東京大学 院試 過去問 解答例
東大 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 数理情報学 2023年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)
全5問。微分積分・解析1問。テーマタグは5件(固有値・固有ベクトル・留数定理・二次形式)。
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- 解説5問と大問1問の途中式・最終答(全5問)
- 解答PDFに収録
- 途中式と最終答(最終答つき5問)
- 問題本文
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東大 数理情報学 2023年度 院試 過去問の出題内容(全5問)
この5問の分野は微分積分・解析1問です。
| 大問 | 分野 | 主題 | 解説の小見出し | 最終答 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 微分積分・解析 | 指数核平均と連続極限 | — | あり |
| 第2問 | — | Lotka--Volterra型方程式と安定性 | 採点上の注意 | あり |
| 第3問 | — | 複素積分による台形公式誤差 | — | あり |
| 第4問 | — | 逆二乗正規変数と安定分布 | 採点上の注意 | あり |
| 第5問 | — | 疎な三値表現 | — | あり |
この年度の解説には検算2件・採点上の注意2件・典型ミス1件が付いています。
2023年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は3問に5テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 固有値・固有ベクトル | 第2問 | 25大学・544問 | |
| 留数定理 | 第3問 | 18大学・126問 | |
| 二次形式 | 第2問 | 16大学・63問 | |
| ラプラス変換 | 第4問 | 12大学・56問 | |
| 特性関数 | 第4問 | 6大学・12問 |
前年度(2021年度)との違い
- 大問数
- 2021年度 3問 → 2023年度 5問
第1問 — 指数核平均と連続極限
方針
核 は「距離が近いほど似ている」ことを表す正の類似度である。 第1問全体は、この類似度平均の逆数を使って、集合どうしのずれを測る問題として読むと見通しがよい。
検算
のとき、移動する区間 は参照区間 と一致する。 このとき最小になるという結論は直観にも合う。一方、 を大きく正または負に動かすと が指数的に小さくなり、積分は急に大きくなる。
第2問 — Lotka--Volterra型方程式と安定性
方針
平衡点では が成り立つので、非線形性の多くは の形に押し込められる。局所安定性を見るだけなら、 原点 での二次形式の符号を見れば十分である。
採点上の注意
の計算で が分母と打ち消える点を書かないと、なぜ単純な二次形式に落ちるのかが見えにくい。 また、最後の は正値であることも確認しておく必要がある。
第3問 — 複素積分による台形公式誤差
方針
等間隔台形公式の誤差は、単位根を極にもつ補助関数の留数として表せる。 正則性が単位円の外側まであるため、積分路を半径 に広げると が大きくなり、指数的な誤差評価が得られる。
典型ミス
留数の符号を間違えると の符号が反転する。単位円上の表示 と、 の導関数 を別々に確認すると安全である。
第4問 — 逆二乗正規変数と安定分布
方針
は右裾が非常に重い分布で、平均は存在しない。 そのため通常の や ではなく、 で割る安定なスケーリングが現れる。
採点上の注意
密度変換では と の二つの枝がある。 この二つを足すことで係数 が得られる。 片方だけにすると係数が半分になり、以降のラプラス変換も合わなくなる。
解答
(1)
なので である。 に対し、対応する は であり、 である。標準正規密度を と書くと、変数変換より では である。
(2)
ラプラス変換は である。標準積分 を に適用すると を得る。従って で
(3)
特性関数は、ラプラス変換を複素方向へ解析接続して と読める。主値の平方根を用いれば 実数 に対しては なので とまとめられる。ただし では とする。
(4)
が独立同分布であるから、 の特性関数は これは 自身の特性関数である。従って、実は各 ですでに同じ分布をもち、 特に で の分布へ収束する。
最終答
また は各 で と同分布であり、極限密度も上の である。
第5問 — 疎な三値表現
方針
これは暗号実装などで使われる non-adjacent form の基本性質である。 奇数のときに のどちらを選ぶかを で割った剰余で決めると、次の桁が必ず になり、非零桁が隣接しない。
検算
最初の数個は となる。隣接する非零桁を許せば と書けるが、疎な表現では として重みを同じか小さく保ちながら隣接を消す。
東大 数理情報学 院試 過去問の収録5年度
半正定値錐への射影 / ガウス行列の集中 / 平面力学系の不変領域と爆発
半正定値行列の真偽判定 / 相分離モデルとエネルギー / 密度の平均と中央値
直交Procrustes問題 / 加速勾配法のエネルギー評価 / 一方向三角多項式による近似
2023年度(このページ・全5問)
指数核平均と連続極限 / Lotka--Volterra型方程式と安定性 / 複素積分による台形公式誤差
基礎概念:凸最適化と双対性 / 研究計画:分布ロバスト学習 / 社会課題論述:感染症対策