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東京都立大学 院試 過去問 解答例

都立大 理学研究科 物理学専攻 物理 2023年度 夏季 院試 過去問 解答例・解説(全5問)

全5問。数学1問・電磁気学・回路1問・熱・統計力学1問。

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解説5問/全5問(10,154字)
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途中式と最終答(最終答つき5問)
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都立大 物理 2023年度 夏季 院試 過去問の出題内容(全5問)

この5問の分野は数学1問・電磁気学・回路1問・熱・統計力学1問・量子力学1問・力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
1数学演算子の指数関数と留数定理による実積分背景:BCH公式 / 検算:原始関数による確認あり
2力学ばねで連結された2質点と中空円板の制動エネルギーによる検算 / 慣性モーメントの極限あり
3電磁気学・回路電流間の力・電磁波の横波性・点電荷系の遠方展開平行電流の引力・斥力 / 検算:遠方の極限あり
4量子力学調和振動子の基底状態と2準位系の時間発展次の次数 / 2-2)の物理的意味あり
5熱・統計力学常磁性スピン系と理想フェルミ気体結果の意味 / キュリー則との関係あり

この年度の解説には失点しやすい点5件・検算3件が付いています。

前年度(2022年度 冬季)との違い

大問数
2022年度 冬季 5問 → 2023年度 夏季 5
2022年度 冬季のページを見る

1 — 数学:演算子の指数関数と留数定理による実積分

方針

結果が A^,B^\hat A,\hat B を含まない I^\hat I の定数倍になるところが要点である。 \hbar の1次では3つの指数の肩が A^+(A^+B^)B^=0-\hat A+(\hat A+\hat B)-\hat B=0 と打ち消し合い、 2次で初めて交換子が残る。展開の各次数で A^2\hat A^2B^2\hat B^2 の係数が 消えることを確かめながら進めると、計算間違いにすぐ気づける。

背景:BCH公式

一般に eX^eY^=eX^+Y^+12[X^,Y^]+e^{\hat X}e^{\hat Y}=e^{\hat X+\hat Y+\frac12[\hat X,\hat Y]+\cdots} である。 本問は X^=A^\hat X=-\hbar\hat A などとして eA^e(A^+B^)eB^=exp(22[A^,B^]+O(3))=exp(c22)I^+O(3) e^{-\hbar\hat A}e^{\hbar(\hat A+\hat B)}e^{-\hbar\hat B} =\exp\left(-\frac{\hbar^2}{2}[\hat A,\hat B]+O(\hbar^3)\right) =\exp\left(-\frac{c\hbar^2}{2}\right)\hat I+O(\hbar^3) の最低次を手計算で確かめたことになる。 [A^,B^][\hat A,\hat B]I^\hat I に比例するとき(正準交換関係 [x^,p^]=i[\hat x,\hat p]=i\hbar がその例) 高次の交換子はすべて消えるので、この式は厳密に成り立つ。

失点しやすい点

A^B^\hat A\hat BB^A^\hat B\hat A を同一視した瞬間に答えは I^\hat I になり、 問題が問うている cc が消えてしまう。演算子の積は必ず書いた順序のまま扱う。 また O(3)O(\hbar^3) を書かずに等号で結ぶと、近似であることが伝わらない。

問2 複素平面を用いた実積分

方針

tan\tan を指数関数で書き直すと z=e2ixz=e^{2ix} の有理関数になる、というのがこの誘導の核心である。 e2ixe^{2ix}eixe^{ix} ではない)を選ぶ理由は、tan\tanw2w^2 だけの関数になるためで、 これにより x:0πx:0\to\pi で単位円を過不足なく1周する。

検算:原始関数による確認

tanudu=logcosu\int\tan u\,du=-\log\cos u を使うと 0πtan(xia)dx=[logcos(xia)]0π=logcos(πia)+logcos(ia)=log(1)=πi \int_0^{\pi}\tan(x-ia)\,dx=\bigl[-\log\cos(x-ia)\bigr]_0^{\pi} =-\log\cos(\pi-ia)+\log\cos(-ia) =-\log(-1)=-\pi i cos(πia)=cos(ia)\cos(\pi-ia)=-\cos(ia)cos(ia)=cos(ia)=cosha0\cos(-ia)=\cos(ia)=\cosh a\ne0 を用い、 対数の分枝は積分路が連続に選ぶ側を取る)。留数計算の結果と一致する。

a>0a>0 が効くところ

a>0a>0 でなければ極 z=e2az=-e^{-2a} が単位円の外(a<0a<0)または円上(a=0a=0)に来る。 とくに a=0a=0 では極が積分路 z=1z=-1 上に乗り、x=π/2x=\pi/2tanx\tan x が発散して 積分自体が定義されない。aa を虚部としてずらすことが正則化になっている。

失点しやすい点

極の位置を求めただけで、単位円の内外の判定を書かない答案が多い。 a>0a>0 から e2a<1e^{-2a}<1 を明示すること。 また留数定理の向き(反時計回りで +2πi+2\pi i)と、dx=dz/(2iz)dx=dz/(2iz)ii の扱いで 符号を落としやすい。最後に純虚数 πi-\pi i が出ることを検算で押さえておく。

数学:演算子の指数関数と留数定理による実積分の途中式・最終答をPDFで見る

2 — 力学:ばねで連結された2質点と中空円板の制動

方針

外力がないので重心運動と相対運動に分けるのが定石である。 重心は初期に静止しているので原点に固定され、自由度は相対座標1つに落ちる。 換算質量 μ\mu を使った μr¨=k(r)\mu\ddot r=-k(r-\ell) は、 質量 μ\mu の1質点がばね定数 kk のばねにつながれた単振動と同じ形である。

検算

m2m_2\to\infty の極限では μm1\mu\to m_1ωk/m1\omega\to\sqrt{k/m_1} となり、 質点2が壁に固定された場合の単振動に戻る。 また x1(0)x_1(0)x2(0)x_2(0)t=0t=0cos=1\cos=1 とおけば 1-1) の値に一致する。

失点しやすい点

ばねの力を kx-kx と書いて自然長 \ell を落とすと、振動の中心がずれる。 また「重心は x=0x=0 であった」という記述は t=0t=0 の話だが、 外力がないので以後もそうであることを1行で示すこと。 L<2L<2\ell という条件は r(t)(L)>0r(t)\ge\ell-(L-\ell)>0、つまり 運動中にばねが縮み切って2質点が衝突しないことを保証している。

問2 中空円板の制動

方針

摩擦トルクが一定なので、等加速度直線運動と同じ形の公式がそのまま使える。 ω02=2αθ\omega_0^2=2\alpha\thetaα=μFa/I\alpha=\mu'Fa/I)を使えば θ=ω02I/(2μFa)\theta=\omega_0^2I/(2\mu'Fa) と一気に出る。

エネルギーによる検算

初期の回転エネルギー 12Iω02\frac12I\omega_0^2 が、摩擦力が接触点でする仕事 μF(aθ)\mu'F\cdot(a\theta) にすべて変わる。 12Iω02=μFaθ  θ=Iω022μFa=M(a2+b2)ω024μFa \frac12I\omega_0^2=\mu'Fa\theta \ \Longrightarrow\ \theta=\frac{I\omega_0^2}{2\mu'Fa}=\frac{M(a^2+b^2)\omega_0^2}{4\mu'Fa} で上の結果と一致する。aθa\theta は接触点が滑った距離である。

慣性モーメントの極限

b0b\to0IMa2/2I\to Ma^2/2(一様円板)、bab\to aIMa2I\to Ma^2(薄い輪)になる。 どちらも既知の値と合う。同じ質量・同じ外半径なら、内側がくり抜かれているほど II が大きく、止まるまでに時間がかかる。

失点しやすい点

摩擦トルクの腕を内半径 bb や平均半径 (a+b)/2(a+b)/2 と取る誤りが多い。 ブレーキ板が接触しているのは外周なので aa である。 また動摩擦なので摩擦力は速さによらず μF\mu'F 一定であり、 ω\omega に比例する粘性抵抗と混同すると指数関数的な減衰になって 「有限時間で止まる」という結論が出なくなる。

力学:ばねで連結された2質点と中空円板の制動の途中式・最終答をPDFで見る

3 — 電磁気学:電流間の力・電磁波の横波性・点電荷系の遠方展開

平行電流の引力・斥力

辺 DA は I1I_1 と同じ向きなので引力(x-x 向き)、辺 BC は逆向きなので斥力(+x+x 向き)である。 1/x1/x で減衰する磁場のもとでは近いほうの DA が勝つので、正味は引力になる。 向きの結論だけでも先に立ててから式を書くと、符号ミスに気づける。

検算:遠方の極限

a\ell\ll a では 2a(a+)2a2\dfrac{\ell^2}{a(a+\ell)}\simeq\dfrac{\ell^2}{a^2} となり、 Fμ0I1I222πa2|\bm F|\simeq\dfrac{\mu_0I_1I_2\ell^2}{2\pi a^2}。 これは磁気モーメント m=I22m=I_2\ell^2 を持つ小さな磁気双極子が 勾配 B/x1/a2\partial B/\partial x\propto1/a^2 の磁場から受ける力 mB/xm\,|\partial B/\partial x| と一致する。

失点しやすい点

辺 AB・CD の力が消えるのは、磁場が xx のみの関数で yy に依存しないためである。 「対称だから」とだけ書くと理由になっていない。 また B\bm B の向きを +z^+\hat{\bm z} と取ると答えの符号がすべて反転し、 「斥力」という誤った結論になる。図の zz\odot を必ず確認すること。

問2 電磁波の横波性と E,B\bm E,\bm B の関係

方針

平面波では ik\nabla\to i\bm k(実表示では k\nabla\to\bm k と微分の掛け替え)、 tω\partial_t\to-\omega の置き換えが使える。 \nabla\cdot が縦成分を、×\nabla\times が横成分の関係を与える、という役割分担を 意識すると見通しがよい。

位相がそろっていること

E\bm EB\bm B が同じ位相 kxωt+θ\bm k\cdot\bm x-\omega t+\theta を持つことは 仮定として与えられているが、k×E0=ωB0\bm k\times\bm E_0=\omega\bm B_0 が 定数ベクトルの関係として閉じることが、その仮定の無矛盾性を保証している。 真空中の平面波では E\bm EB\bm B は同時に最大になる。

失点しやすい点

E=0\nabla\cdot\bm E=0 は真空(電荷密度ゼロ)でのみ成り立つ。 また cos()=0\cos(\cdots)=0 となる特定の点・時刻があるからといって kE0\bm k\cdot\bm E_0 が任意でよいわけではない。恒等的に成り立つ条件であることを述べる。

問3 3個の点電荷が作る電位と電場

2つの寄与の意味

括弧の中の QQ は原点の単極子(クーロン項、1/r21/r^2 で減衰)、 6qδcosθ6q\delta\cos\theta±q\pm q の対が作る双極子項である。 δ=d/r\delta=d/r を含むので実質 1/r31/r^3 で減衰し、遠方では単極子項が支配的になる。 Q=0Q=0 のときだけ双極子項が主役になる。

検算:双極子公式との比較

双極子モーメントは p=2qdp=2qdq-q から +q+q へ、zz 方向)である。 標準的な双極子電場の xx 成分は Ex=3pcosθsinθ4πε0r3E_x=\dfrac{3p\cos\theta\sin\theta}{4\pi\varepsilon_0r^3} で、 sinθ=x/r\sin\theta=x/r を使うと 32qd(z/r)(x/r)4πε0r3=6qδzx4πε0r4\dfrac{3\cdot2qd\cdot(z/r)(x/r)}{4\pi\varepsilon_0r^3} =\dfrac{6q\delta z\,x}{4\pi\varepsilon_0 r^{4}} となり、上の第2項と一致する。

zz 軸上での確認

x=0x=0 とすると Ex=0E_x=0 になる。zz 軸は系の対称軸なので、 その上で電場が軸に垂直な成分を持たないことは対称性から要求される。 答えが xx に比例していることはこの対称性を反映している。

失点しやすい点

(1+u)3/2132u(1+u)^{-3/2}\simeq1-\tfrac32u の係数 32\tfrac32 と、 u=2δcosθu=\mp2\delta\cos\theta の因子 22 が掛かって 3δcosθ3\delta\cos\theta になる。 どちらか一方を落として 32δcosθ\tfrac32\delta\cos\theta6δcosθ6\delta\cos\theta とする誤りが多い。 また δ2\delta^2 の項も (1+u)3/2(1+u)^{-3/2} の展開に混ざるが、指定どおり無視してよい。

電磁気学:電流間の力・電磁波の横波性・点電荷系の遠方展開の途中式・最終答をPDFで見る

4 — 量子力学:調和振動子の基底状態と2準位系の時間発展

方針

固有関数の形を仮定して固有方程式に入れ、「xx に依存する項が消える」条件から パラメータを決める、というのがこの解き方である。 生成消滅演算子を使わずに基底状態が求まるので、答案は短くて済む。

検算

E=ω/2E=\hbar\omega/2 は調和振動子の零点エネルギーである。 また ΔxΔp=/2\Delta x\,\Delta p=\hbar/2 は不確定性関係の下限に等しく、 ガウス波束が最小不確定状態であることと整合する。 別の確認として、p^2=2m(E12mω2x2)=2m(ω2mω222mω)=mω2\langle\hat p^2\rangle=2m\left(E-\frac12m\omega^2\langle x^2\rangle\right) =2m\left(\frac{\hbar\omega}{2}-\frac{m\omega^2}{2}\cdot\frac{\hbar}{2m\omega}\right) =\frac{m\hbar\omega}{2} となり、Δp=p^2\Delta p=\sqrt{\langle\hat p^2\rangle} と一致する。

失点しやすい点

a<0a<0 の解を捨てる理由(規格化できない)を書き落とさないこと。 また x2\langle x^2\rangle の計算で指数の係数が 2a2aaa ではない)である点に注意する。 ψ2|\psi|^2 の指数は e2ax2e^{-2ax^2} であって eax2e^{-ax^2} ではない。

問2 2準位系の時間発展と摂動

方針

(1)(1)eiEnt/e^{-iE_nt/\hbar} をあらかじめ括り出しておくのが相互作用表示の考え方で、 これにより H0\mathcal H_0 による自明な時間発展が消え、 bn(t)b_n(t) の変化は摂動 λH1\lambda\mathcal H_1 だけに由来するようになる。 だから λ0\lambda\to0bnb_n が定数になるのは当然で、 そのことを式で示すのがこの設問である。

次の次数

λ1\lambda^1 の比較からは ib˙m(1)=nψmH1ψnbn(0)ei(EmEn)t/i\hbar\dot b_m^{(1)}=\sum_n\langle\psi_m|\mathcal H_1|\psi_n\rangle b_n^{(0)} e^{i(E_m-E_n)t/\hbar} が得られ、積分すれば1次の遷移振幅になる。 mnm\ne n の項は sin((EmEn)t/2)(EmEn)/22\left|\dfrac{\sin\left((E_m-E_n)t/2\hbar\right)}{(E_m-E_n)/2}\right|^2 の形の遷移確率を与え、フェルミの黄金律につながる。

2-2)の物理的意味

H0\mathcal H_0 が時間に依存しないのでエネルギーは保存量であり、 その期待値が時間によらないのは当然の帰結である。 式の上では「交差項が直交性で消える」ことがその現れになっている。 一方 x\langle x\rangle のように H0\mathcal H_0 と交換しない量の期待値は、 ei(E1E2)t/e^{i(E_1-E_2)t/\hbar} の振動(ラビ振動やボーア振動数)を示す。

失点しやすい点

2-2) で a12+a22=1|a_1|^2+|a_2|^2=1 を使って H0\langle\mathcal H_0\rangleE1E_1E2E_2 に等しいと結論してはいけない。求まるのは重み付き平均である。 2-3) では、λ\lambda のべきで比較する前に b˙n\dot b_n にも展開を代入することを忘れないこと。

量子力学:調和振動子の基底状態と2準位系の時間発展の途中式・最終答をPDFで見る

5 — 統計力学:常磁性スピン系と理想フェルミ気体

結果の意味

TT\to\infty では磁場によるエネルギー差が無視でき、 各イオンは2つの状態を等確率で取る。全状態数は 2N2^N なので ボルツマンの関係 S=kBlnWS=k_B\ln W から S=kBln2N=NkBln2S=k_B\ln2^N=Nk_B\ln2 である。 統計力学の一般式から出した答えが、状態数の直接勘定と一致している。

キュリー則との関係

磁化は M=(FH)T=NμBtanhxNμB2HkBTM=-\left(\dfrac{\partial F}{\partial H}\right)_T =N\mu_B\tanh x\simeq\dfrac{N\mu_B^2H}{k_BT} であり、 帯磁率 χ=M/H=NμB2kBT1T\chi=M/H=\dfrac{N\mu_B^2}{k_BT}\propto\dfrac1T となる。 これがキュリー則で、1-2) の bb の項がその源である。

失点しやすい点

ZN=zNZ_N=z^N とできるのは、イオンが格子点に固定されて区別できるからである。 気体分子のように同種粒子が動き回る場合は N!N! で割る必要がある。 また a,ba,b は無次元量で、NN に比例する示量的な量になっていることを確かめる。

問2 理想フェルミ気体

方針

フェルミ気体の問題は「状態密度 ×\times 占有率を積分する」という一本の筋で通る。 T=0T=0 では ff が階段関数なので積分の上端が ϵF\epsilon_F に置き換わるだけである。 U/NU/N を求めるときは ϵF\epsilon_F の冪をそろえて比を取ると、 係数を書き下さずに 3/53/5 が出る。

D(ϵ)D(\epsilon) の次元

与えられた D(ϵ)=2m3/2π23ϵD(\epsilon)=\dfrac{\sqrt2m^{3/2}}{\pi^2\hbar^3}\sqrt\epsilon には VV が入っていない。 次元を調べると [体積1エネルギー1][\,\text{体積}^{-1}\text{エネルギー}^{-1}] になるので、 単位体積あたりの量である。NNUU を求めるときに VV を掛け忘れないこと。 なお 2m3/2=(2m)3/2/2\sqrt2m^{3/2}=(2m)^{3/2}/2 で、スピン 1/21/2 の因子 22 がすでに含まれている。

検算

ϵF=22m(3π2n)2/3\epsilon_F=\dfrac{\hbar^2}{2m}\left(3\pi^2n\right)^{2/3} は自由電子気体の標準的な表式である。 U=35NϵFU=\frac35N\epsilon_F から圧力は P=23UV=25nϵFP=\frac23\dfrac UV=\frac25n\epsilon_F となり、 絶対零度でも消えない縮退圧を与える。白色矮星を支えるのがこの圧力である。

有限温度での μ\mu

T=0T=0 では μ=ϵF\mu=\epsilon_F だが、有限温度では 2-4) の条件式 n=0f(ϵ)D(ϵ)dϵn=\int_0^\infty f(\epsilon)D(\epsilon)d\epsilonμ(T)\mu(T) を決める。 D(ϵ)ϵD(\epsilon)\propto\sqrt\epsilon が増加関数なので、 μ\mu は温度上昇とともにわずかに減少し、 ゾンマーフェルト展開で μϵF[1π212(kBTϵF)2]\mu\simeq\epsilon_F\left[1-\frac{\pi^2}{12}\left(\frac{k_BT}{\epsilon_F}\right)^2\right] となる。2-3) の μkBT\mu\gg k_BT はこの縮退した領域を指している。

統計力学:常磁性スピン系と理想フェルミ気体の途中式・最終答をPDFで見る

都立大 物理 院試 過去問の収録19年度

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  • 2022年度 夏季(全5問)

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  • 2019年度 冬季(全5問)

    数学:固有値・ベクトル解析・フーリエ余弦級数 / 力学:一様密度球の重力場と質点の運動 / 電磁気学:同軸ケーブルの静電容量と自己インダクタンス

  • 2019年度 夏季(全5問)

    数学:ラゲール多項式とパウリ行列の指数関数 / 力学:斜面を転がり落ちる剛体球 / 電磁気学:一様帯電球の静電エネルギーと円電流にはたらく力

  • 2018年度 冬季(全5問)

    数学:極座標変換によるガウス積分と拡散方程式の変数分離 / 力学:完全非弾性衝突後の単振動と斜面を転がる剛体 / 電磁気学:電気双極子と鏡像法、円電流と磁気双極子

  • 2018年度 夏季(全5問)

    数学:留数定理による定積分とパウリ行列の指数関数 / 力学:有効ポテンシャルによる円軌道の安定性と、強制振動・臨界減衰 / 電磁気学:一様磁場を出入りするループの落下と、球対称電荷分布の静電場

  • 2017年度 冬季(全5問)

    数学:複素積分と巡回行列の指数関数 / 力学:3質点・4ばね系の基準振動 / 電磁気学:導体球殻の静電場と円柱電流の磁場

  • 2017年度 夏季(全5問)

    数学:母関数・行列の固有値・定積分・微分方程式 / 力学:剛体の制動回転と円すい面上の質点 / 電磁気学:帯電円環板の静電場とRLC共振回路

  • 2016年度 冬季(全5問)解答・最終答まで全文公開

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  • 2016年度 夏季(全5問)解答・最終答まで全文公開

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