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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目A 2026年度 院試 解答例・解説

東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目A 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全7問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 円板上の重積分

方針

最小値の切り替わりは x2+y2=1x^2+y^2=1 で起こる。積分領域は半径 3\sqrt3 の円板なので,内側の円板と外側の環に分けると角度積分が一気に簡単になる。

検算

内側の寄与は π/16\pi/16,外側の寄与は π/64\pi/64 である。外側では 2r22-r^2 が途中で符号を変えるため,単純に正の量だけを積分しているわけではない点に注意する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 像と核の直和分解

方針

直和条件は,単に次元が合うだけでは不十分である。まず dimImA+dimkerB=4\dim\operatorname{Im}A+\dim\ker B=4 から a=2a=2 を強制し,その後で ImAkerB={0}\operatorname{Im}A\cap\ker B=\{0\} を確認する。

落としやすい点

kerB\ker B の次元は bb に依存しない。BB の行に一次関係が多いため階数が常に 22 であることを先に見抜くと,場合分けが大幅に減る。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — べき級数とタウバー型定理

方針

これは Abel 極限から通常の級数和を戻すタウバー型の議論である。仮定 kck0k c_k\to0 は,境界 x1x\to1 に近づけるときの誤差を制御するために使う。

検算

xn=11/nx_n=1-1/n を選ぶと,前半の誤差は Cesàro 平均になり,後半の誤差は xnk/k\sum x_n^k/k で抑えられる。この二つが同時に消えることが証明の核心である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — Euler作用素と多項式性

方針

D=zddzD=z\frac{d}{dz} は単項式 zkz^k に対して D(zk)=kzkD(z^k)=kz^k と作用する。つまり単項式基底では対角作用素であり,有限次元性は Taylor 係数の添字 kk を有限個に制限する条件になる。

注意

通常の微分作用素 ddz\frac{d}{dz} だけなら指数関数が反例になる。ここでは Euler 作用素 zddzz\frac{d}{dz} であることが本質である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

5 — Lotka--Volterra型方程式

方針

この系では保存量 FF を見つけることが中心である。保存量のレベル集合が軌道を閉じ込め,平衡点 (3,2)(3,2) と初期点のエネルギー差が極限非存在の証明に効く。

採点上の注意

極限非存在を示す部分では,「保存量が一定だから振動する」とだけ書くと不十分である。極限が存在すれば自律系の平衡点にならざるを得ない,という一段を明示すると答案として堅い。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

6 — Fourier積分と正定値行列

方針

ese^{-|s|}(x2+1)1(x^2+1)^{-1} の Fourier 変換として表せる。正定値性は,二次形式を非負重み付きの絶対値二乗積分に変形することで示す。

検算

t=0t=0 の値が π\pi になること,また tt の符号で閉じる半平面を変えることが符号ミス防止に有効である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

7 — コンパクト性とファイバーの濃度

方針

第一問はコンパクト性で点列を収束させるだけでよい。第二問は「ファイバーの点が突然増えるなら,極限で二点が衝突する」ことを使い,局所単射性に反することを示す。

採点上の注意

第二問では Xn+1X^{n+1} のコンパクト性を使って,n+1n+1 個の点を同時に収束させるのが重要である。一点ずつ部分列を取るだけでは,衝突を確実に取り出す議論が弱くなる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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