東京都立大学 院試 過去問 解答例
都立大 理学研究科 物理学専攻 物理 2016年度 夏季 院試 過去問 解答例・解説(全5問)
全5問。数学1問・電磁気学・回路1問・熱・統計力学1問。
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都立大 物理 2016年度 夏季 院試 過去問の出題内容(全5問)
この5問の分野は数学1問・電磁気学・回路1問・熱・統計力学1問・量子力学1問・力学1問です。
| 大問 | 分野 | 主題 | 解説の小見出し | 最終答 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 数学 | 母関数・行列指数関数・境界値問題 | 直接展開による検算 / 行列式の別解 | あり |
| 第2問 | 力学 | 連結ばね・斜面の摩擦・滑車の回転 | 非線形性の意味 / エネルギー収支による確認 | あり |
| 第3問 | 電磁気学・回路 | 変位電流と共焦点回転楕円体導体 | 境界での連続性による検算 / 変位電流が必要な理由 | あり |
| 第4問 | 量子力学 | 段差ポテンシャルの反射率とランダウ準位 | 透過率まで求めて和が1になることを見る / 結果の意味 | あり |
| 第5問 | 熱・統計力学 | 1次元格子振動の比熱と3スピン系 | 上限を無限大に伸ばす根拠 / ゆらぎと応答の関係 | あり |
この年度の解説には失点しやすい点5件が付いています。
第1問 — 数学:母関数・行列指数関数・境界値問題
方針
定義式をそのまま級数の割り算として扱うと、 の展開で 以降の取りこぼしが起きやすい。両辺に を掛けて係数比較に直せば、二項係数だけの漸化式になり、必要な次数まで機械的に伸ばせる。
直接展開による検算
を用いて割り算を実行すると となる。 だから上の結果と一致し、 の係数が 、すなわち であることも同時に見える。
失点しやすい点
の符号を と書く誤りが多い。母関数を で定義する流儀では になるので、定義を答案の冒頭で確認しておく。また漸化式の和は までで、 の項は に定数項がないことから落ちる。
設問2 行列の指数関数と行列式
方針
無限級数を成分ごとに計算しようとすると手が止まる。最初に を計算して単位行列の定数倍になることを確かめ、以後のべきをすべて と の2つで表してしまうのが定石である。ヒントの「偶数べきと奇数べきに分ける」はこの手順を指している。 行列なら Cayley--Hamilton の関係 に 、 を入れれば、成分計算をせずに同じ関係が出る。
行列式の別解
一般に が成り立ち、 だから である。成分計算の結果と一致することがそのまま検算になる。 で となり対角行列の指数に戻ることも確かめておく。
この設問が試していること
とパウリ行列で書けば ( は単位ベクトル)であり、 から という、スピンの回転演算子で繰り返し使う公式そのものである。
設問3 長方形領域のラプラス演算子の固有値問題
方針
変数分離自体は機械的だが、「全て求めよ」と指示されている以上、分離定数の符号を尽くして自明解を除外する作業が本体である。天下りに と置くと、 を排除した理由が残らない。
検算:縮退
の正方形では となり、 と が同じ固有値を与える。縮退があるとき固有関数が の線形結合まで含むことは、一言添えておくとよい。
失点しやすい点
や を許すと で固有関数にならない。また と は符号が変わるだけで同じ固有関数を与えるから、 は正の整数に限ってよい。
解答
定義式の両辺に を掛けると となる。右辺を Cauchy 積として展開すると、 の係数は である。左辺の の係数は のとき 、それ以外は であるから、両辺に を掛けて を得る。これがベルヌーイ数の漸化式である。
を順に代入すると
直接計算すると したがって帰納的に である。定義式の和を偶数べきと奇数べきに分けると 括弧の中はそれぞれ と であるから よって
成分で書くと であるから
と置いて方程式に代入し、 で割ると 第1項は だけ、第2項は だけの関数だから、それぞれ定数でなければならない。そこで と置く( は符号を含めた実数とする)。
境界条件 を満たす解を の符号で場合分けする。、すなわち なら で、 から 、 から となり自明解しか残らない。 なら で、両端の条件から となりこれも自明解である。したがって に限られ、、 から 、 から ()を得る。 についても同様に ()である。
以上より固有値と固有関数は (、 は任意定数)である。同じ を与える が複数あるときは、それらの の任意の線形結合も固有関数になる。
最終答
第2問 — 力学:連結ばね・斜面の摩擦・滑車の回転
方針
(1-2) 以降は力のつり合いを直接書くより、ポテンシャル を作ってから微分する方が速い。ばねの張力は斜めを向いており、鉛直成分を取る計算は の展開と同じ手間になるからである。 で平衡点、 で角振動数の2乗という流れがそのまま使える。
非線形性の意味
のまわりでは復元力が と3乗に比例するので、重力がなければ調和振動にならない。重力が平衡点を にずらすことで、その近傍だけが線形化される。角振動数が に依存する()のはそのためである。
失点しやすい点
弾性エネルギーを と書く誤りが多い。伸びるのは2本のばねそれぞれで ずつである。また重力の位置エネルギーは であり、符号を逆にすると平衡点が存在しなくなる。
設問2 緩やかな斜面上で動摩擦力がする仕事
方針
垂直抗力に 、経路長に が掛かり、この2つが打ち消すので、動摩擦の仕事は水平方向の移動距離だけで決まる。答案では と を別々に で書き、最後に積を取るのが明快である。なお「充分にゆっくり」は、斜面の曲率にともなう向心加速度と接線加速度を無視して と置いてよい、という意味で使う。
エネルギー収支による確認
出発点と終点の高さの差は だから、力学的エネルギーの収支は である。 が答えに現れないのは、 が摩擦の仕事ではなく運動エネルギーの増分 の側を決めるからである。 のときに限って となり、この設定が全区間で自己整合的になる。
失点しやすい点
と置いて を落とす誤りと、経路長を のままにして を落とす誤りの2つが典型である。両方を同時に間違えると偶然正しい答えになるが、片方だけだと または が残り、 に依存する形になってしまう。答案には と の両方を明示的に書く。
設問3 滑車とばねでつないだ小物体の単振動
方針
最初に拘束条件を書き切ることが要点である。ワイヤーが伸びず滑らないので、小物体の変位・ばねの伸び・回転角は独立ではなく、自由度は1つしかない。これを に選べば、あとは を消去するだけである。
極限による検算
では となり、ばねに直接つないだ質点の振動に戻る。 では である。平衡位置 が に依存しないことも、静止状態には慣性モーメントが関係しない以上正しい。一様な円板()では となり、よく知られた値と一致する。
失点しやすい点
両側の張力を等しいと置く誤りが致命的である。 とすると となり、滑車が回らないという矛盾に陥る。滑車に慣性モーメントがあるとき、張力は滑車を挟んで不連続になる。
解答
2本のばねを直列につないだとき、両端に大きさ の力を加えると、各ばねには同じ張力 が働く。よって各ばねの伸びは であり、全体の伸びは である。連結ばねのばね定数を とすると であるから
中間点 O から測った小物体の鉛直下方向の距離を とする。固定点から O までの水平距離はそれぞれ であるから、各ばねの長さは であり、自然長 からの伸びは となる。 では最低次を取って である。
ばねは2本あるので弾性エネルギーは 重力の位置エネルギーは、O を基準にして小物体が だけ下にあるから である。したがって
つり合いは で決まる。
であるから、 での実効的なばね定数は である。よって
位置 での斜面の傾きを とすると 、 である。小物体は充分にゆっくり滑るので斜面に垂直な加速度は無視でき、垂直抗力は である。動摩擦力の大きさは である。一方、水平方向に だけ進むときの斜面に沿った経路長は 摩擦力は運動方向と逆向きなので、その仕事の大きさは が打ち消し合い、斜面の形によらない。
(2-1) の結果を から まで積分すると 高さの変化 には依存しない。
小物体側の鉛直下向きを正、滑車の反時計回りを正とする。ワイヤーは伸びず滑車上で滑らないので、滑車が反時計回りに 回ると小物体は だけ下がり、ばね側のワイヤーは だけ引き上げられてばねが同じだけ伸びる。すなわち小物体の下降量とばねの伸びはともに に等しく、 である。ばねの張力は であり、これがばね側のワイヤーの張力 に等しい。
小物体については、重力 が下向き、張力 が上向きに働くので 滑車については、小物体側の張力 が反時計回りに、ばね側の張力 が時計回りにトルクを与えるから
ワイヤーが滑らないことから 、したがって
より である。滑車の式から を得る。これを小物体の式に代入すると 平衡点は である。 と置けば となり、単振動の角振動数は
厚さ の円板を、半径 と の間の薄い円筒殻に分ける。その質量は密度を として であり、回転軸まわりの慣性モーメントへの寄与は である。よって すなわち
最終答
第3問 — 電磁気学:変位電流と共焦点回転楕円体導体
方針
円筒対称性から磁場は周方向、電場は 方向と決まる。あとはアンペール--マクスウェルの法則 を、外部では伝導電流の項、極板間では変位電流の項だけで使えばよい。
境界での連続性による検算
(1-3) の結果で とすると となり、(1-1) の外部の式に を入れた値に一致する。極板の縁で磁場がつながることを意味し、変位電流密度の分母を と取れているかの検算になる。
変位電流が必要な理由
導線を切る平らな面では右辺は伝導電流 、極板間を通る袋状の面では伝導電流は である。変位電流の項があるおかげで後者にも同じ が現れ、アンペールの法則が面の取り方に依らなくなる。設問 1-2 と 1-3 はこの整合性を確かめさせている。
失点しやすい点
変位電流密度を求めるとき、電流を ではなく着目点までの面積 で割ってしまう誤りが多い。密度は極板全体で一様で、円が囲む量を出すときに初めて を掛ける。また、 を求める積分定数(直流成分)は電位の直流成分に対応するので、設問が交流成分を問うている以上、落としてよい。
設問2 一様に帯電した棒の電位と共焦点回転楕円体導体
方針
2-4 の核心は計算ではなく読み替えにある。「線電荷の等電位面は焦点 の回転楕円体」「導体表面はその形」「よって外部の場は線電荷の場と同じ」の3行を書けば、あとは を微分するだけである。外部領域でラプラス方程式・表面で等電位・無限遠でゼロ・総電荷 の4条件を線電荷の解が満たすことを述べ、一意性定理を根拠として明示すると答案が締まる。
2つの極限による検算
では となり 、点電荷の式に戻る。逆に細長い導体()で の範囲を見ると となり で無限直線の式に戻る。2-1 で求めた2つの極限と一致しており、2-4 の答えの検算になっている。さらに とすれば の球になり、 と導体球の面密度に戻る。
失点しやすい点
2-5 で を落として とする誤りと、境界条件を と混同する誤りが典型である。 は無限に薄い帯電面の片側の値であり、導体表面では内側 、外側 の段差になる。使うのは外側の値である。
解答
中心軸( 軸)からの距離を とする。コンデンサーから充分離れた の領域では、電流は 軸上のまっすぐな導線を流れる だけとみなせる。半径 の円を境界とする面にアンペールの法則を適用すると 点 では であり、 なら 、 なら である。どちらの符号もまとめて と書ける。
の極板に蓄えられる電荷を とすると、導線を流れる電流がこの極板に電荷を運ぶので (交流成分のみを取る)。極板間の電場は一様で、正に帯電した の極板から の極板へ向かう、すなわち 向きである。面電荷密度が だから したがって点 における変位電流密度は これは極板の内側で一様であり、面積分すると で導線の電流に等しい。
極板間には伝導電流がなく、変位電流だけがある。半径 の円にアンペール--マクスウェルの法則を適用すると、円が囲む変位電流は であるから (1-1) と同じ符号の扱いで
の極板を基準とすると であるから
のときは無限に長い直線電荷とみなせるので、ガウスの法則より のときは全電荷 の点電荷とみなせるので
線素 にある電荷 からの寄与を足し合わせると ()と置くと、積分区間は から に移り、符号を戻して 与えられた積分公式を使って 無限遠では対数の引数が に近づき となるので、無限遠を基準とした電位になっている。
導体には自由に動ける電荷がある。内部に電場があれば自由電荷は力を受けて動き続け、電流が流れることになるが、これは静電平衡ではない。実際には電荷が表面へ移動して再配置し、その電荷が内部につくる電場が外からの電場をちょうど打ち消す。この状態が静電平衡であり、そのとき内部の電場はゼロである。
ヒントの形から、 は と書ける。よって等電位面は 一定の面、すなわち を焦点とする回転楕円体である。 問題の導体はまさにこの焦点をもつ回転楕円体であるから、その表面は線電荷がつくる等電位面の一つになっている。導体外部の領域では、ラプラス方程式・表面での等電位・無限遠でゼロ・総電荷 という条件がすべて線電荷の解で満たされるので、一意性定理により導体外部の電場は線密度 の一様な線電荷がつくる電場に一致する。
では 、、 である。また であるから、 を代入して ()を得る。
導体表面のすぐ外側では が成り立つ。点 は回転楕円体の短軸上にあるので外向き法線は であり、 方向の成分は そのものである。したがって 長半径を と書けば である。
最終答
第4問 — 量子力学:段差ポテンシャルの反射率とランダウ準位
方針
手順は、各領域の波数を決める、 を課す、 で値と微分をつなぐ、の3段である。 は数学からは出てこないので、「 から入射する波はない」と一言書いて理由を残す。
透過率まで求めて和が1になることを見る
透過側の確率流は だから となり、確率が保存している。設問では問われていないが、 と の計算の検算にそのまま使える。
失点しやすい点
透過率を と書く誤りが最も多い。透過側は波数が異なるので、単位時間に流れる確率で比べる必要がある。反射側は入射側と速度が等しいため、たまたま でよい。
結果の意味
では で 、 では で となり、いずれも直感と合う。また は も も含まず、 だけで決まる。実際 であり、屈折率の異なる媒質の境界での反射率(フレネルの式)と同じ形をしている。
設問2 磁場と電場の中の荷電粒子
方針
与えられたハミルトニアンは を陽に含まないので が保存し、その固有値 を数として扱えば残るのは だけの1次元問題である。 のランダウ・ゲージがこの分離を可能にしている。
定数項の物理的な意味
は、速さ で 方向に流れる系へ移ったことに対応する。 は運動量 の状態がそのドリフトで得るエネルギーである。振動中心のずれ とあわせて ドリフトの量子版になっている。
縮退の消え方
とすると で に依存しない。これがランダウ準位の巨大な縮退である。電場を加えると の項で 依存性が生じ、縮退が解ける。
失点しやすい点
(2-2) で平方完成を のまま進めると、 と電場によるずれが混ざって定数項を取りこぼしやすい。 に移してから と展開すれば、定数が と に分かれる。(2-3) はこの両方を含む。(2-4) では で に戻ることを確かめる。幾何平均 が出るのは、 が慣性を、 がばね定数を決めるからである。
解答
ではポテンシャルがゼロなので、定常状態のシュレディンガー方程式は の形の解を入れると であるから 同じ領域の反射波も同じエネルギーをもつので である。
では なので右辺の係数は負であり、振動解になる。よって であり、同様に である。
粒子は の負の側からのみ入射するので、 で 方向に進む波は存在しない。したがって である。 で と が連続であることから、 を用いて 第1式を第2式に代入すると 、すなわち であるから
の領域で、 方向に進む成分は である。定義式に代入すると 同様に 方向に進む成分 については である。したがって
に を作用させると である。 と は に作用しないので、 から を括り出して
と置くと と置いて電場の項も含めて整理すると したがって であり、これは中心が にずれた調和振動子に定数を加えた形である。角振動数は
調和振動子の基底状態エネルギーは である。定数項を と書き直すと
同じ置き換えで となる。調和振動子の標準形 と係数を比べると
最終答
第5問 — 統計力学:1次元格子振動の比熱と3スピン系
方針
「独立な調和振動子の集まり」という一文から、分配関数が積、自由エネルギーが和になる。ここまでは温度に関する近似を一切使っていない厳密な式である。近似が入るのは (1-4) で上限を にするところだけなので、その根拠を明示するのが答案の要になる。
上限を無限大に伸ばす根拠
低温条件がそのまま を与える。 の寄与は 程度で、 のべきではなく指数関数で消える。したがって低温での比熱のべきには影響しない。この一行を書くかどうかで、近似の質が答案から読み取れる。
失点しやすい点
(1-3) で を落とすと が単位長さあたりの量でなくなる。また の刻みを と書いた場合は を使って に戻すこと。零点エネルギーは温度に依らないので比熱には効かないが、 そのものには効く。設問がこれを無視してよいと断っているので、そのまま落として構わない。
設問2 反強磁性的に結合した3つのスピン
方針
状態が8つしかないので、分配関数を定義どおりの和で書いてしまうのが最短である。表に与えられた「固有値とその縮退度、および各状態の 」だけで、2-1 から 2-3 まではすべて求まる。連続系のような積分や近似は一切要らない。
ゆらぎと応答の関係
と が可換なので、ゼーマン項を加えた系の分配関数は であり、 が厳密に成り立つ( で )。2-2 の結果を入れると で、 で 、 で となり、2-5 の近似計算と一致する。この関係を使うと、2-5 の後半の「理由」がゆらぎの言葉で一行に収まる。
と比熱の検算
は、 で (基底状態のエネルギー)、 で (上下の準位が等確率で )となり両極限とも正しい。比熱は で、 に山をもち両端でゼロになるショットキー型である。二準位系の比熱の標準的な形と一致する。
失点しやすい点
2-2 で表の を全スピンの大きさ と取り違えないこと。 の側は の2重項が2組なので が2つずつ現れ、 は含まれない。また 2-5 では、無視するのは の4状態であって、ゼーマン項による準位のずれ自体は の4状態の中で残す。ここを両方落とすと になってしまう。
解答
零点エネルギーを無視すると、波数 のモードは独立な調和振動子であり、そのエネルギー準位は ()である。1モードの分配関数は等比級数だから である。モードは互いに独立なので であり
である。 を で微分すると であるから
なので隣り合う の間隔は である。 を一定にしたまま とすると で となる。 の範囲 は に対応する(第一ブリルアンゾーン)から
を代入すると被積分関数は の偶関数だから と置くと 、 であるから 極低温 はまさに を意味する。被積分関数は で指数関数的に減衰するので、上限を に伸ばしてよい。切り捨てた寄与は で指数的に小さい。 積分公式 を用いて したがって であり、 の指数は である。
では、 の2つを数えて、単位長さあたりの状態密度は と に依らない定数になる。ボーズ分布は のモードを だけ励起するが、 のモードは で指数関数的に凍結する。つまり温度 で熱的に働くのは の範囲だけである。状態密度が定数なので、その範囲に入るモード数は単位長さあたり に比例し、1モードあたりのエネルギーは である。両者を掛けて 、微分して となる。一般に 次元では となるので であり、3次元のデバイ模型の 則がその例である。
エネルギー固有値は と の2つだけで、それぞれ4重に縮退している。したがって
の4状態の は なので 、 の4状態の はすべて なので である。よって 分子は と書けるので
3つのボンドは互いに等価なので である。ハミルトニアンの平均を取ると 比熱は だから となり、 は に比例する(比例係数は )。
では の4状態を無視してよい。残る4状態のエネルギーは で、 が2つ、 が2つである。よって であり したがって 自由な3つのスピンの の である。
理由は 2-2) の結果と直結している。 なので厳密に が成り立ち、帯磁率は のゆらぎの大きさで決まる。反強磁性的な結合は3つのスピンを全スピン の2重項に閉じ込め、 の状態を だけ上に押し上げる。低温ではこれらに熱的に到達できないので の取り得る値の広がりが狭まり、 は から へ に減る。帯磁率もそのまま に減る。
最終答
都立大 物理 院試 過去問の収録19年度
解析力学 / 電磁気学 / 量子力学
力学 / 電磁気学 / 量子力学
線形代数・微積分 / 強制振動 / 電磁気
複素積分 / ばね振動と波動 / 電磁気
数学 / 剛体の転がり / 静電ポテンシャル
偏微分方程式・留数積分 / 力学 / 電磁気学
数学:固有値問題・行列の指数関数・不定積分 / 力学:一様棒の物理振り子と回転軸の移動 / 電磁気学:直交電磁場中の荷電粒子とサイクロイド運動
数学:演算子の指数関数と留数定理による実積分 / 力学:ばねで連結された2質点と中空円板の制動 / 電磁気学:電流間の力・電磁波の横波性・点電荷系の遠方展開
数学:実対称行列の直交対角化と留数定理による実積分 / 力学:円板の物理振り子と周期を最小にする支点 / 電磁気学:点電荷の電場と接地導体面の鏡像法
数学:ベクトル解析・複素積分・行列の対角化と偏微分方程式 / 力学:単振り子と巻取り軸つき円板の落下 / 電磁気学:3点電荷の釣り合い・電流回路の磁場・RC回路の過渡応答
数学:複素数の方程式 <span class="katex"><span class="katex-mathml"><math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML"><semantics><mrow><mi>sin</mi><mo></mo><mi>z</mi><mo>=</mo><mn>2</mn></mrow><annotation encoding="application/x-tex">\sin z=2</annotation></semantics></math></span><span class="katex-html" aria-hidden="true"><span class="base"><span class="strut" style="height:0.6679em;"></span><span class="mop">sin</span><span class="mspace" style="margin-right:0.1667em;"></span><span class="mord mathnormal" style="margin-right:0.044em;">z</span><span class="mspace" style="margin-right:0.2778em;"></span><span class="mrel">=</span><span class="mspace" style="margin-right:0.2778em;"></span></span><span class="base"><span class="strut" style="height:0.6444em;"></span><span class="mord">2</span></span></span></span> と実対称行列の指数関数 / 力学:あらい斜面上を転がる円柱と滑りから転がりへの移行 / 電磁気学:平行板コンデンサの電荷配置と各領域の電場
数学:固有値・ベクトル解析・フーリエ余弦級数 / 力学:一様密度球の重力場と質点の運動 / 電磁気学:同軸ケーブルの静電容量と自己インダクタンス
数学:ラゲール多項式とパウリ行列の指数関数 / 力学:斜面を転がり落ちる剛体球 / 電磁気学:一様帯電球の静電エネルギーと円電流にはたらく力
数学:極座標変換によるガウス積分と拡散方程式の変数分離 / 力学:完全非弾性衝突後の単振動と斜面を転がる剛体 / 電磁気学:電気双極子と鏡像法、円電流と磁気双極子
数学:留数定理による定積分とパウリ行列の指数関数 / 力学:有効ポテンシャルによる円軌道の安定性と、強制振動・臨界減衰 / 電磁気学:一様磁場を出入りするループの落下と、球対称電荷分布の静電場
数学:複素積分と巡回行列の指数関数 / 力学:3質点・4ばね系の基準振動 / 電磁気学:導体球殻の静電場と円柱電流の磁場
数学:母関数・行列の固有値・定積分・微分方程式 / 力学:剛体の制動回転と円すい面上の質点 / 電磁気学:帯電円環板の静電場とRLC共振回路
2016年度 冬季(全5問)解答・最終答まで全文公開
数学:母関数・行列の固有値・本質的特異点まわりの積分 / 力学:バネにつながれた物体への衝突と、二軸に拘束された棒の運動 / 電磁気学:一様帯電球の電場と電位、回転する帯電球の磁束密度
2016年度 夏季(このページ・全5問)解答・最終答まで全文公開
数学:母関数・行列指数関数・境界値問題 / 力学:連結ばね・斜面の摩擦・滑車の回転 / 電磁気学:変位電流と共焦点回転楕円体導体