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京都大学 院試 過去問 解答例

京大 工学研究科 機械工学群 数学・機械力学・専門科目 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全9問)

全9問。微分積分・解析2問・線形代数1問。テーマタグは13件(ラグランジアン・固有値・固有ベクトル・重積分と極座標)。2024年度と共通のテーマはラグランジアン・伝達関数・剛体の回転運動。

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解説9問と大問1問の途中式・最終答(全9問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき9問)
問題本文
非収録

京大 数学・機械力学・専門科目 2025年度 院試 過去問の出題内容(全9問)

この9問の分野は微分積分・解析2問・線形代数1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問—平面自励系と極座標化途中式あり
第2問線形代数対称行列の固有分解途中式あり
第3問微分積分・解析フーリエ級数と交代級数途中式あり
第4問—円環の転がりと離脱条件途中式あり
第5問—連成振り子の微小振動途中式あり
第6問—平板層流境界層と吸込み境界層途中式あり
第7問—理想気体のエントロピーとサイクル途中式あり
第8問—曲りはりと平面応力途中式あり
第9問微分積分・解析伝達関数・反共振・安定判別途中式あり

この年度の解説には検算9件・試験で書くべきポイント9件・典型ミス9件が付いています。

2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は7問に13テーマが出ています。

テーマこの年度全体の出題実績他大学の直近出題
ラグランジアン第4・5問13大学・68問
固有値・固有ベクトル第2問25大学・544問
重積分と極座標第9問23大学・142問
伝達関数第9問12大学・113問
剛体の回転運動第4問16大学・103問
はりの曲げ第8問11大学・71問
RC回路の過渡応答第9問12大学・44問
ヒルベルト空間第2問12大学・33問
ラグランジュの未定乗数法第4問12大学・33問
フーリエ級数第3問11大学・30問
境界層第6問8大学・30問
ボード線図第9問8大学・23問
応力・ひずみ第8問6大学・14問

前年度(2024年度)との違い

大問数
2024年度 8問 → 2025年度 9問
2024年度のページを見る

第1問 — 平面自励系と極座標化

方針

この問題は,線形部が「回転と指数的拡大・縮小」,非線形部が「半径だけを調整する項」になっていることを見抜くと短い。x+iyx+iy を使う方法と極座標を使う方法は同じ構造を別の表示で見ているだけである。

途中式

r˙\dot r の計算では x(−ωy)+y(ωx)=0 x(-\omega y)+y(\omega x)=0 となるため,角速度の項は半径の変化に寄与しない。一方, xy˙−yx˙=ω(x2+y2) x\dot y-y\dot x=\omega(x^2+y^2) なので角速度は常に ω\omega で一定である。この2つの消去を書けると,極座標化の答案として十分に説得力が出る。

検算

線形化系では x2+y2=e2at(x02+y02) x^2+y^2=e^{2at}(x_0^2+y_0^2) となる。これは a=0a=0 で円運動になること,a<0a<0 で原点へ近づくことを同時に確認している。非線形系でも r=ar=\sqrt a を代入すると,a>0a>0 のとき r˙=0\dot r=0 となり,極限値と整合する。

典型ミス

θ˙\dot\theta の符号を逆にしやすい。点 (1,0)(1,0) で y˙=ω\dot y=\omega になるため,ω>0\omega>0 なら反時計回りである。また a=0a=0 の半径方程式は r˙=−r3\dot r=-r^3 であり,半径一定ではない。線形化系の a=0a=0 と非線形系の a=0a=0 を混同しないこと。

試験で書くべきポイント

線形化系では複素表示または消去計算のどちらかを明確に示す。非線形系では r˙=r(a−r2),θ˙=ω \dot r=r(a-r^2),\qquad \dot\theta=\omega をまず出し,その後に aa の符号ごとの軌跡を言葉で分類する。図を描く場合は,反時計回りの矢印と,a>0a>0 で近づく円軌道を必ず示す。

解答

1-1 線形化した系

非線形項を落とした系は,複素変数 z(t)=x(t)+iy(t) z(t)=x(t)+iy(t) を用いると z˙=(a+iω)z \dot z=(a+i\omega)z と書ける。したがって z(t)=(x0+iy0)e(a+iω)t z(t)=(x_0+iy_0)e^{(a+i\omega)t} であり,実部と虚部を比べて x(t)=eat{x0cos⁡ωt−y0sin⁡ωt}, x(t)=e^{at}\{x_0\cos\omega t-y_0\sin\omega t\}, y(t)=eat{x0sin⁡ωt+y0cos⁡ωt} y(t)=e^{at}\{x_0\sin\omega t+y_0\cos\omega t\} を得る。

また,線形化した第1式から y=ax−x˙ω y=\frac{a x-\dot x}{\omega} である。これを時間微分して第2式に代入すると ax˙−x¨ω=ωx+aax−x˙ω \frac{a\dot x-\ddot x}{\omega} =\omega x+a\frac{a x-\dot x}{\omega} となる。整理して x¨−2ax˙+(a2+ω2)x=0 \ddot x-2a\dot x+(a^2+\omega^2)x=0 が従う。

軌跡は原点まわりの回転を伴う。点 (1,0)(1,0) では速度の yy 成分が ω>0\omega>0 なので,回転方向は反時計回りである。半径は x(t)2+y(t)2=eatx02+y02 \sqrt{x(t)^2+y(t)^2}=e^{at}\sqrt{x_0^2+y_0^2} であるから,a>0a>0 では外向きらせん,a=0a=0 では円,a<0a<0 では原点へ向かう内向きらせんとなる。

1-2 非線形系の極座標表示

x=rcos⁡θ, y=rsin⁡θx=r\cos\theta,\ y=r\sin\theta とおく。半径方向と角度方向の式は r˙=xx˙+yy˙r,θ˙=xy˙−yx˙r2 \dot r=\frac{x\dot x+y\dot y}{r},\qquad \dot\theta=\frac{x\dot y-y\dot x}{r^2} から求める。与えられた系を代入すると交差項が消えて r˙=ar−r3=r(a−r2),θ˙=ω \dot r=ar-r^3=r(a-r^2),\qquad \dot\theta=\omega となる。よって θ(t)=ωt+θ0. \theta(t)=\omega t+\theta_0 .

半径の収束は r˙=r(a−r2)\dot r=r(a-r^2) の符号で判定できる。a>0a>0 では r=ar=\sqrt a が安定な半径で, 0<r<a⇒r˙>0,r>a⇒r˙<0 0<r<\sqrt a \Rightarrow \dot r>0,\qquad r>\sqrt a \Rightarrow \dot r<0 である。したがって lim⁡t→∞r(t)=a. \lim_{t\to\infty}r(t)=\sqrt a . a=0a=0 では r˙=−r3<0\dot r=-r^3<0,a<0a<0 では r˙<0\dot r<0 なので,いずれも lim⁡t→∞r(t)=0 \lim_{t\to\infty}r(t)=0 である。

さらに s=r−2s=r^{-2} とおくと s˙=−2r−3r˙=−2ar−2+2=−2as+2 \dot s=-2r^{-3}\dot r=-2a r^{-2}+2=-2as+2 となる。初期値 s(0)=r0−2s(0)=r_0^{-2} より, s(t)={(1r02−1a)e−2at+1a,a≠0,1r02+2t,a=0. s(t)= \begin{cases} \displaystyle \left(\frac{1}{r_0^2}-\frac{1}{a}\right)e^{-2at}+\frac{1}{a}, & a\ne 0,\\[1.2em] \displaystyle \frac{1}{r_0^2}+2t, & a=0. \end{cases} したがって r(t)={[(1r02−1a)e−2at+1a]−1/2,a≠0,r01+2r02t,a=0. r(t)= \begin{cases} \displaystyle \left[ \left(\frac{1}{r_0^2}-\frac{1}{a}\right)e^{-2at} +\frac{1}{a} \right]^{-1/2}, & a\ne0,\\[1.2em] \displaystyle \frac{r_0}{\sqrt{1+2r_0^2t}}, & a=0. \end{cases}

非線形系の軌跡も反時計回りである。a>0a>0 では半径 a\sqrt a の円軌道に近づく。初期半径が a\sqrt a より小さければ外向き,大きければ内向きに巻きながら近づく。a=0a=0 と a<0a<0 では原点へ巻き込む。

最終答

線形化系は z(t)=(x0+iy0)e(a+iω)tz(t)=(x_0+iy_0)e^{(a+i\omega)t},すなわち上記の x(t),y(t)x(t),y(t)。非線形系は r˙=r(a−r2), θ˙=ω\dot r=r(a-r^2),\ \dot\theta=\omega,θ=ωt+θ0\theta=\omega t+\theta_0,r(t)r(t) は上記の通り。a>0a>0 では半径 a\sqrt a の安定円軌道,a≤0a\le0 では原点へ収束する。

第2問 — 対称行列の固有分解

方針

成分計算で特性方程式を展開してもよいが,この行列は第2成分と第3成分の和・差を見るとほぼ対角化できる。対称行列なので,正規直交基底を作ってしまうのが最短で確実である。

途中式

重要なのは Ae=2e,Au=f,Af=u Ae=2e,\qquad Au=f,\qquad Af=u の3つである。ここから {u,f}\{u,f\} 上の行列は (0110) \begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix} と同じなので,固有値 1,−11,-1 とべき乗の奇偶が同時に分かる。

検算

n=1n=1 を奇数の場合の式に入れると元の AA に戻る。n=2n=2 を偶数の場合の式に入れると (1000523203252) \begin{pmatrix} 1&0&0\\ 0&\frac52&\frac32\\ 0&\frac32&\frac52 \end{pmatrix} となり,直接乗算した A2A^2 と一致する。

典型ミス

1/21/\sqrt2 の符号をそろえずに固有ベクトルを取ると,Au=fAu=f と Af=uAf=u の対応が崩れる。また AnA^n を nn の奇偶で分けずに書くと,−1-1 の固有値の寄与を落としやすい。

試験で書くべきポイント

固有値だけでなく,AnA^n に使う分解を答案中に残すこと。特に An=2nPe+Jn A^n=2^nP_e+J^n と書いてから行列表示へ戻すと,べき乗の根拠が明確になる。

対称行列の固有分解の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — フーリエ級数と交代級数

方針

最初の設問はフーリエ係数の直交性そのものを確認する問題である。後半は x2x^2 が偶関数であることを使い,余弦係数だけを計算する。

途中式

部分積分で境界項を落とす箇所が得点差になりやすい。特に sin⁡nπ=0,cos⁡nπ=(−1)n \sin n\pi=0,\qquad \cos n\pi=(-1)^n を使うため,最終的に ana_n に (−1)n(-1)^n が残る。

検算

x=πx=\pi で級数の値を考えると π2=π23+4∑n=1∞1n2 \pi^2=\frac{\pi^2}{3}+4\sum_{n=1}^{\infty}\frac1{n^2} となり,∑1/n2=π2/6\sum 1/n^2=\pi^2/6 と整合する。端点では周期延長後の左右極限が一致しているため,この確認が使える。

典型ミス

定数項を a0/2a_0/2 として級数に入れる規約であるため,a0=π2/3a_0=\pi^2/3 としてしまう誤りが多い。∫f\int f は πa0\pi a_0 であり,級数中の定数項は a0/2a_0/2 である。

試験で書くべきポイント

偶関数であることから bn=0b_n=0 と最初に宣言する。交代級数の値は x=0x=0 代入で出るので,フーリエ級数の結果と代入点を明記すれば十分である。

フーリエ級数と交代級数の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 円環の転がりと離脱条件

方針

転がり問題は,並進エネルギーと回転エネルギーを分け,最後に v=rφ˙v=r\dot\varphi 型の条件で結ぶのが基本である。離脱条件は「速度」ではなく「法線反力が 0」で決まる。

途中式

未定乗数法では,f1f_1 が法線方向,f2f_2 が接線方向の拘束を表す。したがって xNx+yNy=2λ1(R+r)2 xN_x+yN_y=2\lambda_1(R+r)^2 となり,離脱条件が λ1=0\lambda_1=0 に変換される。この一行が,未定乗数法を使う意味である。

検算

慣性モーメントが大きいほど同じ高さの落下で並進速度が小さくなる。離脱には v2=gyv^2=gy が必要なので,慣性モーメントが大きい薄い円環は低い位置まで進んでから離れる。円板の方が高い位置で離れるという結論はこの物理的見通しと一致する。

典型ミス

離脱条件を Nx=Ny=0N_x=N_y=0 と置くと,接線方向拘束まで同時に消してしまい,未定乗数の役割が見えなくなる。必要なのは法線成分 xdNx+ydNy x_dN_x+y_dN_y を 0 とすることである。

試験で書くべきポイント

エネルギー保存,円弧上の幾何拘束,転がり拘束,法線反力 0 の4点を順番に書く。最終式だけでなく v2=gyd,12mv2+12IAv2r2+mgyd=mg(R+r) v^2=gy_d,\qquad \frac12mv^2+\frac12I_A\frac{v^2}{r^2}+mgy_d=mg(R+r) を残すと,離脱高さの導出が追いやすい答案になる。

円環の転がりと離脱条件の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 連成振り子の微小振動

方針

2自由度・3自由度のどちらも,和と差の座標に分けると見通しがよい。ばねでつながれた系は同相・逆相,棒でつながれた系は下側2つの対称・反対称で分離する。

途中式

2-1 ではばね伸びを h(sin⁡θ2−sin⁡θ1) h(\sin\theta_2-\sin\theta_1) と書いてから2次近似へ進む。2-2 では速度の内積から 2l1l2θ˙1θ˙icos⁡(θ1−θi) 2l_1l_2\dot\theta_1\dot\theta_i\cos(\theta_1-\theta_i) が出る。この項を落とすと連成が消えてしまう。

検算

2-1 で k=0k=0 とおくと2つの固有角振動数はいずれも g/l\sqrt{g/l} となり,独立な同一振り子に戻る。2-2 で mm が十分小さい極限を取ると,θ1\theta_1 は長さ l1l_1 の単振り子になり,物理的にも自然である。

典型ミス

ばねの伸びを l(θ2−θ1)l(\theta_2-\theta_1) としてしまう誤りが多い。ばねが取り付く位置は質点ではなく支点から距離 hh の点である。また 2-2 の反対称モードでは θ2+θ3\theta_2+\theta_3 ではなく θ2−θ3\theta_2-\theta_3 が単独で振動する。

試験で書くべきポイント

エネルギー式,2次近似後のラグランジアン,運動方程式,固有モードの順に書く。固有角振動数だけを書くのではなく,同相・逆相,対称・反対称の運動の説明を添えると答案の完成度が上がる。

連成振り子の微小振動の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 平板層流境界層と吸込み境界層

方針

1-1 は境界層近似と運動量積分法を組み合わせる問題である。1-2 は十分下流で xx 方向に発達しきった流れとして扱うと,偏微分方程式が yy だけの常微分方程式になる。

途中式

速度分布を仮定した後は, θ=δ∫01(2η−η2)(1−2η+η2) dη=215δ \theta=\delta\int_0^1(2\eta-\eta^2)(1-2\eta+\eta^2)\,\mathrm{d}\eta =\frac{2}{15}\delta と τw=ρν2Uδ \tau_w=\rho\nu\frac{2U}{\delta} を別々に計算する。ここを混ぜると係数 3030 を落としやすい。

検算

δ=30νx/U\delta=\sqrt{30\nu x/U} は長さの次元を持つ。実際,νx/U\nu x/U は L2/T⋅LL/T=L2 \frac{L^2/T\cdot L}{L/T}=L^2 なので平方根で長さになる。吸込み境界層では y→∞y\to\infty で u→Uu\to U,y=0y=0 で u=0u=0 となり,境界条件も満たしている。

典型ミス

壁面せん断応力に動粘性係数 ν\nu だけを掛けてしまう誤りが多い。応力には粘性係数 μ=ρν\mu=\rho\nu を使う。また吸込み速度 −V0-V_0 の符号を逆にすると,指数関数が発散して外側境界条件を満たさない。

試験で書くべきポイント

境界層近似では,残す項と捨てる項の結果を明示する。運動量厚さの物理的意味は短くてもよいが,「主流の運動量欠損を等価厚さで表す」という要点を入れること。

平板層流境界層と吸込み境界層の途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — 理想気体のエントロピーとサイクル

方針

熱力学では,まずどの状態量を独立変数として見るかを固定する。理想気体のエントロピー変化は,T,pT,p 表示と T,vT,v 表示の2通りをすぐ切り替えられるようにしておく。

途中式

2-2 の仕事は w23=RT2ln⁡(v3/v1),w31=p1(v1−v3) w_{23}=RT_2\ln(v_3/v_1),\qquad w_{31}=p_1(v_1-v_3) と分けて書く。等圧過程 3→13\to1 は圧縮なので,この項が負になることを確認しながら進める。

検算

2-2 の全エントロピー変化は 0 になる。これは全過程が準静的で閉じたサイクルであることと一致する。2-3 の効率式も,T3−T2T_3-T_2 が投入熱,T4−T1T_4-T_1 が放熱に対応しているので,温度差の比だけで書ける。

典型ミス

h=u+pvh=u+pv の pvpv を p/vp/v と誤ると,後続の dh\mathrm{d}h がすべて崩れる。混合エントロピーでは,異種気体の混合なのでギブズのパラドックスの打消しは起きず,正の混合エントロピーが残る。

試験で書くべきポイント

空欄問題では,同じ記号の空欄が同じ答えになる指定を見落とさないこと。サイクル問題では,過程名を式に対応させてから熱量・仕事を書くと符号ミスを防げる。

理想気体のエントロピーとサイクルの途中式・最終答をPDFで見る

第8問 — 曲りはりと平面応力

方針

曲りはりは,軸力・せん断力による変形を無視する指定なので,曲げモーメント図だけで変位を求める。平面応力は,主方向条件から未知の σy\sigma_y を先に決めると後が一気に進む。

途中式

点 C の回転角は,仮想モーメントを置いて θC=∫MPMQEI ds \theta_C=\int \frac{M_P M_Q}{EI}\,\mathrm{d}s で求める。点 B の変位は点 B に仮想荷重を置く。荷重点と求めたい点が違うため,単純に ∂U/∂P\partial U/\partial P だけでは出ない。

検算

相反定理により,PP による点 C の回転角と,MM による点 C の xx 方向変位の係数は同じ 3L22EI \frac{3L^2}{2EI} になる。これは計算のよい検算である。応力問題では σx+σy=0\sigma_x+\sigma_y=0 なので体積ひずみが 0 になり,純粋な偏差応力的状態になっていることも確認できる。

典型ミス

ばね問題で F=kδ0F=k\delta_0 としてしまうと,点 C の移動でばね伸びが減る効果を落とす。正しくは F=k(δ0−δC)F=k(\delta_0-\delta_C) である。また,主応力角の式では 2θ2\theta を使うため,30∘30^\circ をそのまま正接に入れない。

試験で書くべきポイント

曲げモーメント分布を短く書いてからエネルギー積分へ進む。応力問題では,主応力の特徴を文章で3点挙げた後,主方向条件,主応力式,フックの法則,破壊条件の順に整理する。

曲りはりと平面応力の途中式・最終答をPDFで見る

第9問 — 伝達関数・反共振・安定判別

方針

4-1 は「初期値・最終値・オーバーシュート・高周波傾き」を見るだけで対応できる。4-2 はブロック線図を運動方程式に直してから消去する。4-3 は3次多項式なので Routh 判別が最短である。

途中式

4-2 の反共振は GX1(s)=s2+k2D(s) G_{X_1}(s)=\frac{s^2+k_2}{D(s)} の分子零点で決まる。s=jωs=j\omega として −ω2+k2=0-\omega^2+k_2=0 を見るだけでよい。分母も同時に 0 になるわけではなく,D=−k22D=-k_2^2 と有限に残る点を確認する。

検算

G4G_4 と G5G_5 は互いに逆に近い形をしており,高周波ゲインが 1/21/2 と 22 で反対になる。ステップ応答でも G4G_4 は初期値 1/21/2,G5G_5 は初期値 22 なので,図の選択と整合する。

典型ミス

ボード線図で高周波の傾きを見る前に,DC ゲインだけで選んでしまうと一次遅れと二次遅れを取り違える。Routh 判別では k<0k<0 の場合も忘れやすい。問題では k≠0k\ne0 であり,正とは限らない。

試験で書くべきポイント

選択問題でも,対応だけでなく選択理由を短く添える。特に不安定極の個数は Routh 表の第1列の符号変化として示すと,条件分けの根拠が明確になる。

伝達関数・反共振・安定判別の途中式・最終答をPDFで見る

京大 数学・機械力学・専門科目 院試 過去問の収録3年度

  • 2026年度(全8問)

    最小二乗法と制約付き最小化 / 留数定理と半円積分 / 段差を上がる剛体球

  • 2025年度(このページ・全9問)

    平面自励系と極座標化 / 対称行列の固有分解 / フーリエ級数と交代級数

  • 2024年度(全8問)

    数学1:定数係数微分方程式 / 数学2:ベクトル場と楕円上の反射 / 機械力学1:中心力場と軌道脱出