東京科学大学 院試 過去問 解答例
東京科学大 工学院 電気電子系 電気電子系 専門科目 2019年度 院試 解答例・解説
東京科学大学 工学院 電気電子系 電気電子系 専門科目 2019年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 数学
方針
前半はフーリエ変換の基本性質を、定義式から符号を確認して並べる問題である。特に の定義を使っているため、周波数シフトの符号を逆にしないことが重要である。
検算
時間を 倍に縮めると周波数幅は 倍に広がり、係数は面積保存のため になる。余弦変調で に側帯が出ることも、通信・信号処理の直観と一致する。
典型ミス
同次形の微分方程式では、平行移動後の に対して である点を先に確認する。 と置いたあと を落とすと、以後の分離式がすべてずれる。
第2問 — 電磁気学
方針
球状電荷分布はガウスの法則、円電流はビオ・サバールの法則、環状コイルはアンペールの法則を使う。いずれも対称性を先に書くと、どの成分が残るかが明確になる。
検算
一様球内部では となり中心でゼロ、外部では点電荷と同じ になる。電位は で内外が一致し、微分して が戻る。
試験で書くべきポイント
くり抜き球の問題は「全体の一様球」から「負の電荷密度を持つ小球」を重ねるのが最短である。直接積分しようとすると時間を失いやすい。環状コイルでは、 は1回巻きに鎖交する磁束で、インダクタンスには巻数 がもう一度掛かる点に注意する。
第3問 — 電気回路
方針
前半は一次遅れ回路の初期値接続、後半は理想オペアンプの仮想短絡を使う。いずれも図を丸写しせず、節点方程式を一つ書けば答案として十分に追える。
検算
二段ステップで のとき となるため、後段で電流が流れない。電源供給エネルギー は、抵抗損失 と最終蓄積エネルギー の和に等しい。
典型ミス
オペアンプ回路では、入力端子に電流が流れないことと、負帰還時に入力端子電圧が等しいことを混同しない。電流がゼロなのはオペアンプ入力であり、帰還素子や入力抵抗には電流が流れる。
第4問 — 量子力学/物性基礎
方針
有限井戸では「振動解」と「減衰解」の接続条件を立てる。左側が無限壁なので 解だけが残り、右側は発散する指数関数を捨てる。この2点を書けば、固有値条件まで一直線に進める。
検算
では となり、外側へのしみ出しが大きくなる。 では で井戸内の振動が消える。得られた はこの極限挙動と合っている。
試験で書くべきポイント
半導体の積分では と置くと、上限 が に変わる。指数の符号を誤ると発散積分になるので、ボルツマン近似の符号を必ず確認する。