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名古屋工業大学 院試 過去問 解答例

名工大 工学研究科 情報工学系 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全6問)

全6問。情報2問。テーマタグは7件(固有値・固有ベクトル・留数定理・正規表現・形式言語)。2024年度と共通のテーマは留数定理・正規表現・形式言語。

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解説6問と大問1問の途中式・最終答(全6問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき6問)
問題本文
非収録

名工大 情報工学系 2025年度 院試 過去問の出題内容(全6問)

この6問の分野は情報2問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問情報計算機ソフトウェア—あり
第2問情報計算機ハードウェア—あり
第3問—情報数学—あり
第4問—微分積分・線形代数—あり
第5問—数理科学1—あり
第6問—数理科学2—あり

この年度の解説には採点の置き所6件・典型ミス4件・検算2件が付いています。

2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は4問に7テーマが出ています。

前年度(2024年度)との違い

大問数
2024年度 6問 → 2025年度 6問
両年度に出たテーマ
留数定理・正規表現・形式言語
2024年度のページを見る

第1問 — 計算機ソフトウェア

ソートの判定では、最悪計算量と平均計算量を混同しない。特にクイックソートは実用上高速でも、基準値選択が悪ければ2乗時間になる。

非決定性オートマトンは、最終的に受理状態へ移るタイミングが入力末尾に限られるかを見る。ここでは最後の2文字を覚えるDFAにすればよい。

採点の置き所

ソートでは、アルゴリズム名だけでなく途中列のどの特徴で判断したかを書く。マージソートの空欄は、再帰呼出し、併合条件、代入と添字更新を対応させると部分点が取りやすい。

典型ミス

NFA からDFAへ直すとき、受理状態を「末尾が abab」の状態にする必要がある。途中に abab が現れた状態を受理に固定すると、末尾条件ではなく部分文字列条件になってしまう。

計算機ソフトウェアの途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — 計算機ハードウェア

T-FF は「次状態で反転するか」を表すので、T=Q⊕QnT=Q\oplus Q^n として表を埋める。未使用状態を don't care にすることで T0,T2T_0,T_2 が大きく簡単になる。

パイプライン依存では、同じレジスタ名が出てきても、読む側か書く側かで種類が変わる。レジスタ名変更で消えるのは逆依存と出力依存で、真のデータ依存は消えない。

採点の置き所

補数表現では、変換前の10進値、ビット列、最終的な16進表記を順に示すと読み手が追いやすい。パイプラインでは、フロー依存、逆依存、出力依存を具体的な命令番号とレジスタ名で書くことが採点上重要である。

典型ミス

T-FF の入力を次状態そのものと誤解すると、T=1T=1 の意味を取り違える。ILP では「同じレジスタ名を使っている」だけで依存と決めず、読み書きの順序を確認する。

解答

I. 数値表現

8ビット2の補数として 011010112=107,100101002=−108. 01101011_2=107,\qquad 10010100_2=-108. −5=111110112,−19=111011012. -5=11111011_2,\qquad -19=11101101_2. 4桁10の補数では −99↦9901,−365↦9635. -99\mapsto 9901,\qquad -365\mapsto 9635. 12ビット2の補数演算として 0100 1110 10112−1101 1010 11012=0111 0011 11102=73E16. 0100\,1110\,1011_2-1101\,1010\,1101_2 =0111\,0011\,1110_2=73E_{16}.

II. 10進風カウンタ

5進部の有効状態を 000,001,010,011,100000,001,010,011,100 とし、T-FF の入力は Q2Q1Q0Q2nQ1nQ0nT2T1T0000001001001010011010011001011100111100000100 \begin{array}{c|c|c} Q_2Q_1Q_0&Q_2^nQ_1^nQ_0^n&T_2T_1T_0\\\hline 000&001&001\\ 001&010&011\\ 010&011&001\\ 011&100&111\\ 100&000&100 \end{array} である。未使用状態を don't care として簡単化すると T0=Q2‾,T1=Q0,T2=Q2+Q1Q0. T_0=\overline{Q_2},\qquad T_1=Q_0,\qquad T_2=Q_2+Q_1Q_0. 2進部は5進部が 100→000100\to000 へ戻るときだけ反転すればよいので T3=Q2Q1‾Q0‾. T_3=Q_2\overline{Q_1}\overline{Q_0}.

III. MIPS とパイプライン

分岐命令の説明は「t3t3 が0でなければラベルへ分岐」である。開始時、s0,s1,s2s0,s1,s2 は3つの配列の基準アドレス、s3s3 は反復回数、t4,t5t4,t5 は係数 x,yx,y を保持している。

9行目の乗算命令について、フロー依存は4行目が生成した t1t1 を読む点、逆依存は8行目が読んだ t2t2 を9行目が上書きする点、出力依存は2行目と9行目がともに t2t2 を書く点である。1回の反復内には、ロード結果を用いる演算、演算結果を用いる加算、加算結果を保存する命令にフロー依存が存在する。

命令間に依存がない、または順序を入れ替えても結果が変わらない性質を ILP という。2本のパイプラインで静的スケジューリングする場合、依存を保ちながら最大2命令ずつまとめる。レジスタ名変更を許せば逆依存と出力依存は消せるため、フロー依存だけが本質的な制約になる。さらに順序入替を許すと、ロード群と独立なアドレス更新を先に寄せて、より少ないグループ数にできる。

最終答

数値は 107,−108,111110112,111011012,9901,9635,73E16107,-108,11111011_2,11101101_2,9901,9635,73E_{16}。カウンタは T0=Q2‾T_0=\overline{Q_2}、T1=Q0T_1=Q_0、T2=Q2+Q1Q0T_2=Q_2+Q_1Q_0、T3=Q2Q1‾Q0‾T_3=Q_2\overline{Q_1}\overline{Q_0}。

第3問 — 情報数学

2重マルコフ源は、状態を「直前2記号」に拡張すれば通常のマルコフ連鎖として扱える。定常分布を求めたあと、周辺分布を出す順番にすると aa の条件が機械的に出る。

演算 x+y−2x+y-2 は、実数全体を通常の加法から平行移動したものと見ればよい。単位元が0ではなく2になる点を最初に押さえる。

採点の置き所

マルコフ情報源は、状態遷移、定常分布、周辺分布、エントロピーの順で書く。H(Xt)=1H(X_t)=1 の条件は2値分布が一様であることに戻すと、a=3/4a=3/4 が自然に出る。

典型ミス

1重マルコフで表せるかは、直前1記号が同じなら次の分布も同じかで判定する。2つ前の記号を見たまま条件を比べると、必要条件と十分条件を混同しやすい。

情報数学の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 微分積分・線形代数

関数列の係数は、展開から直接読んでもよいが、導関数の漸化式にすると採点上の説明が明確になる。極限は x3x^3 までの係数だけを残せば十分である。

対角化の条件では、固有値が重なること自体は不可ではない。重複固有値に対応する固有空間の次元を確認することが必要である。

採点の置き所

係数問題では、an=f(n)(0)/n!a_n=f^{(n)}(0)/n! と定義してから漸化式を立てると、Taylor係数を求めていることが明確になる。対角化では、特性多項式、固有値の実数性、重複時の固有空間次元を順に確認する。

検算

ana_n は負の調和数なので a1=−1, a2=−3/2a_1=-1,\ a_2=-3/2 と初期値を展開から確認できる。a=3a=3 では重複固有値 44 の固有空間が2次元であるため、重根でも対角化可能である。

微分積分・線形代数の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 数理科学1

2位の極の留数は、極因子を外した関数を1回微分する。符号は (z−3)2(z-3)^2 を外したあと、残る (z−2)−1(z-2)^{-1} の微分で間違いやすい。

偏微分方程式は、x−tx-t の関数として置くと常微分方程式に落ちる。平行移動しても端の極限が変わらないため、一意性は成り立たない。

採点の置き所

留数計算では、単純極と2位の極を別々の公式で処理する。PDEでは、移動波形 v(x−t)v(x-t) を代入してODEが出ること、端の値、平行移動による非一意性をそれぞれ書く。

典型ミス

e1/ze^{1/z} の値では、1/z1/z の実部が指数の大きさ、虚部が偏角を決める。実部と虚部を逆に扱うと、e2π/3e^{2\pi/3} と三角関数の係数が入れ替わる。

数理科学1の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 数理科学2

内積計算は、添字対が共有する成分数で場合分けするだけでよい。共通1個と共通0個の式を作り、絶対値の一致条件を解く。

方向微分の最大化は、線形関数を単位球上で最大化する問題である。勾配が0でない限り、最急上昇方向が勾配方向になる。

採点の置き所

内積問題では、共有添字が1個の場合と0個の場合の2式を明記する。方向微分では、Dvf(a)=v⋅∇f(a)D_v f(a)=v\cdot\nabla f(a) とコーシー・シュワルツの不等式を結びつけると答案の根拠が明確になる。

検算

n=8, C=−3n=8,\ C=-3 の場合、各ベクトルの成分和が0であることから、張る空間が7次元以下であることをすぐ確認できる。最大方向の答は、勾配方向に単位化されているかを最後に見る。

数理科学2の途中式・最終答をPDFで見る

名工大 情報工学系 院試 過去問の収録3年度

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