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静岡大学 院試 過去問 解答例

静岡大 総合科学技術研究科 理学専攻 数学コース 数学 2024年第1回募集 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。英語1問・線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは5件(二次形式・固有値・固有ベクトル・重積分と極座標)。2023年第2回募集と共通のテーマは固有値・固有ベクトル。

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解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

静岡大 数学 2024年第1回募集 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は英語1問・線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問英語英語による証明答案上の注意あり
第2問微分積分・解析解析—あり
第3問線形代数—答案上の注意あり
第4問—位相仮定の使い分けあり

この年度の解説には検算2件・典型ミス2件が付いています。

2024年第1回募集の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に5テーマが出ています。

前年度(2023年第2回募集)との違い

大問数
2023年第2回募集 4問 → 2024年第1回募集 4問
両年度に出たテーマ
固有値・固有ベクトル
2024年第1回募集で新しく出たテーマ
二次形式・重積分と極座標・正定値行列・直交対角化
2023年第2回募集のページを見る

第1問 — 英語による証明

方針

英語証明問題では、記号を避ける指定があるため、論理記号の羅列ではなく、自然文で「任意に取る」「十分大きく取る」「したがって」と書くのがよい。本文中の不等式は答案の明確化に必要なので使ってよい。

答案上の注意

Cauchy列の和では、同じ NN で2つの列を同時に制御するために最大値を取る。集合の問題では、等式そのものから一気に結論を書くのではなく、両包含を別々に示すと採点者に伝わりやすい。

検算

第(1)問では ε/2\varepsilon/2 と ε/2\varepsilon/2 に分けたため、最後は厳密に ε\varepsilon 未満になる。第(2)問では、X∪Y=X∩YX\cup Y=X\cap Y から X⊂X∩YX\subset X\cap Y を使う向きが重要で、X∩Y⊂XX\cap Y\subset X は常に真なので結論には使えない。

解答

(1)

Let (an)(a_n) and (bn)(b_n) be Cauchy sequences. Take any positive number ε\varepsilon. Since (an)(a_n) is Cauchy, there is an integer N1N_1 such that m,n≥N1⟹∣am−an∣<ε2. m,n\ge N_1 \quad\Longrightarrow\quad |a_m-a_n|<\frac{\varepsilon}{2}. Since (bn)(b_n) is also Cauchy, there is an integer N2N_2 such that m,n≥N2⟹∣bm−bn∣<ε2. m,n\ge N_2 \quad\Longrightarrow\quad |b_m-b_n|<\frac{\varepsilon}{2}. Put N=max⁡{N1,N2}N=\max\{N_1,N_2\}. If m,n≥Nm,n\ge N, then ∣(am+bm)−(an+bn)∣≤∣am−an∣+∣bm−bn∣<ε. |(a_m+b_m)-(a_n+b_n)| \le |a_m-a_n|+|b_m-b_n| <\varepsilon. Thus (an+bn)(a_n+b_n) is a Cauchy sequence.

Notice that the integer NN depends only on the prescribed tolerance ε\varepsilon, not on the later choices of mm and nn. This is the point that turns the estimate into the definition of a Cauchy sequence.

(2)

Assume that X∪Y=X∩YX\cup Y=X\cap Y. Since X⊂X∪YX\subset X\cup Y, we have X⊂X∩YX\subset X\cap Y. Hence every element of XX belongs to YY, so X⊂YX\subset Y. Similarly, since Y⊂X∪YY\subset X\cup Y, we have Y⊂X∩YY\subset X\cap Y, and therefore Y⊂XY\subset X. We have proved both inclusions, and hence X=YX=Y.

Conversely, if X=YX=Y, then clearly X∪Y=X=X∩YX\cup Y=X=X\cap Y. Therefore the given equality of union and intersection is equivalent to X=YX=Y.

最終答

(1) 三角不等式で和のCauchy性を示す。 (2) 両包含 X⊂YX\subset Y, Y⊂XY\subset X を示す。

第2問 — 解析

方針

第(1)問は中間値の定理を上限性質で証明する問題である。第(2)問は単調関数のリーマン可積分性の標準証明、第(4)問は円板上の積分なので極座標に直すのが自然である。

典型ミス

第(3)問では、陰関数の極値を求めるとき Fx=Fy=0F_x=F_y=0 だけでなく、元の曲面条件 F=0F=0 に戻して候補点を決める必要がある。また、候補点の値を並べるだけでは極大・極小の分類にならない。固定した zz に対して x,yx,y の二次形式を平方完成すると、z=7z=7 は上側の枝の底、z=−7z=-7 は下側の枝の頂点であることが見える。

解析の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 線形代数

方針

エルミート行列の核心は、ユニタリ対角化により直交座標で実固有値の重み付き平均に帰着できる点である。Rayleigh商は固有値の凸結合になるため、最小固有値と最大固有値の間に挟まれる。

答案上の注意

等号条件では「最小固有値以外の成分が消える」ことを明示する。第(4)問では、交差項の係数を半分にして対称行列へ入れるのではなく、uTBuu^{\mathsf T}Bu のオフ対角項が2倍で出ることを使って B12=−1B_{12}=-1, B23=−2B_{23}=-2, B13=1B_{13}=1 と置く。

検算

第(4)問の最大点候補では ∥(1,−1,1)∥2=3\|(1,-1,1)\|^2=3、最小点候補では ∥(0,1,1)∥2=2\|(0,1,1)\|^2=2 なので、正規化後は単位球面条件を満たす。また B(1,−1,1)T=4(1,−1,1)T,B(0,1,1)T=−(0,1,1)T B(1,-1,1)^{\mathsf T}=4(1,-1,1)^{\mathsf T},\qquad B(0,1,1)^{\mathsf T}=-(0,1,1)^{\mathsf T} を代入で確認でき、固有ベクトルの取り違えを防げる。

線形代数の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 位相

方針

閉包の定義で直接進めてもよいが、全小問で最も使いやすいのは「稠密集合は任意の空でない開集合と交わる」という同値条件である。積空間では基本開集合、連続写像では逆像、開写像では像を使う。

典型ミス

第(4)問では全射性が必要である。全射でないと、YY の空でない開集合でも逆像が空になり得る。第(5)問では連続性ではなく開写像性を使う。空でない開集合 UU の像 f(U)f(U) が空でない開集合になる、という流れを明記する。

仮定の使い分け

第(4)問は「YY の開集合を XX に引き戻す」ので連続性を使い、全射性で逆像が空でないことを保証する。第(5)問は「XX の開集合を YY に押し出す」ので開写像性を使う。両者を混同して、連続写像なら像が開になると書くのは誤りである。

位相の途中式・最終答をPDFで見る

静岡大 数学 院試 過去問の収録5年度