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新潟大学 院試 過去問 解答例

新潟大 自然科学研究科 数理物質科学専攻 数理科学コース 数学 2023年度 第1回募集 院試 過去問 解答例・解説(全6問)

全6問。位相・幾何1問・線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは2件(固有値・固有ベクトル・群論・環論)。2022年度 第2回募集と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・群論・環論。

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解説6問/全6問(1,694字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき6問)
問題本文
非収録

新潟大 数学 2023年度 第1回募集 院試 過去問の出題内容(全6問)

この6問の分野は位相・幾何1問・線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
1微分積分・解析積分計算有理関数の処理 / Wallis 型の漸化式あり
2線形代数行列の累乗対角化できない場合の累乗 / 確認あり
3位相・幾何距離空間の連続性証明の組み方 / 近傍条件の読み替えあり
4共役類と交代群対称群の共役類 / 交代群で共役類が分裂する場合あり
5グラフの直径と半径中心を使う / 道 の添字あり
6線形計画法符号に注意する制約 / 双対による検算あり

2023年度 第1回募集の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に2テーマが出ています。

前年度(2022年度 第2回募集)との違い

大問数
2022年度 第2回募集 6問 → 2023年度 第1回募集 6
両年度に出たテーマ
固有値・固有ベクトル群論・環論
2022年度 第2回募集のページを見る

1 — 積分計算

有理関数の処理

2 次式の積分では,まず因数分解できるか,できなければ平方完成できるかを見る。 実数で一次因子に分かれる場合は部分分数分解,判別式が負になる場合は a2+u2a^2+u^2 型に直して逆正接関数に帰着する。

Wallis 型の漸化式

InI_n の計算では,sinnx=sinn1xsinx\sin^n x=\sin^{n-1}x\sin x と分けて sinxdx\sin x\,dx を微分しやすい形にするのが標準的である。 区間端点で sinx=0\sin x=0 となるため境界項が消える。この一点を明記すると, 漸化式の導出が答案として読みやすくなる。

積分計算の途中式・最終答をPDFで見る

2 — 行列の累乗

対角化できない場合の累乗

対角化できない行列でも,特性多項式から得られる関係式で累乗を下げられる。 この問題では A2EA^2-E が零でない冪零行列になっているため,二項展開が 1 次で止まる。Jordan 標準形を明示しなくても,同じ計算が行える。

確認

n=1,2n=1,2 を代入すると,表示した式はそれぞれ A,A2A,A^2 と一致する。 また偶数乗では左上成分が 11,奇数乗では 1-1 となり,固有値 1-1 の寄与も 正しく反映されている。

行列の累乗の途中式・最終答をPDFで見る

3 — 距離空間の連続性

証明の組み方

距離空間では,ε\varepsilon--δ\delta による連続性,点列による連続性, 開近傍による連続性が一致する。点列条件から ε\varepsilon--δ\delta 条件へ戻す部分だけは, 直接証明より対偶が自然である。

近傍条件の読み替え

(iii) は,f(a)f(a) の任意の開近傍 VV に対して,aa の近くを十分小さく取れば その像が VV に入る,という主張である。これは Uf1(V)U\subset f^{-1}(V) と書くと 逆像を使った位相的な連続性そのものになる。

距離空間の連続性の途中式・最終答をPDFで見る

4 — 共役類と交代群

対称群の共役類

SnS_n では型だけを見ればよい。型 1m12m2nmn1^{m_1}2^{m_2}\cdots n^{m_n} の元の個数は n!k=1nkmkmk! \frac{n!}{\prod_{k=1}^n k^{m_k}m_k!} で求められる。この公式を使うと,S4,S5S_4,S_5 の表の個数を機械的に確認できる。

交代群で共役類が分裂する場合

SnS_n の共役類を AnA_n に制限すると,そのまま一つの共役類になる場合と二つに分裂する場合がある。 判定の核心は「中心化群に奇置換があるか」である。 本問では A4A_4 の 3-cycle と A5A_5 の 5-cycle だけが,中心化群を偶置換だけで持つため分裂する。 最後の正規部分群の議論では,正規部分群が共役類の和集合になることと, その位数が群の位数を割ることを同時に使う。

共役類と交代群の途中式・最終答をPDFで見る

5 — グラフの直径と半径

中心を使う

半径は「最もよい基準点から見た最大距離」である。直径の上界を示すときは, 任意の 2 点を直接比べるのではなく,中心 cc を経由して三角不等式を使うと一行で済む。

PnP_n の添字

ここでは PnP_n が「辺数 nn の道」と指定されているため,頂点数は n+1n+1 である。 文献によっては PnP_nnn 頂点の道とすることがあるので,半径・直径の添字を 取り違えないようにする。

グラフの直径と半径の途中式・最終答をPDFで見る

6 — 線形計画法

符号に注意する制約

第 2 制約は右辺が負なので,余剰変数を入れたあとに式全体を 1-1 倍して 右辺を正にしている。この操作をしないと,初期基底解の可否を誤りやすい。

双対による検算

主問題の最小値と双対問題の最大値がともに 1010 で一致する。これは強双対性による 自然な検算であり,シンプレックス法で得た解が最適であることの確認にもなる。

線形計画法の途中式・最終答をPDFで見る

新潟大 数学 院試 過去問の収録12年度

  • 2023年度 第2回募集(全6問)

    逆正接関数 / 対角化 / ユニタリ群

  • 2023年度 第1回募集(このページ・全6問)

    積分計算 / 行列の累乗 / 距離空間の連続性

  • 2022年度 第2回募集(全6問)

    逆三角関数と積分 / 対称行列の直交対角化 / コンパクト集合と閉集合の和

  • 2022年度 第1回募集(全6問)

    楕円体の体積 / 2次行列の対角化 / 距離空間と同相写像

  • 2020年度 第2回募集(全6問)

    2変数関数の極値 / 対角化と行列の累乗 / HolderとMinkowskiの不等式

  • 2020年度 第1回募集(全6問)

    微分積分:2変数関数の偏導関数とヘッセ行列による極値判定 / 線形代数:対合行列の対角化と <span class="katex"><span class="katex-mathml"><math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML"><semantics><mrow><msup><mi>A</mi><mi>n</mi></msup></mrow><annotation encoding="application/x-tex">A^{n}</annotation></semantics></math></span><span class="katex-html" aria-hidden="true"><span class="base"><span class="strut" style="height:0.6833em;"></span><span class="mord"><span class="mord mathnormal">A</span><span class="msupsub"><span class="vlist-t"><span class="vlist-r"><span class="vlist" style="height:0.6644em;"><span style="top:-3.063em;margin-right:0.05em;"><span class="pstrut" style="height:2.7em;"></span><span class="sizing reset-size6 size3 mtight"><span class="mord mtight"><span class="mord mathnormal mtight">n</span></span></span></span></span></span></span></span></span></span></span></span> / 位相:閉包と連結性の保存

  • 2019年度 第2回募集(全6問)

    微分積分:原点の特異性を持つ広義積分の収束次元依存性 / 線形代数:対称・交代分解、逆行列、対角化可能性、多項式の固有値 / 距離空間:収束列・コーシー列・有界性・部分列

  • 2019年度 第1回募集(全6問)

    ガンマ関数とベータ関数 / ジョルダン標準形 / 極分解

  • 2018年度 第2回募集(全6問)

    微分積分:部分分数分解・広義積分の収束・極座標による重積分 / 線形代数:<span class="katex"><span class="katex-mathml"><math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML"><semantics><mrow><mn>4</mn><mo>×</mo><mn>4</mn></mrow><annotation encoding="application/x-tex">4\times4</annotation></semantics></math></span><span class="katex-html" aria-hidden="true"><span class="base"><span class="strut" style="height:0.7278em;vertical-align:-0.0833em;"></span><span class="mord">4</span><span class="mspace" style="margin-right:0.2222em;"></span><span class="mbin">×</span><span class="mspace" style="margin-right:0.2222em;"></span></span><span class="base"><span class="strut" style="height:0.6444em;"></span><span class="mord">4</span></span></span></span> 対称行列の行列式・固有値・直交対角化 / 位相:閉包の点列的でない特徴づけと連続写像による像の閉包

  • 2018年度 第1回募集(全6問)

    微分積分:逆正弦関数の冪級数展開と楕円体の切片の体積 / 線形代数:実対称行列の直交対角化と二次形式の標準形 / 複素解析:単位円上のハーディ内積とノルムの計算

  • 2017年度 第2回募集(全6問)

    線形代数:対角化・行列のべき・対角化可能性の判定 / 微分積分:平坦な関数の無限回微分可能性とガウス積分 / 微分方程式:接線の内分条件から定まる曲線

  • 2017年度 第1回募集(全6問)

    微分積分:三角形の山を持つ関数列と極限の交換 / 線形代数:べき等行列と直交行列の固有値 / 位相:コンパクト性と連続全単射が同相になる条件