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新潟大学 院試 過去問 解答例

新潟大 自然科学研究科 数理物質科学専攻 数理科学コース 数学 2020年度 第2回募集 院試 過去問 解答例・解説(全6問)

全6問。線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは2件(固有値・固有ベクトル・群論・環論)。

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解説6問/全6問(2,077字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき6問)
問題本文
非収録

新潟大 数学 2020年度 第2回募集 院試 過去問の出題内容(全6問)

この6問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
1微分積分・解析2変数関数の極値極値判定の要点 / 閉領域での最大・最小あり
2線形代数対角化と行列の累乗対角化できる理由 / 累乗計算あり
3HolderとMinkowskiの不等式証明の流れ / Minkowskiで割る量あり
4四元数群群の正体 / 部分群列挙の考え方あり
5空間曲線接線と接触平面 / 確認あり
6線形計画と双対図示の代わりに確認すべき点 / 相補性による検算あり

2020年度 第2回募集の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に2テーマが出ています。

前年度(2020年度 第1回募集)との違い

大問数
2020年度 第1回募集 6問 → 2020年度 第2回募集 6
2020年度 第1回募集のページを見る

1 — 2変数関数の極値

極値判定の要点

2変数関数では、まず勾配が消える点を求め、次にヘッセ行列で判定する。 判別式 Δ=fxxfyyfxy2\Delta=f_{xx}f_{yy}-f_{xy}^2 が負なら鞍点で、極値ではない。 この問題では (0,0)(0,0) が典型的な鞍点であり、ここを極値として数えないことが重要である。

閉領域での最大・最小

閉じた有界領域上の連続関数は最大値・最小値をもつ。候補は内部の停留点と境界上の1変数問題から出る。 境界では端点だけでなく、各辺に沿った微分が0になる点も調べる必要がある。 この確認を落とすと、最小値 842-8-4\sqrt2 を見逃しやすい。

2変数関数の極値の途中式・最終答をPDFで見る

2 — 対角化と行列の累乗

対角化できる理由

固有値がすべて異なるので、対応する固有ベクトルは一次独立である。 したがって固有ベクトルを列に並べた行列 PP は正則となり、対角化ができる。

累乗計算

行列の累乗を直接掛けるのではなく、対角化 A=PDP1 A=PDP^{-1} を使うと An=PDnP1 A^n=PD^nP^{-1} となる。対角行列の累乗は対角成分を累乗するだけなので、最終式まで機械的に進められる。

対角化と行列の累乗の途中式・最終答をPDFで見る

3 — HolderとMinkowskiの不等式

証明の流れ

この問題は YoungHolderMinkowski \text{Young} \Rightarrow \text{Holder} \Rightarrow \text{Minkowski} という標準的な流れをそのまま使うのが最も安定する。最初の1変数最小化で共役指数の関係が現れ、その正規化を使ってHolderを証明する。

Minkowskiで割る量

最後に Sp/qS^{p/q} で割るため、先に S=0S=0 の場合を分けておく必要がある。 この一言がないと、0で割る可能性が残る。入試答案ではこのような例外処理を短く書いておくと減点されにくい。

HolderとMinkowskiの不等式の途中式・最終答をPDFで見る

4 — 四元数群

群の正体

この群は四元数群 Q8Q_8 である。行列として出題されていても、積の関係 I2=J2=K2=E,IJ=K,JI=K I^2=J^2=K^2=-E,\quad IJ=K,\quad JI=-K を確認した後は Q8Q_8 の構造を使ってよい。

部分群列挙の考え方

位数8の群なので、部分群の位数は 1,2,4,81,2,4,8 に限られる。 位数2の元は E-E だけで、その他の非中心元は位数4である。 この情報だけで列挙がほぼ終わる。

四元数群の途中式・最終答をPDFで見る

5 — 空間曲線

接線と接触平面

空間曲線の接線方向は速度ベクトル p(t)\mathbf p'(t) で決まる。 接触平面は、曲線を2次まで近似したときの平面なので、通常は p(t)\mathbf p'(t)p(t)\mathbf p''(t) が張る平面を使う。

確認

p(2)\mathbf p'(2)p(2)\mathbf p''(2) は比例していないため、接触平面は一意に定まる。 法線ベクトルを外積で取れば、点 p(2)\mathbf p(2) を通る平面の式にすぐ変換できる。

空間曲線の途中式・最終答をPDFで見る

6 — 線形計画と双対

図示の代わりに確認すべき点

表示された3本の不等式だけで見ると、実行可能領域は下方向に非有界である。 ただし最大化なので、各 x1x_1 で許される x2x_2 の上限を追えばよい。 標準形の慣例として x1,x20x_1,x_2\ge0 も課す読み方をしても、最適点 (2,10)(2,10) と最適値 2626 は変わらない。

相補性による検算

主問題の最適点では第3制約に余裕があるため、対応する双対変数は y3=0y_3=0 になる。 また主変数が符号制約なしであるため、双対の2本の制約は等号で成り立つ。 y1+2y2=3,y1+y2=2 y_1+2y_2=3,\qquad y_1+y_2=2 から y1=y2=1y_1=y_2=1 が出る。シンプレックス計算の結果をこの相補性で検算できる。

符号制約の読み違いに注意

主変数に非負制約が明記されている問題なら,双対制約は等式ではなく 「\ge」型になる。今回は符号制約なしとして扱ったため等式にしている。 ただし非負制約を追加して読んでも最適点 (2,10)(2,10) は第1象限内にあり, 相補性から得られる双対解 (1,1,0)(1,1,0) も同じ最適値を与える。 採点答案では,どちらの標準形を採用したかを最初に一言書いておくと, 双対問題の不等号・等号の違いで減点されにくい。

線形計画と双対の途中式・最終答をPDFで見る

新潟大 数学 院試 過去問の収録12年度

  • 2023年度 第2回募集(全6問)

    逆正接関数 / 対角化 / ユニタリ群

  • 2023年度 第1回募集(全6問)

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  • 2022年度 第2回募集(全6問)

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  • 2022年度 第1回募集(全6問)

    楕円体の体積 / 2次行列の対角化 / 距離空間と同相写像

  • 2020年度 第2回募集(このページ・全6問)

    2変数関数の極値 / 対角化と行列の累乗 / HolderとMinkowskiの不等式

  • 2020年度 第1回募集(全6問)

    微分積分:2変数関数の偏導関数とヘッセ行列による極値判定 / 線形代数:対合行列の対角化と <span class="katex"><span class="katex-mathml"><math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML"><semantics><mrow><msup><mi>A</mi><mi>n</mi></msup></mrow><annotation encoding="application/x-tex">A^{n}</annotation></semantics></math></span><span class="katex-html" aria-hidden="true"><span class="base"><span class="strut" style="height:0.6833em;"></span><span class="mord"><span class="mord mathnormal">A</span><span class="msupsub"><span class="vlist-t"><span class="vlist-r"><span class="vlist" style="height:0.6644em;"><span style="top:-3.063em;margin-right:0.05em;"><span class="pstrut" style="height:2.7em;"></span><span class="sizing reset-size6 size3 mtight"><span class="mord mtight"><span class="mord mathnormal mtight">n</span></span></span></span></span></span></span></span></span></span></span></span> / 位相:閉包と連結性の保存

  • 2019年度 第2回募集(全6問)

    微分積分:原点の特異性を持つ広義積分の収束次元依存性 / 線形代数:対称・交代分解、逆行列、対角化可能性、多項式の固有値 / 距離空間:収束列・コーシー列・有界性・部分列

  • 2019年度 第1回募集(全6問)

    ガンマ関数とベータ関数 / ジョルダン標準形 / 極分解

  • 2018年度 第2回募集(全6問)

    微分積分:部分分数分解・広義積分の収束・極座標による重積分 / 線形代数:<span class="katex"><span class="katex-mathml"><math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML"><semantics><mrow><mn>4</mn><mo>×</mo><mn>4</mn></mrow><annotation encoding="application/x-tex">4\times4</annotation></semantics></math></span><span class="katex-html" aria-hidden="true"><span class="base"><span class="strut" style="height:0.7278em;vertical-align:-0.0833em;"></span><span class="mord">4</span><span class="mspace" style="margin-right:0.2222em;"></span><span class="mbin">×</span><span class="mspace" style="margin-right:0.2222em;"></span></span><span class="base"><span class="strut" style="height:0.6444em;"></span><span class="mord">4</span></span></span></span> 対称行列の行列式・固有値・直交対角化 / 位相:閉包の点列的でない特徴づけと連続写像による像の閉包

  • 2018年度 第1回募集(全6問)

    微分積分:逆正弦関数の冪級数展開と楕円体の切片の体積 / 線形代数:実対称行列の直交対角化と二次形式の標準形 / 複素解析:単位円上のハーディ内積とノルムの計算

  • 2017年度 第2回募集(全6問)

    線形代数:対角化・行列のべき・対角化可能性の判定 / 微分積分:平坦な関数の無限回微分可能性とガウス積分 / 微分方程式:接線の内分条件から定まる曲線

  • 2017年度 第1回募集(全6問)

    微分積分:三角形の山を持つ関数列と極限の交換 / 線形代数:べき等行列と直交行列の固有値 / 位相:コンパクト性と連続全単射が同相になる条件