名古屋工業大学 院試 過去問 解答例
名工大 工学研究科 情報工学系 2024年度 院試 過去問 解答例・解説(全6問)
全6問。情報2問。テーマタグは4件(重積分と極座標・留数定理・フーリエ級数)。
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- 解説6問と大問1問の途中式・最終答(全6問)
- 解答PDFに収録
- 途中式と最終答(最終答つき6問)
- 問題本文
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名工大 情報工学系 2024年度 院試 過去問の出題内容(全6問)
この6問の分野は情報2問です。
| 大問 | 分野 | 主題 | 解説の小見出し | 最終答 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 情報 | 計算機ソフトウェア | — | あり |
| 第2問 | 情報 | 計算機ハードウェア | — | あり |
| 第3問 | — | 情報数学 | — | あり |
| 第4問 | — | 微分積分・線形代数 | — | あり |
| 第5問 | — | 数理科学1 | — | あり |
| 第6問 | — | 数理科学2 | — | あり |
この年度の解説には採点の置き所6件・典型ミス5件・検算1件が付いています。
2024年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は3問に4テーマが出ています。
第1問 — 計算機ソフトウェア
TSP の2近似は、全域木を2重化したオイラー歩道を考えると見通しがよい。ショートカットで重みが増えない点に三角不等式を使う。
文法は、 が初めの と末尾の を同時に増やし、 が中央の と末尾の を同時に増やす、と読むと生成形がすぐ分かる。
採点の置き所
TSP では、全探索の候補数、MST が下界になる理由、2近似の上界を別々に書くと部分点を拾いやすい。数値例では Kruskal 法で選んだ3辺の重み合計、近似巡回路の重み、最適巡回路の重みを混ぜずに示す。
典型ミス
文脈自由文法では、末尾の の個数が初めの と中央の の合計になる。 と読んでしまうと、長さ8の列挙と非正規性の証明が両方ずれる。
解答
I. 巡回路と木
全探索では始点を固定しても巡回順は 通りある。各候補の評価まで含めると計算量は である。辺を重み順に並べる比較ソートは を要する。
最小全域木の重みを とすると、どの巡回路から1辺を除いても全域木が得られるため、最適巡回路の重みは 以上である。一方、全域木の辺を往復して深さ優先順にたどり、すでに訪問した頂点を飛ばせば、三角不等式の下で重みは高々 である。
4頂点例では Kruskal 法により辺重み を選び、 深さ優先順の近似巡回路の一例は重み 、最適巡回路は重み である。
II. 正規言語と文脈自由言語
3文字目から末尾側の条件を満たす語は、末尾3文字のうち先頭2文字を指定する正規表現で と表せる。DFA は長さ3以下の接尾辞だけを状態として保持すればよい。
文法 が生成する語は である。長さ8の語は なので この言語が正規であると仮定し、 の初めの の列をポンプすると、末尾の の個数との等式が壊れる。よって正規ではない。プッシュダウンオートマトンは、初めの と中央の に対して1個ずつ記号を積み、末尾の で1個ずつ取り除く構成でよい。
最終答
全探索は 通り、Kruskal の重みは 、近似例は 、最適は 。文法の言語は 、長さ8は 。
第2問 — 計算機ハードウェア
2の補数の範囲は である。演算前の値だけでなく演算結果もこの範囲に入る必要がある。
リングカウンタと Johnson カウンタは、初期状態による周期が違う。設計表では、D-FF の反転出力をそのまま使えるため NOT ゲートを数えない点に注意する。
採点の置き所
数値表現は、答だけでなく範囲判定の不等式を1つ添えると安全である。カウンタ設計では、現状態、次状態、入力値の表を先に作り、そこから論理式を簡単化した流れを残すと減点されにくい。
典型ミス
算術右シフトを論理右シフトとして扱うと負数の答が変わる。MIPS では添字をバイトアドレスに変換するため、要素数の加算とアドレスの4バイト加算を区別する。
第3問 — 情報数学
加法雑音通信路では、入力を固定した条件付き出力分布は雑音分布の置換になる。容量は を一様にできるかで決まり、今回は一様入力で達成できる。
グラフの推移閉包は、直接辺ではなく到達可能性で考える。反射閉包と推移閉包を混ぜないように分けて答える。
採点の置き所
通信路では を雑音分布のエントロピーとして求め、次に で上界を置き、最後に一様入力で達成できることを示す。この3段階が容量計算の答案になる。
典型ミス
反復符号の多数決では、正しい記号が2回以上出ればよい。3回すべて正しい場合だけを数えると で止まり、 にならない。
第4問 — 微分積分・線形代数
偏微分では、平方根の外側微分と分数の内側微分を分けるとよい。重積分は極座標にすると角度部分が として外に出る。
行列式は最後の列で展開すると、 の項が各行から同符号で現れる。係数が と足し上がるため閉じた形が得られる。
採点の置き所
接平面では、点の 座標、、 をそれぞれ明示してから平面式に代入する。行列式では の初期値と漸化式を両方書くと、一般式の根拠が明確になる。
検算
重積分の integrand は上半円板で正なので、答も正でなければならない。非自明解条件は と同値であり、 を代入すると一般式が0になることを確認できる。
第5問 — 数理科学1
複素積分では、円内に入る極をまず判定する。 だけは重極になるため、単純極の公式を使わない。
のフーリエ級数は偶関数であることを使うと半分になる。 の代入と Parseval は、古典的な の導出である。
採点の置き所
複素積分は、極の位置、極の位数、留数の3点を分けて書く。 と だけ場合分けが必要になる理由を明示すると、一般式との混同を避けられる。
典型ミス
Parseval では の係数が になる。ここを落とすと の係数がずれるので、左辺の平均値積分と右辺の係数を同じ正規化で書く。
第6問 — 数理科学2
補間の存在一意性は、Vandermonde 行列が正則かどうかに尽きる。行列式が0でない条件を、節点が互いに異なることとして言い換える。
比判定で となる例は、調和級数と の級数を並べるのが最も短い。どちらも比は1へ行くが収束性が異なる。
採点の置き所
補間では、3点を代入した連立方程式の解と、一般の Vandermonde 行列が正則である理由を別に示す。後半の級数では、比の極限、比較判定、項が0に近づかないことを問題ごとに使い分ける。
典型ミス
なら比判定で発散だが、 では何も言えない。 を発散条件として使う答案は、 の反例で崩れる。
名工大 情報工学系 院試 過去問の収録3年度
計算機ソフトウェア / 計算機ハードウェア / 情報数学
計算機ソフトウェア / 計算機ハードウェア / 情報数学
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