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都立大 理学研究科 物理学専攻 物理 2019年度 夏季 院試 過去問 解答例・解説(解説5項目)

解説5項目の分野は数学1項目、電磁気学・回路1項目、熱・統計力学1項目です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。PDFの収録範囲は商品ページで確認できます。問題本文は含みません。

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第1問 — 数学:ラゲール多項式とパウリ行列の指数関数

設問1 ラゲール多項式と重み付き直交性

方針

1-1) と 1-2) は同じ多項式を二通りの定義から出すだけなので、片方を計算してもう片方は「一致した」と書けば足りる。ただし出題の意図は「母関数を tt で展開できるか」にあるので、1-2) では 1/(1−t)1/(1-t) と指数関数を別々に展開して掛ける手順を必ず書く。1-3) は数値がきれいに 00 になるので、途中の多項式の展開を落とさないことが唯一の関門である。

母関数展開の手際

exp⁡[−tx/(1−t)]\exp[-tx/(1-t)] をいきなり tt で展開しようとすると煩雑になる。指数の中身を先に −tx1−t=−xt−xt2−xt3−⋯ \frac{-tx}{1-t}=-xt-xt^2-xt^3-\cdots と展開してから exp⁡\exp の級数に入れるのが最短である。t2t^2 の係数には、指数の1次項の2乗から出る x2/2x^2/2 と、指数の2次項から出る −x-x の両方が寄与する。この二つのうち片方を落とすのが最も多い誤りである。

直交性という背景

LnL_n は区間 [0,∞)[0,\infty) で重み e−xe^{-x} に関する直交多項式であり、 ∫0∞e−xLm(x)Ln(x) dx=δmn \int_0^{\infty}e^{-x}L_m(x)L_n(x)\,dx=\delta_{mn} が成り立つ。したがって m=1m=1、n=2n=2 の 1-3) は計算するまでもなく 00 である。答案では、多項式を展開して 00 を出したうえで「一般に直交する」と一言添えると、設問の意図に答えたことが伝わる。水素原子の動径波動関数やレーザーのモード展開に現れる多項式がこれである。

検算

x=0x=0 を代入すると、定義式でも母関数でも Ln(0)=1L_n(0)=1 が読み取れる。実際 L1(0)=L2(0)=1L_1(0)=L_2(0)=1 である。また母関数で x=0x=0 とおくと G(0,t)=1/(1−t)=∑m≥0tmG(0,t)=1/(1-t)=\sum_{m\ge0}t^m となり、すべての mm で Lm(0)=1L_m(0)=1 であることが一度に確認できる。1-3) の積分は x3x^3 の項の係数 −1/2-1/2 に 3!=63!=6 が掛かるので、ここを −1/2⋅3=−3/2-1/2\cdot 3=-3/2 と誤ると 00 にならない。答えが 00 にならなければ展開のどこかが誤っている、という強い検算になっている。

設問2 パウリ行列の作る行列指数関数

方針

2-1) は成分計算でも反交換関係でもよいが、∣n⃗∣=1|\vec n|=1 をどこで使ったかを明示することが重要である。2-2) は S2=IS^2=I だけから級数が二つに割れる、という一点に尽きる。指数関数の級数を書き、mm の偶奇で分け、cos⁡\cos と sin⁡\sin の級数に読み替える、の三段で答案が完成する。

行列の指数関数を扱うときの注意

行列の指数関数は級数で定義されているので、SS の固有値が ±1\pm1 であることを先に言ってしまえば「対角化して e±iϕe^{\pm i\phi}」で済むように見える。しかし設問は「2-1) で示した関係式を用いて」と指定しているので、対角化ではなく S2=IS^2=I による級数の分割で書くのが指示に沿う。なお SS の固有値が ±1\pm1 であることは S2=IS^2=I と tr⁡S=0\operatorname{tr}S=0 から従う。

検算

ϕ=0\phi=0 では cos⁡0=1\cos0=1、sin⁡0=0\sin0=0 なので exp⁡[0]=I\exp[0]=I となり定義と合う。トレースを比べると、tr⁡S=0\operatorname{tr}S=0 より右辺は 2cos⁡ϕ2\cos\phi である。一方 SS の固有値 ±1\pm1 から exp⁡[iϕS]\exp[i\phi S] の固有値は e±iϕe^{\pm i\phi} なので、そのトレースも 2cos⁡ϕ2\cos\phi で一致する。行列式も両辺で 11 になる。さらに SS はエルミートなので exp⁡[iϕS]\exp[i\phi S] はユニタリであるはずで、実際 (cos⁡ϕ I+isin⁡ϕ S)†(cos⁡ϕ I+isin⁡ϕ S)=cos⁡2ϕ I+sin⁡2ϕ S2=I \left(\cos\phi\,I+i\sin\phi\,S\right)^{\dagger} \left(\cos\phi\,I+i\sin\phi\,S\right) =\cos^2\phi\,I+\sin^2\phi\,S^2=I となる(交差項は S†=SS^{\dagger}=S より相殺する)。

物理的な意味

スピン 1/21/2 の回転演算子は exp⁡[−iθ n⃗⋅σ⃗/2]\exp\left[-i\theta\,\vec n\cdot\vec\sigma/2\right] で与えられ、これは軸 n⃗\vec n のまわりの角 θ\theta の回転を表す。本問の exp⁡[iϕS]\exp[i\phi S] は θ=−2ϕ\theta=-2\phi に当たるので、ϕ\phi が π\pi 変わると回転角は 2π2\pi 変わり、行列は −I-I になる。空間を一周させてもスピノルが元に戻らず符号が変わる、というスピノルの性質がこの式から直ちに読める。この構造は、S2=IS^2=I を満たす任意の行列に対して同じ形で成り立つ。

解答

設問1 ラゲール多項式と重み付き直交性

1-1) 微分による定義からの計算

定義 Ln(x)=1n! exdndxn(xne−x) L_n(x)=\frac1{n!}\,e^x\frac{d^n}{dx^n}\left(x^ne^{-x}\right) に n=1n=1 を代入する。 ddx(xe−x)=e−x−xe−x=(1−x)e−x \frac{d}{dx}\left(xe^{-x}\right)=e^{-x}-xe^{-x}=(1-x)e^{-x} であるから L1(x)=ex(1−x)e−x=1−x. L_1(x)=e^x(1-x)e^{-x}=1-x . n=2n=2 では ddx(x2e−x)=(2x−x2)e−x, \frac{d}{dx}\left(x^2e^{-x}\right)=(2x-x^2)e^{-x}, d2dx2(x2e−x)=(2−2x)e−x−(2x−x2)e−x=(2−4x+x2)e−x \frac{d^2}{dx^2}\left(x^2e^{-x}\right) =(2-2x)e^{-x}-(2x-x^2)e^{-x} =(2-4x+x^2)e^{-x} となるので L2(x)=12!ex(2−4x+x2)e−x=1−2x+x22. L_2(x)=\frac1{2!}e^x(2-4x+x^2)e^{-x}=1-2x+\frac{x^2}{2}.

1-2) 母関数からの計算

母関数を G(x,t)=11−texp⁡[−tx1−t]=1+∑m=1∞tmLm(x) G(x,t)=\frac1{1-t}\exp\left[\frac{-tx}{1-t}\right] =1+\sum_{m=1}^{\infty}t^mL_m(x) とおき、tt の冪で展開する。0≤t<10\le t<1 なので 11−t=1+t+t2+O(t3),−tx1−t=−x(t+t2+O(t3)) \frac1{1-t}=1+t+t^2+O(t^3), \qquad \frac{-tx}{1-t}=-x\left(t+t^2+O(t^3)\right) である。指数関数を2次まで展開すると exp⁡[−tx1−t]=1−x(t+t2)+12(−xt)2+O(t3)=1−xt+(−x+x22)t2+O(t3). \exp\left[\frac{-tx}{1-t}\right] =1-x\left(t+t^2\right)+\frac{1}{2}(-xt)^2+O(t^3) =1-xt+\left(-x+\frac{x^2}{2}\right)t^2+O(t^3). 両者の積をとって tt の同じ冪をまとめる。 G(x,t)=1+{1⋅(−x)+1}t+{(−x+x22)+(−x)+1}t2+O(t3). G(x,t) =1 +\bigl\{1\cdot(-x)+1\bigr\}t +\left\{\left(-x+\frac{x^2}{2}\right)+(-x)+1\right\}t^2 +O(t^3). 係数を比較すると L1(x)=1−x,L2(x)=1−2x+x22 L_1(x)=1-x,\qquad L_2(x)=1-2x+\frac{x^2}{2} となり、1-1) の結果と一致する。

1-3) 重み e−xe^{-x} に関する積分

1-1) の結果を掛け合わせると L1(x)L2(x)=(1−x)(1−2x+x22)=1−3x+52x2−12x3. L_1(x)L_2(x) =(1-x)\left(1-2x+\frac{x^2}{2}\right) =1-3x+\frac{5}{2}x^2-\frac12x^3 . ガンマ関数の値 ∫0∞xne−x dx=n!(n=0,1,2,3) \int_0^{\infty}x^ne^{-x}\,dx=n! \qquad(n=0,1,2,3) を用いると ∫0∞dx e−xL1(x)L2(x)=1⋅0!−3⋅1!+52⋅2!−12⋅3!=1−3+5−3=0. \int_0^{\infty}dx\,e^{-x}L_1(x)L_2(x) =1\cdot0!-3\cdot1!+\frac52\cdot2!-\frac12\cdot3! =1-3+5-3=0 .

設問2 パウリ行列の作る行列指数関数

2-1) S2=IS^2=I の証明

n⃗=(n1,n2,n3)\vec n=(n_1,n_2,n_3)、∣n⃗∣=1|\vec n|=1 とすると S=n⃗⋅σ⃗=n1σ1+n2σ2+n3σ3=(n3n1−in2n1+in2−n3) S=\vec n\cdot\vec\sigma =n_1\sigma_1+n_2\sigma_2+n_3\sigma_3 = \begin{pmatrix} n_3 & n_1-in_2\\ n_1+in_2 & -n_3 \end{pmatrix} である。これを2乗すると S2=(n32+(n1−in2)(n1+in2)n3(n1−in2)−(n1−in2)n3(n1+in2)n3−n3(n1+in2)(n1+in2)(n1−in2)+n32) S^2= \begin{pmatrix} n_3^2+(n_1-in_2)(n_1+in_2) & n_3(n_1-in_2)-(n_1-in_2)n_3\\ (n_1+in_2)n_3-n_3(n_1+in_2) & (n_1+in_2)(n_1-in_2)+n_3^2 \end{pmatrix} となる。非対角成分は打ち消し合って 00、対角成分は n32+(n12+n22)=∣n⃗∣2=1 n_3^2+(n_1^2+n_2^2)=|\vec n|^2=1 である。したがって S2=(1001)=I. S^2= \begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix} =I .

同じことは成分計算を経ずにも示せる。パウリ行列は σiσj+σjσi=2δijI \sigma_i\sigma_j+\sigma_j\sigma_i=2\delta_{ij}I を満たすので S2=∑i,jninjσiσj=∑i,jninj⋅12(σiσj+σjσi)=∑i,jninjδijI=∣n⃗∣2I=I. S^2=\sum_{i,j}n_in_j\sigma_i\sigma_j =\sum_{i,j}n_in_j\cdot\frac12\left(\sigma_i\sigma_j+\sigma_j\sigma_i\right) =\sum_{i,j}n_in_j\delta_{ij}I =|\vec n|^2I=I .

2-2) 行列指数関数の閉じた形

S2=IS^2=I より S2k=I,S2k+1=S(k=0,1,2,… ) S^{2k}=I,\qquad S^{2k+1}=S\qquad(k=0,1,2,\dots) である。定義級数を偶数項と奇数項に分けると exp⁡[iϕS]=∑m=0∞(iϕ)mm!Sm=∑k=0∞(iϕ)2k(2k)!I+∑k=0∞(iϕ)2k+1(2k+1)!S. \exp\left[i\phi S\right] =\sum_{m=0}^{\infty}\frac{(i\phi)^m}{m!}S^m =\sum_{k=0}^{\infty}\frac{(i\phi)^{2k}}{(2k)!}I +\sum_{k=0}^{\infty}\frac{(i\phi)^{2k+1}}{(2k+1)!}S . ここで (iϕ)2k=(−1)kϕ2k(i\phi)^{2k}=(-1)^k\phi^{2k}、(iϕ)2k+1=i(−1)kϕ2k+1(i\phi)^{2k+1}=i(-1)^k\phi^{2k+1} であるから exp⁡[iϕS]=(∑k=0∞(−1)kϕ2k(2k)!)I+i(∑k=0∞(−1)kϕ2k+1(2k+1)!)S. \exp\left[i\phi S\right] =\left(\sum_{k=0}^{\infty}\frac{(-1)^k\phi^{2k}}{(2k)!}\right)I +i\left(\sum_{k=0}^{\infty}\frac{(-1)^k\phi^{2k+1}}{(2k+1)!}\right)S . 括弧の中はそれぞれ cos⁡ϕ\cos\phi と sin⁡ϕ\sin\phi のテイラー級数である。よって exp⁡[iϕS]=cos⁡ϕ I+isin⁡ϕ S \exp\left[i\phi S\right]=\cos\phi\,I+i\sin\phi\,S と書け、f(ϕ)I+ig(ϕ)Sf(\phi)I+ig(\phi)S の形になっている。

最終答

L1(x)=1−xL_1(x)=1-x, L2(x)=1−2x+x22L_2(x)=1-2x+\dfrac{x^2}{2}

母関数の t1,t2t^1,t^2 の係数として L1(x)=1−xL_1(x)=1-x、L2(x)=1−2x+x22L_2(x)=1-2x+\dfrac{x^2}{2} が得られ、微分による定義と一致する。

∫0∞dx e−xL1(x)L2(x)=0\displaystyle\int_0^{\infty}dx\,e^{-x}L_1(x)L_2(x)=0

exp⁡[iϕS]=cos⁡ϕ I+isin⁡ϕ S\exp\left[i\phi S\right]=\cos\phi\,I+i\sin\phi\,S、すなわち f(ϕ)=cos⁡ϕf(\phi)=\cos\phi,\ g(ϕ)=sin⁡ϕg(\phi)=\sin\phi

第2問 — 力学:斜面を転がり落ちる剛体球

問1前半 滑らずに転がり落ちる球(1-1〜1-5)

方針

転がり運動は「並進の運動方程式」「重心まわりの回転の運動方程式」「拘束条件」の3本を並べれば必ず解ける。摩擦力 FF は未知数であって μN\mu N ではない、という点が最初の分岐である。μ\mu が出てくるのは 1-4) の不等式のときだけで、1-2) と 1-3) では μ\mu を使ってはいけない。

摩擦力の向き

静止摩擦力を斜面上向きにとった。これが正しいことは結果 F>0F>0 から確かめられる。向きを下向きにとっても答えは符号込みで同じになるが、1-4) で ∣F∣≤μN|F|\le\mu N とする際に絶対値を忘れやすい。回転を起こすトルクを与えているのは摩擦力だけであり、垂直抗力と重力は重心まわりにトルクをもたないことも一言書いておくとよい。

検算

b→0b\to0(質量が中心に集まった極限)では v˙→gsin⁡θ\dot v\to g\sin\theta となり、摩擦のない質点の滑降に一致する。同じ極限で 1-3) の F→0F\to0、1-4) の μmin⁡→0\mu_{\min}\to0 となるのも整合的である。逆に b→∞b\to\infty では v˙→0\dot v\to0 で、回転させにくい物体は転がり落ちにくい。θ→0\theta\to0 では μmin⁡→0\mu_{\min}\to0、θ→π/2\theta\to\pi/2 では μmin⁡→∞\mu_{\min}\to\infty となり、鉛直な壁では転がりが成立しないことを表す。

失点しやすい点

1-5) で「重いほうが速い」「大きいほうが速い」と答える誤りが多い。加速度は MM にも RR にも依存せず、形状で決まる無次元量 bb だけで決まる。b=2/5b=2/5 と b=2/3b=2/3 の値は覚えていることが前提だが、覚えていなくても「質量が軸から遠いほど bb が大きい」ことから球殻のほうが大きいと述べれば結論は導ける。

問1後半 滑りながら転がり落ちる球(1-6〜1-7)

方針

滑る場合は拘束が外れるので、未知の摩擦力 FF は現れず、代わりに μ′N\mu'N という既知の力が与えられる。1-6) は2本の運動方程式を独立に積分するだけである。1-7) は「力が仕事をする」だけでなく「トルクも仕事をする」ことを見落とさないかが問われている。

仕事を2つに分ける理由

剛体に加わる力がする仕事は、作用点(ここでは接触点にある球の物質点)の速度を用いて ∫F⃗⋅v⃗接触点 dt\int\vec F\cdot\vec v_{\text{接触点}}\,dt で定義される。接触点の速度は v−Rωv-R\omega なので、これを分解すると重心の並進に対する仕事と重心まわりの回転に対する仕事の和になる。並進だけを数えると 1-6) で ω\omega を求めさせた意味がなくなるので、両方を書くのが出題の意図に沿う。

検算

仕事とエネルギーの関係で確かめる。高さ hh 落ちたときの運動エネルギーは 12Mv2=Mgh(1−μ′cot⁡θ),12Iω2=μ′2Mghcos⁡2θbsin⁡θ(sin⁡θ−μ′cos⁡θ) \frac12Mv^2=Mgh\left(1-\mu'\cot\theta\right), \qquad \frac12I\omega^2 =\frac{\mu'^2Mgh\cos^2\theta} {b\sin\theta\left(\sin\theta-\mu'\cos\theta\right)} であり、その和は Mgh+WMgh+W に一致する。すなわち重力の仕事 MghMgh と摩擦の仕事 WW の和が運動エネルギーの増加になっている。垂直抗力は変位に垂直なので仕事をしない。

符号が負であること

W<0W<0 となるのは μ′cos⁡θb(sin⁡θ−μ′cos⁡θ)<1⟺μ′<b1+btan⁡θ \frac{\mu'\cos\theta}{b\left(\sin\theta-\mu'\cos\theta\right)}<1 \quad\Longleftrightarrow\quad \mu'<\frac{b}{1+b}\tan\theta のときである。これは 1-4) で求めた「滑らない条件」の否定、すなわち「滑り続ける条件」そのものである。もし μ′\mu' がこの値を超えると vv と RωR\omega が途中で一致して転がりに移行してしまい、1-6) の式が成り立たなくなる。答案では「1-6)、1-7) は μ′<btan⁡θ/(1+b)\mu'<b\tan\theta/(1+b) の範囲で成り立つ」と一言添えると安全である。

発生する熱との関係

接触面で発生する熱は、動摩擦力の大きさに相対滑り距離を掛けたもの Q=μ′Mgcos⁡θ∫0t(v−Rω)dt′=−W Q=\mu'Mg\cos\theta\int_0^t\left(v-R\omega\right)dt'=-W であり、上で求めた WW の符号を変えたものに等しい。「摩擦がした仕事」と「発生した熱」は符号が逆で大きさが等しい、という関係を書いておくと、結果の妥当性が伝わる。

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第3問 — 電磁気学:一様帯電球の静電エネルギーと円電流にはたらく力

設問1 一様に帯電した球の電場・電位・静電エネルギー

方針

1-1)、1-2) は球対称のガウスの法則の標準問題である。1-3) が本設問の山場で、「殻を1枚運ぶときの相手は、すでに積み上がった内側の球だけである」という点を押さえる。外側にまだ電荷がないので、そのときの表面電位は半径 rr の球の外部電位の値になる。

電位の連続性で検算

1-2) の2つの式に r=ar=a を入れると、どちらも ϕ(a)=ρa23ε0 \phi(a)=\frac{\rho a^2}{3\varepsilon_0} となり連続である。電場は r=ar=a で ρa/3ε0\rho a/3\varepsilon_0 となりやはり連続で、これは表面に面電荷がないことに対応する。一方 EE の傾きは r=ar=a で不連続になる。r→∞r\to\infty では総電荷 Q=43πa3ρQ=\frac43\pi a^3\rho を用いて ϕ→Q4πε0r,E→Q4πε0r2 \phi\to\frac{Q}{4\pi\varepsilon_0r},\qquad E\to\frac{Q}{4\pi\varepsilon_0r^2} となり、点電荷の式に一致する。

別解による検算

静電エネルギーは電場のエネルギー密度からも計算できる。 U=ε02∫E2 dV=ε02[∫0a(ρr3ε0)24πr2dr+∫a∞(ρa33ε0r2)24πr2dr] U=\frac{\varepsilon_0}{2}\int E^2\,dV =\frac{\varepsilon_0}{2}\left[ \int_0^a\left(\frac{\rho r}{3\varepsilon_0}\right)^2 4\pi r^2dr +\int_a^{\infty}\left(\frac{\rho a^3}{3\varepsilon_0r^2}\right)^2 4\pi r^2dr \right] であり、第1項が 2πρ2a545ε0\dfrac{2\pi\rho^2a^5}{45\varepsilon_0}、第2項が 2πρ2a59ε0\dfrac{2\pi\rho^2a^5}{9\varepsilon_0} なので合計は 2πρ2a545ε0+10πρ2a545ε0=12πρ2a545ε0=4πρ2a515ε0 \frac{2\pi\rho^2a^5}{45\varepsilon_0}+\frac{10\pi\rho^2a^5}{45\varepsilon_0} =\frac{12\pi\rho^2a^5}{45\varepsilon_0} =\frac{4\pi\rho^2a^5}{15\varepsilon_0} となって一致する。総電荷で書き直すと U=3Q220πε0aU=\dfrac{3Q^2}{20\pi\varepsilon_0a} という教科書の形になる。

失点しやすい点

1-3) で「表面電位」ではなく「中心の電位」や「完成後の球の表面電位 ρa2/3ε0\rho a^2/3\varepsilon_0」を使うと係数が変わる。積み上げの途中では球の半径は rr であって aa ではない。また dqdq に体積 4πr2dr4\pi r^2dr を使うべきところを 4πr24\pi r^2 とだけ書いて drdr を落とす誤りも多い。

設問2 円形電流がつくる磁束密度

方針

ビオ・サバールの法則の適用では、(i) ds⃗d\vec s と r⃗\vec r を成分で書く、(ii) 外積を取る、(iii) 対称性で消える成分を落とす、の3段を明示する。ρ^\hat\rho の成分が消えることを「対称性より」と一言で済ませてもよいが、∫02πcos⁡φ dφ=∫02πsin⁡φ dφ=0\int_0^{2\pi}\cos\varphi\,d\varphi=\int_0^{2\pi}\sin\varphi\,d\varphi=0 と書けば確実である。

検算

2-2) で z=0z=0 とおくと μ0Ia22a3=μ0I2a\dfrac{\mu_0Ia^2}{2a^3}=\dfrac{\mu_0I}{2a} となり 2-1) に一致する。∣z∣≫a|z|\gg a では ∣B⃗∣≃μ0Ia22∣z∣3=μ04π2m∣z∣3,m=Iπa2 \left|\vec B\right|\simeq\frac{\mu_0Ia^2}{2|z|^3} =\frac{\mu_0}{4\pi}\frac{2m}{|z|^3}, \qquad m=I\pi a^2 となり、磁気モーメント mm をもつ磁気双極子が軸上につくる磁場の式に一致する。この2つの極限が合えば、係数の取り違えはほぼない。

向きの決め方

電流の向きに右手の親指以外の指を回すと、親指が磁場の向きを指す。反時計回り(zz 軸正方向から見て)なので +z+z である。答案では「大きさを求めよ」とあっても、向きを1行添えておくと設問3で使うときに混乱しない。

設問3 円形導線が直線電流から受ける力

方針

「電流素片が磁場から受ける力」は I ds⃗×B⃗I\,d\vec s\times\vec B であって、B⃗\vec B は相手の電流がつくる磁場である。自分自身の円電流がつくる磁場は力の計算に入れない。3-2) では θ^×z^=e⃗R\hat\theta\times\hat z=\vec e_{\mathrm R} という円柱座標の関係だけが必要で、成分に展開しなくても答えが出る。

向きの物理的な確認

θ=π\theta=\pi(直線導線に最も近い点)では、円電流の向きは θ^=(0,−1,0)\hat\theta=(0,-1,0) で I2I_2 と逆向きである。逆向きの平行電流は反発するので、この点の力は +x+x 向き、すなわち −e⃗R-\vec e_{\mathrm R} 向きになる。θ=0\theta=0(最も遠い点)では θ^=(0,1,0)\hat\theta=(0,1,0) で I2I_2 と同じ向きだから引き合い、力は −x-x 向き、これも −e⃗R-\vec e_{\mathrm R} 向きである。どちらも 3-2) の「中心向き」に合っている。全体としては、近い側の反発のほうが磁場が強いぶん勝つので、正味の力は導線から離れる向きになる。

遠方極限による検算

d≫ad\gg a では dd2−a2=(1−a2d2)−1/2≃1+a22d2 \frac{d}{\sqrt{d^2-a^2}} =\left(1-\frac{a^2}{d^2}\right)^{-1/2} \simeq1+\frac{a^2}{2d^2} なので ∣F⃗∣≃μ0I1I2a22d2\left|\vec F\right|\simeq\dfrac{\mu_0I_1I_2a^2}{2d^2} である。一方、磁気モーメント m⃗=I1πa2z^\vec m=I_1\pi a^2\hat z をもつ磁気双極子が受ける力は F⃗=∇(m⃗⋅B⃗2)\vec F=\nabla\left(\vec m\cdot\vec B_2\right) で、B2z=−μ0I22π(x+d)B_{2z}=-\dfrac{\mu_0I_2}{2\pi(x+d)} を xx で微分して x=0x=0 とおくと Fx=I1πa2⋅μ0I22πd2=μ0I1I2a22d2 F_x=I_1\pi a^2\cdot\frac{\mu_0I_2}{2\pi d^2} =\frac{\mu_0I_1I_2a^2}{2d^2} となり一致する。d→a+d\to a^{+} では F⃗\vec F が発散するが、これは円が直線に接して距離が 00 になるためで、物理的に妥当である。

答案の書き方

設問は「積分を残したままで良い」と明記しているので、yy 成分が対称性で消えることを示し、xx 成分を積分の形で書いた時点で満点である。ただし、力の向きも問われているので、被積分関数の符号を評価して「+x+x 向き」と結論するところまでは必要になる。cos⁡θ\cos\theta を含む積分の符号は一目では分からないので、上のように 1−dd+acos⁡θ1-\dfrac{d}{d+a\cos\theta} に分解して評価するか、近い側と遠い側の寄与の比較で説明する。

電磁気学:一様帯電球の静電エネルギーと円電流にはたらく力の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 量子力学:一次元散乱の共鳴透過と一様磁場中のスピン

設問1 矩形障壁と矩形井戸の透過率

方針

1-1) は接続条件4本を機械的に解くだけだが、透過振幅 tt を先に消去してから ∣t∣2|t|^2 を作ると計算量が半分になる。1-2)、1-3) は sin⁡(qa)=0\sin(qa)=0 という一行の条件に落ちるので、V0=2E0V_0=2E_0 という換算を最初に済ませておくと数値が見通しよくなる。

TT の表式の共通性

障壁と井戸は V0V_0 の符号だけが違うので、透過率の式は T=[1+V02sin⁡2(qa)4E(E∓V0)]−1 T=\left[1+\frac{V_0^2\sin^2\left(qa\right)}{4E\left(E\mp V_0\right)}\right]^{-1} と一つにまとめられる(上が障壁、下が井戸)。V02V_0^2 は符号を変えても同じなので、分母の E∓V0E\mp V_0 だけを取り替えればよい。1-3) を独立に解き直す必要はなく、この対応を書けば十分である。

検算

sin⁡(qa)\sin(qa) の因子から、T≤1T\le1 がつねに成り立つ。V0→0V_0\to0 では T→1T\to1 で自由粒子に戻る。障壁で E→V0+E\to V_0^{+} の極限では q→0q\to0、sin⁡2qa≃q2a2\sin^2 qa\simeq q^2a^2 となり V02q2a24E⋅ℏ2q2/2m=mV02a22ℏ2E \frac{V_0^2q^2a^2}{4E\cdot\hbar^2q^2/2m}=\frac{mV_0^2a^2}{2\hbar^2E} と有限に残るので TT は 00 にならず有限値をとる。1-2) の答えを 1-3) の答えと比べると、障壁のほうが Emin⁡E_{\min} が高い(1.5V01.5V_0 対 V0V_0)。障壁は古典的にも E>V0E>V_0 が必要なので、これは自然な大小関係である。

ド・ブロイ波長による見方

問題文が「ド・ブロイ波長についての考察から答えてもよい」と許しているとおり、共鳴条件は a=nλ/2a=n\lambda/2 である。井戸の場合、a=a0a=a_0 では n=1n=1 に対応する EE が負になってしまうので n=2n=2 から始まる、という説明で 1-3) は解ける。1-4) も、aa が広がると同じ nn でより長い波長、すなわち低いエネルギーが許されるようになる、と述べれば定性的な説明が完成する。

設問2 一様磁場中の電子スピン

方針

2-1)、2-2) は固有値問題を解くだけである。2-3) は「σx\sigma_x の固有状態を σz\sigma_z の固有状態で展開し、位相因子を付け、σx\sigma_x の固有状態に射影し直す」という定型の3段で、量子力学の時間発展の最も基本的な練習になっている。2-4) は計算ではなく、ΔE=ℏω\Delta E=\hbar\omega という共鳴条件を書けるかどうかが問われている。

歳差運動としての解釈

⟨sx⟩\left\langle s_x\right\rangle を直接計算すると ⟨sx⟩=ℏ2cos⁡(2μBtℏ),⟨sy⟩=−ℏ2sin⁡(2μBtℏ),⟨sz⟩=0 \left\langle s_x\right\rangle=\frac\hbar2\cos\left(\frac{2\mu Bt}{\hbar}\right), \qquad \left\langle s_y\right\rangle=-\frac\hbar2\sin\left(\frac{2\mu Bt}{\hbar}\right), \qquad \left\langle s_z\right\rangle=0 となり、スピン期待値ベクトルが xyxy 面内を一定の角速度で回っていることが分かる。P(t)=12(1+2ℏ⟨sx⟩)P(t)=\frac12\left(1+\frac{2}{\hbar}\left\langle s_x\right\rangle\right) という関係も成り立つ。2-3) の結果を歳差運動の言葉で言い換えておくと、2-4) の共鳴条件がそのまま出てくる。

検算

t=0t=0 で P=1P=1、μBt/ℏ=π/2\mu Bt/\hbar=\pi/2 で P=0P=0、すなわち sx=−ℏ/2s_x=-\hbar/2 の状態に完全に移っている。確率が 00 と 11 の間を往復し、その周期が πℏ/(∣μ∣B)\pi\hbar/\left(\left|\mu\right|B\right) で歳差周期と一致することも確認できる。B→0B\to0 では P→1P\to1 となり、磁場がなければ sxs_x が保存する(σx\sigma_x が H=0\mathcal H=0 と可換)ことに合う。

失点しやすい点

H\mathcal H の固有値を ±μB\pm\mu B とせずに ±μB/2\pm\mu B/2 としてしまう誤りが多い。本問のハミルトニアンは μσ⃗⋅B⃗\mu\vec\sigma\cdot\vec B であって μs⃗⋅B⃗\mu\vec s\cdot\vec B ではないので、ℏ/2\hbar/2 の因子は入らない。またエネルギー差は μB\mu B ではなく 2μB2\mu B であり、共鳴角振動数はその ℏ\hbar 分の1である。時間発展の位相を e+iEt/ℏe^{+iEt/\hbar} と書くと P(t)P(t) は同じ(cos⁡2\cos^2 は偶関数)だが、⟨sy⟩\left\langle s_y\right\rangle の符号、すなわち歳差の回転向きが反転するので注意する。

量子力学:一次元散乱の共鳴透過と一様磁場中のスピンの途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 統計力学:スピン1の三準位系と二次元自由フェルミ気体

設問1 スピン1の粒子 NN 個からなる系

方針

「区別できる」「相互作用しない」の2語から Z=Z1NZ=Z_1^N が直ちに書ける。あとは U=−∂βln⁡ZU=-\partial_\beta\ln Z、C=dU/dTC=dU/dT、S=kB(ln⁡Z+βU)S=k_{\mathrm B}\left(\ln Z+\beta U\right) という定型の流れである。H\mathcal H が Sz2S_z^2 にしか依存しないという構造が、1-4) の答えが 00 になることと 1-5) が Sz2S_z^2 の応答になっていることの両方を支配している。

基底状態の縮退

T=0T=0 でエントロピーが 00 になると答える誤りが多い。この系は s=+1s=+1 と s=−1s=-1 が同じエネルギーをもつので、T→0T\to0 でもその2状態が等確率で残り、1粒子あたり kBln⁡2k_{\mathrm B}\ln2 の残留エントロピーが生じる。エントロピーが ln⁡2\ln2 から ln⁡3\ln3 へ増える差 NkBln⁡(3/2)Nk_{\mathrm B}\ln(3/2) が、C(T)C(T) の山(ショットキー比熱)の下の面積 ∫0∞CTdT\int_0^\infty \frac{C}{T}dT に対応する。

熱容量の極限による検算

T→0T\to0 では u→∞u\to\infty なので 2u(2u+1)2≃12u\dfrac{2u}{(2u+1)^2}\simeq\dfrac1{2u} となり、C∝β2e−βqz→0C\propto\beta^2e^{-\beta q_z}\to0 と指数的に落ちる。これは基底状態と励起状態の間にエネルギーギャップ qzq_z があることの現れである。T→∞T\to\infty では u→1u\to1 で 2u(2u+1)2→29\dfrac{2u}{(2u+1)^2}\to\dfrac29 となり、C≃2N9kB(qzkBT)2→0C\simeq\dfrac{2N}{9}k_{\mathrm B}\left(\dfrac{q_z}{k_{\mathrm B}T}\right)^2\to0 である。有限の準位数をもつ系の熱容量は両端で 00 になり、中間に山をもつ。

ゆらぎとの関係

熱容量は1粒子エネルギーの分散を使って C=NkBβ2(⟨ε2⟩−⟨ε⟩2) C=Nk_{\mathrm B}\beta^2 \left(\left\langle\varepsilon^2\right\rangle -\left\langle\varepsilon\right\rangle^2\right) とも書ける。実際 ⟨ε2⟩−⟨ε⟩2=qz22u(2u+1)2\left\langle\varepsilon^2\right\rangle-\left\langle\varepsilon\right\rangle^2 =q_z^2\dfrac{2u}{\left(2u+1\right)^2} となり、1-2) の結果と一致する。同様に χ\chi は Sz2S_z^2 のゆらぎに比例する量であり、qzq_z が Sz2S_z^2 に共役な「場」になっていると読める。1-5) の答えが 1/T1/T に比例するのは、常磁性のキュリー則と同じ構造である。

設問2 二次元自由フェルミ粒子系の状態密度

方針

状態密度の計算は、分散関係が変わっても D(E)=12πℏ2 p dpdE D(E)=\frac{1}{2\pi\hbar^2}\,p\,\frac{dp}{dE} という一つの式に帰着する。まずこの式を導いておき、2-1) と 2-3) では p dp/dEp\,dp/dE を計算するだけにすると、答案が短くなり計算ミスも減る。次元解析の 2-2) は、根号の中の2項が同じ次元をもつという1行から出る。

二次元であることの効き方

三次元なら d3p=4πp2dpd^3p=4\pi p^2dp なので放物型分散の状態密度は E\sqrt E に比例するが、二次元では d2p=2πp dpd^2p=2\pi p\,dp の pp と dp/dE∝1/pdp/dE\propto1/p の 1/p1/p が打ち消し合って定数になる。二次元自由電子系の状態密度が一定であることは、その系の比熱や磁化を議論するときに何度も使う性質である。

検算

2-3) で Δ→0\Delta\to0 とすると E=α pE=\sqrt\alpha\,p という線形分散になり、D(E)=E2πℏ2αD(E)=\dfrac{E}{2\pi\hbar^2\alpha} は原点から立ち上がる直線になる。これは線形分散の二次元系の状態密度が EE に比例するという既知の結果と一致する。逆に E≫ΔE\gg\Delta では 2-3) の式が Δ\Delta に依存しなくなり、やはり線形分散の結果に漸近する。

2-4) はフェルミ運動量からも確かめられる。T=0T=0 では p≤pFp\le p_{\mathrm F} の状態がすべて詰まっており、 ⟨N⟩=A⋅πpF2(2πℏ)2=ApF24πℏ2,pF2=μ02−Δ2α \left\langle N\right\rangle =\frac{A\cdot\pi p_{\mathrm F}^2}{\left(2\pi\hbar\right)^2} =\frac{Ap_{\mathrm F}^2}{4\pi\hbar^2}, \qquad p_{\mathrm F}^2=\frac{\mu_0^2-\Delta^2}{\alpha} であり、上の積分の結果と一致する。

失点しやすい点

状態密度を「単位面積あたり」で求めるよう指示されているので、AA を掛けたままにしないことに注意する。逆に 2-4) は「系の全粒子数」なので AA を掛け戻す必要がある。どちらの量なのかを式の前に一言書いておくと取り違えを防げる。また 2-3) の図では、E<ΔE<\Delta で D=0D=0 であること、E=ΔE=\Delta で連続でなく跳ぶことの2点を必ず描く。原点から立ち上がる直線を1本引くだけでは、ギャップ Δ\Delta の存在を示せていない。

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年度別の解答例(19年度)

  • 2026年冬季(解説4項目)

    解析力学 / 電磁気学 / 量子力学

  • 2026年夏季(解説4項目)

    力学 / 電磁気学 / 量子力学

  • 2025年冬季(解説5項目)

    線形代数・微積分 / 強制振動 / 電磁気

  • 2025年夏季(解説5項目)

    複素積分 / ばね振動と波動 / 電磁気

  • 2024年冬季(解説5項目)

    数学 / 剛体の転がり / 静電ポテンシャル

  • 2024年夏季(解説5項目)

    偏微分方程式・留数積分 / 力学 / 電磁気学

  • 2023年度 冬季(解説5項目)

    数学:固有値問題・行列の指数関数・不定積分 / 力学:一様棒の物理振り子と回転軸の移動 / 電磁気学:直交電磁場中の荷電粒子とサイクロイド運動

  • 2023年度 夏季(解説5項目)

    数学:演算子の指数関数と留数定理による実積分 / 力学:ばねで連結された2質点と中空円板の制動 / 電磁気学:電流間の力・電磁波の横波性・点電荷系の遠方展開

  • 2022年度 冬季(解説5項目)

    数学:実対称行列の直交対角化と留数定理による実積分 / 力学:円板の物理振り子と周期を最小にする支点 / 電磁気学:点電荷の電場と接地導体面の鏡像法

  • 2022年度 夏季(解説5項目)

    数学:ベクトル解析・複素積分・行列の対角化と偏微分方程式 / 力学:単振り子と巻取り軸つき円板の落下 / 電磁気学:3点電荷の釣り合い・電流回路の磁場・RC回路の過渡応答

  • 2021年度 冬季(解説5項目)

    数学:複素数の方程式 sin z=2 と実対称行列の指数関数 / 力学:あらい斜面上を転がる円柱と滑りから転がりへの移行 / 電磁気学:平行板コンデンサの電荷配置と各領域の電場

  • 2019年度 冬季(解説5項目)

    数学:固有値・ベクトル解析・フーリエ余弦級数 / 力学:一様密度球の重力場と質点の運動 / 電磁気学:同軸ケーブルの静電容量と自己インダクタンス

  • 2019年度 夏季(このページ・解説5項目)

    数学:ラゲール多項式とパウリ行列の指数関数 / 力学:斜面を転がり落ちる剛体球 / 電磁気学:一様帯電球の静電エネルギーと円電流にはたらく力

  • 2018年度 冬季(解説5項目)

    数学:極座標変換によるガウス積分と拡散方程式の変数分離 / 力学:完全非弾性衝突後の単振動と斜面を転がる剛体 / 電磁気学:電気双極子と鏡像法、円電流と磁気双極子

  • 2018年度 夏季(解説5項目)

    数学:留数定理による定積分とパウリ行列の指数関数 / 力学:有効ポテンシャルによる円軌道の安定性と、強制振動・臨界減衰 / 電磁気学:一様磁場を出入りするループの落下と、球対称電荷分布の静電場

  • 2017年度 冬季(解説5項目)

    数学:複素積分と巡回行列の指数関数 / 力学:3質点・4ばね系の基準振動 / 電磁気学:導体球殻の静電場と円柱電流の磁場

  • 2017年度 夏季(解説5項目)

    数学:母関数・行列の固有値・定積分・微分方程式 / 力学:剛体の制動回転と円すい面上の質点 / 電磁気学:帯電円環板の静電場とRLC共振回路

  • 2016年度 冬季(解説5項目)最終答まで公開

    数学:母関数・行列の固有値・本質的特異点まわりの積分 / 力学:バネにつながれた物体への衝突と、二軸に拘束された棒の運動 / 電磁気学:一様帯電球の電場と電位、回転する帯電球の磁束密度

  • 2016年度 夏季(解説5項目)最終答まで公開

    数学:母関数・行列指数関数・境界値問題 / 力学:連結ばね・斜面の摩擦・滑車の回転 / 電磁気学:変位電流と共焦点回転楕円体導体

2019年度 夏季の出題内容

解説5項目

この5問の分野は数学1問・電磁気学・回路1問・熱・統計力学1問・量子力学1問・力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問数学ラゲール多項式とパウリ行列の指数関数母関数展開の手際 / 直交性という背景あり
第2問力学斜面を転がり落ちる剛体球摩擦力の向き / 仕事を2つに分ける理由あり
第3問電磁気学・回路一様帯電球の静電エネルギーと円電流にはたらく力電位の連続性で検算 / 別解による検算あり
第4問量子力学一次元散乱の共鳴透過と一様磁場中のスピンT の表式の共通性 / ド・ブロイ波長による見方あり
第5問熱・統計力学スピン1の三準位系と二次元自由フェルミ気体基底状態の縮退 / 熱容量の極限による検算あり

2019年度 夏季の解説には検算5件・失点しやすい点4件・答案の書き方1件が付いています。

前年度(2018年度 冬季)との違い

大問数
2018年度 冬季 5問 → 2019年度 夏季 5問
2018年度 冬季の解答例

東京都立大学の公式過去問

公開年度範囲
2024〜2026(夏季・冬季)
公式の解答例
解答例の掲載なし
英語の扱い
物理の公式過去問ページではTOEIC公開テスト・TOEFL-iBT・IELTS Academicのスコア評価を案内。出願年度の条件は募集要項を確認。
院試hubの最終確認
2026-10-17
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