXTKTKΔX=1\Delta\boldsymbol{X}^{\mathsf{T}}\boldsymbol{K}^{\mathsf{T}}\boldsymbol{K}\Delta\boldsymbol{X}=1 である。 半軸長は剛性の固有値そのものではなく,その逆数になる。

試験で書くべきポイント

斜めばねの剛性は keeTk\boldsymbol{e}\boldsymbol{e}^{\mathsf{T}} と書くと一行で導ける。 この形を示せば,対角項と非対角項の符号や三角関数を暗記に頼らず決められる。

機械力学の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 熱力学

方針

熱力学の選択問題は,名前を覚えるより保存則から戻す方が確実である。閉じた系・ 開いた系・孤立系は「物質」と「エネルギー」を分けて判定する。理想気体のエントロピー式は Tds=du+p dvTds=du+p\,dv と Tds=dh−v dpTds=dh-v\,dp の2本から作る。

検算

自由膨張では断熱かつ外部仕事なしなので,理想気体なら温度が変わらない。体積が2倍で 温度一定なら pV=RTpV=RT から圧力は半分になる。エントロピー変化 Rln⁡2>0R\ln2>0 は不可逆膨張 として正であり,第二法則とも整合する。

典型ミス

オットーサイクルの熱効率で cpc_p を使うのは誤りである。加熱・冷却はいずれも等積なので 熱量は cvΔTc_v\Delta T で評価する。冷凍サイクルでは膨張弁の前後を等エントロピーとしない。 絞り過程は通常 h3=h4h_3=h_4 の等エンタルピー過程として扱う。

試験で書くべきポイント

選択肢だけでなく,根拠となる不変量を横に書くと見直しが容易になる。特に pVκpV^\kappa,TVκ−1TV^{\kappa-1},Δs=cvln⁡(T2/T1)+Rln⁡(v2/v1)\Delta s=c_v\ln(T_2/T_1)+R\ln(v_2/v_1) は 複数の小問にまたがって使える。

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第4問 — 流体力学

方針

問1はエネルギー保存と圧力管の読みを分けて考える。全圧管は静圧と動圧の和を水頭で 示し,静圧管は静圧だけを示す。損失がなければ全圧は一定,損失があれば下流側で 全圧が下がる。

検算

条件Cでは下流の動圧水頭が上流の 1/41/4 になる。動圧は u2u^2 に比例するので速度は 1/21/2 倍である。流量一定なら断面積は2倍になり,答え S2=2S1S_2=2S_1 は連続の式と整合する。

典型ミス

静圧管と全圧管の水位差 ha−hbh_a-h_b は負である。符号を落として u2=2u1u_2=2u_1 とすると,断面積比が逆になる。液膜問題では重力の向きが yy 軸と逆なので, 方程式を 0=μv′′−ρg0=\mu v''-\rho g と置くのが符号管理の要点である。

試験で書くべきポイント

液膜では境界条件を2つ書くことが重要である。自由表面ではせん断応力ゼロ, ベルト表面ではすべりなしで v(0)=V0v(0)=V_0 とする。この2条件を書けば速度分布, 平均速度,正の流れの条件まで一貫して導ける。

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東京科学大 機械系 専門科目 院試 過去問の収録5年度