院試hub

東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 工学院 システム制御系 システム制御系 数学 2023年4月入学追試験 院試 解答例・解説

東京科学大学 工学院 システム制御系 システム制御系 数学 2023年4月入学追試験の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 追試験:微積分・複素写像・体積

方針

問1(1)は平方根を直接微分してもよいが,対数微分を使うと分数と平方根の処理が短くなる。 問1(3)は上半平面を保つ実係数分数線形変換の基本公式で,符号は行列式 adbcad-bc だけで決まる。

検算

曲線の長さでは,速さが 2asin(θ/2)2a\sin(\theta/2) となる。これは端点 θ=0,2π\theta=0,2\pi で尖点の速度が 0 になることと一致する。体積は a,ba,b が大きくなるほど放物面の高さが低くなるので, 1/a2+1/b21/a^2+1/b^2 に比例する形は自然である。

典型ミス

22cosθ=2sin(θ/2)\sqrt{2-2\cos\theta}=2|\sin(\theta/2)| である。今回は区間が 0θ2π0\leq\theta\leq2\pi なので絶対値を外せるが, 別の区間では符号確認が必要である。分数線形変換では分母の絶対値二乗を忘れると,条件を誤って adbcad-bc 以外にも依存させてしまう。

試験で書くべきポイント

問1(3)は Imaz+bcz+d=(adbc)Imzcz+d2 \operatorname{Im}\frac{az+b}{cz+d} = \frac{(ad-bc)\operatorname{Im}z}{|cz+d|^2} まで導けば,必要十分条件はただちに読める。問2は円板対称性を使うと,二重積分を一度だけ計算すればよい。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 追試験:行列・連立一次方程式・最小二乗

方針

問1は,すでに対角化行列 PP が与えられている問題である。P1APP^{-1}AP を求めれば, AnA^n は対角成分を nn 乗するだけでよい。問2は,存在条件では係数行列の正則性だけでなく, 特異な場合の整合性を調べる。

検算

問1(2)で n=1n=1 を代入すると (151240480) \begin{pmatrix} -1&-5&-1\\ 2&4&0\\ -4&-8&0 \end{pmatrix} に戻る。これは計算した AnA^n の強い確認になる。

典型ミス

detW=0\det W=0 だからといって,ただちに「解なし」とは限らない。a=1a=-1 ではランクが落ちるが, 右辺も同じ1次元の列空間に入るため解は存在する。一方,a=1a=1 では右辺が列空間に入らない。

試験で書くべきポイント

最小二乗では正規方程式 WTWx=WTbW^TWx=W^Tb を導出し,列フルランクの仮定から WTWW^TW が正則であることを添える。 この一文がないと,逆行列を使える理由が不足する。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 追試験:統計量と仮説検定

方針

問1では「不偏分散」と「最尤推定による分散」を区別する。 不偏分散は n1n-1 で割り,正規分布の分散の最尤推定値は nn で割る。 問2は母分散未知の平均の検定なので,標準正規ではなく tt 分布を使う。

検算

偏差の和は 2+59+1311=0 2+5-9+13-11=0 であり,標本平均の計算と整合する。検定統計量の絶対値は臨界値に近いが,両側5\%ではわずかに届かない。

典型ミス

有意水準 0.050.05 の両側検定で t4,0.05=2.132t_{4,0.05}=2.132 を使うのは誤りである。 両側検定では左右に 0.0250.025 ずつ割り振るため,表の 0.0250.025 列を使う。 一方,あらかじめ「低く出るか」だけを調べる片側検定を設定していれば判断は変わる。

試験で書くべきポイント

結論は「棄却しない」で止めず,何を棄却しなかったのかを言葉で書く。 本問では「センサHが正しくないとはいえない」が正確であり,「正しいと断定できる」ではない。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 追試験:ラプラス方程式とフーリエ級数

方針

左右の境界が x=0,2x=0,2 で0なので,xx 方向は正弦関数になる。 上辺 y=3y=3 でも0になるため,yy 方向は sinh{α(3y)}\sinh\{\alpha(3-y)\} と取ると境界条件を自動的に満たす。

検算

得られた解では x=0,2x=0,2sin(nπx/2)=0\sin(n\pi x/2)=0y=3y=3sinh0=0\sinh0=0 となる。 また y=0y=0 では正弦級数が f(x)f(x) に一致するように CnC_n を選んでいる。 したがって4辺の境界条件をすべて満たす。

典型ミス

hn(y)h_n(y)sinh(nπy/2)\sinh(n\pi y/2) としてしまうと,下辺 y=0y=0 で0になり,指定された境界値を表せない。 上辺を0にするためには 3y3-y を入れるのが自然である。

試験で書くべきポイント

問1の証明では,λ=0\lambda=0λ>0\lambda>0 を個別に排除してもよいが,部分積分を使うと一行で λ=02(g)2dx02g2dx<0 \lambda=-\frac{\int_0^2(g')^2\,\mathrm dx}{\int_0^2g^2\,\mathrm dx}<0 が出る。境界項が消える理由として g(0)=g(2)=0g(0)=g(2)=0 を明記することが大切である。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

東京科学大学 システム制御系 数学 — 他の年度