東京大学 院試 過去問 解答例
東大 工学系研究科 電気系工学専攻 専門科目 2025年度 院試 解答例・解説
東京大学 工学系研究科 電気系工学専攻 専門科目 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全6問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 電磁気学
自由電荷には ,エネルギーには
誘電体中の Gauss の法則で直接扱うのは自由電荷である。内部電場を真空中の式で書くと の因子を落とす。さらにエネルギーでは内部と外部で媒質が違うため,内部を ,外部を と分けて積分する必要がある。
磁界 と磁束密度 を区別する
円柱導体の問は「磁界」を求めるので,Ampere の法則でまず を出し,エネルギー計算で を使う。相互インダクタンスは符号が図の電流向きに依存するため,符号規約を明記すると減点されにくい。
第2問 — 電気回路・MOSFET
スイッチ投入後にどの素子が残るかを先に見る
過渡回路では,スイッチ後の閉路を見誤ると を式に入れてしまう。図1では投入後の放電ループは だけで,初期条件だけが から決まる。
MOS小信号は交流接地と出力抵抗で決まる
MOSの各図では,電源やバイアス電圧を交流接地に置き換え,ドレイン節点から見える抵抗を読む。容量帰還では,ゲート電流 0 の条件が節点 の式そのものになる。
第3問 — 情報理論・信号処理
相互情報量は候補の割れ方で見る
この天秤問題では,測定結果 は状態 から一意に決まる。したがって であり,左右・釣合いの 3 分岐ができるだけ均等になる測定がよい。左右に 4 個ずつ載せると 通りに分かれるため,最初の一手として最も情報量が大きい。
逆フィルタは極の位置まで書く
差分方程式だけで止めず, と書くと,インパルス応答と安定条件が同時に出る。遅延が 1 サンプルであることを図から読み取り, とするのがこの設問の要点である。
第4問 — 論理回路・アルゴリズム
回路は式に落としてから最小化する
図をそのまま追うより,まず と式にしてから吸収則を使うと簡単になる。和差選択回路は,減算を 2 の補数加算に帰着するのが最小構成への近道である。
このソートは挿入ソートではない
問題文の再帰構造はクイックソートそのものである。ピボットが端に偏ると ,ランダム化で平均 になる,という対比を明確に書くと部分点を取りやすい。
第5問 — 量子井戸・固体電子統計
無限井戸と有限井戸の違い
無限井戸では壁で だが,有限障壁では と が連続する。有限障壁のしきい値は,外側の減衰定数 が 0 に近づく極限で決まる。
状態密度ではスピンを明記する
自由電子の状態数はスピン縮退を含めるかで 2 倍違う。Fermi エネルギーまで求める答案では,スピンを含めた を使うのが標準である。
第6問 — 制御・電気エネルギー工学
図の内側フィードバックを分母へ入れる
問(5)では が制御対象の入力側で引き算されているため,点線部の伝達関数は になる。ここを外側の単位帰還と混ぜないことが重要である。
三相は平均だけでなく瞬時電力も見る
負荷有効電力だけなら単相と三相は同じ数値になるが,電線損失と瞬時電力の脈動で差が出る。対称三相では二倍周波数成分が相殺されるため,機器側から見る電力が一定になる。