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東京都立大学 院試 過去問 解答例

都立大 理学研究科 物理学専攻 物理 2024年冬季 院試 解答例・解説

東京都立大学 理学研究科 物理学専攻 物理 2024年冬季の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 数学

検算

問1では E0E_011E1E_1 が一次式、E2E_2 が二次式になっており、母関数の係数として次数がそろっている。問2では A(425)=(281435)=7(425) A\begin{pmatrix}4\\2\\5\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}28\\14\\35\end{pmatrix} = 7\begin{pmatrix}4\\2\\5\end{pmatrix} となるので固有ベクトルの確認ができる。問3では 1/(2πi)1/(2\pi i) が前に付いているため、答えは積分値そのものではなく留数である。

典型ミス

問1で E2(x)E_2(x) を求めるとき、(logF)(\log F)'' の項を落とすと余分な定数 1/41/4 が残る。問2では行列が対称でないので、直交固有ベクトルを仮定しない。問3では時計回りと取り違えると符号が反転するが、本問の向きは反時計回りである。

試験答案で書くべき点

母関数では「Ek(x)=F(k)(0)E_k(x)=F^{(k)}(0)」という対応を明記する。固有値問題では特性多項式の因数分解と、最大固有値の固有ベクトルを長さ1に規格化する計算を省かない。複素積分では Laurent 展開の z1z^{-1} 係数を示してから留数定理に接続する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 剛体の転がり

検算

加速度は x¨=23gsinθ \ddot x=\frac{2}{3}g\sin\theta で、摩擦のない質点の gsinθg\sin\theta より小さい。重力の一部が回転エネルギーに回るため、この大小関係は自然である。また、エネルギーの和 MgLsinθMgL\sin\theta は長さ LL に比例し、エネルギーの次元を持つ。

典型ミス

摩擦力の向きを斜面下向きにしてしまうと、円板に転がりを作るトルクが得られない。本問の静止摩擦は斜面上向きに働き、並進加速度を小さくする。問3では静止摩擦があるからといって機械的エネルギーが失われるわけではない。滑らない転がりでは接触点が瞬間的に静止しているため、静止摩擦は仕事をしない。

試験答案で書くべき点

運動方程式 Mx¨=MgsinθfM\ddot x=Mg\sin\theta-f、回転の式 Iα=faI\alpha=fa、拘束条件 x¨=aα\ddot x=a\alpha の3本をそろえて書く。最後の摩擦条件では、必要摩擦力 ff と最大静止摩擦力 μMgcosθ\mu Mg\cos\theta を比較してから tanβ\tan\beta を出す。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 静電ポテンシャル

検算

k0k\to0 とすると ϕ=A/r\phi=A/r となり、電場は A/r2A/r^2 になる。このとき原点以外の電荷密度は0となり、通常の点電荷ポテンシャルに戻る。全体では原点の正電荷 qq と周囲の電荷 q-q が打ち消し、無限遠で十分速く減衰するポテンシャルと整合する。

典型ミス

2(1/r)\nabla^2(1/r) のデルタ関数を問3の r>0r>0 の計算に混ぜないこと。原点の点電荷は問2で別に取り出す。また、ρ\rho の符号は Poisson 方程式 2ϕ=ρ/ε0\nabla^2\phi=-\rho/\varepsilon_0 から決まり、負になる。

試験答案で書くべき点

問1では E=ϕ\boldsymbol E=-\nabla\phi から動径成分を求める。問2では球面積分 4πR2E(R)4\pi R^2E(R) を明示してから R0R\to0 を取る。問4では 4πr2dr4\pi r^2dr を忘れず、0rekrdr=1/k2\int_0^\infty re^{-kr}dr=1/k^2 まで示すとよい。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 調和振動子

検算

基底状態の波動関数は x=0x=0 を中心とする偶関数であるため、x=0\langle x\rangle=0 になることと整合する。また、指数の係数 mω/m\omega/\hbar1/長さ21/\text{長さ}^2 の次元を持つので、指数全体は無次元である。

典型ミス

a^\hat{a} の座標表示で ip^i\hat{p} を代入するとき、i(i)=+i(-i\hbar)=+\hbar になる点を落としやすい。また、[N^,a^][\hat{N},\hat{a}]+a^+\hat{a} ではなく a^-\hat{a} であり、a^\hat{a} は固有値を下げる演算子である。

試験答案で書くべき点

問1は任意の ψ(x)\psi(x) に作用させて計算すると減点されにくい。問4では固有値が下がる式だけでなく、λ1\lambda\ge1a^λ\hat{a}|\lambda\rangle が零ベクトルでないことをノルムで示すと答案として強い。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

5 — 熱力学

検算

張力が X=ATX=AT と温度に比例するため、温度一定で伸ばしたときの自由エネルギー増加は ATdLAT\,dL である。一方、エントロピー変化は AdL-A\,dL なので、F+TSF+TS では2つが打ち消し、内部エネルギーが LL に依らないという結果が確認できる。

典型ミス

通常の気体の dU=TdSpdVdU=T\,dS-p\,dV の符号をそのまま持ち込むと、本問では符号を誤る。ここでは問題文の仕事の定義に合わせて dU=TdS+XdLdU=T\,dS+X\,dL と書く。また、断熱を単に dT=0dT=0 としないこと。断熱可逆では dS=0dS=0 であり、そこから温度変化を求める。

試験答案で書くべき点

問3では Maxwell 関係を、問5では CL=T(ST)L C_L=T\left(\frac{\partial S}{\partial T}\right)_L を明示して符号を判定する。最後は正負だけでなく、(TL)S=AT/CL\left(\frac{\partial T}{\partial L}\right)_S=AT/C_L まで書くと説得力がある。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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