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東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 工学院 システム制御系 システム制御系 数学 2025年度 院試 解答例・解説

東京科学大学 工学院 システム制御系 システム制御系 数学 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — ベクトル解析・極値・フーリエ変換

方針

問1は体積積分と面積分が発散定理で一致する構造である。面積分を直接計算しても, A=4\nabla\cdot A=4 から発散定理で確認しても同じ値になる。

検算

問1(3)の答えが問1(2)と一致していることは強い検算になる。球面の対称性を使う場合は, x2,y2,z2x^2,y^2,z^2 の球面積分が等しいことと,和が R2R^2 の面積分になることを必ず書く。

典型ミス

問2では xyz=1xyz=1 なので符号の組を落としやすい。正の解だけではなく,負号が2個ある 3通りも等号成立条件を満たす。問3(2)では微分公式の符号を誤りやすいので, ddωeiωx=ixeiωx\frac{d}{d\omega}e^{-i\omega x}=-ixe^{-i\omega x} から確認するとよい。

試験で書くべきポイント

問1は球座標のヤコビアン,発散の計算,外向き法線の向きを明示する。問2は不等式の 等号成立条件まで書く。問3はフーリエ変換の規格化定数を最後まで残し,通常の f(x)eiωxdx\int f(x)e^{-i\omega x}\,dx だけで終わらせないことが重要である。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 線形代数・最小二乗

方針

問1は三角行列であることを使うと固有値の計算が短い。対角化では,対角行列の対角成分 の順序と,PP の列に並べる固有ベクトルの順序を一致させることが最重要である。

最小二乗の意味

問2(1)の正規方程式は,残差 Wx^bW\widehat{x}-bWW の列空間に直交するという条件 である。WTWW^TW が正則なので,最小二乗解は一意に定まる。

検算

Wx^=(11/34/37/3),WT(Wx^b)=0 W\widehat{x} = \begin{pmatrix} 11/3\\ 4/3\\ 7/3 \end{pmatrix}, \qquad W^T(W\widehat{x}-b)=0 となり,正規方程式の直交条件を満たす。また WT(1,1,1)T=(00) W^T(1,-1,-1)^T = \begin{pmatrix} 0\\ 0 \end{pmatrix} なので,核の生成ベクトルも確認できる。

典型ミス

WWTz=0WW^Tz=0 から Wz=0Wz=0 としてしまうのは次元が合わない誤りである。本問では WW3×23\times 2 行列なので,zR3z\in\mathbb{R}^3 に作用するのは WWTWW^T であり, 核は WTz=0W^Tz=0 として求める。

試験で書くべきポイント

線形独立性は「係数がすべてゼロになる」ことを1行で示せば十分である。対角化は 答えの候補だけでなく,列が固有ベクトルであることが分かる形にしておくと採点者に 伝わりやすい。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 多項分布・検定・KLダイバージェンス

方針

問1は多項定理をモーメント母関数に適用するだけである。多項分布は nn 回の独立なカテゴリ選択の和なので,平均は「試行回数 ×\times 確率」となる。

分散と共分散

各カテゴリの度数だけを見ると二項分布と同じく npi(1pi)np_i(1-p_i) である。一方で, 合計が常に nn で固定されるため,あるカテゴリが増えると他のカテゴリは減りやすく, 共分散は負になる。この構造を理解していると,分散共分散行列を問われても対応しやすい。

検定の読み方

χ2=5.0\chi^2=5.0 は臨界値 5.995.99 より小さいので,棄却しない。ここで 「帰無仮説が正しいと証明された」と書くのは誤りである。検定で言えるのは, 有意水準 5%5\% では棄却するだけの証拠がない,という範囲に限られる。

KLダイバージェンスの注意

KLダイバージェンスは距離のように使われるが,一般には対称ではない。 DKL(PQ)D_{\mathrm{KL}}(P\|Q)DKL(QP)D_{\mathrm{KL}}(Q\|P) は別の値になり得る。本問では 観測分布を基準にして予測分布を比較しているため,値が小さい予測を「観測結果に近い」 と判断する。

試験で書くべきポイント

カイ二乗統計量では観測度数と期待度数の対応を表にする意識で計算するとミスが少ない。 KLダイバージェンスでは最後の第3項が log1=0\log 1=0 になることを書いておくと,計算の 見通しがよくなる。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 線形微分方程式・複素関数・非線形系

方針

問1(1)は「回転を表す行列」を見抜く問題である。角速度が 22 なので, (0220)\begin{pmatrix}0&-2\\2&0\end{pmatrix} が現れる。問1(3)は直接積分でもよいが, f(z)=z2f(z)=-z^2 が全平面で正則であり原始関数 z3/3-z^3/3 をもつことから,閉曲線上の 積分は 00 とすぐ分かる。

正定値関数の役割

ϕ(w)=2x2+y2\phi(w)=2x^2+y^2 は原点からの重み付き距離の二乗である。解に沿って ϕ˙=4x3<0\dot{\phi}=-4x^3<0 となるので,D+\mathcal{D}_+ 内では軌道が ϕ\phi の等高線を外側へ横切ることはない。この性質により,明示解を使わずに 収束先を絞り込める。

境界での議論

x=0x=0 上で g(0,y)=(y2,0)Tg(0,y)=(y^2,0)^T となることを必ず書く。特に y0y\ne0 では 右向き,つまり D+\mathcal{D}_+ の内側向きである。原点だけはベクトル場がゼロだが, そこは平衡点であり,内側から有限時刻で到達して通過する点ではない。

検算

複素数 z=x+iyz=x+iy を使うと,この非線形系は形式的に z˙=z2\dot{z}=-z^2 と書ける。 初期値の実部が正なら解は z(t)=z(0)/(1+z(0)t)z(t)=z(0)/(1+z(0)t) と表せ,tt\to\infty00 に近づく。これは上のリアプノフ関数による議論と同じ結論を与える。

典型ミス

ϕ˙\dot{\phi} の計算で 4xy24xy^24xy2-4xy^2 が打ち消えることを見落とすと, 符号判定が複雑になる。問1(3)では tt00 から π\pi まで動くため, 偏角 2t2t00 から 2π2\pi まで動き,閉曲線を1周する。

試験で書くべきポイント

問2(4)では「ϕ\phi が減少する」だけでは収束先は決まらない。境界上で不変に とどまれる集合が原点だけである,という一文を添えると,収束先が (0,0)T(0,0)^T である 理由が明確になる。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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