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東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 工学院 システム制御系 システム制御系 数学 2023年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。確率・統計1問・線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは3件(固有値・固有ベクトル・正定値行列・二次形式)。2023年4月入学追試験と共通のテーマは固有値・固有ベクトル。

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解説4問/全4問(2,751字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

東京科学大 システム制御系 数学 2023年度 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は確率・統計1問・線形代数1問・微分積分・解析1問・微分方程式1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問微分積分・解析ベクトル解析—あり
第2問線形代数線形代数と二次形式—あり
第3問確率・統計確率と最小二乗法—あり
第4問微分方程式非線形微分方程式—あり

この年度の解説には検算4件・試験で書くべきポイント4件・典型ミス4件が付いています。

2023年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は1問に3テーマが出ています。

前年度(2023年4月入学追試験)との違い

大問数
2023年4月入学追試験 4問 → 2023年度 4問
両年度に出たテーマ
固有値・固有ベクトル
2023年度で新しく出たテーマ
正定値行列・二次形式
2023年4月入学追試験のページを見る

第1問 — ベクトル解析

方針

どちらも閉曲面全体にわたる法線面積分であり,外向きが正と指定されている。 この形では,曲面を上面・下面・側面に分けて直接積分するよりも,発散定理で体積積分に 直すのが最も短い。

検算

問1を直接計算すると,上面・下面では法線が zz 方向であるため寄与はない。側面 r=1r=1 では外向き単位法線が (cos⁡θ,sin⁡θ,0)(\cos\theta,\sin\theta,0) で, A⋅n=1\boldsymbol{A}\cdot\boldsymbol{n}=1 となる。したがって側面積 2π2\pi と一致する。

典型ミス

問2で ∂z2/∂z=2z\partial z^2/\partial z=2z としてしまう誤りが起こりやすい。発散では 第2成分は yy で微分し,第3成分は zz で微分する。したがって z2z^2 と yy の寄与はどちらも 00 である。

試験で書くべきポイント

発散定理を使うときは,面が閉曲面であることと向きが外向きであることを一言添える。 そのうえで発散を正しく計算すれば,円柱の体積や円板上の ∫x2 dA=π/4\int x^2\,dA=\pi/4 の計算だけで完結する。

ベクトル解析の途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — 線形代数と二次形式

方針

対称行列の二次形式は,直交する固有ベクトル方向に座標を回転すると標準形になる。 等位線の長軸・短軸は固有ベクトル方向で,半軸長は 8/λ\sqrt{8/\lambda} で決まる。

検算

固有ベクトル e8\boldsymbol{e}_8 と e4\boldsymbol{e}_4 の内積は 3212+12(−32)=0 \frac{\sqrt{3}}{2}\frac12+\frac12\left(-\frac{\sqrt{3}}{2}\right)=0 であり,対称行列の異なる固有値に対応する固有ベクトルとして整合している。 また,固有値がどちらも正なので,ϕ=8\phi=8 は双曲線ではなく楕円である。

典型ミス

∇(xTPx)\nabla(x^{\mathsf{T}}Px) を PxP\boldsymbol{x} としてしまうと係数 22 が抜ける。 本問の角度判定では符号だけが重要なので結論は変わらないが,答案では ∇ϕ=2Px\nabla\phi=2P\boldsymbol{x} と書くのが正しい。

試験で書くべきポイント

角度が π/2\pi/2 より大きいことは,角度そのものを求める必要はない。 内積が負であることを示せば十分である。最後に,勾配と AxA\boldsymbol{x} が x≠0\boldsymbol{x}\ne\boldsymbol{0} で零ベクトルでないことを確認すると論証が閉じる。

線形代数と二次形式の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 確率と最小二乗法

方針

指数分布の和はガンマ分布になるが,本問では分布名を使わず,独立性により モーメント母関数が積になることだけを使えばよい。最小二乗では,vv と ww の 2つの出力を同じ a,ba,b で同時に当てはめている点が重要である。

検算

Z=X+YZ=X+Y で独立なので,平均と分散はそれぞれ足し算になるはずである。 答えの μZ=2λ,σZ2=2λ2 \mu_Z=\frac{2}{\lambda},\qquad \sigma_Z^2=\frac{2}{\lambda^2} は,μX=μY=1/λ\mu_X=\mu_Y=1/\lambda, σX2=σY2=1/λ2\sigma_X^2=\sigma_Y^2=1/\lambda^2 と整合する。

典型ミス

最小二乗の問では,ww の回帰式の au2−2au+aa u^2-2au+a を a(u−1)2a(u-1)^2 とまとめると係数を間違えにくい。特に α\alpha には ψi2=(ui−1)4\psi_i^2=(u_i-1)^4 が入るので,(ui−1)2(u_i-1)^2 のままにしないこと。

試験で書くべきポイント

正規方程式を作る過程では,残差を先に定義してから a,ba,b で偏微分する。 行列の各成分だけを書いた答案よりも,φi,ψi\varphi_i,\psi_i を置いて どの量がどこから来たかを見せる答案の方が符号ミスを発見しやすい。

確率と最小二乗法の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 非線形微分方程式

方針

この連立方程式は,半径方向の成分 r(a−r2)r(a-r^2) と,角速度 11 の回転成分に 分かれる。直交座標で直接解こうとすると非線形項が絡むが,極座標では半径と角度が 分離される。

検算

a<0a<0 のとき,半径方程式の平衡点は r=0r=0 だけであり,r>0r>0 では a−r2<0a-r^2<0 だから r˙<0\dot r<0 である。したがって半径が原点へ向かう答えは 符号と整合している。a>0a>0 のときは r=ar=\sqrt a が正の平衡半径であり, 初期値 r(0)=2ar(0)=\sqrt{2a} はその外側なので,半径が減少して a\sqrt a に近づく。

典型ミス

θ˙\dot\theta の符号を逆にしやすい。公式 θ˙=x1x˙2−x2x˙1x12+x22 \dot{\theta}=\frac{x_1\dot{x}_2-x_2\dot{x}_1}{x_1^2+x_2^2} を使えば,本問では分子が x12+x22x_1^2+x_2^2 となり,θ˙=1\dot\theta=1 と確定する。

試験で書くべきポイント

漸近する集合を聞かれているので,個々の時刻の位置を細かく描くよりも, r(t)r(t) の極限と θ(t)=t+θ(0)\theta(t)=t+\theta(0) を明示することが重要である。 a<0a<0 では集合は原点,a>0a>0 では半径 a\sqrt a の円である。

非線形微分方程式の途中式・最終答をPDFで見る

東京科学大 システム制御系 数学 院試 過去問の収録6年度

  • 2025年度(全4問)

    ベクトル解析・極値・フーリエ変換 / 線形代数・最小二乗 / 多項分布・検定・KLダイバージェンス

  • 2024年度(全4問)

    微積分・複素積分 / 線形代数 / 多変量正規分布

  • 2023年度(このページ・全4問)

    ベクトル解析 / 線形代数と二次形式 / 確率と最小二乗法

  • 2023年4月入学追試験(全4問)

    追試験:微積分・複素写像・体積 / 追試験:行列・連立一次方程式・最小二乗 / 追試験:統計量と仮説検定

  • 2022年4月入学追試験(全4問)

    極限・複素積分・面積と体積 / 行列と微分写像 / ベイズ推定と最尤推定

  • 2021年度(全4問)

    本試験:極限・複素積分・二項級数 / 本試験:固有値・Jordan標準形・行列指数 / 本試験:確率分布・モーメント母関数