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東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 工学院 電気電子系 電気電子系 専門科目 2019年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。電磁気学・回路2問・数学1問・量子力学1問。テーマタグは6件(固有値・固有ベクトル・フーリエ変換・静電場)。

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解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

東京科学大 電気電子系 専門科目 2019年度 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は電磁気学・回路2問・数学1問・量子力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問数学——あり
第2問電磁気学・回路電磁気学—あり
第3問電磁気学・回路電気回路—あり
第4問量子力学量子力学/物性基礎—あり

この年度の解説には検算4件・試験で書くべきポイント2件・典型ミス2件が付いています。

2019年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は4問に6テーマが出ています。

第1問 — 数学

方針

前半はフーリエ変換の基本性質を、定義式から符号を確認して並べる問題である。特に e−jωte^{-j\omega t} の定義を使っているため、周波数シフトの符号を逆にしないことが重要である。

検算

時間を aa 倍に縮めると周波数幅は aa 倍に広がり、係数は面積保存のため 1/a1/a になる。余弦変調で ±ω0\pm\omega_0 に側帯が出ることも、通信・信号処理の直観と一致する。

典型ミス

同次形の微分方程式では、平行移動後の k,mk,m に対して dm/dk=dy/dxdm/dk=dy/dx である点を先に確認する。u=m/ku=m/k と置いたあと dm/dk=u+k du/dkdm/dk=u+k\,du/dk を落とすと、以後の分離式がすべてずれる。

解答

フーリエ変換

フーリエ変換を F(ω)=∫−∞∞f(t)e−jωt dt F(\omega)=\int_{-\infty}^{\infty} f(t)e^{-j\omega t}\,dt で定義する。実関数 f(t)f(t) に対しては F(−ω)=F(ω)‾ F(-\omega)=\overline{F(\omega)} であるから、実部 R(ω)R(\omega) と絶対値 ∣F(ω)∣|F(\omega)| は偶関数、虚部 X(ω)X(\omega) と位相 φ(ω)\varphi(\omega) は奇関数である。

F[f(at)](ω)=1aF ⁣(ωa)(a>0),F[f(t−t0)](ω)=e−jωt0F(ω),F[f′(t)](ω)=jωF(ω),F[f(t)e−jω0t](ω)=F(ω+ω0),F[f(t)cos⁡ω0t](ω)=12{F(ω−ω0)+F(ω+ω0)}. \begin{aligned} \mathcal F[f(at)](\omega)&=\frac1a F\!\left(\frac{\omega}{a}\right)\qquad(a>0),\\ \mathcal F[f(t-t_0)](\omega)&=e^{-j\omega t_0}F(\omega),\\ \mathcal F[f'(t)](\omega)&=j\omega F(\omega),\\ \mathcal F[f(t)e^{-j\omega_0t}](\omega)&=F(\omega+\omega_0),\\ \mathcal F[f(t)\cos\omega_0t](\omega) &=\frac12\{F(\omega-\omega_0)+F(\omega+\omega_0)\}. \end{aligned} 微分公式は部分積分により ∫f′(t)e−jωt dt=[f(t)e−jωt]−∞∞+jω∫f(t)e−jωt dt \int f'(t)e^{-j\omega t}\,dt =\left[f(t)e^{-j\omega t}\right]_{-\infty}^{\infty} +j\omega\int f(t)e^{-j\omega t}\,dt となる。絶対積分可能で端の寄与が消えると見れば jωF(ω)j\omega F(\omega) が得られる。

余弦を掛けた信号は、周波数軸で元のスペクトルを ±ω0\pm\omega_0 へ半分ずつ平行移動したものになる。したがって ω≥0\omega\ge 0 では、ω0\omega_0 を中心とする左右の側帯、すなわちおおよそ ω0−ω2≤ω≤ω0−ω1,ω0+ω1≤ω≤ω0+ω2 \omega_0-\omega_2\le \omega\le \omega_0-\omega_1,\qquad \omega_0+\omega_1\le \omega\le \omega_0+\omega_2 に山が現れる。

不定積分

∫dxx2+4=12tan⁡−1x2+C,∫4xx2+1 dx=2log⁡(x2+1)+C. \int\frac{dx}{x^2+4}=\frac12\tan^{-1}\frac{x}{2}+C,\qquad \int\frac{4x}{x^2+1}\,dx=2\log(x^2+1)+C.

同次形に直す微分方程式

定数項を消すため k=x−a,m=y−b k=x-a,\qquad m=y-b とおく。分子・分母の定数項を同時にゼロにする条件は 3a+2b−4=0,2a−3b+6=0 3a+2b-4=0,\qquad 2a-3b+6=0 であり、したがって a=0,b=2. a=0,\qquad b=2. このとき dmdk=3k+2m2k−3m. \frac{dm}{dk}=\frac{3k+2m}{2k-3m}. u=m/ku=m/k とおくと m=ukm=uk なので dmdk=u+kdudk. \frac{dm}{dk}=u+k\frac{du}{dk}. これを代入して整理すると kdudk=3+2u2−3u−u=3(1+u2)2−3u. k\frac{du}{dk} =\frac{3+2u}{2-3u}-u =\frac{3(1+u^2)}{2-3u}. よって、問題の記号に合わせて dudk=ED,E=3k,D=2−3u1+u2. \frac{du}{dk}=\frac{E}{D},\qquad E=\frac3k,\qquad D=\frac{2-3u}{1+u^2}. 分離して積分すれば ∫2−3u1+u2 du=∫3k dk \int\frac{2-3u}{1+u^2}\,du =\int\frac3k\,dk より 2tan⁡−1u−32log⁡(1+u2)−3log⁡k+C=0. 2\tan^{-1}u-\frac32\log(1+u^2)-3\log k+C=0. したがって F(u)=2tan⁡−1u−32log⁡(1+u2). F(u)=2\tan^{-1}u-\frac32\log(1+u^2). 初期条件 x=1, y=2x=1,\ y=2 では k=1, u=0k=1,\ u=0 なので定数はゼロに取れる。u=(y−2)/xu=(y-2)/x を戻し、両辺を2倍すると 4tan⁡−1 ⁣(y−2x)−3log⁡ ⁣{x2+(y−2)2}=0. 4\tan^{-1}\!\left(\frac{y-2}{x}\right) -3\log\!\{x^2+(y-2)^2\}=0. したがって G=y−2x,H=x2+(y−2)2. G=\frac{y-2}{x},\qquad H=x^2+(y-2)^2.

最終答

フーリエ変換では、実部・絶対値は偶、虚部・位相は奇。微分方程式は a=0, b=2a=0,\ b=2、F=2tan⁡−1u−32log⁡(1+u2)F=2\tan^{-1}u-\frac32\log(1+u^2)、初期条件下で 4tan⁡−1y−2x−3log⁡{x2+(y−2)2}=04\tan^{-1}\frac{y-2}{x}-3\log\{x^2+(y-2)^2\}=0。

第2問 — 電磁気学

方針

球状電荷分布はガウスの法則、円電流はビオ・サバールの法則、環状コイルはアンペールの法則を使う。いずれも対称性を先に書くと、どの成分が残るかが明確になる。

検算

一様球内部では E∝rE\propto r となり中心でゼロ、外部では点電荷と同じ E∝r−2E\propto r^{-2} になる。電位は r=ar=a で内外が一致し、微分して −dV/dr=E-dV/dr=E が戻る。

試験で書くべきポイント

くり抜き球の問題は「全体の一様球」から「負の電荷密度を持つ小球」を重ねるのが最短である。直接積分しようとすると時間を失いやすい。環状コイルでは、Φ\Phi は1回巻きに鎖交する磁束で、インダクタンスには巻数 NN がもう一度掛かる点に注意する。

電磁気学の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 電気回路

方針

前半は一次遅れ回路の初期値接続、後半は理想オペアンプの仮想短絡を使う。いずれも図を丸写しせず、節点方程式を一つ書けば答案として十分に追える。

検算

二段ステップで a=RClog⁡2a=RC\log2 のとき vc(a)=Vv_c(a)=V となるため、後段で電流が流れない。電源供給エネルギー 2CV22CV^2 は、抵抗損失 3CV2/23CV^2/2 と最終蓄積エネルギー CV2/2CV^2/2 の和に等しい。

典型ミス

オペアンプ回路では、入力端子に電流が流れないことと、負帰還時に入力端子電圧が等しいことを混同しない。電流がゼロなのはオペアンプ入力であり、帰還素子や入力抵抗には電流が流れる。

電気回路の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 量子力学/物性基礎

方針

有限井戸では「振動解」と「減衰解」の接続条件を立てる。左側が無限壁なので sin⁡\sin 解だけが残り、右側は発散する指数関数を捨てる。この2点を書けば、固有値条件まで一直線に進める。

検算

E→0−E\to 0^- では k2→0k_2\to0 となり、外側へのしみ出しが大きくなる。E→−U0E\to -U_0 では k1→0k_1\to0 で井戸内の振動が消える。得られた k1,k2k_1,k_2 はこの極限挙動と合っている。

試験で書くべきポイント

半導体の積分では x=EV−Ex=E_V-E と置くと、上限 EVE_V が x=0x=0 に変わる。指数の符号を誤ると発散積分になるので、ボルツマン近似の符号を必ず確認する。

量子力学/物性基礎の途中式・最終答をPDFで見る

東京科学大 電気電子系 専門科目 院試 過去問の収録5年度