東京科学大学 院試 過去問 解答例
東京科学大 工学院 システム制御系 システム制御系 数学 2022年4月入学追試験 院試 過去問 解答例・解説(全4問)
全4問。微分方程式1問。テーマタグは5件(留数定理・テイラー展開・最尤推定)。2021年度と共通のテーマは留数定理・テイラー展開。
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- 解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
- 解答PDFに収録
- 途中式と最終答(最終答つき4問)
- 問題本文
- 非収録
東京科学大 システム制御系 数学 2022年4月入学追試験 院試 過去問の出題内容(全4問)
この4問の分野は微分方程式1問です。
この年度の解説には検算4件・典型ミス4件が付いています。
2022年4月入学追試験の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は3問に5テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 留数定理 | 第1問 | 18大学・126問 | |
| テイラー展開 | 第1問 | 18大学・45問 | |
| 最尤推定 | 第3問 | 8大学・28問 | |
| 微分方程式の級数解法 | 第4問 | 3大学・7問 | |
| ベイズ推定 | 第3問 | 3大学・6問 |
前年度(2021年度)との違い
- 大問数
- 2021年度 4問 → 2022年4月入学追試験 4問
- 2022年4月入学追試験で新しく出たテーマ
- 最尤推定・微分方程式の級数解法・ベイズ推定
第1問 — 極限・複素積分・面積と体積
方針
極限は分子の主項が ,分母の主項が であることを読む問題である。 複素積分は,積分路の内部に入る極とその位数を先に確認する。面積では曲線が 軸をまたぐため, 符号付き積分ではなく絶対値で処理する。
検算
問1で とすると差は常に0で,答 と一致する。 問3の面積は, を使うと と分かれる。体積の被積分関数は二乗なので,曲線が下側にある区間も正に寄与する。
典型ミス
面積を としてしまうと,負の部分と正の部分が打ち消し合う。面積では で必ず分割する。 また,2位の極では関数値ではなく導関数が留数になる。
第2問 — 行列と微分写像
方針
問1の行列は,問3の基底変換行列そのものである。標準的な基底 から への変換を意識すると,全体が一つにつながる。
検算
問3(3)の第3列は なので,列ベクトルは である。行列の第3列がこれになっていることを確認すれば, 行と列の取り違えを発見しやすい。
典型ミス
と は別の関数である。三倍角公式を使うとき, の符号を逆にしないことが重要である。行列表示では「列が各基底ベクトルの像」を表す点も確認する。
解答
問1
与えられた行列は である。上三角形なので,後ろの成分から解くと逆行列をすぐ読める。 実際, とすると したがって さらに より よって
問2
を微分すると したがって 基底 に関する行列表示は
問3(1)
三倍角公式 を変形すると したがって
問3(2)
上の式を逆向きに読むと したがって,もとの基底に含まれる も の線形結合で表せる。 よって の任意の要素は,この新しい4つの関数の線形結合で表せる。
問3(3)
基底 で各基底ベクトルを微分し,また で表す。 また これを列に並べると,求める行列は
最終答
%
第3問 — ベイズ推定と最尤推定
方針
問1と問2はいずれもベイズの公式である。問3では,標準正規誤差なので「尤度最大化」は 残差平方和の最小化に変わる。事前情報を使う場合は,正規分布の指数部を足し合わせればよい。
検算
最尤推定では,1回目と2回目の測定だけなら となる。 しかし3回目の測定は が1に近いことを要求するため, 推定値は から少し動く。実際に となり,3回目の測定にも寄っている。
典型ミス
問3(3)では,分散2の正規分布なので事前分布の指数部は である。分散を標準偏差と取り違えて,係数を誤らないようにする。 また,事後確率最大化では尤度と事前確率を掛けるため,対数を取ると二乗項が足し合わされる。
第4問 — 級数解による微分方程式
方針
級数解では, の添字をそろえてから係数比較する。偶数項と奇数項は互いに混ざらないので, から始まる列と から始まる列を別々に追えばよい。
検算
偶数側では の係数が となるため, 以降がすべて0になる。これは7次近似に の項が現れないことの確認になる。
典型ミス
漸化式の添字を としてしまうと,偶数項と奇数項が混ざってしまう。 本問では2階微分のため,係数比較後の関係は と の間に出る。
東京科学大 システム制御系 数学 院試 過去問の収録6年度
ベクトル解析・極値・フーリエ変換 / 線形代数・最小二乗 / 多項分布・検定・KLダイバージェンス
微積分・複素積分 / 線形代数 / 多変量正規分布
ベクトル解析 / 線形代数と二次形式 / 確率と最小二乗法
追試験:微積分・複素写像・体積 / 追試験:行列・連立一次方程式・最小二乗 / 追試験:統計量と仮説検定
2022年4月入学追試験(このページ・全4問)
極限・複素積分・面積と体積 / 行列と微分写像 / ベイズ推定と最尤推定
本試験:極限・複素積分・二項級数 / 本試験:固有値・Jordan標準形・行列指数 / 本試験:確率分布・モーメント母関数