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静岡大学 院試 過去問 解答例

静岡大 総合科学技術研究科 理学専攻 数学コース 数学 2025年第2回募集 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。英語1問・線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは1件(重積分と極座標)。

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解説4問/全4問(2,646字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

静岡大 数学 2025年第2回募集 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は英語1問・線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問英語英語による証明英語証明で求められていること / (1) の要点あり
第2問微分積分・解析解析(1) 右微分は特別な近づき方にも効く / (2) Thomae 型関数の標準評価あり
第3問線形代数—annihilator の向き / 和と共通部分が入れ替わる理由あり
第4問—位相(1) 連結性は逆像で証明する / (2) 連続全単射でも連結性は反映しないあり

2025年第2回募集の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は1問に1テーマが出ています。

テーマこの年度全体の出題実績他大学の直近出題
重積分と極座標第2問23大学・142問

前年度(2025年第1回募集)との違い

大問数
2025年第1回募集 4問 → 2025年第2回募集 4問
2025年第2回募集で新しく出たテーマ
重積分と極座標
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第1問 — 英語による証明

英語証明で求められていること

この問題では論理記号を使わないことが条件なので、答案では ``for every'', ``assume'', ``there is'' などの通常の英文で量化を表す。 証明そのものは標準的で、(1) は数学的帰納法、(2) は収束の定義から 触点の定義を直接確認する。

(1) の要点

帰納法の計算では 7n+1−2(n+1)−1=7(7n−2n−1)+12n+4 7^{n+1}-2(n+1)-1 =7(7^n-2n-1)+12n+4 と、帰納法の仮定で割り切れる部分を明示するのが安全である。 合同式を使えば一行で済むが、英語証明として採点される場合は 「どの項が帰納法の仮定で処理されるか」を英文で述べる方がよい。

(2) の要点

距離空間で点 yy が集合 AA の触点であるとは、任意の半径の yy 中心の開球が AA と交わることをいう。ここで A={xn:n∈N}A=\{x_n:n\in\mathbb N\} とおけば、収束の定義により十分大きい 添字 NN で xNx_N はその開球に入る。yy 自身が列の値として 現れる必要はない。

英語による証明の途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — 解析

(1) 右微分は特別な近づき方にも効く

右微分可能とは、x↓0x\downarrow 0 として連続的に近づけたときの商の 極限が存在するということである。したがって、その中の特別な列 x=1/nx=1/n に沿った極限も同じ値になる。段階関数の細部よりも、 右端点で f(1/n)=anf(1/n)=a_n となることを見抜くのがこの小問の中心である。

(2) Thomae 型関数の標準評価

大きな値を取る点は、分母の小さい有理数に限られる。分母を MM 以下に制限すると有限個になり、その有限集合のまわりだけを 短い区間で覆えばよい。残りの点では関数値そのものが小さい。 この「有限個の悪い点を短い区間に閉じ込める」議論が、 Thomae 関数のリーマン積分可能性の標準手法である。

(3) ブロック三角行列

FF は yy 成分をそのまま残す写像なので、微分行列の右下には ImI_m、左下には 00 が現れる。上三角ブロック行列では、対角ブロック が正則なら全体も正則である。ここではその事実を、核が 00 である ことから直接確認している。

(4) 領域に合わせた変数変換

領域の条件が x+yx+y と x−yx-y で書かれているため、同じ量を新変数に 取ると長方形になる。ヤコビアンの絶対値が 1/21/2 であることを 落とすと答が2倍ずれるので注意する。

解析の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 線形代数

annihilator の向き

W⊥W^\perp は VV の部分集合から V∗V^* の部分集合を作る操作であり、 S⊥S^\perp は V∗V^* の部分集合から VV の部分集合を作る操作である。 どちらも「そこにあるすべての線形汎関数、またはすべてのベクトルを 消すもの」を集めている。記号は同じ ⊥\perp でも、属する空間が 入れ替わる点に注意する。

和と共通部分が入れ替わる理由

W1+W2W_1+W_2 上で 00 になることは、W1W_1 上でも W2W_2 上でも 00 になることと同値である。したがって annihilator を取ると 和が共通部分に変わる。これは線形代数で頻出する 「大きい部分空間ほど、それを消す汎関数は少ない」という反変性の 具体例である。

二重 annihilator と有限次元性

W⊂(W⊥)⊥W\subset (W^\perp)^\perp は定義から直ちに従う。逆向きでは、 WW の基底を VV の基底に延長し、WW の外側の座標を取り出す 座標汎関数を使う。これらの座標汎関数は WW を消すので W⊥W^\perp に属し、(W⊥)⊥(W^\perp)^\perp の元は外側の座標をすべて 持てない。有限次元性は、この「基底を延長して座標で分離する」 議論を保証するために使われている。

線形代数の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 位相

(1) 連結性は逆像で証明する

連続写像の定義は開集合の逆像について述べるので、連続像の連結性を 示すときは「像が分離された」と仮定し、その分離を逆像で引き戻す。 像側で分離が存在すれば、定義域側の連結集合にも分離が生じるため 矛盾する。

(2) 連続全単射でも連結性は反映しない

離散位相から通常位相への恒等写像は連続になりやすい。これは、 定義域側ではすべての集合が開なので、どの開集合の逆像も自動的に 開になるからである。連続全単射であっても、定義域の連結性が 値域に反映されるとは限らない。

(3) 閉包と一点付加

xx が AA の閉包に入るとは、xx のどの近傍も AA と交わること である。したがって AA に xx を1点だけ加えても、xx を AA から 開集合で切り離せない。逆に閉包に入らないなら、xx と AA を 近傍で分けられる。T1T_1 条件は一点集合 {x}\{x\} の補集合が開である ことを保証し、逆向きの分離を作るために使う。

(4) 連結部分集合だけでは位相を復元できない

Q\mathbb Q の通常相対位相では、任意の2つの有理数の間に無理数を 挟めるため、2点以上を含む部分集合はその無理数を境に分離できる。 したがって連結部分集合は一点集合だけである。この情報は離散位相と 同じなので、すべての部分集合の連結性を保っても、開集合の情報までは 決まらない。

(5) なぜ追加条件で同相性が出るか

追加条件は、XX の開集合を「連結な補集合を持つ開集合」で生成できる という基底条件である。補集合が連結な開集合 UU については、 (3) により「X−UX-U に x∈Ux\in U を加えると非連結になる」という性質で UU の各点を特徴づけられる。この性質は全ての部分集合の連結性保存で YY 側へ移るため、f(U)f(U) が開であることが分かる。基底の像が開なら 任意の開集合の像も開であり、連続全単射は同相写像になる。

位相の途中式・最終答をPDFで見る

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