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東大 新領域創成科学研究科 物質系専攻 専門科目 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(解説10項目)

解説10項目の分野は熱・統計力学1項目、物性物理1項目、力学1項目です。結晶構造、RC回路の過渡応答、状態図・相変態などが出ています。2024年度と共通するテーマは結晶構造、RC回路の過渡応答、状態図・相変態です。解説は1問、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。PDFの収録範囲は商品ページで確認できます。問題本文は含みません。

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第1問 — 斜面上の剛体運動と慣性モーメント

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第2問 — 導体球殻と誘電体の分極・放電・鏡像法

導体球殻と誘電体の分極・放電・鏡像法の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 引力デルタ関数による束縛状態と二つの井戸

引力デルタ関数による束縛状態と二つの井戸の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 自由エネルギーから求める熱機関の効率と不可逆性

自由エネルギーから求める熱機関の効率と不可逆性の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 水の相平衡・潜熱と氷の残余エントロピー

水の相平衡・潜熱と氷の残余エントロピーの途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 結合の電子状態・結晶場と機能性結晶の幾何

結合の電子状態・結晶場と機能性結晶の幾何の途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — 光物性・結晶・酵素反応と分子系の統計力学

光物性・結晶・酵素反応と分子系の統計力学の途中式・最終答をPDFで見る

第8問 — 気相平衡・正則溶体と三元系の相領域

気相平衡・正則溶体と三元系の相領域の途中式・最終答をPDFで見る

第9問 — 炭素鋼の変態・理想せん断強度と転位の熱活性

炭素鋼の変態・理想せん断強度と転位の熱活性の途中式・最終答をPDFで見る

第10問 — 半導体のドナー・少数キャリアの生成再結合と拡散

(1) Si が置換する格子サイト

ドナーは、イオン化すると正に帯電し、移動できる電子を供給する不純物である。 浅いドナー準位のエネルギーを EDE_D、伝導帯下端を ECE_C とすれば、電子を解放するのに必要なエネルギーは EC−ED>0E_C-E_D>0 で、バンドギャップより小さい。 Ga サイト上の Si は、GaAs の結合に必要な電子を数えたときに1電子を余分に持ち、このドナーとしての性質を示す。

同じ Si でも As サイトに入れば、5価の As に比べて価電子が1個少なくなり、アクセプターとして働き得る。 このように化合物半導体では、元素名だけでなく占有するサイトによって役割が変わる。 Si が4価だから常にドナーである、とすると As 置換の場合を説明できない。 逆に GaAs の電子濃度を増やしたいのに As サイトを選ぶと、余分な電子を作るという電子数の収支と逆になる。

(2a-i) 元素 X の濃度を半分にした場合

電荷中性の条件は、正のイオン化ドナー濃度を ND+N_D^+ として n=p+ND+ n=p+N_D^+ である。n 型の不純物領域では p≪np\ll n、また完全イオン化なら ND+≃NDN_D^+\simeq N_D なので、平坦部の高さがドナー数を表す。 図1(II)で C と D はともに低い平坦部へ近づくが、C の方が早く立ち上がる。 X の準位は Y より伝導帯に近いので、同じ X の低濃度試料には C が対応する。

低温の凍結領域では、イオン化率自身がフェルミ準位とドナー濃度に依存する。 従って濃度を半分にした試料の全曲線を、A の縦座標をどの温度でも厳密に半分にして得るわけではない。 ここで確実に比較するのは、不純物領域の飽和値と、準位の浅深による立ち上がりである。 平坦部の高さだけを見て D を選ぶと、X と Y のイオン化エネルギーの違いを取り違える。

(2a-ii) 同じ濃度で元素 Y を用いた場合

伝導帯に励起された電子の占有数は、非縮退近似では n=NCexp⁡ ⁣(−EC−EFkBT) n=N_C\exp\!\left(-\frac{E_C-E_F}{k_{\mathrm B}T}\right) で表される。NCN_C は伝導帯の有効状態密度、EFE_F はフェルミ準位である。 ドナーに束縛された電子を解放するには正のエネルギー EC−EDE_C-E_D が要り、準位が深いほど凍結が残りやすい。 ドナーの占有の縮退度を表す正の係数を gDg_D とする。単一の準位なら ND+=ND1+gDexp⁡[(EF−ED)/(kBT)]. N_D^+=\frac{N_D}{1+g_D\exp[(E_F-E_D)/(k_{\mathrm B}T)]}. 大部分が中性に残る凍結領域では分母の1を無視でき、n≃ND+n\simeq N_D^+ と電子の式を掛けて n2≃NDNCgDexp⁡ ⁣(−EC−EDkBT) n^2\simeq\frac{N_DN_C}{g_D}\exp\!\left(-\frac{E_C-E_D}{k_{\mathrm B}T}\right) となる。正の平方根を取ると、電子濃度に exp⁡[−(EC−ED)/(2kBT)]\exp[-(E_C-E_D)/(2k_{\mathrm B}T)] の活性化因子が現れる。 係数や占有の縮退度が違っても、深い準位ほどイオン化しにくいという比較は変わらない。

準位の縦位置が低いことを、電子が伝導帯へ移るためのエネルギーが小さいことと逆に読まない。 比較する距離は ED−EVE_D-E_V ではなく EC−EDE_C-E_D である。 また Y が深いから最終的な電子数も必ず少ない、とすると、同じ数のドナーが完全にイオン化したときの電荷中性を満たさない。

(2b) 高温で電子濃度が一致する理由

熱平衡かつ非縮退の電子・ホールについて np=ni2,ni=NCNVexp⁡ ⁣(−Eg2kBT) np=n_i^2,\qquad n_i=\sqrt{N_C N_V}\exp\!\left(-\frac{E_g}{2k_{\mathrm B}T}\right) が成り立つ。NC,NVN_C,N_V はそれぞれ伝導帯・価電子帯の有効状態密度、EgE_g はバンドギャップである。 電子の分布と、ホールの p=NVexp⁡[−(EF−EV)/(kBT)]p=N_V\exp[-(E_F-E_V)/(k_{\mathrm B}T)] を掛けると EFE_F が消え、EC−EV=EgE_C-E_V=E_g だけが残るためである。 完全イオン化したドナーだけがあるなら n−p=NDn-p=N_D と合わせて n=ND+ND2+4ni22 n=\frac{N_D+\sqrt{N_D^2+4n_i^2}}2 を得る。ni/ND→∞n_i/N_D\to\infty で n/ni→1n/n_i\to1 となり、図の合流を確かめられる。

これは母体が共通で、図が扱う温度で同じバンド構造を持つ場合の議論である。 異なる半導体の電子濃度まで同じになるという意味ではない。 また「高温ならドナーが全てイオン化する」だけでは、濃度の違う試料の平坦部が一つに合流する理由にならない。 完全イオン化の後に、真性励起の数が優勢になる段階が必要である。

(3a) 暗状態の熱生成と再結合

電子1個とホール1個が対になって失われる二体の再結合を、濃度の積に比例する反応として近似した式が R=βnpR=\beta np である。 均一で流入・流出がない領域なら、ホールの収支は dp/dt=G−Rdp/dt=G-R となる。 暗状態の平衡条件 dp/dt=0dp/dt=0 により、上式の生成と再結合が釣り合う。

濃度の単位を m−3\mathrm{m^{-3}} とすれば、GG と RR は m−3s−1\mathrm{m^{-3}s^{-1}}、β\beta は m3s−1\mathrm{m^3s^{-1}} である。 右辺の次元も生成速度に一致する。 熱平衡でも生成と再結合がそれぞれゼロになるのではなく、両者が同じ正の速度で進む。 Gth=0G_{\mathrm{th}}=0 と置くと n0p0>0n_0p_0>0 の暗状態が時間とともに減少し、与えられた平衡を保てない。

(3b) 光照射中の定常状態

定常状態は、濃度の時間微分がゼロであることを意味する。 光照射で外部からエネルギーを供給し続けているため、熱平衡と同じ状態ではない。 従って平衡の質量作用則 np=ni2np=n_i^2 を光照射後へそのまま課さず、生成速度と実際の再結合速度を釣り合わせる。 積を展開すると暗状態の項 βn0p0\beta n_0p_0 と、光で増えた再結合の三つの項に分かれる。

生成された電子とホールは、もともと存在した反対符号のキャリアとも再結合する。 そのため GL=βΔnΔpG_L=\beta\Delta n\Delta p だけと書くと、n0Δpn_0\Delta p と p0Δnp_0\Delta n を落とす。 n 型の低注入では、むしろ n0Δpn_0\Delta p が主要な項になる。 光をゼロにして Δn=Δp=0\Delta n=\Delta p=0 とすれば、前問の暗状態の式へ戻ることも確認できる。

(3c) 低注入での過剰ホール濃度

少数キャリアのホールから見れば、多数キャリアの電子はほぼ一定濃度 n0n_0 の相手として存在する。 そのためホールの過剰分の再結合速度は、二体反応を線形化した βn0Δp\beta n_0\Delta p になる。 τp\tau_p は過剰ホールが減る時定数であり、[βn0]=s−1[\beta n_0]=\mathrm{s^{-1}} から時間の単位を持つ。 GLτpG_L\tau_p も濃度の次元になる。

近似の大きさを確認するには、Δ=Δn=Δp\Delta=\Delta n=\Delta p とした元の式 GL=β{(n0+p0)Δ+Δ2} G_L=\beta\{(n_0+p_0)\Delta+\Delta^2\} へ戻る。捨てた項の主要項に対する比は p0/n0p_0/n_0 と Δ/n0\Delta/n_0 である。 光が強く Δ\Delta が n0n_0 と同程度になれば、二次項を捨てることはできない。 「少数キャリアだから p0+Δpp_0+\Delta p を全てゼロと置く」とすると、調べるべきホール自身までなくなり、生成との収支を作れない。

(3d-i) 光を切った後の収支方程式

再結合で失われるのは総ホール数であるが、暗状態にも同じだけ補う熱生成がある。 二つの差を取ると、減っていくのは平衡からの過剰分 p−p0p-p_0 になる。 δp=p−p0\delta p=p-p_0 と置けば、p0p_0 は温度一定の平衡値なので dδp/dt=dp/dtd\delta p/dt=dp/dt であり、一次の緩和方程式 dδp/dt=−δp/τpd\delta p/dt=-\delta p/\tau_p となる。

p>p0p>p_0 なら右辺は負で濃度は減少し、p=p0p=p_0 ならゼロになるため、図2の向きと終点に合う。 dp/dt=−βn0pdp/dt=-\beta n_0p と書く誤りでは、暗状態の熱生成を落としてしまい、最終的に p=0p=0 へ向かう。 また βp0\beta p_0 を緩和率にすると、少数のホールが再結合する相手が多数の電子であることを取り違える。

(3d-ii) 初期値を満たす時間依存性

積分定数は光を切った時点の過剰濃度で決まり、平衡濃度を掛けるわけではない。 得られた式を微分すると dp/dt=−GLexp⁡(−βn0t)dp/dt=-G_L\exp(-\beta n_0t) となり、−βn0(p−p0)-\beta n_0(p-p_0) に一致する。 初期の傾きは −GL-G_L である。直前まで補われていた光生成を突然なくした分だけ、最初は再結合が上回ることを表す。 また t=0t=0 と t→∞t\to\infty で、それぞれ照射中の濃度と暗状態の濃度へ正しくつながる。

指数は無次元でなければならず、exp⁡[−t/(βn0)]\exp[-t/(\beta n_0)] とすると時間同士を掛けた次元になり正しくない。 時定数で書くなら exp⁡(−t/τp)\exp(-t/\tau_p) である。 光を切った瞬間に濃度まで p0p_0 へ飛ばすこともできない。生成速度は不連続に変えられても、既に存在する有限数のキャリアがゼロ時間で全て失われるわけではない。

(3e-i) 微小区間の流入・流出と再結合

流束 FF の単位は m−2s−1\mathrm{m^{-2}s^{-1}}、体積当たりの生成・再結合速度に Δx\Delta x を掛けた項も同じ単位である。 Δx→0\Delta x\to0 で流束の差を微分へ直し、Gth=βn0p0G_{\mathrm{th}}=\beta n_0p_0 を使った。 原題の拡散だけの模型では、濃度の高い側から低い側へ流れる Fick の法則 F=−Ddpdx,D>0 F=-D\frac{dp}{dx},\qquad D>0 が成り立つ。一定の DD を用いて代入すれば Dd2pdx2=βn0(p−p0) D\frac{d^2p}{dx^2}=\beta n_0(p-p_0) を得る。

表面付近では pp が高く、奥へ行くほど低いので dp/dx<0dp/dx<0、流束 F>0F>0 と図3の向きに合う。 同時に p>p0p>p_0 の場所で dF/dx<0dF/dx<0 となり、奥へ向かう流れが再結合で減る。 流入と流出の順を逆にすると、この二つの向きを同時に満たせない。 また損失を βn0p\beta n_0p だけとすると、十分遠方の p=p0p=p_0 でも正の損失を残し、定常状態を保つ暗熱生成を落とす。

(3e-ii) 境界条件と拡散長

[D]=m2s−1[D]=\mathrm{m^2s^{-1}} と [τp]=s[\tau_p]=\mathrm s から LpL_p は長さ、aa は濃度、bb は長さの逆数である。 x=Lpx=L_p で過剰分が表面の e−1e^{-1} 倍になる。拡散が強いほど遠くまで運ばれ、再結合が速いほど近くで失われることも式から読める。 bb の正の根を選ぶと、奥へ行くほど濃度が発散し、表面だけが生成源である条件に反する。 表面の一つの値だけで二根のうち一方を捨てたのではなく、長い試料の奥の条件も用いている。

収支を全試料で確かめると F(0)=DaLp,∫0∞βn0{p(x)−p0} dx=βn0aLp=DaLp F(0)=\frac{Da}{L_p},\qquad \int_0^\infty\beta n_0\{p(x)-p_0\}\,dx =\beta n_0aL_p=\frac{Da}{L_p} となり、表面から入る過剰ホールが内部の正味の再結合をちょうど補う。 Lp=DτpL_p=D\tau_p とすると次元が面積になり、この積分の流束との一致も失われる。

解答

(1) Si が置換する格子サイト

Ga は3価、As は5価の元素であり、GaAs は平均4個の価電子を持つ共有結合を基本とする。 4価の Si が Ga の位置を占めれば、置換前に比べて価電子を1個多く供給できる。

(2a-i) 元素 X の濃度を半分にした場合

同じ X を使うので、ドナー準位の深さは変わらない。 ドナーがほぼ全てイオン化し、真性励起がまだ支配しない温度では、各ドナーが1個ずつ電子を供給する。 補償を無視できる本問では n≃NDn\simeq N_D であり、濃度を半分にすればこの平坦部も半分になる。

(2a-ii) 同じ濃度で元素 Y を用いた場合

図1(I)では Y のドナー準位は X より低い位置にあり、EC−ED,Y>EC−ED,XE_C-E_{D,Y}>E_C-E_{D,X} である。 同じ程度にイオン化するには Y の方が高い温度を必要とする。 一方、ドナー濃度は NDN_D のままなので、完全イオン化後の平坦部の高さは A と同じである。

(2b) 高温で電子濃度が一致する理由

十分高温では、価電子帯から伝導帯への真性励起で生じる電子・ホール対がドナーの数を大きく上回る。 同じ母体半導体なら、バンドギャップと状態密度で決まる真性キャリア濃度も共通である。

(3a) 暗状態の熱生成と再結合

熱平衡では濃度が時間変化しないため、単位体積・単位時間当たりの熱生成 GthG_{\mathrm{th}} と再結合 R0R_0 が等しい。 原題の再結合則 R=βnpR=\beta np に暗状態の濃度を代入する。

(3b) 光照射中の定常状態

光を当てると生成は Gth+GLG_{\mathrm{th}}+G_L になり、再結合に入る濃度は平衡値に過剰分を加えた値となる。

(3c) 低注入での過剰ホール濃度

n 型なので p0≪n0p_0\ll n_0 とし、光で生じる過剰濃度も Δn,Δp≪n0\Delta n,\Delta p\ll n_0 とする。 一対ずつの生成・再結合と、均一な内部の電荷中性を用いれば Δn=Δp\Delta n=\Delta p である。 前問の式では p0Δnp_0\Delta n と ΔnΔp\Delta n\Delta p が n0Δpn_0\Delta p より小さいので GL≃βn0Δp. G_L\simeq\beta n_0\Delta p.

(3d-i) 光を切った後の収支方程式

t>0t>0 では光による生成だけがなくなり、熱生成は残る。 空間的に均一なので流れの発散はなく、低注入近似 n≃n0n\simeq n_0 を使って dpdt=Gth−βnp≃βn0p0−βn0p. \frac{dp}{dt}=G_{\mathrm{th}}-\beta np \simeq\beta n_0p_0-\beta n_0p.

(3d-ii) 初期値を満たす時間依存性

前問を変数分離して積分すると ln⁡p(t)−p0p(0)−p0=−βn0t. \ln\frac{p(t)-p_0}{p(0)-p_0}=-\beta n_0t. 光を切る直前は照射中の定常状態なので、濃度は連続に p(0)−p0=GL/(βn0)p(0)-p_0=G_L/(\beta n_0) を満たす。

(3e-i) 微小区間の流入・流出と再結合

断面積を1として、区間 [x,x+Δx][x,x+\Delta x] のホール数を数える。 流入は F(x)F(x)、流出は F(x+Δx)F(x+\Delta x) であり、内部には光生成がないが熱生成はある。

(3e-ii) 境界条件と拡散長

q(x)=p(x)−p0q(x)=p(x)-p_0 と置けば q′′=βn0Dq=qLp2,Lp=Dβn0=Dτp. q''=\frac{\beta n_0}{D}q=\frac{q}{L_p^2}, \qquad L_p=\sqrt{\frac{D}{\beta n_0}}=\sqrt{D\tau_p}. 特性方程式の二根は ±1/Lp\pm1/L_p なので、一般解は q=C+ex/Lp+C−e−x/Lpq=C_+e^{x/L_p}+C_-e^{-x/L_p} である。 試料が十分長く、奥で平衡値へ戻る条件から増加する根を除き、表面条件で係数を決める。

最終答

(1) Si が置換する格子サイト

n 型のドナーとして働く Si は、主に Ga の格子サイトを置換する。Ga より価電子が1個多く、電子を伝導帯へ供給するドナー準位を作るためである。

(2a-i) 元素 X の濃度を半分にした場合

曲線 C。A より低い平坦部を持ち、深い準位の曲線 D より低温から電子が増える曲線を選ぶ。

(2a-ii) 同じ濃度で元素 Y を用いた場合

曲線 B。A と同じ平坦部へ達するが、その立ち上がりが高温側に移る。

(2b) 高温で電子濃度が一致する理由

ni≫NDn_i\gg N_D の真性領域では n≃p≃nin\simeq p\simeq n_i となり、ドナーの種類や濃度の寄与が相対的に小さくなるためである。

(3a) 暗状態の熱生成と再結合

Gth=βn0p0G_{\mathrm{th}}=\beta n_0p_0。

(3b) 光照射中の定常状態

Gth+GL=β(n0+Δn)(p0+Δp). G_{\mathrm{th}}+G_L =\beta(n_0+\Delta n)(p_0+\Delta p). 暗状態の式を差し引けば GL=β(n0Δp+p0Δn+ΔnΔp)G_L=\beta(n_0\Delta p+p_0\Delta n+\Delta n\Delta p)。

(3c) 低注入での過剰ホール濃度

Δp≃GLβn0=GLτp,τp=1βn0. \Delta p\simeq\frac{G_L}{\beta n_0}=G_L\tau_p, \qquad \tau_p=\frac1{\beta n_0}.

(3d-i) 光を切った後の収支方程式

dpdt≃−βn0(p−p0)=−p−p0τp. \frac{dp}{dt}\simeq-\beta n_0(p-p_0) =-\frac{p-p_0}{\tau_p}.

(3d-ii) 初期値を満たす時間依存性

p(t)=p0+GLβn0exp⁡(−βn0t),t≥0. p(t)=p_0+\frac{G_L}{\beta n_0}\exp(-\beta n_0t),\qquad t\ge0.

(3e-i) 微小区間の流入・流出と再結合

0=F(x)−F(x+Δx)+{Gth−βn0p(x)}Δx. 0=F(x)-F(x+\Delta x) +\{G_{\mathrm{th}}-\beta n_0p(x)\}\Delta x. 従って dFdx=−βn0(p−p0)\displaystyle\frac{dF}{dx}=-\beta n_0(p-p_0)。

(3e-ii) 境界条件と拡散長

p(x)=p0+GLβn0exp⁡ ⁣(−βn0D x). p(x)=p_0+\frac{G_L}{\beta n_0} \exp\!\left(-\sqrt{\frac{\beta n_0}{D}}\,x\right). 原題の p(x)=aexp⁡(bx)+p0p(x)=a\exp(bx)+p_0 では a=GLβn0\displaystyle a=\frac{G_L}{\beta n_0}、 b=−βn0D\displaystyle b=-\sqrt{\frac{\beta n_0}{D}}。

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2025年度の出題内容

解説10項目

この10問の分野は熱・統計力学1問・物性物理1問・力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問力学斜面上の剛体運動と慣性モーメント—あり
第2問—導体球殻と誘電体の分極・放電・鏡像法—あり
第3問—引力デルタ関数による束縛状態と二つの井戸—あり
第4問—自由エネルギーから求める熱機関の効率と不可逆性—あり
第5問—水の相平衡・潜熱と氷の残余エントロピー—あり
第6問—結合の電子状態・結晶場と機能性結晶の幾何—あり
第7問熱・統計力学光物性・結晶・酵素反応と分子系の統計力学—あり
第8問—気相平衡・正則溶体と三元系の相領域—あり
第9問—炭素鋼の変態・理想せん断強度と転位の熱活性—あり
第10問物性物理半導体のドナー・少数キャリアの生成再結合と拡散—あり

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大問数
2024年度 10問 → 2025年度 10問
2025年度で新しく出たテーマ
剛体の回転運動・バンド理論
2024年度の解答例

東京大学の公式過去問

公開年度範囲
2022〜2026年度(入学年度・直近5回)
公式の解答例
解答例の掲載なし
院試hubの最終確認
2026-10-23
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